大匙屋

健康第一

2013秋アニメ WHITE ALBUM2  

■WHITE ALBUM2 http://whitealbum2.jp/

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高校生活最後の文化祭に向け、軽音楽部を立て直そうとする優等生の北原。
ある偶然から、学園No1アイドル・小木曽雪菜と天才ピアニストの娘・冬馬かずさの勧誘に成功し、
努力の末新バンドは成功するが、やがて3人の関係は微妙な変化を遂げていく。


というような話でした
2009年に放送された前作「WHITE ALBUM」とは世界観のみを共有する、別の作品。

まるで往年の鎌田敏夫さんが書きそうなトラディショナルな恋愛劇を装っていながら、
非常に冷淡で凄然とした、時としてアイロニカルな視点が痛ましい、えぐるような作品です。
惜しむらくは作画アベレージがあまり高くない点でしょうかね。
要所において没入を妨げるレベルです。



#02
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左(2K中5)から右のgifにつながるんですが(右右3K中3 右の左2K中4)
女は不機嫌なまま口も聞かずに立ち去るというシーンで、顔は最後まで見せない。
きつい仰角も、女の顔を映さないための無理やりな感じがある。 

けれどもこのヘロヘロガタガタの2k歩きが北原にピッタリなんですよ。
パースも不機嫌な女の歩きの前のめり感を支えてますよね。
加えて急に出てくる2コマのタイミングが妙なプレミアムを発揮して
なにか期待させる、予感させるカットに見えてくる不思議


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さっきのシーンの直前のカット、手の小芝居、足もたつき

#03
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冬馬、嚥下。シンプルな線と影によるノドの柔らかな動き
コップの中身が口腔を経て喉を通過するタイミング
こういう、ちょっとしたしぐさに良い作画はちょこちょこある。

レイアウトも全体的に良いんだよな。でもなぜか(絵が)描けてない

#10
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あとこれすごい
車なんて1台も描かれてないのに
撮影処理とSEだけで車が通過してる


#06
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口の小さい美少女キャラとおかゆ(レンゲ)の組み合わせは難しいといつも思う
たいてい横顔でごまかすんだけどフカンは珍しい
そして当然だけどうまくいってない

#07
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ライブシーンの作画はまあ、予算次第、余裕次第なとこもあるだろうけど
あれで満足できる人は、たぶん今の時代には少ないだろう。

あれは「どうか理解してください、察してください」と言っている作画です。
でもあんたら歌アニメで大きくなったサテライトだろう。一体何やってんのと言いたくなる
米澤円の声が良いだけに、余計に惜しい。

そういえば、SOUND OF DESTINYは米澤のバージョンが一番良いように思う。
Bメロの声が裏返るとこがいい




#08/#04
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演出
視線の芝居
会話に参加しない、会話の主体から外れた第三者の視点を印象づける
要するにリアクションのリアクションを拾いにいく

#03
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同上
これけっこう多くの重要な場面でやっていて
掛け合いのリズムを壊さないまま、多面的で幅広い情報をシーンに投入してる
意外と高度な芝居ですよね。武也くんなどはこれに特化した役と言ってもいい。



#07
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ステージ上、北原ソロ終了後時間をチェックした直後の短いドリーズーム

北原は夢中で演奏し終えて、北原らしく段取りを気にしたあと、歓声を聞いて
日常とまったく違う違和感、自分をとりまくスペシャルな環境に気づく。

このシーンは、#09冬馬のコンクールでステージ上で輝いてる冬馬を見て
いたたまれなくなる北原の心情につながってる。

「いつかまた3人でステージに立ちたい」願望があったことに北原が気づく。
そしてそれがもはや適わない、自分が選択を間違えた。3人の関係を壊してしまった
自分は冬馬の隣にいることすらもうできない、そう思うと苦しくなって、
とても雪菜の横には座ってられなくなるわけです。そして便所で泣く。

#02
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雪菜が北原の誘いを一度断ったのは、
普段の取り繕てる自分に特別な何かを期待されていると思ったからでしょうね。
しかし雪菜の地味な一面を北原がとっくに認識していたことを知るに至り、
北原の誘いは逆に渡りに船となるわけです。

