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バカは死ななきゃ治らない(2)  


■空の境界 (#03)「痛覚残留」 (2008)

「バカは死ななきゃ治らない」 
「空の境界」は殺伐とした空気の中、要所で見られる式という人のデレが一服の清涼剤として機能するわけですが、このシーンとセリフは式と幹也との関係をうまく表現していて印象的です。それにこのセリフ、「空の境界」という作品そのものに通じるところがある。昔トミノ監督が自作イデオンについて「バカは死ななきゃ治らないという作品」と評したことがあるのですが、「空の境界」に関してはこの「バカは死ななきゃ~」というセリフがより如実に作品内容を言い得ている気がします。


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■広沢 虎造(ひろさわ とらぞう) (1899年 - 1964年)

そもそもこの「バカは死ななきゃ治らない」という文言は、戦前戦後を通じて活躍した浪曲師・広沢虎造の演目(石松代参)の一節です。
浪曲 (=浪花節) ほど、長きにわたり大衆に熱烈に支持された後あっという間に衰退した文化もない。
民放ラジオ開局によって大ブームが巻き起こり、日本全国老若男女が耳を傾け時好に投じ深く愛されたにも関わらず、そのあとに来たTVの時代には全くそぐわず、一気に忘れさられてしまった。時代の寵児であった虎造をしのぐ才能が出現しなかったことも人気凋落の理由の一つでしょう。

面白い?ことに、今70歳より上の世代だと誰でも当たり前のように広沢虎造とか天津羽衣を知っています。けれども60代以下の世代になると、虎造の名前すら知らない人が大半だったりします。お爺ちゃんおばあちゃんに是非尋ねてみてください。

今そんな状態であってさえ「バカは死ななきゃ治らない」というセリフだけは令和時代まで生き残っていて、若い人でも知っていて、アニメの台詞にさえ引用されてる。これは浪曲文化の担い手であった虎造にして冥利に尽きるといったところ、なのかなあ・・・

その広沢虎造が片岡千恵蔵と共演した80年前、1940年マキノ正博監督「続 清水港(清水港代参夢道中)」の「三十石船」パートがYouTubeにあったので紹介しておきます。DVD化されてない古い映画で初めて聴く方も多いかと思います。このダミ声と名調子はクセになります。映像の最後にくだんの台詞が。
(ちなみに千恵蔵・轟夕起子と一緒にいる幼い少年が長門裕之)



古すぎてゆっくり過ぎて見ちゃおれんという感想ごもっとも。だから廃れたわけですし。
でもまあ、慣れてくるとこれが何とも言えず心地良いんだなあ。

遠州森の石松とか清水の次郎長とか、若い人は知りようがない・・・
遠州というのはつまり遠江(とおとうみ)、今の静岡県の西半分くらい。都(京都)からほど近い大湖(琵琶湖)を近江(おうみ)といい、遠く離れた大湖(浜名湖)を遠江(とおとうみ)といった、その遠州地方に清水次郎長というヤクザの親分がいて、ヤクザといっても今の反社みたいなのとは少し違うんですが、その子分である森の石松というのが酒乱だが好漢で人々に大変愛された、親分の代理で四国香川の金毘羅様にお参りした帰り道に親分宛ての預かり金を高額持ってたため悪党に狙われて殺されちゃうっていう話。これも年配の人なら誰でも(詳しく)知っているが若い人は知る機会がほとんどない

「続 清水港(改題されて「清水港代参夢道中」)」という映画は今でいうタイムスリップ物で、1940年にそんな映画が作られていたことにも驚くんですが出来もけっこう良くて、見ていただきたい作品です。なんでDVD化しないのかな。

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で広沢虎造の森の石松ですが20年ほど前、2000年に毎日放送系列でテレビアニメにもなってます。
もし興味わいたならばご覧になるのも一興かと。こちらはDVDソフトが今でも手に入るかもしれませんがBS・CATVなどのほかGyaoにて有料配信されてるのでそちらが手軽でお安いでしょう。
https://gyao.yahoo.co.jp/store/episode/A112350001999H01

スタッフは監督小林三男さん、キャラデ作監が亜細亜堂の山田みちしろさん、制作はトマソン(けもフレ2を作ったとこ)グループタックの系譜なので日本昔話みたいな万人とっつきやすい作品を想像できると思う
虎造の残された音源を利用してアニメ映像に乗っけるという意欲作。浪曲入門にも最適です。



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