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健康第一

2013秋アニメ フリージング ヴァイブレーション  

■フリージング ヴァイブレーション http://freezing.tv/

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巨大モンスター「ノバ」と戦うため、人類の切り札として作り出される女性戦闘員「パンドラ」
その養成学校を舞台に、接触禁止の女王と呼ばれるサテライザー・エルブリジットが
支援者「リミッター」を担当する年下男子カズヤとコンビを組んで戦うバトルアクションアニメ。
の、第二期。

もっとも、パンドラとリミッターのコンビという設定は前期の時点ですでに活かされておらず
カズヤをはじめとする男子たちは、ほとんどの戦闘で単なる立会人/傍観者であることが多い。
リミッターの操る「フリージング」も、作品を総合的に言い表すタイトルとして相応しいか微妙。


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もともと色んな作品からよさそうな設定だけ借りてきて節操なくまとめてる作品で
深く考えずにスタートして人気の出そうな方向に適宜修正していった結果こうなったという感じ。
別にそれはそれでいい、そんなのは普通のことで、そういった作品はごまんとある。

ただカズヤという主役級が、パンドラとリミッターの関係を象徴する「イレインバーセット」という
五感共有システムを、特異体質により無視して戦えるという話にしてしまったり、
さらに主目的のはずの怪物ノバとの戦闘よりもパンドラ同士のフリーバトルがメインになって、
リミッターもフリージングも存在価値をいちじるしく下げてしまいました。
けっきょくフリージングは「とっさの不意打ちバインド技」という扱い、
リミッターに至っては、必要なのかどうかさえわからないレベルでモブ化してる。


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#11において
ノバに精神支配されたサテラの深層にカズヤがダイブして救出、これもよくある話ですが
この深層心理の世界にラナ・リンチェンが飛び込んで来て、もうメチャクチャやなと。
シフォン会長も動けない強力なフリージング展開中にラナが干渉できるはずがないんですよ。
実はラナもエイ痕を持ってました、みたいな話にどうせなるんでしょうけど。


借り物づくしの作品なんで、「聖痕は大切な人を守るための力である」的な、
一番ありがちな友愛の尊さ設定から逃れられない、その陳腐さを越えられないわけです。
あらゆる登場人物がそこに縛られる。

これが妙な方向に話が膨らんで、守る対象が守りようがない事態になってしまった結果、
今回サテラは主役の主体性を放棄し、シリーズのクライマックスを他人に丸投げ、
サテラは見てるだけというアホみたいな話になってしまったわけですが。

#09
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エルブリジット家の査察を取り付けた時点でアミリアの蜂起は意味がないわけで、
実際アラスカに戻ったサテラもアミリアを止めようとします。が――


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「では急ごう」

大原の研究室に殴りこもうとするアミリアを、なぜか急に応援する側に回るサテラ。
これ、カズヤとラナは「は?」という気分だったんじゃないかな。
意味がわからない。止めるんじゃなかったのかと


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大原が実験強行したのは命令があったのと、本命の別研究を続けたかったから。これはいいとして
マークスペンサーがジリ貧のEパンドラ計画に固執し、継続を強行しようとした理由が不明。
成果が皆無でも、外道に堕ちても、プロジェクト存続に人類規模のメリットがある、
その大儀を彼の口からきちんと語らせなくて本当によかったのか。

「誰かがが悪役を務めねば。それで多くの人が救われるなら」とか言ってたけど
目的と手段が逆転したのかもしれない。「俺が悪役を務めれば人類救われる」みたいな


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会長が状況を見据えていながら、なおシュバリエとEパンドラ計画を支持した理由も不明。
この人、ただ一人事態の悪化を防ぐことができる立場にいたはず。
なんで最後まで木で鼻をくくる対応に終始してたのか。
エリザベスの行動を放置して見殺しにしたのは会長じゃないの?それは自己責任なの?
それでクライマックスに「私は仲間たちを守ると決めました」とか言ってるけど
つまり、最初は守る気なかったの?

