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唯登詩樹原作 KIRARA (OVA)  

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■KIRARA (OVA) 2000年

最近見る機会があったので紹介。DVDは中古市場ならまだ容易に手に入るみたい。ということは、それなりの出荷があったということかな。東宝制作、当時の新人声優発掘と連動した企画らしい。
原作は90年代半ばヤングジャンプにて連載された唯登詩樹さんの人気漫画です。「突然現れた妙齢の女幽霊、その正体は未来から来た今カノの8年後の姿だった」という、お色気ありのファンタジーラブコメ。


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キャラクターデザインは高橋しんやさん、レイアウトも全監修やってるぽい
上のgifのシーンはAの冒頭部で木下ゆうき作監パートじゃないかと僕は思うけど確信はなし
左側、乳じゃなくて青い毛布のシワの動きを見てほしい


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絵コンテのクレジットはないので高橋しんやさんが脚本内容からレイアウトを決めてガッツリ関わってる感じと思う。40分足らずの単巻OVA作品にして作画の人数が多いのは完成/発売が二度にわたって遅延するほど制作日程が押した関係でしょう。全体的な作画水準はそこそこの高め、前述の木下作監パートに加え、終盤の除霊シーンが門之園作監パートと思うけど石原満さんほか各作監パートは僕には判断がつかなかった。高橋しんやさんの修正は全編に入ってるように見える。


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きららのウェットな表情(高橋しんやさん)

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比較用 サイファイハリー#15(2000)/鉄コミュニケイション#24(1998)

目元の処理とかアゴや眉の線の流し方、カゲ、首の太さなどこの時期の高橋しんや作画の特徴
達者な絵だけど、KIRARAのほうは唯登詩樹の絵には似てないですね。


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当時の唯登詩樹の特徴だった、ハネた髪の毛の処理、丁寧に押さえてる感じ


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女子大生ブームみたいなのが90年代前半くらいまであって、そういう文化を引きずってる作品なのだと思う。このあとTKが流行ってアムラーとか出てきて女子高生が市場価値を独占していく、そういう時期なので。そういえば妙齢のお姉さんが主役を張る作品って、以降あまり見かけなくなりましたね。


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女の子がふわふわ宙に浮いている絵が面白くて、まあ昔はラムちゃんとか少し前だとアスラクラインとかありますが、こういう作品また作ってほしいなと思うんですけど出てこないですね。レタッチソフトのせいで心霊写真が滅んで、幽霊モノも減ってしまった。
黄昏乙女ってどうだったかな。普通に歩いていたような気がする

物語は原作漫画のエピソードをかいつまんで上手くまとめてありOADはこう作ろうという手本みたいな造り、出版社でなく東宝主導のためかイメージシーン(歌や音楽のコーナー)多め、でも別に気にはならないです。
まあ唯登詩樹作品なので、エッチな魅力を除けばびっくりするような面白さはもともとない。




唯登詩樹作品について語る機会なんてもう二度と無いと思うので、ついでにもう一つ

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■唯登詩樹ベストヒット ヨーロッパの印象 (1990) 18禁

くりいむレモンシリーズのひとつ、これは今でもレンタル可能。大ヒットした同シリーズも斜陽期を迎えテコ入れのため導入された有名漫画家シリーズのひとつ。当時かなり作画レベルは高いと感じたのを覚えてます。今のハイビジョン時代のアニメと比較するのはさすがに無理ですけど


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あーうめえなあと今見てもやっぱり思うんですよね。まあ僕がおっさんだからでしょうけど。
たとえ緻密でなくたって上手いもんは上手いと思うんだよな。無駄が少ないせいかな。

どういうわけか、スタッフクレジットが無いんですよこの作品。WEB上にもまとまった情報は見当たらない。1990年に完全版として発表された前年にセックスシーンをカットした全年齢版が出ているらしく、そっちにはクレジットがあるのかもと思って探してみたことがあるんですが、手に入らなかった。まあクレジットがあったとしてもどうせ多くは匿名でしょうし、意味ないかもしれないけど


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最新刊「最近この世界は私だけのモノになりました…… 3」 集英社 (2016年)
※アフィ苦手なので商品リンクはしない

唯登詩樹さんてもう還暦なんですよ。還暦まで成人漫画家をやってる人生がどういう感じなのか僕なんかには想像もつかないけど、創作意欲が衰えないっていう一点だけで凄いことだと、それは率直に思います。


