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健康第一

2013夏アニメ ハイスクールDxD NEW  

■ハイスクールDxD NEW http://www.haremking.tv/


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悪魔のお姫様の下僕となった少年の戦いと成長、
そして仲間たちとの友情を描くハーレムアニメ。
サービスシーン多目。

近似作の「だから僕はHができない」と大きく明暗を分けたのは
本作品が少年を主人公にして見せ場を用意してる点、
加えてお話が痛快な勧善懲悪物であり明快でわかりやすいのと
日本人好みの立身出世譚の要素を持っているからかと

エロで引っ張ってチートで解決する基本スタイルはぶれないんで
割と安心して見てられますね。
ムカつく敵を思い切りぶん殴ってスカっと終わるのも重要なポイントです。

ただまあ、最近の柳沢コンテは・・・まあいいや。


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日常パートのイッセーが普通すぎ、エロ河童であるという設定が
いまいち生きてない感じはあった。
そらおとの主人公ほど振り切れてない。

エロである設定は戦闘時には大いに生かされてる一方で
日常パートでおっぱいが目の前にあっても揉まない、自制して何もしようとしない
部長はじめ女性陣はほとんど誘ってるんで、主人公の行動に突っ込む役が足りないです。


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だからおっぱい揉みたいとか吸いたいとか言ってるわりに
裸で添い寝されても主人公が謎の自制力をみせる。
せっかくアーシアが同居してるんで
アーシアに誘いつっこみ役をやらせればいいだけなんですが

1期序盤に描かれたトラウマがたぶん原作では効いてるんじゃないかと思うけど
アニメではそこが欠けてて不自然に見えますね。
ある時は「先輩にもいつか彼氏ができるんだろうな」とかつぶやいてて
この期に及んで何を言ってるんだと思う。

#11
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細かいこと言い出すとキリがないんですが
ちょっと破綻してるところもやっぱりあって――

11話にてテロ先行部隊がギャスパーの能力を利用してる。
事前にギャスパー解放を指示したのはサーゼクスなので
結果的には彼の判断ミスということになりますね。

少なくとも会談直前にギャスパーを解放する、なんらかの理由がなければおかしい。
そしてギャスパーの存在や居場所はテロリスト側に完全に漏れていた、
そのことをサーゼクスが承知してた可能性もあるし
和平会談を学園で開催するのもおかしいことになる。

捨て駒として送り込まれた紫藤イリナがミカエルの側近として復帰してる矛盾もあるし
イリナは幼馴染設定や戦闘中に立てまくったキャラも全部放棄してて不自然
このへんを突き詰めていくと
停止教室のヴァンパイア編破綻してしまう

まあ、細かいことはいいやな。おっぱいおっぱい


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おっぱいおっぱい


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あとED2作画
織葉清司となってますが、まあ黒田和也でしょう。

通常、変名を使うのは同時期に他社作品のメインスタッフをやってる場合です。
その上で女を描くのが上手い人など条件をしぼっていくと黒田和也になるです。


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このへんの股間の影とか、太もものハイライトの感じとか
この絵では見えてないけど鎖骨の描き方、影つけとか


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プリンセスラバー!OVA 下巻(2010)

まあ似てるっちゃ似てますかね


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このヘソの描き方とか
(左 HDD/右 プリラバ)





僕はED1より2のほうが好きでした
1も良かったけど
あとこのフォントの動かし方面白いですよね



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category: アニメ

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2013夏アニメ Free!  

■Free! http://iwatobi-sc.com/

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栄光と別れ、そして挫折を味わったかつての親友とのほろ苦い再会。
泳ぐことが誰より好きな少年が、彼を慕う仲間たちの助力を得て
失いかけた競泳への情熱を取り戻していく話
でした


まあプール表現、とくに水際に関して過去にゴチャゴチャ書いたんですが






100点満点ではないにせよ、文句ないです。バッチリでしょう。
シリーズ通しておおむね問題はないように思えた。
(なんかこの言い方偉そうだな。すみません)

あえて注文をつけるなら、上のgifでは波がコースロープに干渉して
隣のレーンの水面も時間差で揺れるよね。

下のgifは上から続くカットなんだけど
潜ってロープをくぐってデッキに寄って行ってるんで、
水から顔を出す前に水面が完全フラットになってるのはあり得ない

まあでも、そこまで言っても仕方ないでしょう



ちなみに水際の線は専門用語で「汀線」(みぎわせん/ていせん)というらしい。
まあ一般的な用語じゃないので憶える必要はないかと

昔、汀夏子さんという女優さんがいたんですが……誰も知らないですよね


#02
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序盤はなんだか泳跡が「決まってない」感じでどうなることかと思ったけど
中盤以降解決された

