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うそつきパラドクス 第09巻を解説してみる  

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「うそつきパラドクス」第09巻(最終巻)の解説です。バレ全開。

いや野暮だとは思うんですよ。こういうのを書くのは。普段なら書かないんだ。
でも尼のレビューに、わかってねえ書き込みが多いんですよ。
若いマンガ読みにはそこまでわかりにくいのかこれ?
ガイアが俺に記事を書けとささやくんですよ。



<海での別れ方に関して>
栖佑が八日堂と大桑のどちらかを選ばない限り、共有関係は永久に終わらない。
三人は共有関係についてどう思っているか。まずこれを整理します。

・八日堂はこれまで、何があっても降りる気はなかった。
・大桑はすでに共有関係の継続が目的化してる。ただ周囲の手前、結婚だけはしたい。
・栖佑はこんな状態はやっぱりおかしいと思っていて、終わらせたい。
 しかし自分から強い主張はせず、二人の意向に沿う。




栖佑は経口避妊薬など対策しており、体に負担を掛け、将来についても諦めつつある。
二人のうちどちらかを選ぶことはできないし、そんな権利もないと思っています。
大変なストレスを抱え込んでいる可能性があるが、それを決して外には出さない。

★「それじゃ二人とも好きだと言ってるのと同じだ」
「俺たちは~期待し続けるしかない」

栖佑がどちらも選ばないということは、
栖佑が今の三人の関係を持続させたがっていると取れる。
(実際にはそんなことはないが、栖佑を追い詰めるための方便)

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・八日堂が提案する、関係を終わらせる唯一の方法が「嫌いになること
ここで「嫌いじゃない」と言えば共有関係の継続を望んでいることになるので
ここでは「嫌い」と言う以外、栖佑に選択肢はない。


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・「本気でやってますか」というのはダメ押し
栖佑は本気で人を嫌う方法なんてわからない人なわけです。
だから八日堂は、ゴチャゴチャと言葉を継がせないためにここでダメを押す。
過去に「大嫌い」と言ってビンタして別れたけど結局元に戻ってしまったことがある。
今回は前とは違う、二度と戻ることはない、という念押しです。

八日堂は、今まで愛してきた栖佑の本気で出した答えが「あなたが嫌い」だったことで
初めて栖佑に「失望」することができる。

<本気で愛しているから手を離せる>というのが八日堂の立場ですが、
それは栖佑も同じ。
ただ、今までは勇気がなくてそれが出来なかった。
栖佑はそのことを八日堂から学ぶわけです。だから「ありがとう」と言う。

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このあと栖佑が大桑と別れるのは、大桑のこともちゃんと愛しているからなんですね。
片方の手を放さないままでいると、今までの関係や、もう片方への愛が
ウソだったことになってしまう。
両方を愛していて、選べないからこそ終わりのない共有関係が続いていたわけで、
選んでしまったら、選べるのに答えを出さず、わざと結論を引っ張っていたことになる。
それは二人に対して不誠実だと栖佑は考える。だから彼女のこの決意は揺らがない。
そしてそのことを、大桑もちゃんと理解するわけです。


<!--後日追記 ここから-->
・栖佑は、単に大桑を選ばなかっただけ。
・自分にとって一番大切なのは大桑ではなかったと気づいた、ということ。
↑解釈としてはこっちのほうがシンプルでいいかも? と思い始めた。

「当面三人でやっていく」と言ってる大桑に栖佑がドン引きしてるシーンがあります。
栖佑にとって大桑と作る未来は、ある意味で閉塞してしまっている。
その閉ざされた世界を、八日堂が身を切って切り拓いてくれたわけで
その時点で、栖佑にとって一番大切なのは誰なのか結論が出た、ということかも。

どちらの解釈も可能なような気がする。
この部分だけ、まだ自分的にまとまってないので一応併記しておきます。
(2012.07.10)

<!--ここまで-->



<二年後の状況、各人のその後>
・大桑
八日堂に対して負けを認めており、自分に関しては終わったと理解している。
しきりに栖佑の話を聞きたがるのは、実は彼なりに八日堂の尻を叩いてるつもり。

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「役に立たねえ~」=もっと情報をよこせ、という意味ではなく
何をやってるのか、なぜ行かないのかという意味

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「八日堂は嘘つきだからな」=本音を隠している

大桑が八日堂に行動を直接促さないのは、彼にも意地があるからでしょう。
しかし八日堂のほうは「大桑は未練があるんだな」としか思ってない。
ここは読者も同様に陥りがちな誤解なので注意が必要です。

・丸悦
八日堂と栖佑が上手く行かなかったら自分ががんばると言っていた、当然仕掛けたはず

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しかし彼女の八日堂への態度が変わっていないことから、八日堂の栖佑への思いが
今も変わっておらず、しかもそれが周囲にもバレバレな状態なのがわかる。

栖佑に大和田の情報を流したのは当然、丸悦です。だから栖佑が急に八日堂に接触してくる。
八日堂の近況は、丸悦を介して継続的に栖佑に伝えられていたと思われる。
突然、八日堂の周囲に女の影がちらついたので、栖佑は嫉妬に駆られたと考えるべきでしょう。
思いを募らせていたのは栖佑も同じなわけですから。

・八日堂
本当に愛していたので手を離した、二度と関わらないことが愛を貫き通すということ
何事にも無感動でいることで傷を飼い慣らした。
自覚はないが、何をしてても栖佑のことばかり考えている。二年たってもそれ。
募らせ、こじらせた思いってのは宗教と同じです。

