大匙屋

健康第一

2013秋アニメ ぎんぎつね  

■ぎんぎつね http://gingitsune.net/

古い神社の跡取り娘・佐伯マコトには、一般の人には見えない神使の大狐・銀太郎が見える。
神使と人間世界の橋渡しという自分の役割を意識した時から、
マコトの周囲に神社を中心とした神使と人々との奇妙な縁が広がっていく。
という話でした


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原作はジャンプ系列誌掲載、単行本は100万部売っているという大ヒットコミックですが
内容はまるで15分アニメのような、ゆったりほのぼのした日常系。

大きな山場はなく、妖怪もの的な霊験トラブルや、アニミズム礼賛も環境メッセージもない。
ただ神使がやしろにいて、時おり参拝する人の願いに耳を傾けるだけ。


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効験や利益はないけど、銀太郎のおかげで猫が見つかり、
猫が見つかったおかげでマコトはユミと出会うことができた。
ユミとの出会いが船橋との出会いにつながり
その3人との出会いがなければサトルは心を開けなかった、
人の縁が繋がっていく、それがこの作品の愛されてる部分だと思う。


「何も起こらない物語」が如実に語る事実がひとつある。
僕らが神仏に願うこと、個人で抱える不安や焦燥や苦悩の大半が、
千年を生きる神使にとっては非常にどうでもいい話であるということ。

そのどうでもいいことの不安から僕らは逃れられないわけだけど、
それは「小さなことなんや」と気づくことで、少しだけ楽になることができる。
この作品のもたらすささやかな希望や快楽の本質は案外そういう部分にあって、
それに出会えた人にとって、この山場の少ないゆったりとした時間の流れは、
知らぬ間にさまざまのことに気づかせてくれる貴重なものであったりするだろう。
多くの人にとっては、このまま忘れ去られていく作品だろうけど。



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この作品が主要なコンセプトを維持したまま商業的な成功を手にするチャンスは
無かったわけではないと思う。
序盤のクオリティを維持したまま、徹底的に背景美術の細緻にこだわるとか、
子供や少女、マスコットキャラの所作や造形をより迎合的に描くとか――
ただまあ、そういう俗事も神使やファンにとって「どうでもいいこと」かもしれない。


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主要舞台である境内の空間が、なんか見ていて把握しづらいなという感じがあって、
これは3DCGでレイアウト組んでいない、手描き空間ぽい
カットによって狐石像が妙に拝殿に近い、参道や階段の幅・勾配が変わったり安定しない。


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神社・寺社には固有の構造物群や立体的配置、決まりごとがあって、
視聴者も一般常識としてそれを把握してるため嘘がつきにくい。
だから3DCGで組むレイアウトには向いているんだけれど
この作品の場合は身長差の大きいキャラクターが出てくる。
バラつきのあるキャラを同一フレ-ムに収め、美味しい構造物まで取り込むためには
嘘パースに頼るしかなかったのかもしれない。


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嘘パース自体は別に手抜きとか一概に悪いことというわけではないんだけど
境内における空間の広がりや、静謐さ、神秘性といった要素はどうしても薄まり
ゴチャゴチャしたイメージが先行する

要するに嘘パースでもいいんだけど、その嘘があまり上手くないのが残念
うまくいってる構図もあるけど、欲張りすぎて失敗してるケースも多い。
あるいはそもそも技術的に問題がある場合も


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ことにビームやらアートレインなど韓国出しの背景は
神社の空間配置を生活レベルで把握してない分、余計に描きにくいのではないかと思う。
日本人もモスクやマンディルの絵は資料があってもなかなか描けないだろうし、
どうにもならないのかもしれないけど。


#06
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天岩戸、開くの話。
最後にサトルの笑顔をコンデジが拾うアイデアは良かったと思います。

ご承知でない方のために説明するとサイバーショットにはスマイルシャッターという機能があって
人間の笑顔を判定して自動でシャッターを切ってくれる。
このシーンでは、頑なであったサトルの心が気の置けない方々のおかげで解きほぐされ
客観的に判定できるレベルで自然な笑顔が出るようになった、ということで
でもその笑顔を素直に人に向けるには至ってない微妙さを捉えてる、
今までありそうでなかった面白い演出でした。


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まあ機能はサイバーショット(SONY)ですが
デザインは表裏含めてパナソニック製っぽい
ステマ批判を避けて配慮したのかも


