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2016夏アニメ ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン  

■ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン http://alderamin.net/




高等士官試験を受験しに行く途中で船が遭難したイクタ・ソローク一行は、なぜか同船に乗っていたお姫様を行きがかり上助け、英雄として帝国軍に迎えられる。女好きで怠け者だが知略に長けるイクタは本心では軍人になることを望んでいなかったが、渋々入った士官学校でもあっという間に頭角を現していく。


というような話でした。わりと硬派な、ヤンキーシリアス異世界物です。
恋愛/エロ/ギャグ要素はほとんど見当たらず、戦記として愚直に丁寧に作ってあるせいかビデオ売上は苦戦を強いられているようです。真面目に良作を作ってはこける、媚びや商売気のない、いつものマッドハウス。

グロ表現はないけど派手に血しぶきが上がり、次々と人がぶっ殺されていく描写はハードで迫力があります。舞台は中世の西洋風。魔法の代わりに一人一体の「精霊」と呼ばれるマスコット的存在が用意され、火や風といった属性別にエネルギー源のような役割を担うところが独自性。ただこの精霊の設定は、何かと便利という以外に、まだ本格的に機能してるようには見えないです。これからなんですかね。


タイトルにある「ねじ巻き」「天鏡」「アルデラミン」はよく意味がわからない。アルデラミンはこの世界の神様か宗教の名前らしいけど本編には深く関わらなかった。どういうわけか癖がついてアルデ・ミランと読んでしまう。ごく短い次回予告にはタイトルコールがなく、CM以外で題名を聞く機会が無いせいかもしれない。
次回予告のWeb限定公開は戦略的な理由だろうけど、当作品のように意味不明な題名を客に覚えさせる必要がある場合、効果が薄い気がするがどうか。


#04
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ところで#04の皇女拉致事件の演出は、すばらしく良いと思いました。特に姫殿下の表情が良い。
このシーンについて、いろんな感想サイトを読んでみると大抵「イクタとヤトリの固い絆を見せられて嫉妬」とか「ケアを後回しにされた上にイクタにからかわれて泣き出した」的なことが書いてあって、多分それは正解なんだろうし、原作もそういう描写になってるんだと思う。
でもここで見せられる演出は、意味的にもうちょっと複雑です。


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状況から言うと、この一件で姫様は赤っ恥をかいたわけです。
(1)側近に裏切られたということは、人望がなく部下を見る目もない能無しである。
(2)イクタへの傾慕が周囲にバレバレで、それをまんまと利用された、公私区別できない子供である。
(3)側近に裏切られた以上、忠義を示す他の部下たちのことも今後は信用できない、信用されない。

つまり姫様は丸裸にされた。だから顔を上げられない。ここで優しくされたり慰められたら余計惨め、部下に同情される無能上司になってしまう。「一体どうすんだこれ」という状況で、こうなってしまうともう、誰も声を掛けられない。ヤトリでさえも。


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だからここでイクタが姫様をからかうように絡んでいくのは、彼の機転であり配慮と言える。姫様を放置して後回しした理屈にも通じる。姫様はそれを毅然と𠮟りつけて胸を張れば体裁は保てたわけだけど、泣き叫んだせいで年相応の隙を全面に晒し、かえって周囲は人心地つけたわけです。
緊張する場に安堵と緩和をもたらして、うまくまとめた。姫様や各人の微妙な表情からそれがわかる。これは演出家が上手いと思いますよ。原作とは違う解釈だろうけど、ここは恐らく原作を越えている。


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シリーズ後半を丸々使った北域動乱は、陰惨で殺伐とした暗い話が延々続きます。凄いと思います。コメディパートもないし、貴重な和み要素である姫様さえ退場させる展開に当たっては、なんとストイックなのだろうと感心します。おいそれと売ってたまるかという気概を感じます。
この作品の場合もっと軽妙な部分を強調してもいい気がするけど、生真面目な制作風土だからこうなるのか


お客さんはイクタとヤトリのコンビが壮大な何かを成し遂げるところを期待するんじゃないか。でも期待に反してヤトリの扱いは少なくなっていきます。各話終盤のナレーションも不自然なほどイクタ個人の未来についてしか語らないし、騎士団はいずれ瓦解し、姫様とイクタ以外は全員死ぬとかもあるのかもしれません。
たらればの話してもしょうがないけど、ヤトリを男性にした友情物であったほうが作品としては受けたんじゃないのかな。


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「約束された敗北へと向かう」と言うけど、普通に善政で国を立て直せばいいのにと思うのはダメか。
難しい方法、人が多く死にそうな方法を何故わざわざ選ぶのだろう






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俯瞰のレイアウトが、なんというかダサい。やたら広大な土地を山や緑が取り囲む盆地みたいな地形が大杉
何が起きているのかを理解させやすくしたいのかもしれないけど、ださい。

#09
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あとカラカルムがサフィーダ中将の暗殺にこだわった理由が謎だった
命懸けで襲ってくるけど、別に意味なかった




#09
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ナナクダルのアクションはちょっと面白かった、ここはSEもよかった
山岳民族でバイキングみたいなヘルメット被ってるのも奇妙でよかった


#04
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コヤスの歩き
影とか丁寧やなと思った、よくみたらCGだった

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category: アニメ

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コメント

自分も原作は読んでいないので正解かどうかは判りませんけれど、
精霊の存在は
「軍事力や文明がそれなりに進んでいるのに科学という概念が浸透していない世界」
を成立させるための設定ではないかと思いました。
火も電気も精霊が簡単に作り出してくれたら、そりゃ科学なんて発展しませんよね。

つまり、(現実のわたし達から見たら)特に珍しくない当たり前の知識を使って
イクタをドヤ顔で活躍させるためではないかと

URL | みなぐも #YciLwWR2
2016/11/06 11:47 | edit

Re:

そうですね。宗教は北部を除いて統一されてるっぽいし、エネルギー資源も精霊によって確保されてるわけだから作中世界では二国間で全面戦争を起こす理由が作りにくい。だから王様が乱心したりする必要があるわけだけど、「科学がなくて産業が未発達なのに大量の精霊エネルギーがあってその使い道(雇用確保)がないからとりあえず戦争する」という世界設定わりと新鮮な気がします。
まあアニメの続編はもうないかもしれませんが・・・

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2016/11/06 15:46 | edit

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