#10



一番綺麗だと思ったのは10話の回想シーン
泡少なめのほうが綺麗に見える

#09



ローアングルだと迫力ある
キック時の画面動とか端壁が受けにいくPANとか上手いと思った
これ意味わかりますかね。突然泳者が猛スピードで画面に飛び込んで来る、
その急減速を一瞬カメラが追いきれなくて左に振れるわけです。
ターンの次カットではズレた壁をクッションにして加速を表現してる

コースロープの質感がいかにもCG臭い点以外は
これといった不満はない
作画に関しては、よくここまでやったと思う。

やはり難しいせいか「描かないように避けてる構図」もあるようだけど。
そのせいかわからないけど、どのレースも同じような演出に見えるのが難点か


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ストーリーはまあ、本当にどうでもいいレベル。
過去の京アニ作品でも最低ランクかもしれん
つか脚本これひどすぎる。セリフに意味わからんとこ多々あるし
リンに勝ったらハルが水泳やめるとか、なんで?と思ってしまう

水泳部設立にハルが協力的なのはリンの存在が原因のはずですが
この脚本だとハルがただの気まぐれな人に見える。
各イベントにブツ切り感があって相互に関連してないように見えますね

まあそれでも、最終話のあの展開。僕はアレはアリだと思います。
あれのせいでこの作品は「残った」と思う。
あれがなくて無難に終わってたら、この作品は忘れ去られてしまうんじゃないかな。


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あと僕は河浪栄作という人がわからないです。
なんで評価がこうも高いのか。僕にはごく普通の演出に見える。

相変わらずダメダメな北之原演出よりは全然マシですけど、
「いますぐ監督やれ」とまではとても言えないなあ。

ああでも#05のメガネが溺れるシーンでビート板が流れてくあたりだけは
「すげえ!」と思ったですよ。
でも、そのくらいだなあ。すいません。








category: アニメ

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2013夏アニメ 有頂天家族  

■有頂天家族 http://www.uchoten-anime.com/
ひとつ

京都市を舞台に、タヌキ、天狗、人間の三勢力が入り乱れ繰り広げるファンタジー活劇。
呑気でほのぼのとした日常の一方で駆け引きや騙し合い、時に謀略をめぐらせつつ
それぞれの存在意義、そして家族のあり方が問われていく。

というような話でした


#05
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作画はこざっぱりとしてて綺麗ですがとにかくレイアウトが素晴しいです
↑の絵とか、ため息が出る。挙げてくとキリがないんでやめときますが
こんな絵が随所にあってそれはもう見ていて楽しかった


井上俊之が#03に参加してますが(時計台のとこ)。
いやもちろんクソ上手いけど、井上俊之だからね。
フリーザを期待したら今回はコルド大王がきた感じ
アレはみんなそう思うんじゃないかな


作画といえば#06のベンチのシーンが象徴的だったんだけど

#06
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フィックスで長回しで、こりゃ何か来るなと思って見てるじゃないですか。
すると何も来ないんですよ。たまにポンと寄るだけ。
作画的に、何かしたくてこうしてるんじゃないの?と思うんだけど何もない。
よくわからないですね。何がしたいのか。



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OP。これロシア・アバンギャルドですかね。
条坊を幾何学的に表現するのはとてもよくわかるけど
銀座や横浜とかならともかく、京都には近代芸術のイメージはないな。
このへん京都出身の人に聞いてみたいけど、今どうなってるんですかね。
あるいは、この引用に深い意味はないのかな。





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お話の内容ですが
まあやっぱり弁天が難解だなと思うわけです。

でもこれに関してはミステリアスであること自体が美人の恒久的価値であるし
わからんままでも構わないだろうとも思います。


物語において謎として残されたのが「魔王杉」と「寿老人」で
このうち寿老人に接近することが弁天の主目的であったと考えると
全体の辻褄は合う。

たとえば#10で総一郎を罠に落とすわけですが
あそこで視聴者は弁天のことがわからなくなると思うんですよ。
しかし彼女にとって、金曜クラブに入ること、寿老人に近づくことが
最優先事項であったとすれば理解できなくもない。

#01
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「あなたは先生の気持ちがちっともわかってないのね」


「魔王杉」以降、赤玉先生は老人化が進んだ。
扇も奥座敷も簡単に手放しちゃう。先生本人は天狗であり続けることにすら執着ない。
矢三郎は先生の逼塞に負い目を感じる。

けっきょく弁天は矢三郎が可愛くて仕方ないので、先生から離れたんだと思うんですよ。
弁天がいなければ先生は甘える相手を失い、老骨に鞭打って虚勢を張り続けるしかない。
もし天狗であることをやめると、矢三郎まで失うからです。