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とりあえず僕はこの親娘の髪の色に最後まで馴染めませんでした。
ここまで茶色にする必要、あったんですかね。


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category: アニメ

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2013秋アニメ インフィニット・ストラトス2  

■インフィニット・ストラトス2 http://www.tbs.co.jp/anime/is2/

特定パワードスーツ操縦者の養成機関「IS学園」を舞台に、
女性専用であるはずの「IS」をなぜか装備可能な世界唯一の男子・織村イチカが
襲ってくる悪の組織と戦ったり、学園女子たちにモテたりするSFアクション&ハーレムコメディ。
の、第二シーズン


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原作小説が版元ともめたり移籍復活したりでファンが気をもまされた大ヒット作ですが
よもやの二期実現も、アニメの出来はあからさまに準備期間不足で制作が間に合っておらず
意味不明のBGオンリー多用、前期からのリサイクルカットも多く、コンテ演出も作画も
所々雑な部分が目立ち、コアなファンや主要スタッフは慙愧の思いでありましょう。
清水空翔さんの奮闘には頭が下がりますが。

出たがりな原作者がずいぶん口出ししたみたいなんでね、まあ往々にしてろくなことにならない。


#04



バトルシーンはアップ以外はキャラも含めCGというのは前作と変わらずですが
エフェクトなど武装神姫を経て進化してる部分は多く見受けられました。
マズルフラッシュとか反射光、作画と変わらんなと思うほどクオリティ高い

ただアクションやメカがカッコいいとかいう以前に動きが速すぎて
中年の動体視力ではつらい、少なくとも気持ちよくはない。若者向けなのかもしれない

1期の04話はかなり面白かったし、1期終盤の福音の乱射シーンすばらしかった。
ああいうものを今期にも期待したけど、残念ながら2期では見ることはできなかった。
アラクネの挙動など上手くやれば凄く面白そうなのに、普通すぎてもったいない

#04




あとはCGケムリとか。
まだ完成形ではないと思うけど、将来的により良くなる期待感があります。
これはかなり楽しみ


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ストーリーは、ファントムタスクの目的が最後までよくわからないのが難点かと。
Mさんはチフユを殺したいらしいけど、スコールさんにはそういう執着はないようだし。
よくわからないまま途中でタバネに取り込まれちゃうので、余計に混乱します。


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最終盤
仲間全員ボコられて、イチカの零落白夜だか雪羅だかでも倒せないんなら、それはもう倒せないわけでね。
ファントムタスクが撤退する理由って別にないような気がする。
「データは取れた」とか言ってるけど、悪の組織の最終バトルの目的が情報収集ってことはないだろと。

悪なら悪らしく何かを奪うべきで、逆にそれを奪われなければ正義側の勝利なわけで。
だから勝ったのか負けたのかよくわからない、この構成ではスッキリしない。
何がしたいのか、わからないですよね。


#09
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あとは何だ。09話か。
無人機に襲われかけてカンザシがピンチ→イチカが飛び込んで盾になる
この時のタイミングも鈍臭くてアレだけど、カメラが正面のイチカを抜きに行くのがわからん。
カンザシの後姿をなめて無人機との間にイチカの背中を置くほうがセオリーじゃないかと思うし
セオリーをあえて破るならセオリーより良くなっていてほしいけど、そうでもない。
この手のコンテ絵出への不満は山のようにあるんだけど、それも時間不足故ということか。
脚本にはいろいろと謎も残されているし、03期も作りやすそうで大変結構なことです。

次からは
「校内イベントは100%敵襲でつぶされる」「ピンチのときは誰かが盾になってかばう」
「絶対防御がなくても別に死なない」「イチカはとりあえず気絶する」「もらったあ!→もらえない」
このへんは何とかしてほしいです。


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キャラクターは相変わらず可愛いので、何も問題ない。
露骨なエロが減ってくれた点はむしろ好ましい。まあそれは好みの問題か。


#08
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整備班には軍手くらい支給してあげてほしい。



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水面エフェクト加工ソフト  

Sqirlz Water Reflections
http://www.gigafree.net/tool/encode/sqirlzwaterreflections.html

