大匙屋

健康第一

GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO- への不安  

キャスティング協力・ネルケプランニングとある。

ネルケは日本芸能マネージメント事業者協会(マネ協)に所属しない製作事業者で
小劇団などの公演制作・プロデュースを主な事業としているが
旭通信社系子会社の日本アドシステムズでプロデューサーだった片岡義朗氏が
ネルケ所属の三ツ矢雄二氏とかねてより友人関係にあり、
片岡氏が2000年から㈱マーベラスに移り、以降マーベラス作品のキャスティング協力も
ネルケが行なうようになっている。
片岡氏は現在アートランドの代表取締役であるから
アートランドのマーベラス子会社化にともない、ネルケの協力が
アートランド作品にも及ぶことになったということだろう。

背景には日本俳優連合らの活動による90年代以降の声優のギャランティ上昇があり
(キャリアを考慮したランク制導入。「ドラえもん」CV全面刷新の原因といわれる)
ネルケはこの団体協定などに一切参加していないため
出演声優のギャランティ等を製作サイドで独自に算定でき、
結果的に制作費が安上がりになる。

協定に参加している大手事務所は、所属声優に対しネルケ関連の
作品への参加を推奨していないため、ネルケが絡めば自然と
無名の舞台俳優やグラドル、新人などの比率が高くなる。
大物声優や売れっ子、ベテランや中堅処はあまり参加できなくなるというわけだ。
ガンスリ2期には子安武人氏が参加しているが、
子安氏は最近独立して個人事務所を立ち上げたので
日本芸能マネージメント事業者協会(マネ協)の縛りがない。

ガンスリは特に、製作委員会などのファンド形式を採らない単独製作であるため
けっきょく制作予算の関係から、今回のような無名の若手声優中心のキャスティングに
なったのかもしれない。
業界関連のより詳しい事情についてはこちらなどを



というわけで第01話を見た。


「この人は私のお兄さん。でも本当の兄妹じゃないの」

「私はこの人にもっと近づきたいけど」

その他登場人物による設定説明、モノローグの多用・・・

設定や状況をセリフで説明してしまうのは
やはり脚本家ではなく原作者の漫画家が脚本を書いているため
動画的な文法への信頼が為されていないということだろうか。

絵柄が変わってしまったとか、色彩に重厚さがないとか
レイアウトや作画が不出来とかより以前に、
舞台設定における社会状況の深刻さや、義体のメンタリティ描写など
前作をただの美少女ガンアクションアニメとは一線を画すものに
仕立てていた一切が端から放棄されており、
それこそ真下耕一的な明るいガン&アクションを
原作者はひたすら展開したい、ということなのかもしれない。

ただヘンリエッタを始めとする義体によるモノローグというのは諸刃の剣で、
視聴者に対して徒に義体側の意識との同調を促す結果を招く。
それは義体という存在が抱えている根本的な不条理さや
状況を客観視する観客の立ち位置をブレさせ、我々が堅持すべき
ジョゼを含む公社側に対するある種の人道主義的な批判意識をも阻害する。
簡単に言えば「萌え」で終わってしまうことになりかねない。

生身の人間ではない「義体」と、視聴者を含む「人間」との間には
必ずある程度の、そして絶望的な精神的距離が必要不可欠であり
我々はうしろからちょこちょこと着いてきて我々を見上げているヘンリエッタの瞳に
憐憫と尊敬と、そして畏怖とを抱かなければならない。
決して彼女らの目線に立って、その意識に易々と同調すべきではないのだ。

受け取り方は千差万別であるとは思うが
僕にはこれが2期の致命的な欠陥となる気がしてならない。


ヘンリエッタの度を越したヤンデレ化もかなり気になる。
あるいはこれはディオニュソス的な悲劇が展開される前フリなのだろうか。

天下の公道でベスパに2人乗りした少女が機関銃を撃ちまくるのは
社会福祉公社の機密性等を鑑みると妥当性を持つ行動なのだろうか。

要するに甚だ不安な滑り出し、と言うしかない。





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