大匙屋

健康第一

水際の表現はあまり進歩していない。  

前回のエントリーに関連して
「咲の作画ってそんなに悪かったか?」みたいな誤解を受けたんで
ちと補足

特定作品の作画というより水の表現についてです。
もちろん水や炎、煙といった自然物というのは描くのがとても難しい。

爆発に関しては磯さんという天才が現れて以降日々進歩し続けてるし
炎というのは実はどの炎もそう変わらないしCGでもいけちゃうんですね。
でも「水といえばこの人」みたいな代表的表現者ってのは意外といない。
気泡や水飛沫が上手い人は多いんだけど。
そういうのもあって、たゆたう波間やプールの水際の表現みたいなものが
大して発展しないまま今日ここまで来ちゃってないか?という気がするのですよ。

CG、エフェクトの発達で水らしいテクスチャや反射光は表現の幅を広げてるけど
液体と固体を分かつ境界線の表現はここ10年くらいほとんど変化がない。
表現の幅は広がっているはずなのに、相変わらずの寒天プールを見せられると
アニメーターの技術力の平均値は逆に下がってるんじゃないのとさえ思う。

別にハイパーリアルに描けというつもりはないんだけど
わずかに線を動かすだけで、質感てのはグンと向上するもんでしょう。
それが10年以上ほとんど変わらないってのは、不思議ですよね。
こんだけ美少女アニメがあふれて、お約束のように水着回がある。
水を表現する機会はむしろ増えているはずなのに。

まぁ前回はちょっと意地悪く書いちゃったので反省してるんだけど、
見る側の立場として、そろそろこういう部分にも進歩があってよくないか?という
意識を持つべき時期じゃないかなと思ったりしてるわけです。

日本のアニメは世界一ィィィ!みたいなことを
世界に向けて発信したい人も最近大勢いるようですしね。
冗談じゃない。まだまだこの程度なんだよ、と。


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1995 新世紀エヴァンゲリオン 第10話 「マグマダイバー」
アスカが飛び込んだあとの水面。波紋はおろか影や反射光さえゆらめかない。

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1997 少女革命ウテナ 第15話 「その梢が指す風景」
ぼやけた境界線がゆったりと見事にゆらめく。リアリティなどはないが美しい。
これはもう、さすがウテナというべきか。

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1999 カードキャプターさくら 第63話 「さくらとプールと大きな波」
それなりに予算をつぎ込んださくらでさえこの程度という時代。
だが少なくとも水は当たり前のように波立ちゆらめいている。

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2003 神魂合体ゴーダンナー!! 第08話 「華麗なる撃墜王」
手描きによる水表現はこのあたりが最後の世代かもしれない。

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2005 灼眼のシャナ 第09話 「恋と欲望のプールサイド」
完全に寒天プール。CG導入とともにこうなった。
制作現場が大幅な省力化を余儀なくされた時代です。
寒天プールはアニメバブルの遺産とも言えると思いますね。
それが何故か今も続いている。

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2007 ケンコー全裸系水泳部ウミショー 第03話 「魅せる!!!」
ウミショーはプールが舞台の中心であり高負担であることも考慮する。
コースロープ下線のゆらぎなどに工夫が見られる。

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2007 School Days 第5話「波紋」
波紋なし

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2008 とらドラ! 第07話 「プールひらき」
反射光の使い方でゆらぎを表現している。線の動きはない。
飛び込んだり足を動かしたりしない限りは、そう違和感はないけど・・・

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2008 ロザリオとバンパイア 第05話 「スクール水着とバンパイア」
敵キャラが暴れているプールなのだが・・・。

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2009 まりあ†ほりっく 第12話 「美少女だらけの水泳大会 ポロリもあるよ」
動きのある手描き線とCGの組み合わせ。清涼感や質感は出てるけど
白い線は好みの分かれるところか。

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2009 よくわかる現代魔法 第04話 「jini」
波紋はよく出来てるけど水際は微動だにせず。


おまけ
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2008 そらのいろ、みずのいろ 下巻 「わたしも……してあげる」
都合により一部修正。激しい運動量に見合った適正な質量ではないが
わずかに波が立っていて、そこそこ凝った作りになっている。
TVシリーズのアニメ制作にも、せめてこれくらいの意識を傾けてほしい。




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