というわけで、この会長にもありとあらゆるモヤモヤが残ったままです。

#06
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良かったと思うのはルイス編
これはルイスが一方的に悪役なのはもちろんそうなのですが
サテラの「好きにすればいいじゃない」という投げやりな言葉でルイスが傷つき壊れていく、
このあたりの救いの無さが良くできてると思いました。

愛される理由が何もなく、けれどあふれ出てくるような愛情を、どう表現すればいいのか、
一体どうすれば相手の心に届くのかという
失礼ながら、この作品にはちょっと難しすぎる水準の命題なんだけど
限られた尺でわりと正面から取り組んでいて、純度が高く、そこだけは凄い。

片思いの相手と片思いのままセックスしてもあまり嬉しくないんだよな。
相手が自分を見てないことが、ひたすら悲しいだけで。


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作画は、女の身体はよく描けてるなー上手いなーと思いながら見てました。
アクション演出はスロー多用気味だったり省力的であったけど、うまく迫力は出せていた。


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もともと登場人物がむやみに多いのと、分身技があって作画負担は高いと思うので
あまり凝ったアクションが見られなくても贅沢は言わない
それでも1期第12話をしのぐ死闘を終盤に一回くらい、と期待したけど適わなかった

それよりもバトル時にどいつもこいつも冷静で、技の見せ合いに終始し単調になりがち。
「あらどうかしら、みせてあげるわ」みたいなのばっかで、勝敗にムキになる者がいない。
どのバトルも当て馬式でもったいない。そこは本来盛り上がれるはずのところだから。

序盤とか特に、合宿気分でなごやかにやり過ぎだと思う。
終盤シュバリエ派とEパンドラ派に分かれるけど、ああいう展開でも理屈をこねるより
「ちょうどいい、こいつムカつくブっ倒す!」みたいなノリでいいはずなんですわ。
赤髪の、ロックサンヌ・エリプトンなどは典型的なそういうキャラだと思ったんですけどね。

ノバが攻めてきて地球は大変なんだけど、なぜかパンドラはパンドラ同士で戦ってる、
みんな自己中心的でプライド高く、序列をわからせてやるとばかりに相手を見下し食ってかかる、
お前らそんなことやってる場合じゃねえだろ、というのがこの作品の面白さの部分なんで、
女子同士の雰囲気はもっと殺伐としてるべきだし、マッチアップ前提のプロレス的アングルセットにも
力を入れるべきと思うけど、多分この作者はキャッキャウフフのほうが描きたいんだろう。

ああそれと、ロックサンヌといえば

#08
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「この研究所おかしいよな?」
「ここにノバが現れたりしないよな?」
「この奥にフォトンジェネレーターがあって、核の一億倍だけど、もし壊されたら地球がヤバいよな?」
この08話、1シーンで怒涛の連続フラグ立て。凄かったです。ギャグかと思いました。


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あとはサテラか

巨乳・長髪・ロングスカートでシルエット綺麗に描くのは難しい、というか無理なんじゃないかと思う
プリーツのせいでよけいにぞろっとして腰高、戦闘姿勢だとバランス悪く見えてしまう。とくに後姿
これで得物がレイピアみたいな細剣なら要所で決まったポーズも取れるんだけど
武器もなんかあんなだし・・・
ってこれ前期にも書いた気がするな


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まあ今回のシリーズはこのカットが見れたのでOKです
わざわざ遠い異国まで出向いて、せっかく各国の使い手が集まってるのに
身内と戦うってのもどうかと思いますが。




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2013秋アニメ ガリレイドンナ  

■ガリレイドンナ http://www.galileidonna.tv/

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氷河期を迎え、深刻なエネルギー不足にあえぐ未来の地球を舞台に
悪徳企業の陰謀によって国際指名手配犯にされたガリレオ三姉妹が
人類を救うといわれる謎の遺産「ガリレオテゾロ」を探して世界をめぐる旅をする

というような話でした


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作画は一部雑なとこもあるけどおおむね高水準、キャラも可愛い
左下、ファンクションがピクトグラムになってるのが凄くいい
こういう発想は今まで無かったんじゃないかな?
(この設計思想は葉月・神月が金魚を操縦できる理由にも通じている)

メカのユーザーが女の子ということもあるし、闇雲にクールさを追求するより
こういった可愛い系や遊び心がモニターグラフィックスなどにもあるほうがいい
あと右下、勝手な印象だけどアニメ関係者は金文体が好き過ぎる気がする

#05
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#05凸レンズ、反転

#07
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07話、ガリレオ号浮上
メカの浮上はどう描いてもカッコいいけどやっぱりカッコいい
ホバリング時の転回と浮遊感が実にいい


