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2013春アニメ 断裁分離のクライムエッジ  

■断裁分離のクライムエッジ http://crimeedge.com/

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物理的に切ることのできない長い髪を持つ呪われた運命の少女と
その髪を唯一切ることのできる呪われたハサミの権利者となった少年の話

その少女を殺せばどんな願いも叶うという伝承により
次々と襲い掛かる魔の手から少年が少女を守り続ける



ヒロインの祝は主人公キリの支援がなければ社会生活を営めない
そしてキリはキリンググッズに起因する特殊性癖を祝でしか処理できない

最初にセットされるこの<相互依存関係>はたいへん強固なもので
一見お似合いの若いカップルという関係に見えて、
これが物語に独特の閉塞感をもたらします。


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祝はキリに頼らなければ自分を守ることさえできないし
キリは祝を失えば衝動を解消できず殺人鬼になってしまう

この二人の依存関係は変わらない、閉じきっていて変えようが無い。
何があってもどんなに理不尽な条件でも、キリは一人で祝を守り戦わねばならない。
行動選択に幅がないということですね。これが閉塞感その1

もしも呪いを解く方法があれば、祝もキリもそれを求めるはずだけど
そういう「展望」が作中にない。これが閉塞感その2

「女王(祝)を殺せばどんな願いも叶う」という一方的ルールが敵側にあるが
その敵襲を排除することによるキリへのインセンティブは何もない、
これが閉塞感その3


この「インセンティブがない」というのが一番問題であろうと僕は思うわけです。

まあ厳密に言えば
キリは祝の髪をスハスハしたりジョキジョキしてれば幸せなんですが
それは敵を倒さなくても手に入ってるものなので
必要なのは視聴者が一緒に満足できる勝利給、
「死闘の見返り」の部分ですね


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物語は祝の新しい学校生活をあまり重視しませんが
僕はここにこそ力を入れて、尺を取ってしっかり描くべきだったと思うわけです。

夢にまで見た学校での生活です。
友達を作ったり勉強したり遊んだり
放課後に寄り道したりくだらないことでおしゃべりして盛り上がったり
そういう当たり前のことに祝はずっと憧れていた

祝は学校に通いながら、毎日目がキラキラしてるはずなんです。
世界始まった。すべてが新鮮に光り輝いていて、感動に満ちている。
自分には未来永劫、訪れないと思っていた充実した日々。
そしてこれからはそれが当たり前になる、という喜び。

敵の襲撃があって、死闘の末にキリが自分を守ってくれて、
また日常に帰ってくるたびにこの感動は繰り返される、
そして祝は毎日思うはずなんです。キリがいてくれてよかったと。
キリには感謝してもしきれないと。

この祝の感謝・感動こそがキリの、そして視聴者へのインセンティブなんですよ。
キリが命がけで守っているもの。
その守っているものが、ちゃんとキラキラ輝いてるところを見せないといけない。


でもこの物語は、そういう日常部分をほとんど重視しない。
次から次へと、まるで強迫観念に取り付かれたように襲撃イベントを発生させ
新しい敵が休む間もなく次々と送り込まれる。
「間を作っちゃうと客が退屈しちゃう」とでも信じているかのように。

その敵はすべて理屈の通用しない、我欲にまみれた利己主義者。
そして味方になってくれる人は基本的にいない。
死力を尽くしてようやく勝っても、とくにご褒美はなし。


これだと、見てるほうは疲れちゃうと僕は思いますけどね。
この原作の作家さんは、ごく当たり前に通り過ぎる日常というものに
あまり価値を見出してないのかもしれないですね。



#09
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「私も怖い。他のオーサーに殺されたら、キリ君にもう何もしてあげられない」

このセリフだけはおかしいですわ。
「お前、今までキリに何かしてあげてるつもりやったんか」という気分になる。

確かに二人は相互に協力し合ってる関係ではあるけれど
なんかこのセリフは軽率というか、ちょっと違うような気がしました。




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