大匙屋

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レンブラント・ライト  

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よく絵画やポートレイト写真などで用いられるこの採光をレンブラントライトといいます。
モデルの斜め上から光が当たり、照明と反対側の頬に生じる逆三角形のハイライトが特徴です。


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レンブラント/テュルプ博士の解剖学講義 1632年 油彩

バロック絵画の代表的画家レンブラントが好んで使用した採光にちなんで名づけられました。
絵画や写真において伝統的で基礎的な照明技法であり、人物を立体的に表現するのに
大変有効なライティングと言われます。


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巨人の星 (1968) #144

劇画やコミック、アニメにもかなり昔から取り入れられており
シリアスなシーンにおいて重厚な演出・表現に効果をもたらします。
陰影の立体感により顔全体がりりしく精悍で引き締まって見えるため、
スポーツ物やバトル物を中心に6~70年代以降多用、濫用されてきました。

ただ近年はさすがに減少傾向にあるようです。
もともと自然界に存在しない、硬い照射による作為の不自然さが
昨今の計算された照明やレイアウトのプランにあまりそぐわない、
加えて最近のキャラクターの、鼻を極端に小さく描く傾向のせいかと思われます。

採用される場合、リアリティよりもドラマティックな演出的効果を優先して
あえて使用するというケースが今は多いようです。


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レンブラント・ライト(ライティング)をもう少し詳しく説明すると、この四種類に大別できます。

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①フロントレンブラント 
真正面から撮影したもの。ライトは45度の角度から照射。


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②ブロードレンブラント 
照明と同じ方向(45度)から撮影したもの。アニメでは意外と少ないです。
ブロード=広域


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③ショートレンブラント 
影側から撮影したもの。影の領域が増え、よりネガティブな心情を投影しやすくなります。


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④プロフィール(横顔) 
逆光の影になった頬に逆三角のハイライトがあればレンブラントライトの一種です。
横顔の無防備さに純粋さや正直さ、寂寥感などが加わります。





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ギルティクラウン (2011)

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進撃の巨人 (2013)


んで話は冒頭のカバネリに戻るんですが
荒木哲郎さんという監督はこのレンブラントライトを比較的よく採用します。
得意とするハードでシリアスな作風に合うということなんでしょう。
照明が映えるローキーでコントラスト重視の画面作りはカバネリでも貫通してました。


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美樹本晴彦を連れてきたのはよくわかると思ったんですよ。
レンブラント光(および照明学的な演出)が多用される荒木作品には
鼻筋の通ったキャラデザインが必要になるわけで


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で、このヒロインはわりと今風のデザインで鼻がないんで
どうするのかなと思って見てたんですが


#10
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10話のここでレンブラント
他にも1箇所くらいあったかな?でも他のキャラに比べたら彼女のレンブラント光はやっぱり少なかった。

レンブラントライトの効果のひとつとして幼さが消えて顔が引き締まって見える、
これは年齢が上がって見える、老けて見えるということでもあって
ここの無名ちゃんは心身喪失状態、ヤンチャさや活発さを消すべき表情にこの採光がよく合う、
加えて列車側面のハッチが開いた状態であり、光源の位置も理に適っていますね。


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category: アニメ

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コメント

カバネリのスタッフの名前を見てると、本当は「エコール・デュ・シエル 」のアニメ化をやりたいのではと思えてくる。

URL |  #-
2016/07/13 10:29 | edit

Re:

僕はあれ読んでないんですが人気なんですか
もうちょっとカバネリが当たってたら本格的な美樹本リバイバルもあったかもしれないですね

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2016/07/13 10:40 | edit

大匙屋さんの記事にちょっと珍しく、あまり結論がはっきりしないような内容ですね。

漫画・アニメでの技法は往年ハリウッド映画等、実写の照明効果から取り入れられたのか、そのままレンブラントとか絵画由来なのか

URL |  #-
2016/07/14 23:01 | edit

Re:

なんかぬるいかなという気もしてたんですがそういう視点が欠けてましたか。
レンブラントライティングは絵画由来ではなくどちらかといえば写真術、漫画アニメへの取り入れはやっぱり劇画成立期前後と思うんでフィルムノワールの影響が大きいというのは察しがつきます、が、この点僕はきちんと調べたことがないんで正確には何とも・・・
60年代のアニメっておおむね影なし作画なんですがスカイヤーズ5にはすでにレンブラント光が使われてますね。これかなり初期の使用例と見ていいんじゃないかな~
ttp://blog-imgs-94.fc2.com/s/a/j/sajiya/8002016007015_12006053.jpg

コミックでは僕の知る限り佐藤まさあき先生の影男シリーズ
ttp://page18.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/w139420198
これが1964年発刊だからもっと前から使用例はあったはずです
本気で調査するなら、これは国会図書館にでも行くしかないかなー

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2016/07/15 12:23 | edit

「結論がはっきりしない」というのは一応自分では

「『カバネリ』について記事内でそれほど踏み込んだ意見を出していないんじゃ?」

というつもりで言っていたのですが(分かりにくくてすみません)、「絵画か実写か」について歴史的な分析を行うのも面白そうですね。

『ハリウッド白熱教室』とか見ても実写の撮影技法として「レンブラントライティング」がふつうに定着してるようなので、この場合絵と実写の区別はあいまいというか、どちらも絡んでいるのでは?と何となく考えてます。

URL | 名無し #-
2016/07/18 01:09 | edit

Re:

ああ、これは失礼しました。
この構成だと何らかのオピニオンを期待するじゃないかという話ですね
しかし人の予想はつねに裏切っていかねば!
ハリウッド白熱教室という番組があったんですね。これは見ておきたかったなあ

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2016/07/18 07:23 | edit

一応ハリウッド白熱教室の講義は、日本で書籍化してましたね。Amazonで検索したらあるかと。
大匙屋さんがいま読んで、新しい知見が得られる内容かどうかは分からないですが。

URL | 名無し #-
2016/07/18 18:51 | edit

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