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2013秋アニメ アウトブレイク・カンパニー  

■アウトブレイク・カンパニー http://www.tbs.co.jp/anime/obc/

就職先が、ファンタジーな異世界に日本の漫画やアニメを喧伝・普及させる公益法人だった。
エルフや女王様にモテたり仕事は楽しくやりがいもあるが、一方でドス黒い陰謀も見え隠れして・・・

というような話でした


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榊一郎の原作ということで、脚本やストーリーよりも
キャラクターの魅力を推していく作りです。

作画は高水準で安定している一方で、物語には波乱万丈といった起伏は用意されていません。
導入部において主人公が意図しない形で異世界話に参加するためか
「この仕事を通じて何をどう達成したい」といった夢や目標を語ることがなく
物語にどういうゴールが相応しいのかということも、今ひとつ見えてきません。


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主人公は因習的な身分制度に批判的な一方で野放図なセクハラ的言動を省みることはない
善良なオタク、対人スキルもそれなりに保持するが空気は読まない快楽主義者。

現代文明とファンタジー世界を事件性なしにリンクさせる特殊設定なためか
脚本は03話までにこの主人公に主人公らしい見せ場を用意することができず――
突然おきるテロ事件で、状況打開の絵図もないまま唐突に敵に向かって自説をたれる主人公は
身内をむやみに重大な危険に晒しており、大胆不敵というより無謀で浅薄に見えます。
おそらくこの主人公では、情緒的に不安定すぎて03話までに客をつかめない


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お姫様とメイドのダブルヒロイン制なんだけど
この活発なお姫様に魅力が足りないために、基本が控えめなメイドの魅力も活きていない。
お姫様がヒロインとして至らないせいで、メイドのほうにもお姫様と張り合う動機が与えられない。
メイドのヒロインとしての地位は磐石で、無理な色仕掛け等に出る必要に迫られもせず、
結果として三角関係がこじれたりすることもない。人間関係が動かない。

「お姫様キャラ」が示さなければならない条件は「傲慢」「聡明」「好奇心旺盛」などのほかに
「胆力」というものがあると思う。
下衆なチンピラに脅された程度ではびくともしない剛毅さと肝っ玉の太さ、気位の高さ。

03話のテロ事件は、それを表現する千載一遇の機会だったと思うが
どうも監督/演出はうら若い姫の「か弱さや健気さ」ばかりを強く推そうとしてるように見える。
お姫様は<守られる存在>に押し込められてしまい、要介護キャラと化してしまう。

デレ顔や嫉妬顔など各種の表情パターンにも恵まれておらず
ふだんは城の奥にいて会うにも手続きが必要だったりで
視聴にあたり「ペトラルカがいつ出てくるのか楽しみ」というわくわくする状態にならない。
残念ながら、ダブルヒロイン物として成功してるとは言いがたいです。

ていうかぶっちゃけると、この監督には
少なくともキャラクターの魅力で推していく作品を作るのは今後も無理だと思う・・・
なんかこう、キャラクターのほうをあまり見ていない。人に対して関心がないのだという気がする。
根拠は、02話で部屋に飛び込んでくるペトラルカに対して、椅子から立ち上がりもしない主人公とか。


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あとはなんだろ、07話
「だんな様のお荷物を玄関に置いておきます」といって立ち去るミュセル。
このときの視線の固定されたおぼつかなさと、「ヘッヘッヘー」は良かった。声優のアドリブかな。


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コンビニを出て角を曲がる主人公の作画
あと部屋でのミュセルの座礼→立ち上がりとか
まあどちらも、思わずgifを作るほどではないけど良かった。


あとは――
室内の光の演出で印象的なところ多数。
それと三回ドカン。何回かあったけど、良かったのは03話終盤。


この作品に関してはそれくらいです。


category: アニメ

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3コマ歩き、中3と中4の随行  

■月刊少女野崎くん #05  (2014)

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二者間に体格差のある随行の場面では
本来なら歩幅の調整や中割枚数などによる体格差の強調が
アニメタによるひとつの腕の見せ所であるのだけど、
実際そこまでやれているケースはそう多くはない
(できない原因はいろいろあると思う)





この作画は男性が3K中4、女性が同中3
中の枚数が多いほうが当然ゆったりとした歩き、動きのゆっくりな歩きになります。
3K中3は前回見たとおり多少パタパタした歩きになるわけですが、その効果を巧みに利用し
「勝手にどんどん歩いて行ってしまう男の子に急ぎ足気味でついていく女の子」の可愛さを
上手く表現してる感じです。