その後、小木曽家での冬馬との話し合いの席(#03)において
「どう思われてもかまわない」「嫌われてもかまわない」と冬馬に言い放つ北原に
人にどう思われるかばかり気にしていた雪菜は、その本質を解放されると

小木曽雪菜というのは何も持ってないただ一途な美少女なんで
こういう手続きを煩雑にすることで印象を太くしようとしてるのかもしれないけど
ここまで段取りを踏んでやる必要あんのかなと少し思った。

そしてここまでやって、脇役たちも全員味方につけてなお、冬馬に太刀打ちできず
目一杯同情を引くことでしか輝けない、本当に何もない人なんだというのが
とても悲しいというか気の毒。


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恋模様に関しては寄り添う視点で印象も左右されるし語ることはないです。
この作品で面白いのは女二人が自縄自縛に陥っていく過程と、
キャラの欠点を描くことに躊躇がない点です。

劇中において「ウザい」と形容されるような、
たとえば北原の無分別に他人を追い込むような態度/物言いであったり
冬馬のキレ性や協調性のなさ、雪菜の気安さと我欲の強さとか
それぞれに致命的とも思える欠点があり、
スッペクは高いのに、延々間違え続ける「隙だらけの彼ら」に対して、
僕らは精神的に優位なまま眺めていられる。

若年の至らない恋にあれこれ口を出すような
「あそこでああすればよかったんじゃね」的な気分。
そういうナルシズムを刺激する心地よさが、この作品にはあるような気がしますね。



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category: アニメ

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2013秋アニメ 弱虫ペダル  

■弱虫ペダル http://yowapeda.com/

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高校新入学した小柄でおとなしいオタク少年・小野田坂道は
奇妙な縁からガチ体育会系で全国レベルの「自転車競技部」に入部することになり、
そこで隠れていた才能を発揮、頭角をあらわし、チームに不可欠な人材となっていく。

というような話でした
1期3クールのあと、2014年秋から第2期放送中


まず作画ですが――
自転車競技ものということであれば
注目すべきは3D背動


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これはもう、ソツなくというか相当頑張ってる感じです。
合宿編、インハイ編など長距離・長時間にわたるレース描写では
ほぼ全編背動の回もふつうにあって、今更だけど凄まじい時代になったもんだなあと
スタッフ死ぬって、こんなの毎回やってたら

#02
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序盤、CGちょっとショボい出来かなと不安になるんですが
スタッフもどんどん慣れてくるのか、回を重ねるごとにクオリティがあがっていく


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チープさや違和感の残るカットもあるにはあるんですが
興がそがれるレベルではなく、動きの中でなら視聴に耐えうる水準
ただ髪など揺れものにはまだ改良の余地はあるように思う

#28
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手描きパートもキャラに寄れば常時髪揺れあるし背動だしで大変だろうなこれ

#02
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手元の芝居、抜粋
ここ丁寧で良い感じですね、スカートの揺れとか
そういえばこの姉ちゃんは主要キャラで唯一CGが用意されてない

#06
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カメラワーク
仰角追尾→上昇。軽快で躍動的

#09
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ティルト→上昇
ドローン撮影風カットですね
これ以上の上昇はキツいのかもしれない

ほかにも良い感じの回り込みなどが何箇所かありましたけど省略


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美峰がこんなに入道雲を描いてるのは珍しいかなとかちょっと思った

#22/#26
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止め絵モブにはやはりコピペ臭が・・・まあしょうがないけど
背中のシワ全部一緒じゃないすか



#05
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ストーリー
経験の浅い初心者が、大事な局面ごとに驚異的粘りで活躍するオーソドクスなスポ根路線
自転車競技という題材の新鮮さによってかなりの部分が救われてる。

登場人物は原則としてみな善人、コミュニケーション能力に問題を抱えた不器用な人たち。
彼らは互いに競技を通してしか語り合えないことから、主要な舞台は必然的に自転車レースになる。


