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3回ドカン研究、その後 (2)  

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■オーバーロード #04 (2015)

ネガティブバーストのシーン。3回ドカンとカメラ三段階プルバックの組み合わせ。
映画用語的には「カット・ズーム・アウト」と言ったりするテクニックです。
その出来事がどれほど広範囲に渡って起きたのか、どこまで遠く音が響いたのかといった
広大なスケール感を表現するときに使用されるこの技法に、
ここではトリプルアクションをうまく組み合わせています。


というわけで今回は久々に3回ドカンの研究記事です。
3回ドカンとは、同じアクションを複数回繰り返す演出、
決定的な一瞬のできごとに映像的な厚みを持たせ、より強い印象を残します。
トリプル(ダブル)アクションとかマルチアングルとか言ったりもする。
海の向こうでは「マルチテイク(multi-take)」という呼び方も。



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■ユージュアル・サスペクツ (1995)


ウィキペディアの出崎統の項目には出崎演出のひとつと書かれています。
また、過去に氷川竜介さんの講話で60年代の東映時代劇が起源と語られていたらしいです。
要するに誰が最初にこの演出を始めたのか、今ひとつハッキリとはしていません。
僕はそれをいろいろと調べたり検証してるわけですが、まだ確信には至っていないです。



■卒業  (1967)

最近見つけたのがこれ。まあ今更な超有名作品なんですが。
映画序盤、ロビンソン夫人の誘惑にベンジャミン(ダスティン・ホフマン)の振り返り
これ、まるっきり出崎演出の3回パンのリズムそのものですよね。
よく見ると3回とも別テイク。

出崎さんは自分の演出において他作品からの影響を否定してたらしいけど・・・
'70年前後にクリエィティブな現場にいた気鋭の演出家が
「卒業」に代表されるアメリカンニューシネマの影響を逃れられたとは考えにくいです。

「あしたのジョー」もそうですが、ニューシネマやヌーベルバーグの映像作品が
日本の劇画やコミックに与えた影響って小さくはないと思うんですよ。
まあ僕が思うだけかもしれないですが。
今でも、たとえば山本直樹さんの作品などには一貫してそういう影響が感じられますよね。



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■エースをねらえ!#20 (1973) 出崎統

これとか、とても完成度の高いダブルアクション。

アニメにおいて複数のカメラで撮影する「マルチカム」的なカット割りは
アクションつなぎという形でなら「佐武と市捕物控」(1968)ですでに見られるんですが
編集点を戻して繰り返すダブルアクションは、現時点では出崎さん登場以前の作品には
発見できてないです。
だからウィキペディア記述も間違っているわけではない。のかもしれない。




■カラビニエ Les Carabiniers (1963年)

ジャン=リュック・ゴダールの初期作品です。
これが今のところ発見できた実写で最古のマルチテイク。

共産主義者の少女を王国軍の兵隊が取り囲むシーン、帽子を外すと金髪がこぼれ落ちる。
まず「何が起きたのか」を見せ、続いて「それがどんな風に起きたのか」を見せる、
マスターショットとミディアムショットの組み合わせ。


ちょっと長くなりそうなんでこの記事つづく


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category: 3回ドカン

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コメント

いつも記事を楽しみに拝見してます。
ダブルアクションですが、今泉容子「映画の文法」によると、稲垣浩「無法松の一生」(1943年)でダブルアクションが使われているそうです。
映画は未見なので細かいことはわかりませんが、静止画による一連の引用を見たところ、人力車を止める動きがアングルを変えてくり返されてます。
やはり当初はアクションつなぎの応用でダブルアクションが発生したんでしょうね。

問題はトリプルアクションで、どうしてこれが編みだされたのか興味があります。
ダブルアクションの派生形だとしても、動きをさらにもう一度くり返すという発想はかなり特異な気がします。ナチュラルには編みだしづらいというか。
ダブルは「動きの連続性(流れ)の強調」に重きが置かれている一方、トリプルのほうは「動きの派手さの強調」という意味合いが強い気がします。演出の意図がちがうのかも?
つづきの記事も期待しております。

URL |  #-
2015/11/15 10:44 | edit

ありがとうございます。「映画の文法」は身内の評判が今ひとつでスルーしてました・・・
自分の目で確認しないといけないですね。
「無法松」は43年ということで板妻のほうなんですね。三船版は見た気がする、
急いで確認します。情報うれしいです、ありがとうございます。

三回目がどうして編み出されたのか、僕も正にそこが知りたいんですよ。
2と3は全然違う。その感性が共有できるなんて、感激だなあ

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2015/11/15 12:28 | edit

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