大匙屋

健康第一

2016夏アニメ リライフ  

■ReLIFE リライフ http://relife-anime.com/




破滅的な人間関係に疲れて離職しフリーター生活を送る主人公・海崎新太(27歳)の前に「リライフ研究所」職員と称する男が現れ、17歳の高校生として一年間高校生活を送る社会復帰プログラムを提案。当初は生活費の支給や就職斡旋の特典に釣られた新太だったが、不器用で率直でひたむきな高校生たちと触れ合いながら、意欲的で充実した日々を取り戻していく。

というような話でした。原作は累計140万部を売る人気コミックとのこと。


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日常系学園コメディかと思いきや、わりとシリアス展開ありの純情青春物でした。出てくる生徒たちも総じて善良で非ヤンキーな感じ。モデルとなってる高校は毎年ニ十数名の東大合格者を輩出している九州トップクラスの進学校らしく、ゆえに作中で学年上位の成績である主要登場人物たちもそれなりに優等生で、新太が赤点ばかりというのもむべなるかな。


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大筋は、未熟な嫉妬心から生じる軋轢や閉塞を主人公が経験とコミュ力で解決に導くというもの。といっても主人公は役に立ってるんだか立ってないんだかわからないけど結局彼がいてうまくいくみたいな美味しいポジションにいて間接的に働く、キューピッドのような役割です。初心で素直なクラスメイトたちが主人公と交流して行動選択に影響を受け、友人になったり、恋が芽生えたり。中身が年上の偽高校生なので出てくる言葉が説教臭くならないよう、出過ぎないよう、注意深く演出している雰囲気は感じます。


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狩生レナと日代の和解は、もともと直接対話しさえすればかなりの部分の誤解は解ける案件だったのですが、たぶん新太が環境を作っていなければしこりの解消はできてもその上で友人関係の構築には至らない。
この文脈を用意するのが新太の役割なのだけど、すごく説明しづらく、伝えにくい部分です。でもこの作品のキモは多分そういうところにある。

一見すると「リライフ計画」の設定があまり活きてないように見えてしまう、ただの普通の高校生日記に見えてしまうので注意が必要ですね。


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ただこの作家さんは、込み入った状況を作るのはうまいけど、そこから問題解決に向けた説得するのがあまり上手くない。05話や10話でなぜ狩生レナが説得されたのか、集中して会話を聞いていてもよくわからない。戸松遥の迫真の演技に引っ張られるので「まあそういうものか」と納得してしまうけど。

「自分を落とすな、負け犬になるな、狩生は成長している」というのが05話の新太の主張なんだけど、狩生が成長してるって何故新太が言い切れるんだろう?と思う。それなのに狩生は「そうか私成長してたんだ」って泣き出すから、見ているこっちは困惑するしかない。

恐らくこの作家さんは説得されたいわけじゃなくて心情吐露に重点を置いてる方なんですよ。すべてを吐き出させて欲しい、話を聞いてほしい、そして頭ぽんぽんされたい、それが作者さんにとって重要なんだと思う。
原作はまだ未完のようですが、ともすれば見ている側の価値観が揺らぐような衝撃をこの作品が与えてくれることはこの先もないでしょう。
作中の大抵の事象は観客にとっても想定内で、だらだらと(言い方悪くてゴメン)調和に向かって行くと思う。






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版元がLINEの会社なのは関係ないかもしれないけど作中にはアプリが頻出します。アプリを使用したトランジションまで用意してあった。高校生って今はもう電話しない、メールもしなくて、こうやってショートメッセージを送り合うのが普通なんですかね。
演出の在り方が激変しつつあるなぁ。






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手の作画あちこちで綺麗なのがありました


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歩き、後ろ姿、2コマ


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スープの揺れ、ボトルの水






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背景パブロ。パブロはやっぱりいい。
今秋はフリップフラッパーズも始まりますね。楽しみです。