で、小野田が自転車部に入部する動機が、少年漫画にしては弱いと思います。
入部しないと話が始まらないのはもちろんだけど、今泉、ミキ、鳴子と知り合い、
彼らがこぞって小野田の才能を認め自転車競技の世界に引き込もうとし、
小野田も当然のようにそれに応える、という流れは自然だが面白みはないです。

本来スポーツ全般を苦手としてた小野田が、悲願だったアニ研復活をあきらめ、
自転車競技に何を求めたのかがわかりにくい。

「(今泉君や鳴子君に)追いつきたい」という控えめな願望は一応の共感を呼び起こす、
その後のチーム戦術や小野田の描かれ方とも合致してる。
ただ合宿編、インハイ編と小野田が順調に実績を積み上げながら
彼自身は自転車で何をどうしたいのか、どうなりたいのかは漠然としたまま。

インハイ編などは当事者意識もなく「先輩のお手伝い」といった感じしかしない。
小野田の印象はずっと「初心者だけどすごく坂を登れる人」というイメージのまま、
動かないし理解も進まない。物語の訴求力も弱まっていくように見える。


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要するに小野田にとって明確なターゲット、ライバル、克服対象が存在しないんで
たとえば今泉くんはせめて中盤あたりまで、悪役(嫌われ役)として振舞うべきだったかもしれない。
今泉くんは普通に良い人なので、序盤の山場であるウェルカムレースでは
ずぶの素人に敗北した憐れさが目立ち、感動で泣いているミキに温度差を感じる


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ただこうした序盤の構造的物足りなさがあって、
それが後に登場する御堂筋くんの狂気を際立たせる結果にはなってると思う。
御堂筋くんは才能を開花させた孤高の天才で、
常に献身的で紐帯を重んじる小野田と好対照をなしている。
そして今泉くんは二人とは逆に、特徴を失い凡人化していくんですけど。





category: アニメ

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2013秋アニメ ダイヤのA  

■ダイヤのA http://diaace.com/

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投手としての素質をスカウトに認められ、地方から都内の強豪校に野球留学した少年。
素人同然だった彼は、先輩・仲間たちとの出会いやハードな練習によって徹底的に鍛えられ、
その才能を次第に開花させて、「絶対的なエース」を目指し日々成長を遂げていく。

というような話でした


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立中順平さんが全話アクション作監ということで、彼の仕事目的で見ました。

元請はマッドハウスとIGの共同制作ということになってますが
5クールを越え現在も放送中の長丁場なんで制作も複数のスタジオでローテしてて
中には不安定な回もありますが、おおむね作画は安定してます。
でも時折、なんてことない走りの作画などで妙なとこが目立つ気がします、
あと口の描き方が喪黒福造みたいです。


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こういうアブノーマル色を多用するあたりがマッドハウスらしい感じ、暗転も多い
逆にIGらしい緻密さはナリをひそめてる


#53
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油断するとこういうアホみたいな絵が飛び出してきて笑う
このカットで「抜けたー!左中間真っ二つ!」とかアナウンスが入る

#62
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こういう絵も。画面分割でわざわざ右側を隠すんで、アホさが余計に際立つ。
球が止まってるのに袖がパタパタしてるみたいな、こういう絵が何箇所かあった。
止めだけど、意味的には袖がパタパタしてていい場面もあるんで、区別が必要だけど

僕が子供の頃「釣りキチ三平」というアニメがありましてね。
まあその作品、作画は全体的に地味だったんだけど、そのOPの最後で三平くんが、
でかい魚を持ち上げてジャンプしてる絵があったんです。
ストップモーションで三平君は空中静止してるのに、
両手で持ち上げてる大きな魚がぴちぴち跳ねてるのね。
その絵を見て「なんだこれ変だろ」と僕は思ってたんだけど、昔のアニメはそういう、
よくわからない絵が多くあった。それを思い出した。

何を狙ってというか、どんな効果を期待してこういう絵を作ってるんでしょうね?


