大匙屋

健康第一

今年こそ本格的にスパイダーカムが来る(はず)  



2012年、ベルリンで開催されたDFBカップ決勝。香川真司の先制ゴール
の、中継時に見たリピート映像。ご記憶の方も多いはず
僕は当時、このカメラワークに途方もない全能感を感じたものです。

この映像を実現してるのがスタジアム天井に設置されてる特殊ロープカメラ移動システム
通常「スパイダーカム」と呼ばれます。

2007gin1111.jpg

歴史は意外と古く、
2001年のスピルバーグの映画「A.I.」で初めて使用され
2005年には米アカデミー賞技術部門でオスカーを受賞してる
現在ではスポーツ中継などでよく見る、実際かなり普及してますよね


昨年は「OK Go」のPVをはじめとしてドローンというものが有名になった。
高高度の俯瞰映像から地上にいる人物ショットまでを
ワンカットでつないで見せるディレクションというものが
今年あたりからアニメにも本格的に波及してくるだろうと僕は見てます。

ていうか、冒頭のDFBカップ映像の全能感にしびれた頃から
この絵をアニメで見たい、とずっと僕は思っていて、
それがようやく去年あたりから少しずつ来始めてるのを実感してる。
もちろん最近のドローン、マルチコプター撮影の普及も無関係ではないはずです。


もう少し詳しく説明します。


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■世界でいちばん強くなりたい! #09 (2013)/はじめの一歩 Rising #18 (2014)

まず、こういう3DCGでレイアウト⇒斜俯瞰の回り込みやパノラマショットというのは
前からあった。


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■Free! Eternal Summer #06 (2014)

2014年の「Free!」二期では、真俯瞰ショットを回転させるというのをやっていた。
(※このgifはずっと見てたら目が回って気分が悪くなるかもなので、ご注意ください)

真俯瞰というのは、真上アングルから撮影してるという意味の映像用語でう
ちょっとアングルが斜めになると、区別のために斜俯瞰といったりもしますね。


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■Free! Eternal Summer #06 (2014)

で、ここでは真俯瞰から、背景デジTBの人物ショットにつないでくるわけですが
まだここではその中間の絵がない感じです。
カメラが降りてきて、ワンカットのままシームレスで人物ショットにつなぐのが理想

1カット目(真俯瞰)で生じた加速感が2カット目(人物)では寸断されてますよね。
これはオンエア版ではSEがつくので連続性は担保されるけど
作画的には敗北してるわけです。

実写だとこうなる





誤解しないで欲しいんですがFree、京アニのカット割を批判する話じゃないです。
今後こういう感じでスムーズにつなぐ演出が可能になり、増えてくるだろうという話です。
だって、そのほうが全然カッコいいじゃないですか?


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「Free!」はそもそもこういう真俯瞰ショットを意識的に多用していましたよね。
それと同作のOPには真俯瞰で捉えた水面に映る鳥の影をカメラが追い、
シームレスで3D背動につなぐ、というカットがある。
京都の人たちも本当はアレがやりたいんだな、というのがそこでわかる。


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■COPPELION #01 (2013)

途中まで作画TB・回り込み・斜俯瞰
かなり壮大さを感じさせる、マルチコプター撮影風


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■プリパラ #06 (2014)/右は0.5倍速

アイドルアニメのステージ演出、
従来のクレーン撮影風カットより機動性あり広域な稼動範囲
やろうと思えばもっと極端な引きもできそう

余談ですがま~ぶるMake up a-ha-haには深刻なレベルでハマりました僕


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■プリパラ #14 (2014)/右は0.5倍速

ティルトからクイックで引き、斜俯瞰
メリハリの強い演出、これも


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■ワルキューレロマンツェ #12 (2013)

これは真俯瞰ショット~スパイラル下降、オービタル、さらに仰角のフルコース
ドローン撮影にヒントを得た(と思われる)、わりと先端的な絵作り
一瞬で決まる勝負に時間的厚みを持たせる効果的カメラワーク


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■新劇場版 頭文字D Legend1 -覚醒- (2014)

ワンカットで真俯瞰から降下、高速ドリーイン


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■ファンタジスタ ステラ OVA #02 (2014)

斜俯瞰、スパイラル下降からフルショットのカットにつなぐ。
ワンカットでつなぐことができれば相当気持ちいいはずなんですが、
この群集CGの水準では、アップには耐えられないかもしれない。これは仕方ない。

でもこのカットがやろうとしてることは、すごくわかる。
これはもう、冒頭のDFBカップのカメラワークのまんま。
これを見た時「やっとこういう演出が来た」と思いましたよ僕は。


東京オリンピックも決まったわけで、これからスポーツ物の企画は増えていくはずです。
スパイダーカムやマルチコプター撮影を彷彿させる壮大で立体的なカメラワークを
アニメで目にする機会も必ず増加することでしょう。楽しみなんですよこれが。
ていうか、もう始まっています。いや多分




スパイダーカム公式

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category: アニメ

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コメント

Free#6の「1カット目(真俯瞰)で生じた加速感が2カット目(人物)では寸断されている」
というのはどういう意味なのでしょうか
例に挙げられている実写の映像には加速感もカメラの全能感も感じられなかったのですが、
なにか映像的な理論があるのですか?

URL |  #EBUSheBA
2015/01/12 00:12 | edit

Re: タイトルなし

「何も感じない」と思うならそこは僕とあなたの感性の相違だと思うんで
そういうツボの差異があるのは普通のことですよ

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2015/01/12 07:55 | edit

管理人さん
返信ありがとうございます
理想とか作画の敗北と書いてたんで個人的に気になっただけでしたが
感性の話だったんですね
わざわざスミマセンでした

URL |  #EBUSheBA
2015/01/12 15:23 | edit

くだんのgifは1カット目が動き出し、下方向に転回して2カット目で進行方向手前につなぐ、
この2カット目は流動線もなく背景TBに依存してるわけです
例に出したyoutubeの映像だと同様のシーンで泳者の手前に空間があるのがわかると思うんですが
その手前空間には水面にロープと水底にラインがあってその送りの動きでスピード感が生じる
Freeのgifの2カット目では人物に寄り過ぎたレイアウトのためその空間が消され
画面を挟んで視聴者と人物が向かい合うかたちになっててスピード感が殺されてるんですよ。
「そんなことねえよ生きてるよ」とあなたが思う、
そういう感性なら全然それでいいですけど

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2015/01/12 20:47 | edit

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