体格差があればこういう現象が起きるのは普通のことだし
この作画も調整は大変でしょうが、技術的に難しいとか飛びぬけてるとかではないです。
しかし、こういった描き分けがしっかりできてるケースは、そう多くないように思う。
制作スケジュールの問題でそこまで手が回らない、というのが正直なところなのかも。



誤解しないでほしいのでもう少し説明しますが


きんいろモザイク #03 (2013)

このように体格差の少ない人物同士の随行シーンに、歩幅の差は無いのが当然です。
(これは両者3K中4、この中4枚が今の歩き作画の主流です)

あるいはOP・EDなどグラフィカルなシーンについても問題にはならない。



世界征服 謀略のズヴィズダー #04  (2014)

しかしこのように、どう見ても大きな体格差のある人物同士の随行場面でさえ、
歩幅の差異は実質的に無視されがちなのが現状です。
このズヴィズダーだと3人とも同じ歩き、3K中4です。
でも実際には、こうも体格差のある前提で
同じ歩幅(走行幅)、同じタイミングの歩きはあり得ないですよね。

これは幼女の出てくる作品群、「ばらかもん」であれ「とらドラ」や「クラナドAS」であれ
そこまでは描けてない、描いていないのが慣例的であり普通です。
普通である以上、できていないことをダメだと考えるべきでは無い。
けれども「もったいないなあ」と感じるのは確かです。
小さな子の小ささ、可愛さを強調する大きなチャンスであるわけだから。

冒頭の野崎君のように、これができている作画については
もう少し光が当たるべきだろうと僕は思いますね。


以下、少ない類例



■パパのいうことを聞きなさい! #11 (2012)



左 3K中7
右 3K中3
(これ、見てるだけで笑顔になれる素晴らしいカットなんだけど、
地面に落ちる影のつけ方が失敗してて惜しいですよね)


■ブラック・ブレット #06 (2014)



左、中央 3k中5
右 3k中4
単調になりがちな足元のカット、一人のリズムを変えるだけで
視線は左右に動かされ、結果的に三者三様の歩きに見えてくる


■名探偵コナン #743 (2014)



左、中央 3k中5
右 3k中4


<追記>
ひとつの留意点として、同一の画面内に中3と中4などを混在させる場合
一方が片方に追いついてしまう、あるいは置き去りにされるという問題点があります。

冒頭の野崎君のカットは短いものですが、
よーく見ると千代が梅太郎に追いつきかけているのがわかる。
これは演出的には非常にマズいわけで、長尺にするならなんらかの工夫は
必要になってくるでしょう。

パイコキのカットも自然に見えますが、縮尺や歩幅を合わせるのに相当苦労してるはずです。
一番下のコナン君がうまくいっているのは、位置固定のフォローPANだからです。

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3K中3の歩き  

最近の歩きは3K中4(3コマ打ち原画2枚に中割動画4枚×2の計10枚)が
主流のようなのですが――


■棺姫のチャイカ #11 (2014)



これは3K中3(計8枚)なんだけど、なんだかとても綺麗ですね。
プリケツのせいですかね。





前方/後方からの構図で、引きのBGがなかったり足元が見えないのが奏功している。
歩幅がよく見えるアングルだと、やはり中3枚ではキツイことになるらしいです。


ちなみに中3枚だと通常どうなるのかというと



シスタープリンセス #16 (2001)

こんな感じになります。
軍隊の行進みたいに見えますよね。ザッザッザッとこう。夕暮れの家路なのに。
まあ気にならない人は気にしないのでしょうけど。
少し前まで、歩きはこの「中3枚」が普通だった。今はもう、めったに見ないです。
だから前述のチャイカのカットに、はっとさせられた。




<追記>よく聞かれるので
■3K中3とかどうやればわかるの?ビデオでコマ送りするしかないの?

→一番簡単なのは、基準となるタイミングを覚えちゃうことです。
3K中3の歩きは原動画・計8枚のリピートなんで、8枚×3コマ=ちょうど24コマ
gifアニメだとブラウザによってスピードが変わってしまう場合がありますが
テレビで見ればほぼ<1秒間で正確に2歩>ってことになるんで、すぐ見分けられます。
ただし(ココ重要)これを見分けられたところで、別に何の役にも立ちません。


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