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2017秋アニメ 3月のライオン 第2シリーズ  


■3月のライオン 第2シリーズ http://3lion-anime.com/

高校生プロ棋士・桐山零(キリヤマレイ)は不幸な生い立ちから孤独に苦しみ自分の居場所を渇望していたが、地元三月町に住む川本家三姉妹との交流や高校の担任教師林田と設立した将棋部の活動、さらに先輩プロ棋士島田主催の研究会参加などを通じて少しずつ心境が変化しつつあった。そんな折、川本家次女ひなたの通う中学校のクラスで深刻ないじめ問題が発生する。

というような話でした。新房昭之監督/制作シャフト。


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この作品のユニークなところを挙げるとするなら、主人公が天才少年棋士でありながら対局を通じて成功や自己実現したり問題解決していくような物語ではないところでしょうか。
主人公桐山は将棋以外にこれといった取り柄がないのですが、義姉をたぶらかす後藤を対局でぎゃふんといわせようとしては直前で島田に足を掬われ挫折し、いじめに苦しむひなたと川本家を助けるべく対局料を稼ごうとして空回りするなど、天才棋士なのに将棋で何かしようとすると大抵失敗する。将棋はコミュニケーションツールとして描かれるのみで、桐山が対局によって何かを獲得したり成長したりすることはない。

第2シリーズの大半がひなたの抱えるいじめ問題の経過と解決に費やされるわけですが、この問題を解決するのは学年主任の男性教師・国分(立木文彦)であって桐山ではない。この問題に将棋は直接関係がなく、主人公も役に立っておらず、何のために用意されたエピソードなのかがわかりづらい面があります。実際のところいじめ問題の解決によって救われるのはひなたではなく桐山のほうであるという見方すら可能です。


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この作品で一貫して語られるテーマは、「人は常にほかの誰かによって支えられている」ということですかね。
いじめ問題を相談する過程で桐山と林田先生との関係が強化され、これが将科部設立につながり、部活動を通じて桐山の表情が明るくなると、それを見たひなたが不安だった進学を決意する。そのひなたの勉強の面倒を桐山が見ることになり、彼女を心配させないため普段の対局が丁寧になり、桐山の棋力がアップすると。一見して関わりのなさそうな中学校のいじめ問題が棋士に成長をもたらしている。
誰かを支えたい、または失望させたくない、という強い動機があって、必要に迫られて精神に筋肉がついていく。これは桐山に限らず、どのキャラクターの描かれ方にも共通していますね。


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桐山以外の登場人物の挿話ても、ほとんどの場合「その人を支える別の人」がセットで描かれる。


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高木母子の場合。高木母は身勝手な感情を外に吐き出すことで自他のバランスを維持してる、普段その悪意は主に娘が受け止めているのは容易に想像がつく。そのため娘は膨大なストレスのはけ口を求め外部に強く依存していた。ネガティブな感情によって支え合う不幸なケース、これは幸田家のあり方に近いもので、川本家とは対極にある親子関係です。
高木は終始捻くれた態度だが、国分先生がもう構ってくれなくなると急に不安そうな顔を見せたりする。彼女は母親との関係において自分が担当している「感情の受け止め役」を自分でも必要としてるわけです。


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一応の問題解決の後も、国分が高木を見捨てたりしないのは良いですね。母性的な地に足の着いた作劇。いかにも女性作家という感じ。高木なんか死ねばいいとみんな思ってるんだけど、国分先生だけは最後まで彼女を何とかしようとする。この先生の姿には、むしろ視聴者のほうが救われますね。
僕はちょっと文豪ストレイドッグスでの泉鏡花を最後まで見捨てない中島を思い出したりしたんですが、考えてみればあの作品は男性作家によるものだったかな。




#10
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これは撮影さん頑張ってる。照明が氷で乱反射して液体の濃淡が変わるっていう発想





#04
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これが玉川真吾さんかぁー。超上手いですね。全体からはちょっと浮いてる気もするけど。
タイミング変則的で面白い。物量から見て2原は撒いているでしょうけど

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#04はわりと作画祭り回。最近注目の杉田柊(ニューゲームOP)、藤井俊郎(18ifの03話)。守岡さんに阿部さんもいる。
阿部厳一朗さんは、何というかすぐ↓わかりますね。

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デスマーチ#08 ドリーズーム  

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■デスマーチから始まる異世界狂騒曲 #08 (2018) http://deathma-anime.com/

「トラザユーヤの揺り篭」内外
大判のBGにメッシュワープ的なツールで歪みを入れたデジタルT.Bなのかなこれは。
下はBGを上手くつないでごまかしてるけど、上は密度的に1枚絵ではないだろうし3DCGかもしれない
どっちもよくできてますねこれ。窓からの採光とかも凝ってる。


デスマーチ、作品全体については特に言及したい内容はなかった。
WUGによるフォークロア調のED主題歌「スキノスキル」が良曲でした。


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Quand J’ai Remplacé Camille (字幕)  


Quand J’ai Remplacé Camille, (2017)

英語題「When I Replaced Camille」/これは「私がカミーユと交代した時」と訳していいのかな。
なんか連続だとアレなんですが「あの水泳のやつも訳せよ」との要望があり、せっかくなんで訳して紹介しますね。水作画好きやし。
死亡した選手の交代要員としてトップチームに参加した選手の苦悩と憔悴を描いた作品。これもフランスのアニメーション学校ゴブラン(GOBELINS l’école de l’image)の学生さんたちによるもの。

未確認なんですが、作品をご覧になった井上俊之さんがイベントか何かで?絶賛なさったそうで。カリスマに褒められるなんて凄いじゃないですか。僕は絵柄や各処理が若干好みじゃないせいもあり正直そこまで?という気がしなくもないんですけど。当然ながらこれはプロの評価のほうが圧倒的に優先でしょう。

でもクライマックスの緊張感や夜のプールを襲う色彩イメージは強烈。3コマ作画、カラーパレット少な目で塗りもフラット、しかし受ける印象はスピード感あり立体的でダイナミック、一方でこれは繊細な心理ドラマでもあり、人が極限のプレッシャーに追い込まれる過程を数分に詰め込む演出力と、見る者の精神を揺さぶる共感力は大したものと思いますね。これを学生さんが作るのか。すげえなフランス。


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①ネイサン・オタノ Nathan Otaño 共同監督 (メインキャラクター作画)
②アルチュ・デアレイン Arthur Dairaine BGM作曲
③レミ・クラーク Rémy Clarke、共同監督 (作画、ペインティング)
④レイラ・コーチロン Leïla Courtillon、共同監督 (美術、デザイン、レイアウト、脚本)
⑤ロマン・ゴティエ Romain Gauthier、EDモーションデザイン

画像はFBより拝借 https://www.facebook.com/QJRCamille/


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