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「とある魔術の禁書目録」とキャラクターの話  

たとえば「子連れ狼」なら、主人公・拝一刀は陰謀により一族を滅ぼされ脱藩。
刺客に追われつつ各地を放浪し、自らも剣客商売に生きる。
これだけの設定でも面白い物語は充分に作れそうだが
さらにこの物語には「大五郎」という一刀の幼い息子が用意され
これにより殺伐とした剣戟の世界に「父子の情愛」を持ち込むことが出来、
物語世界はより深みを増していく。

つまり息子・大五郎は剣客・拝一刀の「通常表には出にくい人間的な魅力」を
上手に引き出す「装置」であり、相互関係の中で人物描写に豊かさと膨らみを与え、
きっつ張っつの単調になりがちな展開に抑揚とツメタメをもたらしている。


「キャラが立つ」という言葉があるが、この言葉の意味を
「個性が際立っている」と解釈するのは本質を射ていないように思う。

作劇においては複数のキャラクター同士が相互に必要な部分を補完し合い
互いに魅力を引き出しあって話を回していくというのが理想で
そういった振幅のある関係性の中心にいるのが主人公である。
もちろんそうでない物語にも良い作品はあるのだけど。

つまるところ「良いキャラクター」というのは
設定てんこもりの個性派キャラクター単体のことではなく
引き出し得る魅力的な要素を抱えている関係そのもののことだ。

「とある魔術の禁書目録」を見ていて思うのだが
この作品の原作者・鎌池和馬という人は、若い作家さんらしいが
こと「個性が際立っている」キャラクターを数多く創出することに関しては
ほとんど天才的な才能を持っている。

だがそれはキャラ造形に関して本質的に重要な部分ではない。
上条当麻はどのキャラに対しても平均的で標準的な上条当麻であり続け、
彼を取り巻く大勢の人々の、それぞれの潜在力を引き出しきれていない。
ヒロイン・インデックスも、インデックスにのみ見せるはずの当麻の
本当の魅力をあまり上手く引き出していない。
結果的に、困難な事件に際しても「説教で解決」「右手で解決」などと
揶揄される単調な展開に陥ってしまう。
要するにこの物語には「因果関係」しかなく「相関関係」がない。

パワーバランスや初期設定を無視した「主人公補正」で
話を無理矢理解決しないのはとても丁寧で好感が持てるのだけど、
展開の中で「この人たち」が持ってるはずの魅力を存分に引き出すことが
できたなら、とてつもない傑作になりそうなのにと思う。




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