#44
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モブコピペ
こういうのも、もう少しうまく作れるはず・・・と思うけど
まあ現場には余裕が無さ過ぎたのかもしれない



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提供スポンサーであるミズノ社のタイアップ
用品に関しては理解できるけど、このEDの背中ロゴは露骨過ぎると思う。
恥ずかしくないのかな、こういうの作ってる側は。どんだけ一企業に媚びるんだ。


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練習や試合などの描写は、やはり止め絵や撮影による処理が目立つものの、
止めても数秒持つほど上手い絵があちこちにある。
複雑さのないシンプルな展開の面白さも手伝って
違和感なく見られます。

僕はもっと凝ったカメラワークとか構図を期待したんだけど
まあ、そもそも題材が高校野球ですしね。メジャーリーグみたいなことはできようもない

シンプルな展開の面白さと書きましたが、作品の土台となる成長物語のほかに、
作品を彩る、個性あふれる相手選手たちとの数々の勝負というものがあります。
豪快な速球がミットに決まるときの地響きのような迫力や、弾き返すときの爽快な打球音、
負けられない思い、ぶつかり合う意地、そしてよどみのない、わかりやすい決着。
スポーツだからルールがあって、だからこそどんな無頼漢との戦いにも一定の秩序があり、
純粋に敵味方の力と技術の差、そして知恵の優劣が試される。
本作はさすがに人気少年漫画原作だけあって、そこはまったく外していない。


演出面では、回想で情緒的な仕込みをして盛り上げて盛り上げて
最後に冷や水をぶっ掛けるようなところが何回かあって
そこが面白いと思った、#46とかがそうですが


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仲間が支えてくれる頑張れる!この一球にすべてを賭ける~みたいな盛り上げで
流れる音楽も悲壮感が込められてて、これはいけるみたいに思わせて


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突然カキーンと打ち返される、みたいな
もうね、演出が暴力的。大好きですこういうの



#62
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稲実戦については
沢村登板時のわくわくする感じ、臨場感がすばらしくて
そこは本当に良かったです。

ただ試合内容は「ああなんか強引に、無理に負けさせようとしてんなあ」というのが
経過から伝わってきて、見ていて少し萎えた

「現実って甘くないんだぜ」「絶対的エースがいないと勝てないんだぜ」みたいな
そういうのを伝えようとしてんのか。5クールも掛けて。
まあ原作付きなんで、そこは仕方ないんだけど

ただ非常に丁寧に、ちみつに積み上げられてるせっかくの作品なのに
試合では相手の執念に気圧されるとか、最後はけっきょく気持ちだ心の強さだみたいな
あいまいな精神論に持っていくのは、もうよせばいいのにと思う。
王道的というより、ありふれていて普通。
この経験を踏まえて登場人物がより大きく成長していくのはもちろんだとしても、
これに掛かけられた60数話はあまりに長過ぎると言わざるを得ない。



作画
アクション作画では50話のフィールディング練習が良かった

#50
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#63
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3K中9
多数の懸案を抱えた、重い足取りといったところ
両足が平行すぎる

#11
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なんかおっぱい凄い


category: アニメ

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今年こそ本格的にスパイダーカムが来る(はず)  



2012年、ベルリンで開催されたDFBカップ決勝。香川真司の先制ゴール
の、中継時に見たリピート映像。ご記憶の方も多いはず
僕は当時、このカメラワークに途方もない全能感を感じたものです。

この映像を実現してるのがスタジアム天井に設置されてる特殊ロープカメラ移動システム
通常「スパイダーカム」と呼ばれます。

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歴史は意外と古く、
2001年のスピルバーグの映画「A.I.」で初めて使用され
2005年には米アカデミー賞技術部門でオスカーを受賞してる
現在ではスポーツ中継などでよく見る、実際かなり普及してますよね


昨年は「OK Go」のPVをはじめとしてドローンというものが有名になった。
高高度の俯瞰映像から地上にいる人物ショットまでを
ワンカットでつないで見せるディレクションというものが
今年あたりからアニメにも本格的に波及してくるだろうと僕は見てます。

ていうか、冒頭のDFBカップ映像の全能感にしびれた頃から
この絵をアニメで見たい、とずっと僕は思っていて、
それがようやく去年あたりから少しずつ来始めてるのを実感してる。
もちろん最近のドローン、マルチコプター撮影の普及も無関係ではないはずです。


もう少し詳しく説明します。


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■世界でいちばん強くなりたい! #09 (2013)/はじめの一歩 Rising #18 (2014)

