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健康第一

2010夏アニメ 伝説の勇者の伝説  

伝説の勇者の伝説
http://www.denyuden.jp/index2.html

ローランドを離れティーア・ルミブルの隠れ家に至るライナが
虚脱感やニヒリズムに支配されない点が物語るのは
二面性がないのは幼い子供とライナだけだということ。

為政者として善悪の顔を使い分けるシオンはもとより
フェリスには凄惨な過去と、それにまったく繋がらない現在の顔があり
彼女を溺愛する兄とエリス家当主としての顔を持つルシル、
フロワードには冷酷な殺戮者と慇懃無礼な上級貴族の顔があり
キファには歳相応な少女の顔とスパイとしての顔がある。

物語の核心に近い存在ほど浅慮な行動を取るのが作品の特徴だが
こうした人格面の設定は不思議と徹底しており
「人は皆、腹の底では何を考えてるかわからない」というのが
作者から見た世界のひとつの真理であるのだろう。

「友達に迷惑は掛けられない」と辞別するのがライナ
「友達に殺されるなら死んでもいいや」と思うのがライナ
「シオンがどんなに狂っても友達だから救いにいく」のがライナ

ポストエヴァ世代の作品らしく
「他人が自分をどう見ているか気にしすぎる状態」な「ぼく」が
てらいもなく「友情」をキーワードに世界と向き合おうとする、
その青臭さを中和し類型から弁別するために
現実離れした、ある意味でチープな中世風ファンタジーの世界観が
必要だったのかもしれない。

原作未完のためアニメが話半ばで終了するのはもう慣れてしまったが
シオン(=勇者)の最終目的などの大きな物語が
今ひとつ見えて来ないのは不満が残る。

比較的丁寧に描かれたミルク・カラードの立場も結局本編に絡まないし
前半を費やした遺物探しが無収獲に終わったのには愕然とした。

第10話あたりから俄然面白くなるだけに、いろいろと惜しい。
原作小説は大変な人気作らしいのだが、
このアニメは作品として評価する段階に達していない。
「続きはぜひ小説で」つまり、アニメ化に対する本気を感じない。



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