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あとは05話で後藤雅巳


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その他、序盤の神月周りの芝居があちこちで素晴らしかったでう
ゴネる神月は進行上ブレーキになってて、正直これ要らんのではとも思うんだけど
神月のウザさを作画がかなりの部分救ってると思う



#05
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演出ではやはり05話(演出:河合滋樹)
極限状態での最高スマイルという対位法からのドリー
まあでも、子供を殺すというストーリーは少しズルいんですわ。手軽に悲惨話にできるし
ここで子供たちの命を散らすことがシリーズ上不可欠というわけでもなかったんで


あとは物語に関して――

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僕はこの作品、よく練られたストーリーやと思うんですが
練りすぎて必要な見せ場まで削ってるんじゃないかと思うことが多々ありました。
ガリレオ号が敵を撃退してみせるのって01話だけで、
そのあとはほぼ、まともに戦えていない。

02話は「父ちゃんが囮になってくれて、なんとか脱出成功」
03話は「ロベルトとの戦闘中に空賊が乱入してきて、ドサクサで脱出成功」
04話は「急に敵の気が変わった、おかげで脱出成功」

ガチンコのメカバトル物というわけではないので別にかまわないんだけど、
さすがにこんな話ばかりだと、多くの視聴者は序盤で心が折れちゃうんじゃないかな。
苦労続きの三姉妹がたとえ逆境でも明るいかといえばそうでもないし、
ストーリーには成功もそれに準ずる希望も見当たらない


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あとは星月とロベルトがうまく対立軸を成してないような気がする。

資源に対して人が大杉、だから人類は減る必要があるよ、というのがロベルトの思想で
彼は彼なりに人類にふさわしい未来をイメージしていると思う。

それに対して星月は、ちがうよちがうよ言ってるけど
なんらかの対案を持ってるかといえば、よくわからない。
とりあえずスケッチさえ集めれば、良策が見つかるんじゃないかな?という雰囲気

要するにテゾロ=よくわからないものを、わからないままに求めて旅をしてるので
着地点も見えないし、勝利の条件は何か、何が欠けていて何が必要なのかもわからない。
だからスケッチが順調に揃っても、三姉妹の感動を僕らは分かち合えなくて、
これは結構致命的と思う。


逆に、これはよく出来てると思ったのは09話

#09
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「いい女になったな」

#09において銃口を突きつけるアンナをロベルトがこう評価します。
ロベルトという人は女を知り尽くしてるタイプにも見えないので
これは少し不思議なセリフにも聞こえるわけですが、
たぶんこれは一般論としてではなく、ロベルトにとってのいい女
=カーチャンJ( 'ー`)しのイメージで語ってるんだと思うわけです。


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最愛の息子を失望させ罪悪感を抱えてでも慈悲を怠らない、
しかし幸せな生活はすべて外の世界の争いに奪われる。施した相手にも裏切られる。
ロベルトは命を掛けて三姉妹をかばうアンナに母親とまったく同質のフィリアを感じ取り、
これを「いい女」と評価するわけです。

かつての息子は精一杯の笑顔で両親の善行に報いようとしたが
彼らのやり方では世界は変わらないと、今のロベルトは確信している

けれどもここでロベルトはアンナを排除できない。
アンナを殺すことは、アンナにここまでさせる三姉妹、とくに星月への恐怖――自分とは違う、
自分に出来ないやり方でこの世界を変えようとする、
その星月に屈することになる(=ロベルト自身が「醜い魂」と化す)わけで。
だからロベルトはアンナを殺せない。
(もっと言えば、アンアは自分がかばった三姉妹に殺されるだろう、とロベルトは考える)


この「世界を変えようとする星月」の、そのやり方がもっと具体的で際立ってさえいれば
星月とロベルトの思想的な対立が明確になり、
もっと良い作品になったような気がするのですが。



category: アニメ

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2013秋アニメ ゴールデンタイム  

■ゴールデンタイム http://golden-time.jp/

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転落による大怪我が原因で記憶を失い、人生を強引にリセットされた少年が
新しい仲間と知り合い、高目美人な彼女ができたりで充実した大学新生活を満喫するが、
やがて過去の記憶やしがらみが甦るにつれ、幸福な第二の人生が崩壊していく。
というような話でした。

