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健康第一

2010秋アニメ 海月姫  

海月姫
http://kuragehime.noitamina.tv/

何だかとっ散らかったような、とりとめのない物語で、全体像をつかむのに
少し苦労した。

中盤以降の兄貴のトラウマ話や蔵之助の母親の話など、
さほど重要と思えない挿話の意味がよくわからない。
女狐と兄貴の関係は、月海を混乱させ感情を揺さぶる装置としては機能するが
いかにも尺を取りすぎで、全体の印象を散漫にさせる原因となっている。

各キャラの情報を早い段階から積極的に公開し、客観視点で
さまざまなアングルを拾っていく演出スタイル。
設定や進行に謎や含みをほとんど持たせず、おかげで変なストレスはたまらないが
神秘性や訴求力といった各キャラの魅力の部分は相対的に減衰する。
興味の対象がアングルごとに分散し、その重要度が客観的に判断できず、
どうしても本筋の印象がぼやけてしまう。

たとえば蔵之助はシュウが30過ぎても童貞であることにやたら衝撃を受けてみせるが
そのことが物語上どう重要なのか、そもそもそれが本当に重要なのかが伝わってこない。
そういった部分に変に気を散らされるため
悩んだりヘコんだりしている月海に寄り添う視点が持てなかったりする。


以下、演出でどうしても気になった点をひとつ。

第05話「私はクラゲになりたい」
天水町再開発説明会にて、シュウにまったく相手にされなかったことで
「自分は無力」と激しく落ち込む月海が
「鎧を身に纏え」という蔵之助の演説で胸熱になる。

自分を見てもらうためにはそれなりの格好をすればいいという
ソリューションの提示が月海にとって格好の救いとなり
「なんだか心がふわふわしてきたよ」のモノローグ。

この流れがそのまま次話
第06話「 ナイト・オブ・ザ・リビング・アマーズ」に繋がるのだが

皆でドレスアップしたお出掛けのあと
唐突に天水館を訪れたシュウとの対面。





このシーンがシリーズ構成上とてもとても重要なんだけど
絵面含めた演出がひどく地味で、話にならない。
この時点でのシュウは、女狐といろいろあった直後で余裕がないとはいえ
例えばセミフォーマルにして花束を持たせるくらいはして良かったと思う。
彼は本来、着崩した格好で女に甘えに行けるようなタイプでもない。

そしてこのシーンは、月海が前回の説明会で激しく落ち込んだ後、
蔵之助の「魔法」で心がふわふわになり、
「アフター月海」となった彼女にもたらされる過去最大の奇跡。
ここで徹底的に月海を有頂天にさせておかないと
その後の展開で襲い掛かる悲劇との落差が微妙なものになってしまう。
そういう意味で、ここだけはもっと印象的な演出が欲しかった。

もともとシュウの造形自体が地味目だし、物語もテンポ良く進むため
月海が抱く恋心に対して、ここの他に視聴者が感情移入する機会もない。
いっそのこと、蔵之助と出会う前から
月海がずっとシュウに恋していたという筋立てでも良かったと思う。


オタクキャラ特有の挙動不審ネタはまさに鉄板で、
思わず爆笑させられるシーンもいくつかあった。
結局は、短尺の企画なのにアングルを詰め込みすぎたのが敗因かと。
まぁ原作付き作品ということで、難しい部分も多々あったのだろう。

それとOP映像に関して、映画のパロディーなど遊び心は満載だが、
これだとどういう物語なのかまったくわからない。
作品タイトルが内容の連想しにくいものである以上
そのあたりの配慮も為されるべきだろう。
作り手がオサレ心を優先して、わざわざ商機を逃しているような気がする。
しかしED曲は秀逸


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