すこし整理すると

・弁天→矢三郎が「食べちゃいたいくらい好き」=「喜ぶ顔が見たい」
・矢三郎にとって大事なのは回る車輪を眺め続ける日常
=先生が偉大な天狗であり続けることが大事

「魔王杉の件」以降先生は腰を痛め老人化が進み天狗でいられなくなった

危機感を抱いた弁天は先生から離れ、先生の執着心を煽る

落ちぶれた先生のところにくるのは虫と矢三郎だけ

矢三郎の前で先生は傲岸不遜な天狗を演じ続ける

矢三郎幸せ

#13
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「取り立てて、願うこともないですな」


こう考えていくと、取り立てて願うことも無いという状態は
現状にすこぶる満足しているということであり
矢三郎にとって満足のいく状況を作ってきたのが弁天だったりする。

その行動に一貫性があると考えるなら
先生が自信を回復した後、魔王杉の事件が
新たに重要度を増すとは考えにくい。


#12
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となると解決されない問題は寿老人ということになる。
#05において、弁天が矢三郎に芸をさせるために連れて行った金曜クラブで
「寿老人、お会いしたかったわ」というセリフがありますね。

金曜クラブの他のメンバーは凡俗として描かれるので
意味的には、矢三郎を寿老人に引き会わせることが
弁天のひとつの目的であったことになる。
ここには次回作へと続く何かがあるんですよ。たぶん。

総一郎の命を奪った道義責任を除けば
弁天はいつも矢三郎と周囲の者の利益に沿う行動を取っている。
要するに弁天が難解なのは、この寿老人へ言及が決定的に不足しているせいでしょう。


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月が女を照らし、彼女は月を手に入れたいと考えるが、男はそれを不可能と否定する。
月との間には絶望的な距離があって、決して縮まらない。
「悲しい」とつぶやく。

月の光が照らすように、弁天は矢三郎のために陰日向となってるわけだけど、
二人の距離はどんなに近くにいても縮まらない
むしろ遠ざかっていってるわけです。



#09



銭湯。この洗面器の中は手描きっぽいですね。
湯船に足を入れたら逃げていく柚子とか、凝ってて良かった。
まあ実際の柚子湯だと、柚子はかたまって浴槽の壁に張り付くんだけど




category: アニメ

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2013夏アニメ ファンタジスタドール  

■ファンタジスタドール http://www.fantasistadoll.com/


うーんとね
まあホントなら書くべきことはいろいろあるんですが、ちょっともう、無理かな。
とりあえず11話。清正小町(CV名塚佳織)

#11
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「ここは気持ちよく、ささら達を譲ってもらえないかしら」


いや~あれですよ。僕は40年以上アニメを見てきましたけど
こんな不愉快なキャラは初めて見ましたよ。
ここまでスンゴイのは、今まで無かったんじゃないかな?

こやつが喋ってるだけで、湧き上がってくる怒りで頭がくらくらしましたよ。
いち視聴者として、ここまで感情が揺さぶられるとは思ってもみなかった。
このスタッフは凄腕だと思いますわ。皮肉じゃないですよ。
でも商才には欠けるかもしれないね、これだと。


#04
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これは04話、シメジ回ですね。
シメジがアロエとともに傾慕していたマスターは
はっきり言及はないけど、このシーンで「野ばら」を歌ってるんで
まあそういうことですよね。ソネットとの時系列が少しわかりにくいですが

#11
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はしゃぐシメジもそうですが
「さあ帰りましょう」と言い出す小町に
「はいご主人様」と即答するマドレーヌとか、
まあ彼女たちにも混乱はあるでしょうけど軽薄だなあと


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翌朝
挨拶はするけど誰一人「マスター」と呼ばない


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で、席は当然のように「小町側」に座ってて
マドレーヌは「マスターとして私達をどうしたいのかお考え下さい」

これは「私達は小町側にいたい」「お前はこっちの都合に配慮しろ」と
うずめに言ってるのと同義なんですよ。
だから平然とこの席に座ってるささらが、言いよどむうずめを咎めるのはおかしい。

ここで口論を起こすのであれば
ドールたちはうずめ側の席に座っていたほうが自然だったと思う。

ドールたちはうずめのそばにいようとしたけれど、うずめがそれを拒否する、という流れ。
それが出来てないから話がややこしくなる。

これだと多分、視聴者はうずめを含めて登場人物全員を嫌いになると思うんですよ。
これ演出的なミスが大きいと思いますよ。



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まあ細かい点で気になったところや、逆に評価すべき点もあるんですが
どうでもいいですわ。この11話が極端すぎた。