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1986年、創刊間もない漫画ホットミルク(白夜書房)に投稿したイラストを見て編集者が即連絡、2か月後にはデビューしてたらしい(「ジャンクション」後書きによる)。もっとも、別名義のSFマンガで商業誌デビューは済ませていたらしいので、プロになって30年を越えてるわけですね。
僕が最初に読んだのはこの「ウィンディングパーティー」(1990年)、たしかペンギンクラブに掲載されてたように記憶してる、単行本も買ったけど当時は成人マークなんて無かった(画像は尼にあったもの)
「ぱくっ」からの「もぐもぐ」というコンボがえらい衝撃的だったのをよく覚えている。

絵柄を見ればわかるけど、彼は大友メビウスナウシカ、ルネ・ラルー、JUNE系、そして森山雄治の強い影響を受けている。それがすなおに絵に出ていて、もう本当に好きなものが丸わかりで、こんなまっすぐで正直な性格でクリエイターなんてやっていけるのかと思うほどだった。そして唯登詩樹ほどわかりやすくなくても、同じようなものに影響された作家は当時たくさんいた。だから唯登詩樹が2016年になっても一線で活躍してるなんて当時は想像もしなかった。

画力が高かったので唯登詩樹はほどなく一般誌で描くようになった。掲載誌は週刊ヤングジャンプで、冒頭の「KIRARA」もそのひとつ。画力はほんとうに高かった。だから彼に相応しい原作をつけてメジャーヒットを狙わせようとした編集者がいなかったはずがない。でもそれが実現しなかったということは、彼が自身のオリジナル作品にこだわったということだと思う。
その後唯登詩樹はヤンジャン及びその姉妹誌と、成人漫画誌両方で活躍する人気エロ漫画家になった。

メジャー誌とエロ漫画誌で二足の草鞋というのは、稿料も違うだろうし、言うほど簡単ではないはずだ。彼がそれを選んだのは、それなりにどちらも付き合いやすく、安定して居心地が良かったからではないかと思う。その居心地のよさによって、彼は作家として成長する機会を逸したような気が僕にはしている。こういう言い方は失礼か。その画力とセンスと創作意欲をもってすれば、もっと違う、漫画家としてさらなる才能の開花とそれに相応しい社会的評価が彼にはあって然るべきだったのではないかなと、僕は思っている。

今の彼の作品を見れば、相変わらずエロエロでそこは素晴らしいけど、語り手としては取り留めのない、彼自身が何を求めどこに向かうのかを予感させない、焦点の定まらない物語を量産し続けているように見える。
エロ漫画としてはそれで充分なのだろうし、それで彼は居並ぶ若手を押しのけているわけだから、彼は勝って勝ち続けているのだとも言える。でもなあ、今の唯登詩樹が、本当に彼自身が成りたかった唯登詩樹だとは僕には思えないんだよ。どっかで勝負に出るべきじゃなかったのか。唯登詩樹の代表作はこれだと、誰が読んでも唸って認めざるを得ない、そういう作品をとっくに彼ならば描いていたはずだ。はずだった。

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category: アニメ

tb: 0   cm: 4

コメント

この方、いつの間にかエロ専門になっててびっくりしました。
確かデジタル作画を取り入れたのがすごく早かったような…

URL |  #-
2016/11/02 01:13 | edit

初期SF作品を読んでた方ですかね。ウルトラジャンプでSFやホラーなんかを描いてたこともあったんですよ。あと今は記事の新作のほかに画楽ノ杜というサイトで厨二物っぽいのが始まってます。あまりにもエロ作家のイメージが強すぎて、新規の読者をつかめないのかも

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2016/11/02 02:02 | edit

今だと鳴子ハナハルあたりも、原作付きで何か面白いもの描かせればいいのに、とか思いますね。画力のわりに代表作と呼べるものがない作家ってわりと多そうな。

余談ではありますが80年代ごろってエロ漫画もSF的題材のものがわりとあって、距離が近かったですね。
『スタリオン』とか。後藤寿庵さんのやつとか。
その頃の作家で、今も現役で続けられてるってだけでこの人十分凄いとは思うんですけどね。
消えちゃった人も多いですし。

URL | アニオタ #-
2016/11/03 18:22 | edit

Re:

あー鳴子ハナハルさんといえば既にとてつもない印税収入らしいし、今更やらないでしょうねぇ・・・

> 『スタリオン』とか。後藤寿庵さんのやつとか。
くそ懐かしい。1巻持ってましたよ。後藤寿庵さんもシュールなもの描いておられましたね

> その頃の作家で、今も現役で続けられてるってだけでこの人十分凄いとは思うんですけどね。
> 消えちゃった人も多いですし。
確かに。幻寵二さんとか森林りんごさんとか今どうしてるのかなあ

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2016/11/03 22:21 | edit

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