まず、こういう3DCGでレイアウト⇒斜俯瞰の回り込みやパノラマショットというのは
前からあった。


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■Free! Eternal Summer #06 (2014)

2014年の「Free!」二期では、真俯瞰ショットを回転させるというのをやっていた。
(※このgifはずっと見てたら目が回って気分が悪くなるかもなので、ご注意ください)

真俯瞰というのは、真上アングルから撮影してるという意味の映像用語でう
ちょっとアングルが斜めになると、区別のために斜俯瞰といったりもしますね。


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■Free! Eternal Summer #06 (2014)

で、ここでは真俯瞰から、背景デジTBの人物ショットにつないでくるわけですが
まだここではその中間の絵がない感じです。
カメラが降りてきて、ワンカットのままシームレスで人物ショットにつなぐのが理想

1カット目(真俯瞰)で生じた加速感が2カット目(人物)では寸断されてますよね。
これはオンエア版ではSEがつくので連続性は担保されるけど
作画的には敗北してるわけです。

実写だとこうなる





誤解しないで欲しいんですがFree、京アニのカット割を批判する話じゃないです。
今後こういう感じでスムーズにつなぐ演出が可能になり、増えてくるだろうという話です。
だって、そのほうが全然カッコいいじゃないですか?


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「Free!」はそもそもこういう真俯瞰ショットを意識的に多用していましたよね。
それと同作のOPには真俯瞰で捉えた水面に映る鳥の影をカメラが追い、
シームレスで3D背動につなぐ、というカットがある。
京都の人たちも本当はアレがやりたいんだな、というのがそこでわかる。


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■COPPELION #01 (2013)

途中まで作画TB・回り込み・斜俯瞰
かなり壮大さを感じさせる、マルチコプター撮影風


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■プリパラ #06 (2014)/右は0.5倍速

アイドルアニメのステージ演出、
従来のクレーン撮影風カットより機動性あり広域な稼動範囲
やろうと思えばもっと極端な引きもできそう

余談ですがま~ぶるMake up a-ha-haには深刻なレベルでハマりました僕


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■プリパラ #14 (2014)/右は0.5倍速

ティルトからクイックで引き、斜俯瞰
メリハリの強い演出、これも


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■ワルキューレロマンツェ #12 (2013)

これは真俯瞰ショット~スパイラル下降、オービタル、さらに仰角のフルコース
ドローン撮影にヒントを得た(と思われる)、わりと先端的な絵作り
一瞬で決まる勝負に時間的厚みを持たせる効果的カメラワーク


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■新劇場版 頭文字D Legend1 -覚醒- (2014)

ワンカットで真俯瞰から降下、高速ドリーイン


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■ファンタジスタ ステラ OVA #02 (2014)

斜俯瞰、スパイラル下降からフルショットのカットにつなぐ。
ワンカットでつなぐことができれば相当気持ちいいはずなんですが、
この群集CGの水準では、アップには耐えられないかもしれない。これは仕方ない。

でもこのカットがやろうとしてることは、すごくわかる。
これはもう、冒頭のDFBカップのカメラワークのまんま。
これを見た時「やっとこういう演出が来た」と思いましたよ僕は。


東京オリンピックも決まったわけで、これからスポーツ物の企画は増えていくはずです。
スパイダーカムやマルチコプター撮影を彷彿させる壮大で立体的なカメラワークを
アニメで目にする機会も必ず増加することでしょう。楽しみなんですよこれが。
ていうか、もう始まっています。いや多分




スパイダーカム公式

category: アニメ

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2013秋アニメ のんのんびより  

■のんのんびより http://www.nonnontv.com/

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過疎地の小中併置校に通う4人の少女たちを中心に描くのんびりゆったりスローライフ
という話でした

いわゆる日常系はいつもスルーするんですが
この作品良かったんで、少しだけ


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尼のビデオソフトのレビューをちらっと読んだだけでも
「癒される」とか「郷愁そそられる」とか「美しい風景描写」「心温まる」とか
いっぱい書いてあって、多分そのどれもが正解で、実際そういう物語なのだと僕も思う