大雑把に言うと「ドールたちとの生活」というライフスタイルの部分に魅力がないので
羨ましいとか憧れるとかいう素朴な感情がわかないし
とくにずっと見ていたいとも思わない、そんな感じですかね。

そこに小町の強烈なキャラ的不快さと、それをめぐるドールたちの不義・無作法が重なる。
小町の抱えてる事情がこれまた理解できる余地もあるんで、余計に気分が悪くなる。
僕はもう二度と見たくないです。


あと06話の編集がなんか面白かった。えらい乱暴な切り方をしていて
シリーズの中で異彩を放ってる感じ。


category: アニメ

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アニメにおけるマッチカットの実例  

前回、マッチカットは人によって定義がバラバラと書きました。

僕はマッチカットの定義を

 
  本来ならつながらないはずの2つのカットを
  視覚的、聴覚的、あるいは比喩的な類似性によってつなぐこと


と説明したんですが――

実はこれ、アニメのカットのつなぎ方としては「わりと普通にやること」なんですよ。
マッチカットという言葉やその定義があまり重視されないのは、
いちいち厳密に定義する必要がないくらい、すでに技法が浸透してるから。
なにしろヒッチコックの映画から、すでに50年経ってますからね。


たとえばこういうの

■フォトカノ 第05話 (2013)




円形のモチーフが、オーバーラップして月や太陽に変わる。あるいは逆も可。
こういう演出って、いろんな作品でさんざん見てる気がしませんか。
ごく普通にありますよね。

僕ら視聴者が「マッチカット」という技法を知識として知っておくことで
こういった演出が流れの中で良いものか、そうでないものか判断できるはずです。
見ていて「これは綺麗だ」と直感的に思えれば、それはOK。
逆に何とも感じないようであれば、それはただの陳腐な
セオリーどおりの、教科書どおりの演出ってわけです。



で、マッチカットのようなつなぎ方はごく普通にあるものとして
あえてマッチカットという言葉を出す必要がある場合とはどういうものか。

これはもう、「演出的にものすごくイケている」場合なんですよ。
「このマッチカットは凄い」的な。以下でそういうのを紹介したい
なるべく多くの人が見たことのある有名作品を中心に引用してみます


■新世紀エヴァンゲリオン 第06話 (1995)

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ヤシマ作戦の回です。
ミサトが提案する作戦の概要をゲンドウに説明し、承認を得る


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ゲ「反対する理由はない。やりたまえ。葛城一尉」


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ミサト「はい」

このクローズアップ、段階的にここまで寄っていく前フリがあって
「はい」の返事のあと、カメラが一気にぐーっと引く


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すると、いつのまにか場面は司令室からエスカレーターに転換していて、
横にリツコがいる。
この時間をジャンプする感覚、つなぎの鮮やかさはちょっとした快感です。



■魔法少女まどか☆マギカ 第12話 (2011)

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演奏者として復帰した恭介のオーディション会場
客席には数名の審査員の他、まどかとさやかの姿がある


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審査員の一人が恭介の演奏に強い関心を示すカット
これが合格フラグですね。
「きっとこのオーディションは上手くいくんだな」といったん視聴者に印象づけます
(→これを認知バイアスという。後で視聴者を驚かせるために、演出が先に罠を張ってる)


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そして演奏が終了した瞬間――


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場面はオーディションの合格を通り越して
大観衆のコンサートホールへと転換している。
正装して喝采を浴びる恭介。一気に時が加速し、
恭介の成功=さやかの望みがすでに叶っていたことを
視聴者は知るわけです。

これもマッチカットの代表的実例



■ちはやふる2 OP (2013)




遮断機の動作をシンクロさせつつ
まったく別の組み合わせによる2ショットを順番に見せていく
一見ワンシーンに見えるトリッキーなクロス・カッティング
見事です。



■タッチ 17巻 (1986)

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最後に番外でマンガを。

合宿の料理番、メガネ君が皿を落とす、その皿が破壊される音が響く代わりに
次のコマでは野球部の練習場に響く打球音が示され
空高く舞い上がっていく白球が明示される

これもマッチカットの応用ですね。
あだち充はこういう部分あまり触れられないけど
クレショフ効果とか映画的手法を取り入れるのが
昔からやたら上手い人だった


僕は「場面が転換した瞬間にある種のカタルシスがある」のが
マッチカットの本当の醍醐味だろうと思ってます。


こんなところです。
何かの参考になれば


category: 3回ドカン

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そもそもマッチカットとは何か  

「マッチカット」とは、大雑把に言えば
視覚的、聴覚、あるいは比喩的な並列性や類似性によって
本来ならつながらないカットをつなぐ、リンクさせることを言います


よく挙げられる例がヒッチコックの「北北西に進路を取れ」の
有名なラストシーン(1959年)





