大匙屋

健康第一

「けいおん!」は要するにリアクションアニメ  

「全ての物語は主人公が穴に落ちる→穴から這い上がる/穴の底で死ぬという話型で出来ている」(村上龍)

通常アニメのストーリーは「それは一体どんな穴か」ということに
重点的に着目させるわけですが、
「けいおん」の場合は
「主人公たちがどんなふうに穴に落ち、どんな顔で這い上がるか」
が、最も重視されます。


たとえば以下、1期で申し訳ないんですがわかりやすいので
第12話 「軽音!」から


ライブ直前に遅れて到着した平沢 唯に対し
メンバーのリアクション

0002454861275a.gif

落とし穴→唯が風邪でライブができるかわからない
穴から這い上がる→なんとか風邪を克服して遅れて登場→ライブができる

凡百のアニメならこのまま1→2→3でシーン転換が可能です。
しかし「けいおん」の場合は、ここで3の前に
2→2A-B中野梓のリアクションを拾いに行く。


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ひとり年少、未成熟であるがゆえに
安堵、喜び、不満といった感情が他3人ほど手際よく制御できず
(これら感情は他3人がそれぞれ個別に表現している)
うつむいて切歯扼腕する中野梓。

唯がフォローに入り「特別ですよ」
この台詞自体には大した意味はなく
同じような台詞が2期06話でも「今回だけですよ」として使われ
中野梓の「赦し」のパーソナリティ表現となっている。

要するにここでこの個別リアクションをわざわざ拾いにいくのが
「けいおん」演出の大きな特徴。特徴というかキモです。


つまり同一の事象に対して5人なら5人分のリアクションが常に存在し
その中で面白そうなものを拾って見せていくのが「けいおん」の演出。
落ちる穴は本当に何でもよく、穴に落ちたときに
彼女らが一体どういう表情を見せるのかだけが重視されている。

女子高生バンドのアニメでありながら
演奏シーンやライブシーンがなくても誰も不満には思わない。
落ちる穴はそれ以外にもいくらでもあるわけだから。

なので、「けいおんには中身がない、ストーリーがない」という批判は
あまり意味を為さないわけですね。

ホームセンターにおけるツムギのリアクションや
修学旅行で一人だけエンジョイできてない事に自ら気づく澪なども
全部同じです。
我々はただそのリアクションの差異(というか微妙なズラし)を見せられながら
あーいいなー、可愛いなー、今回もブレてないなーと
「安心」しているわけです。

このパターンを踏襲するといくらでも、それこそ無限大に話は作れますが
唯一の問題は、彼女らに季節イベントとして卒業が控えてるってことですかね。




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