東京から転入してきた都会っ子のとまどうような視点から始まる導入のわかりやすさ、
過疎地の不便さに引け目を感じるかのような登場人物の奥ゆかしさ、
悠然とした風景、豊かな環境音、徒に言葉を尽くさない情報伝達

そこは結局、鶏糞の悪臭もないマムシも害虫もいないファンタジー空間なんだけど
良質なツーリズムに似た案内があって、天真爛漫な少女たちの戯れがあって
多分これずっと見てたら人間ダメになるわ的な心地よさです、警戒が必要です
そういうのを全部計算でやってるような不気味さがあるんで

#01
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#01の桜餅の皿を手に山道を登っていくところとか。
説明がないことも含めてサービスなんだけど
森閑とした空気や薄闇の緊張感、目的地への期待感で視聴者を画面に引き込んでいく、
この演出は自然に見えて技巧であり、実は強引な力技です。

これ同じことを#04でもやっていて

#04
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れんげに引き回されるほのかちゃん、やっぱり木陰の暗がりの中で不安を口にする
れんげが意に介さずどんどん先へと進んでいくので、見ているほうもグイグイと引き込まれていく

04話Bは例の強烈な印象を残す、50秒にわたるワンカット長回しがクライマックスだけど
それ以前のこの場面で視聴者はすでに心をつかまれている、
このシーンがあるから、あの長回しに完全にやられるんだと思う


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小川とか、水の描写がやたら綺麗
とくに目新しさのないフラクタルノイズなんだけど、モチーフの良さのせいかな

#10
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この10話の堰板の深い色合いとかも。
綺麗ですよね。よく見ると小魚がいたりする


#09
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作画的な驚きはとくになかったですが
↑の#09 越谷家・縁側、れんちょんの小走りとか良かった
ちょっとお下げが硬いか

#04
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04話、水槽のカニの反射
ここも面白い絵だった



#12
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水田地帯で、山間部にしか蓮華草がないというのはあり得ないと思うけど
まあいいか


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あとは農村風景とか、各種風物詩とか。
BGオンリーも多用されますが、周辺環境や風景を眺める少女の瞳を通して
「より特別なもの」として受け取ってる印象があります。これも上手いと思います。

ビデオはよく売れて、二期制作も決定したそうで、まずはめでたい。
でも二期でやることって、そんなに無い気もする




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そういや一度も飲んだことがないな、と思って梅昆布茶を買ってきた。
飲んでみたけど、僕は正直、番茶や玄米茶のほうが好きかもしれない。
うちの婆ちゃんは喜んで飲んでます


category: アニメ

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貼り込み技術が喚起した「頁をめくる」という作画  

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君のいる町 #12 (2013)/ワルキューレロマンツェ #12 (2013)


貼り付け素材をデジタル処理で自在に屈曲させる、ということが可能になった結果
ここ数年、書籍や雑誌、手帳などの「印刷物の頁をめくる」という演出や芝居が増え、
微細な絵と運指の作画、その印象度が以前より上がっていると僕は思ってるんですよ。

今回はこれをいくつかまとめてお見せしたい。まあ積みネタですが



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神のみぞ知るセカイ #09/#10 (2010)


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僕は友達が少ない #03 (2011)


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坂道のアポロン #05 (2012)


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氷菓 #02/#18 (2012)


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GJ部 #02 (2013)


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レッドデータガール #05 (2013)


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のんのんびより #07 (2013)


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ガリレイドンナ #02 (2013)


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ハル (2013)


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アカメが斬る! #05 (2014)


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デンキ街の本屋さん #05/#03 (2014)


で、このデンキ街の本屋さん #03なんですが

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漫画を読んで延々笑い転げてる数カットのシーンがあるんですけど
ページをまったくめくらない。その「めくらない」ということが妙に目立つんですよ。
同じページで延々笑ってるように見えてしまうので、
めくらないという芝居に何か含みというか、意味があるのかもと勘繰ってしまいたくなる。
ひおたんがカントクを挑発してるのか?みたいな。

これが最近ちょっと困る点です。まあ僕だけでしょうけど

あけましておめでとうございました。


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