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大匙屋

聞かせてもらうぞこの世界の謎を

空の青さを知る人よ (2019年)  


■空の青さを知る人よ (2019年)
監督 長井龍雪
脚本 岡田麿里
原作 超平和バスターズ

キャッチコピーは「これは、せつなくてふしぎな、二度目の初恋の物語」

田舎町で暮らす高三・相生あおい。13年前に両親が他界、当時高三の姉あかねは恋人・慎之介との上京を断念し地元に就職、幼い妹を一人で育て上げた。自分のために多くのことを諦めた姉に対し、妹あおいは負い目を強く感じている。
そんな折、町興し音楽祭に招かれた大物演歌歌手のバックミュージシャンとして、音信不通になっていた慎之介が帰郷。それとほぼ同時に、まだあかねと別れる前の高校生の慎之介が、13年前の過去から時を超えてあおいの前に現れた…。

というような話でした。例の劇場用アニメ・秩父ファンタジー三部作の三本目。
これもリクエスト案件です。filmarksのレビューでよく飛行シーンが叩かれてる、とのことなので、どれどれ…と見てきました。


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なるほど。

映画レビューサイト、ことにフィルマークスはそうですが、年若い(と思しき)方々のエモーショナルな論評が多数あって僕はあまり利用しません。お若い方々が映画やアニメを見て自由に語らうのは大賛成ですけども。

くだんの「空の青さを知る人よ」には2500件ほどのレビューがついてて(凄いな)、体感で10数件に1件くらいの割合で飛行シーンへの言及があるようでした。中には肯定意見も少数あるものの、大多数は違和感の表明のようです。映画.comやYahoo映画などでもおおむね似たような状況ですね。

面白いです。例えば「千と千尋」「天気の子」などにも主役カップルの飛行シーンがありますが叩かれることはないですよね。「トトロ」のクライマックスの猫バス疾走に「やりすぎ」だの「飛ばなくていい」だのコメントする人は皆無でしょう。なのに「空の青さを知る人よ」のシーンは叩かれる。不思議です。「ソレは違うだろう」と多くの人に思わせる、何か明確なルール違反が作中にあるってことでしょうね。

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(予告編からの画像)

PVでもう二人は飛んでますから、あらかじめ彼らが飛ぶのはわかってて、それでも見た人が飛ぶべきじゃなかったと表明せずににいられないほどの違和感を感じてるわけです。「最後にライブシーンが無いのが残念」という意見も多かったので、盛り上がるはずのシーンが予測と違ってたのかもしれない。(最後のライブってつまり新渡戸団吉の演歌コンサートですよね。そんなの見たいかな?)

しんの(生霊?)がお堂から出られない、ということが序盤・中盤の厳格なルールとしてあって、あのファンタジー現象がお堂内部というあくまで限定区画だけのもので、他はすべてリアルな現実だと思って見ていたから、終盤での急なルール破棄に戸惑ったということかな。しんのが飛んで行って、あかねは早期に助かったけど、作中で登場人物たちが抱え込んでいた問題の解決にあの飛行が実効性を持っていたのか、物語的に必然だったのか判然としない・・・といったところでしょうか?

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この作品が「結局何を伝えたいのか」
これはつまり、監督スタッフが描きたかったと思われる最重要シーンはドコ?と考えるとわかりやすいです。別に難しい話ではない。多くの場合、それは「この映画にしか無いシーン」が該当しますね。「空の青さを知る人よ」の場合は「俺vs俺」のシーンでしょう

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(予告編からの画像)

この作品で一番特殊で一番異常なのはココです。幽霊だのタイムリープだのという話はよくあるが、過去と現在の自分が直接対面するというシーンはなかなか無い。普通ならパラドックスだ何だといって回避されるんです。

自分と対面してどうするの?互いに何を語るの?このシーンなくして解決しない、自分の深刻な問題とはどういったもの?そしてこの対面によって大人慎之介が何を感じ、どう考え、どういう結論を出すのか。それがこの映画が一番伝えたいキモの部分であるはずです。
このシーンを描くために、この映画はあるんですよ。飛行シーンなど刺身のツマです。

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音信不通だった初恋相手との再会、大人への成長、家族愛と友情など、古典的な物語を抑制的に描く「空の青さを知る人よ」
軽妙なコメディとメランコリックなムード、クライマックスは大掛かりなファンタジーで紡がれる115分。登場人物たちが人生において夢に破れ、予定された道を外れても人は幸せを探せるということを学ばなければならない、そんな物語を立場の違いを交えながら見せてくれる、驚きや目新しさはないが美しい作品です。


あとギターに関する面白いレビューがあったんで一部転載、映画.comから
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https://eiga.com/movie/90981/review/02185399/

僕は、作中であおいと大人慎之介の和解シーンが最終的に省かれたのが減点ポイントです。

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category: アニメ

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