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健康第一

2008夏アニメ 魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~  

魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~ (12)[EX]
http://www.sora-mahou.com/

いきなり顔のアップから入るワンキャメのようなカット割りが特徴的。
話題となった背景の実写使用に関しては賛否両論なのも理解できる。

だがアニメ表現とは本来このぐらい、あるいはどこまでも自由であるべきだし
監督が「こうしたかったんだ」というならこれも充分アリなのだと思う。
セオリーというものがあればそれを破壊するのもクリエイターのツトメであるし
洗練度においてこれが完成形といえるかどうかは別として
その姿勢自体が誠実に見えるか否かは結局主観的問題でしかない。

この実写背景が実際のところコスト的事情によるものか
あるいは制作者の創造的選択であるのかは
こうした手法が今後において他作品にどう影響するかでわかる。
ローコストでこれが実現出来るのなら
例えばアダルトアニメの背景は全部これになる。


劇伴、主題歌、挿入歌を含め音楽の出来は秀逸。
EDのフレットノイズが心地よい。

第09話の挿入歌「青空のマリー」のチョイスには恐れ入った。
これはムーンライダーズが'84年に発表した名曲中の名曲で、
キモオタ童貞喪失ソングだと僕は勝手に思っているのだが
第09話での豪太に与えられたポジションには完璧なまでに沿えていると思う。
劇中では用いられなかったが、この曲には「外は正月みたいな空」という
凡百の作詞家には絶対に作れない、天才的な歌詞がある。
僕はこのフレーズでいつも吹き出しそうになる。
機会があれば是非フルコーラス試聴してほしい。


第10話からの展開は幾分唐突にも思えるが、これによって第01話で
研修先が決まったことに対する母子の過剰なまでの喜びようが
「実はあまり時間が無かった」という事実への伏線だったとわかり、
第03話依頼人である老婦人に対するソラの不躾な態度にも得心がいくし
第06話で急ブレーキの音がしたあと玄関先でソラが昏倒していた理由もわかる。

必要以上に心理や内面描写に踏み込まない点で軽快さは得られているが
終盤で生まれ故郷に戻ってきたソラが
登場時点と同じようにてくてくと歩き、溌剌として笑い、よく食べる、
テーブルに並べられた料理なども第01話と同じになっており
一見、シリーズに共通した軽妙で深刻さを感じさせない描写のようでいて、
その時点でソラの内部で「本当は何が起きているのか」を想像すると
こみ上げてくるものがある。

ストーリー自体には複雑なところは何もない。
個人的評価として「菊次郎の夏」と並ぶ夏物語の秀作となった。
いずれかの夏に再び見返すことにしようと思う。




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