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category: アニメ

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コメント

スープの揺れgifのすぐ後のカットですが、お盆をおいて着席する。
立った状態で置き始めて、置き終わる前に椅子に座るモーション、座り終えてからお盆の下の指を抜く、という動作に見え、なんとなく違和感を感じました。
(自分が最初に気になったのは、gif部分再利用の日代一人の時ですが)
完全に置いた後、座るのが自然と思います。
座るという体全体の姿勢が変化する動作の前に、お盆から手を離さないとこぼしてしまう気がします。
それでも腑に落ちず、普段の自分の行いを思い返すと、置いた後、椅子を引いて、座る。
(もちろん自分の仕草が必ずしも一般的なものとは限らないですが)
そうか、椅子を引かないのも変だなと気づきましたが、この食堂は背もたれのない椅子なので、引かずに座ることもできる。
が、女子がそれをするか、とか、足で引くにしてもやはり置き終えた後ではないか、とか、考えてしまいます。
しかし、例えば、教室で授業終了時にどの机も椅子が出たままのこともあったりと、この作品世界では椅子を引く、戻すということが気に留められていないのかという気もします。
何かスッキリしません。

URL | K #mQop/nM.
2016/12/20 21:36 | edit

Re:

ちょっとお待ちくださいね

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2016/12/23 20:10 | edit

Re:

遅くなってすいません、すでに録画を消してしまっていたので確認に手間取りました。
見たところ確かに芝居としては丁寧なものではないですね。日代と玉来さんの2人という組み合わせに新味があって会話が流暢に進むので流してみてると違和感は少ないですが、一度こういうのに気づいちゃうとモヤモヤするのはわかります。まず気づくということが大事なんで、すごいと思います。残念ながらTVアニメでは、こういうのは出来てないのが普通なので、出来てないことに失望するよりも出来ている作品を見つけたら積極的に褒めていくべきと思いますよ。
女の子のイスの座りに関してなら「咲」の丁寧な座りシーンをいくつかまとめてたブログがどこかにありました。(*下部追記)僕個人でよく覚えているのは「Super Seisyun Brothers-超青春姉弟s-」(2013年秋アニメ)の2話冒頭で金髪がテーブルにつくシーンです。このシリーズは5分アニメでクオリティもそれなりなんですが、このシーンの座りは丁寧で綺麗ですよ。これを見ると「低予算だろうと描こうと思えば描けるのだなあ」と謎の感慨がわいてきます。どこかでご覧になってみてください。

*追記 「SYNTH 2006」さんというブログでした。直リンは失礼かもしれないので遠慮しておきます。検索されてみてください。

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2016/12/30 21:13 | edit

返信ありがとうございます。

普段、塗ミスには良く気付くのですが、仕草について思うことは滅多になく、ついつい書かせていただきました。
紹介して頂いた2作品、見たことがないので、今後配信等あればチェックしたいリストに追加しました。

アニメ作画のこと(中割などなど)は基礎からさっぱり分かりませんが、動画のつなぎといった演出の記事を読ませていただいております。
知識がないので、新発見ばかりで楽しく読んでおります。

ところで、イベントリーPOVや飛び降りなどの記事で、複数作品からの例示があり、非常に分かりやすいのですが、こういうのはどうやって書かれているのでしょうか?
普段の視聴時から様々な演出を書き出しておきストックされているのですか?

URL | K #mQop/nM.
2016/12/31 11:16 | edit

Re:

ありがとうございます。演出の知識に関しては専門のサイトなども多数ありますが、基礎的なことを覚えるなら一度書籍で読んだほうが集中できるので身につくのは早いと思います(個人の見解です)。ジェレミー・ヴィンヤード著「傑作から学ぶ映画技法完全リファレンス」などが非常にとっつきやすくて初心者の方にオススメです。僕もよく引用してます。演出やカメラワークを理解してくると制作者の演出意図が鮮明に見えて視聴体験が根底から変化するので、これまた楽しいですよ。

まとめ系記事の例示に関してですが、普段の視聴時から気づいたことをメモを取ってますね。これはもうクセになってるので仕方ないのですが、斜に構えた視聴にならないよう注意しつつ愉しみながらメモまで取るのは意外と訓練が必要ですw
僕の場合、ネタ集めはそのメモや記憶を頼りにするのが基本ですが、sakugabooruやタンブラーの作画タグをぼーっと眺めていて気づいたものをチェックしておいたり、ツイッターで知人友人に助言を求めたりすることもよくあります。やっぱり個人の力では情報を集めるのにも限界がありますね。
最近年齢のせいか記憶違いも多くて、頭では覚えているつもりなのに探しても探しても見つからずに没になるカットなども多く、膨大な時間を無駄にして徒労感がハンパないこともしょっちゅうで、これが楽しく読んでいただけてるなら苦労が報われる思いです。

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2016/12/31 14:19 | edit

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