高純度のラブストーリーかと思ったのですが、おもに話をまわすのは恋愛事情ではなく
過去のしくじりと向き合う難しさ――みたいな内容です。


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作見的なところはとくにないけどコウコの衣装は毎回どころかパートごとに変えてあって
凄いと思った。女性監督ならではの拘りかもしれない。
着回しというか使いまわしがあったのは#05と#19くらいで自然な範囲
すとんとしたワンピースが中心でヒラヒラ揺れやボディラインも強調してこないので
それほど強烈な作画負担ではないかもしれないけど、頑張ってると思う

#01
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何箇所か、こういうコミカルな早回し表現。
#18の電気消すとことか。#19の出迎えとか


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JC撮影部得意の木漏れ日マスク
多段で影が動くようになってて進化してる


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美術はサザエさんでおなじみの草薙、3DCGもやってるんですね
上手いけど手堅さのほうが目立つ感じ
#19の夜のキャンパスでリンダ万里の対話シーンは素晴らしく綺麗だったです。
でもよみうりランド回のルーピングスターシップ、あれはねえわ
何かあったとしか思えない


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#19といえば
焼肉屋で万里が岡ちゃんの髪型を褒める傍らで嫉妬するコウコが可愛かった



あとは物語に関してですが――
恋模様も万里の症状進行に集約されて流れを見ていくしかないシンプルな展開なんで
苦戦を強いられた原因、何らかのしくじりがあったとすれば結末だけなんですが


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まずこの作家さんは
保身のための虚言や欺瞞を徹底的に糾弾し、登場人物を丸裸にして懺悔させるのが
確立したひとつの芸風というか作風であるよう。
とりあえずこの作家はこういう芝居がやりたいのだ、ということはハッキリしてる。


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終盤は執着から解放され菩薩の境地にたどり着いた主人公が
すべてを受け入れ安寧に至る展開

物語の行く末は堅牢で閉ざされた万里内面の流れ次第となって、
絶望的局面を前にコウコはとくに何もできぬまま第三者的立場に退く。
このあたりが謎だった。謎というか、意味不明だったです。

僕らが本当に見たかったのは、この常識に囚われないお嬢さんのやりたい放題の行動が
万里の置かれたいかにも無理な状況さえ圧倒的な迫力でねじ伏せ打開するところではなかったか。
「やっぱりコウコはスペシャルだった」、そういう物語が見たかったのではなかったか。

リンダには結局見守り甘えさせ、癒すことしかできない万里を
コウコになら完全に救うことができるという、その可能性の差こそが
尊大に振舞うコウコをどこまでも免罪する、正ヒロインの資格であったはず。


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けれどもコウコは破天荒なお嬢様から一転して殊勝で控えめな恋する乙女に堕した上、
最終盤には秘められたヒロイン力を行使もせず、傍観者に退いてしまう。
それを例えば「登場人物の人間的成長」とか評価するのは実にたやすいけど、
それこそ自己欺瞞のような気がしなくもない。


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OPEDの徹底したコウコ推しがグッドエンディングばかり予感させる分
万里が思い出して万里が独自に解決する、そこに周囲は掛けるという
そういう話ではなかったはずだよなという気分はどうしても残りますね。
コウコが万里を救わないのなら、じゃあ一体何のために二人は出会ったんや、という。

この物語を誰もが忘れられないものにするための最終的なアイデアは不足していた。
そんな感じです。



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ところで#16は実に良かったですね。この各話は素晴らしかった。
コウコ父の存在感は神懸かっていました。



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3コマ歩き随行、中3から中4へ変化→遅れ   

そういやこんなのあったなと思ったんで紹介しときます






(1)左3K中3、右3K中4 間隔は離れて速度は均衡
(2)早足だった左バニーが間隔詰めて後、右の男と同じ3K中4に
(3)コンパスの差によってバニーが遅れ始める
(地面の引きはアジャストしてないので、正確には作画で遅れてるのではなく演出)

■ゆめいろBUNNY  (OVA) 1987年
ソースの状態があまり良くない、わかりにくくて申し訳ない
でもなんか可愛いですよねこのカット。バニーの耳の揺れもいい



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近況:もう少ししたら更新再開できる予定です

category: アニメ

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