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健康第一

2017冬アニメ 龍の歯医者  

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■龍の歯医者 http://www.nhk.or.jp/anime/ryu/

古の契約により巨龍が国家を守護し人が龍の世話をする異世界。新米「龍の歯医者」として充実した日々を送っていた野ノ子(ののこ)は、ある日龍に選ばれヨミガエリとして復活した敵国の少年を拾う。凶兆とされる現象だが、先輩・悟堂は蘇った少年ベルを新たな歯医者として育てるよう野乃子に命じる。

というような話でした。
ひじょうに独創的な設定の物語で、「人が死んだら龍の歯を通っていく」等よく意味が分からず消化不良な部分もあるのですが、労働者たちは明朗で生命力にあふれ、作画も美術も美しく凝っていて魅力的な作品でありました。ジジババの出てこないジブリ風近代ファンタジーといった趣でしょうか。引き気味のカメラが比較的多い。エンディングで流れてくるキラ星のような有名アニメーターの数々と、多人数に及ぶCGスタッフのクレジットから、それなりの短期間で人海戦術によって達成された力業であることが想像できます。


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作画、良いところいっぱいありましたけど僕はここが好きだったかな
手指、ナイフの残像と、次カットで右から入って来る刃先。難解なカット割りだけどかっこいい。

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あとこの拳銃とか指とか





最重要シーンは後編、龍の歯回収の翌日ベルが同行を拒否するシーン。

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ここはベル君が野乃子に甘えるシーンですね。僕は傷ついてるんだから優しくしてよ。あわよくば一緒にばっくれようよ。
拒否されるのもわかってるから蹴りを警戒するんだけど、スルーされてさらに傷つく。可愛い。僕は萌え死ぬかと思いました。

心の底から何かを求めて、そして与えられた、勝ち取ったという経験がないベル君には、野乃子たちがただ無為に死を待っている人たちに見えてしまう。


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ベル君には、なぜ野乃子がそこまで無茶をするのか理解できない。ここでは死なないと知っているから何でもできるのか?実はそういうことではない、というのがベル君にもわかってくる。そこで死のうが死ぬまいが、野乃子はいつもこんな調子で無茶をやるわけです。たとえ理不尽な宿命を背負わされているとしても、彼女は常に全力で生きている。愚かな主人の命令で沼に飛び込まされた馬と同じ。その姿を、生命力に満ち溢れた、気高く美しいものとベル君は記憶している。
ベル君は自分がなぜ龍に選ばれたのかはまったくわからないけれど、野乃子を見ているうちに、自分の人生を自分の手で意味のあるものにしたいと考えるようになった。

つまりこの作品が言っているのはこういうこと


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つまり龍の歯医者とはジョージ秋山先生





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ブランコ。数々の謎が解明されず納得がいかんという意見は至極もっとも。
しかしまあ、解明されようがされまいが、結局この男を倒さないと話が終わらない。宇宙人が攻めてきたら、とりあえず先に倒してしまわないと地球が危ない。なぜ攻めてきたのか、どうやって宇宙を飛んできたのかなど探っている場合ではないかもしれない。
事後に解釈の余地が残っていれば続編に色気も出せるわけで、僕はまあどっちでもいいかなと思ってます。


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より重要なのはここです。ベル君は最後の最後まで目を背けなかった。自分の選択の結果を冷静に見届けた。ベル君の勝利です。どんな超能力を持っていようと、謎を秘めていようと、結局のところブランコはベル君に負けた。勝敗が決した以上、敗者のことなんかどうでもいいんですよ。歯医者だけに。





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終盤のカラコレは良いなあと思って見ていました。これは元ネタっていうか何からインスピレーションを受けて作られてるのか興味があるなあ。ちょっと思いつかないけど
例えばこれかな? 関係ないか。

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虫歯菌ドバーのシーンはアニメ作る人なら誰しもやりたがるアポカリプス(*1)なんだけど、ここで流れる楽曲は荘厳な声楽曲で前のシーンから同じ曲をかぶせっ放しなのが意外でした。あれはあれで良い曲だけど、心なしか音量も抑え気味だった。音響は庵野さんが担当されてる、ならば虫歯菌ドバーの瞬間、バッハのトッカータとかを使って派手な演出をしそうなものです。庵野秀明ですから。
そうしなかったということは――あのアポカリプスをCGで、絵の力だけで観客を説得してみせろと彼は言いたかったのかもしれない。あるいは、庵野秀明も歳を取ったということなのかもしれない。



(*1)後日追記:「カタストロフ」と書こうとして「アポカリプス」と書いてしまったらしい。そのままにしておく。

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