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二年経ってもこんなこと考えてる。
ほかの女の子とデート中でさえこの状態なので、普段はなおさら。想像がつく。


<最終話ダイアログ>

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★「もしあなたがウソつきなら本当のことを言ったんです ウソつきじゃない」

「私はウソつき 大和田さんは口実です(ウソ)
 少し八日堂さんがどうしてるか気になって(ウソ)」

八日堂が気になっていないという事実は
現状の二人の関係から当然なので、そこにウソはない
=ウソつきではないことになる

逆に栖佑がウソつきでないなら「自分はウソつき」と主張しているので、
結局言葉の真偽は何もわからないことになる。

★ではいったい何が「少し困ったことになる」のか
ポイントはちょっと戻ったここです

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栖佑の言葉の真偽が何もわからないとしたら、
「大和田さんとうまくいくといいですね」「新しい恋しなきゃですね」
=「大和田さんとうまくいかないでほしい」「昔の恋を取り戻したい」
という解釈が可能になってしまうわけです。


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★「どう思われても仕方ない」「応えてもらうつもりはありません」
「正直な気持ちを伝えたかった」「それだけです」
・別れたあとで改めて好きになって、二年間ずっと八日堂が好きだった
・こんなのはダメだとわかっている、別れた時言ったことに反する
・気持ちを伝えたかった
ここまでなら別れた時と状況は同じ。

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★「それがウソのない正直な気持ちなんですか?」
★「いいえ」

八日堂は栖佑を愛しているから手を離した。今でも愛しているから手を伸ばさない。
手を伸ばしてしまうと、ここまで貫いてきた愛がウソだったことになる。

栖佑は今は手を伸ばしたいと思っている。そこにウソがない、ウソつきはやめた。
 →以前の言葉はすべてパラドックスのせいでウソか本当かわからない。
 →「あなたが嫌いです」と言って別れた時の「本気」を否定することになる。
 →過去の思いは本気ではなかった、ウソだったことになる。

これをまとめるための八日堂の主張が
「どうせ言葉は全部ウソなのだから、ズルくて汚くて、それでいいんだ」

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互いに愛情を持って通じ合ってるのに

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言葉を尽くすと見えなくなっちゃったりするねー


ってのがこの作品のテーマなんじゃないかな



<最終ポエム>
  俺は五感の全部を使って
  言葉に隠れた君を見つけ出したい
  二度とすれ違わないために

栖佑の物語は、別れて一度完全に終わったんだけど、
建前上改めて恋をしたよという結論ですね。

八日堂の物語は、散々振り回されたけど今後はウソをウソと見抜くよ、
といったところでしょうか。

<最後の八日堂の台詞>
言葉に意味はないという前提なので好きなように解釈できる。なんでもいい。
たとえば「必死でどうでもよさそうにしてました」とか


クライマックスの栖佑と八日堂のやり取りは相応に感動的な反面、
理屈っぽ過ぎる印象は確かにありますね。もっとシンプルでもよかった。
でも、折り重ねてきたウソと真実からようやく解放される二人を
大きな節目を越えるように描きたかったのかも。


仕事中なのでこんなところです。

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コメント

うそパラ、読み終わって色々モヤモヤしてたのですが
ここの記事を読んで色々すっきりしました。
ありがとうございます。

URL | 通りすがり #-
2013/03/15 15:24 | edit

Re: タイトルなし

大事なのはオパーイですよ
他はわりとどうでもいい

URL | 大匙屋 #-
2013/03/17 23:08 | edit

まだ8巻までしか読んでません
試しにとちょっと読んでハマったんですが、買えないんですよね(エロで)
電子書籍で8巻までです

でももう買います
続きが気になってネタバレ検索したけど、解釈読ませてもらって
よかったです
何回も何回も読む派なんでネタバレはあまり気にならないし
多分同じ解釈をするかなって感じがしました


エロ成分は掲載雑誌の特色なのかな?ちょっとというか
かなり残念なポイントです
そういう状況描写は有りだけど、画を工夫・加工して欲しかったなと
思ってます
だらだらくだらない感想すみません 
ここ見てよかった、ありがとう

URL | zool #-
2013/07/04 20:02 | edit

感謝

まず一読後、少し整理したくて大匙さんの考察を読みました。
随分助けられました、ありがとうございました。

で、最近また読み返したら、これって大学時代に浮気されたけど
それでも自分を好きだと言ってくれてる人を裏切れない、でも
早く自分と別れて親友の女の子と付き合って欲しいって願っている
女の子が、何とかして次の彼氏は自分から選ぼうと四苦八苦
している成長物語に思えてきました。

栖佑さんは入社後は最初から「八日堂しか愛せなかった」のかなと。

URL | 夜空 #-
2016/01/31 17:15 | edit

なるほど成長なんですね
栖佑さんは先に大桑と出会ってなければ八日堂をスキになってなかったと思うんで
それで合ってる気がします

URL | 管理人 #pBoZlR9Y
2016/02/01 01:19 | edit

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

 |  #
2016/02/06 08:35 | edit

いまさらですが
9巻のp202で八日堂は栖佑さんに何をささやいているんでしょう?
そのあとウソつきっていわれてますけど

URL |  #-
2017/10/22 22:38 | edit

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