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AKB0048 快楽の構造  

■AKB0048
http://akb0048.jp/

★★星二つ
意外にも良作でした。これ、春アニメでは一番面白かったかも。

作り込まれていて情報量が多く色々と深読みもでき
それでいて進行は常にシンプルでわかりやすい。
AKB関連の声優陣が妙に上手くて驚きます。やはり勘が良いのでしょう。

特筆すべき群舞のCGIは「まだダメ」「不気味」と思う反面
「ここまで来てるのか」とも思い、なおかつ「もうすぐ凄いことになりそう」と
期待させるものがあります。

面白いというより、視聴が楽しく全体的に心地よい作品でした。
視聴が心地よいというのも、なんだか妙な、享楽的な心地よさです。
何だろうと思います。

主人公・ナギサのステータスと関連イベントを棚卸ししていくと
この快楽の正体がおぼろげに見えてきます。



・主人公は素直で心優しく、友達思いの少女。ほかには何もない。
・歌や踊りの才能はない
・昔地元で見たライブ以降、AKB0048に憧れている。メンバー入りを目指す。


・オーディションに向け移動中、唐突にキララの祝福を受けスターのフラグが立つ

・選抜セレクションが戦闘。ここで歌や踊りといった不安材料から開放される。
 →友達思いであるという唯一の特性により難関を突破

・聖地で憧れのゼロゼロに囲まれ愉悦の日々

・生意気なチエリに出し抜かれ嫉妬するが、チエリはすぐ先輩に弱点を突かれヘコむ
 →そのヘコんだチエリを優しく気遣うことでナルシズムに酔える
 →チエリを立ち直らせる面倒な仕事はカナタがやってくれる

・チエリは周囲とトラブルを起こしつつ、次第に丸くなっていく
 →何もしなくても、チエリのほうで勝手に付き合いやすくなってくれる

・劇中最大のトラブルであるタカミナ襲名問題ではカヤの外

・ツンドラスターで待機中、同期の仲間たちに勝手に街に出る提案をする。
 →トラブルが起きると、ツバサがそれを利用した作戦を立ててくれる。

・ある日突然ツバサからソロパート担当を命じられる
 →先輩やチエリの嫉妬もナルシズムの材料として機能する

・ランカスターで単独行動に出ようとすると全員が一致協力してくれる
・生意気なメグ先輩が自爆し退場
・急なストレスでピンチになるがチエリの激励で復活


要するにこれはエロゲのフォーマット。
意思とは無関係に、勝手にフラグが立っていく。

トラブルは基本的に他人の身に起こり、生意気な者は自動的にヘコまされ、
自らの周囲は理解者と協力者で固められ守られる。

強いカリスマを持つゼロゼロのメンバーたちは優しく面倒見がよく
主人公はストレスフリーのまま、訪れるチャンスを待っていればいい。

物語は美少女たちと派手なステージに彩られ、聴衆は盲目的に主人公を崇め、
それは妄想の文化祭でバンド演奏するような自己の実現です。


つまりこの作品の快楽を支えてるのは結局、万能感なのですね。
お膳立てをすべて周りがやってくれる、いいとこ取りの心地よさ。

エリート組織の一員として、多様性を受け入れ、対象の存在を許し、
与えられる困難を寛容に受け止めて次々解決していく気持ちよさです。

この主人公を例えば売れっ子の花澤香菜あたりが媚びた感じで演じていたら
激しく腹立たしいと思うんですよ。
でも声は専門声優ではなく技術的に拙い岩田華怜(AKB48、まだ14歳らしい)で、
生硬さとひたむきさだけが前面に出るため反感を買いにくい。
これは存外に上手くできている構造だと思いますよ。



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内容的にはそんな感じですが、別にいいじゃないですか。ここまで楽しければ。
強いて不満な点を挙げるとすれば、
終盤の重要な場面で使われる「渚のチェリー」が地味で、大した曲ではないこと。
アニメファン視点ではどうしても娘々メドレー的なものを期待するシーンなので
「希望について」のロングVerとかを用意してくれたほうが良かったですね。
ソロ曲で、しかも前田敦子関連という縛りもあったのでしょうが。
公平に言って、この曲で大衆および一般視聴者の扇動は無理でしょう。

OP曲「希望について」は良曲。



僕はOPで77期生の泣き叫ぶ一連のカットが大好きなのです。
この泣き顔はよい出来で、見てるとゾクゾクします。女は泣かすに限る
彼女たちが本編でどんな絶望に打ちひしがれるのかを楽しみにしてたんですが
大したことは何もなくて、そこはガッカリでした。


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・ツバサは13代前田敦子消失のあと卒業し裏方になったとありましたが
第01話、四年前の時点で前田敦子が健在なのに裏方をやってますよね。
これは演出ミスでなければ、プレイングマネージャーということでしょうかね。
ちょっとわかりにくいですが。

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もうひとつ気になったのは、カナタにいろいろ背負わせ過ぎだろうと。
「亡父の仇討ち」「襲名浪人」「ソナタの姉」「研究生のリーダー」「タカミナ推し」
このひとつひとつに個別の表情があり、忙しすぎます。
というより、カナタに尺を割き過ぎて他の研究生を描く余裕が無くなってます。
本来対等の立場であるミモリに比べて著しくバランスを欠いてますね。

それとカナタに関連してツンドラスターでのライブですが

663315122012072301.jpg

タカミナを見た少女がハート型ウィルスに感染?する表現。
作中において言及はないですが、これはおそらく「資質」の発現だと思うんですよ。
セレクションに落選した候補生たちにこの表現はありませんでしたし。

で、タカミナがカナタのチャンスを潰してツンドラスター出演を強行するにあたり、
演出においてこの資質発現の瞬間をカナタに見逃させる手はなかろうと思うわけです。
カナタはこの現象を見たあとで、驚愕しないといけない。

タカミナがツンドラスターでカナタに見せるべきなのは
現役の五代高橋みなみと研究生との間にある絶対的な「差」であって
それはライブパフォーマンスの完成度やクオリティとは別の能力であろうと。

タカミナには我執のほかに「自分にしかできない何か」を持っているべきで
それがあるからカナタには易々と席を譲れないはずなのです。
そうでなければゼロゼロのリーダーと研修生のリーダーが実力的に拮抗してることに
なってしまいますよね。
その場合、カナタが第六代を襲名すると、襲名がカナタにとってのゴールになってしまう。
そうではないだろうと思うわけです。

最終的にタカミナが卒業を決意するに至る流れには問題ないですが、
ここだけはもったいないと思った。



そんなところです。
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