大匙屋

健康第一

リハビリ更新 2008春アニメ ブラスレイター  

BLASSREITER ブラスレイター tvk 26:00 (24) http://www.blassreiter.com/

ドイツを舞台にした近未来SF

大前提として、画面から浮きまくったCGIを不問にできるなら楽しめる作品。
疫学的なアウトブレイクから始まりますが
パンデミックホラーではなく黙示録的なストーリーのようです。
陰惨だけど、どこかで救済があるのかもしれないと見続けているうちに
ああこれって永井豪の「デビルマン」へのオマージュだとわかる。

説明不足というほど視聴者に邪険ではないがサービス過剰というわけでもなく
導入部における、主人公が誰なのかさえよくわからない展開には
落ち着いて見ていないと多少混乱するかもしれない。

僕は基本的に富野信者であり、物語を意外な方向へと突き動かしていくのは
常に登場人物のエゴイズムの力だと思っているので
ヘルマンやアマンダの「情」に基づく命令無視や暴走と周囲に与える影響、
さらにツヴェルフのマッチポンプのような利己主義的論理などを見ていると
「これは上手いな」と目を見張る部分が多々あります。虚淵玄おそるべし。

ただ、移民差別や貧困、いじめなどの社会問題が原因で世界をネガティブに
眺めた結果として裏返ってしまう人間のありようが繰り返し描かれますが、
これは確かに誰が見ても悲惨で気の毒な話なんだけど
でもそれが一体どうしたんだよというか、中流が一般的だった昭和~
平成初期とは違い、今は「自己責任論」が蔓延する格差社会ですから、
なかなか共感は得られないと思います。
「まぁそういうこともあるだろう」と簡単に流されちゃうんですよね。

弱者が執拗にいじめを受けている場面を見てると、同情するよりも
「何でちゃんと反撃しないんだよ」とストレスを感じてしまう人のほうが
今は多いと思う。それが正しい判断かどうかは別問題ですけど。
「反感」のホコ先が演出意図とは真逆の方向に作用したりするので
難しい時代ですよね。

こういった点に関して近年で上手かったのは都築真紀さんの
「なのはStrikerS」('07年)のレジアス・ゲイズ中将の設定です。
彼の場合は世界をポジティブに捉えた結果として裏返ってしまった
パラノイアだったわけですが。

虚淵玄さんは率直に言ってかなり高い技術の持ち主だと思うのですが
こうした、今ある「安易にしてベタな部分」をより巧みに現代社会と摺り寄せる
ことができれば、その才能は大きく開花するんじゃないかと思います。

でも「全滅じゃなければ俺たちの勝ちだ」ってのはいい台詞ですね。


前半部では「メイフォン」というキャラクターの使い方が見事です。
状況を端的に説明しつつ周辺キャラクタの行動を促し、または制限し
物語をテンポよく誘導している。11話などが最たる部分です。

後半部回想シーンにおけるザーギンの転向は重要なのに少しわかりづらい。
戦隊物みたいな展開も「イキナリなんじゃこりゃ」と戸惑いますが
そう悪くは無い。
でもアポカリプスナイツは「かませ」なのが丸分かりなので
そこそこで切り上げて本筋に戻って欲しいところです。


ここまで書いておいて何ですが僕にはこの作品のCGIの受け入れは無理でした。
あのポリゴン臭い質感にはどうしても興醒めするというか燃えない。
下手糞でもいいから手描きでやってほしかった。

(とりあえず20話まで)



スポンサーサイト

category: アニメ

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://sajiya.blog89.fc2.com/tb.php/108-34bee84a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)