まあ半世紀前の超メジャー作品で今更ネタバレも糞もないんでリンクします
見たくない人は逃げてください


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ケーリーグラントが崖の上からエヴァ・マリー・セイントを
引っ張上げようとする


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この相手を上へと引っ張る手がマッチカットして


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次のカットでは寝台車になってるというわけ


通常、カットとカットのつなぎというのは観客の意識が最も注目する。
だから編集者は芝居の連続性(というか感動の連続性)を確保するため、
なるべくつなぎを隠そうとします。

俳優が何かを見る、その次に、彼が見たものの絵を持ってくるとか。
誰かを殴ろうとする、その次に殴られて吹っ飛ばされる相手の絵を用意するとか。
そうやってなるべく自然にカットとカットをつなげていく、
マッチカットもそうした模索の中で開発されたアイデアのひとつ






2001年宇宙の旅(1968)
これもマッチカットの例としてよく上がります


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猿人が放り投げた骨が宇宙船の形状に重なる


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さて
ここで国内のいろんな映像用語サイトで拾ってきたマッチカットの定義を並べてみますよ


■マッチ・カット match cut [編]
ふたつの連続するカットとカットのつながりを指す言葉で、
後続のカットが前のカットで写した映像を一部でも含むもの。
前後のカットでアクションは連続している。


■マッチ・カット(match cut)
編集で2つのカットをつなぐ時、それぞれ違う被写体でありながら、
移動方向・速度が合っている時や、似た形に見えるところでつなぎ、
まったく違う2つのカットに共通性・連続性を生み出す表現手法。


■マッチ・カット match cut 
後続のカットが前のカットで写した映像を一部でも含むもの 
前後のカットでアクションは連続的に一致する


■ マッチ・カット
2つのショットを、視覚的、聴覚的あるいは隠喩的対応によってつなぐこと。

マッチ・カットの古典的原則は、
(1)被写体の位置の一致、
(2)動き(または方向)の一致、
(3)視線の一致


■マッチ・カット
(例)回転するシーリング・ファン
 ⇒ 回転するヘリコプターのプロペラ

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どうですか
なんかこうして読んでると、定義がよくわからなくなってきますよね。


じつは定義がよくわかってない人は多くいるようで
マッチカットという言葉は使う人によって意味がバラバラになってます。
これは素人のみならず、プロの映像専門サイトでさえそうだった

サイトによっては、視覚的に似てるモチーフをつなぎで重ねればそれでOKだったり
ダブルアクションのことをマッチカットだと言っていたり
ただのアクションつなぎのことをマッチカットだと言ってるところさえある。


だから僕はこのマッチカットっていう言葉、あんまり使いたくないんですよ。
概念としては非常に重要なんですけど、相手が混乱する。

で、次はアニメーションにおけるマッチカット使用例をいくつか紹介します



category: 3回ドカン

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中二病でも恋がしたい!戀 #02 場面転換  

■中二病でも恋がしたい!戀 http://www.anime-chu-2.com/

さっき見たんでメモ的に


#02
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買い物のあと、六花と勇太が別行動
それを遠巻きに見ていた森サマーとくみん


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くみん「二人とも仲良しさんでよかったね。あんまし恋人っぽくなかったけど」
森夏 「そこが問題ね」
   「付き合って半年よ。普通なら一番盛り上がってるって言われてる頃よ。
それがあの体たらく。これは恐らく…」

ここから


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テーブルをどん、と叩いて「倦怠期よ」
場面はいきなり部室に



ここの繋ぎ、面白いですよね
森サマーのセリフは繋がってるのにカットアウェイで場面だけ転換してる
ひとつのプロットを円滑に展開しつつカットはモンタージュ

これSEとセリフで前後が聴覚的に関連してるんで
広義のマッチカットと言えるのかもしれない。
で、いいのかな。
マッチカットの定義ってかなり無節操なんで僕はあんまり使いたくない言葉なんですけど


category: アニメ

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モブCG、おかわり。  

なんか僕が思ってたより前の記事受けたみたいで
ありがとうございます
この受け方はちょっと戸惑います

せっかくなんで、公開未定だったモブgifフォルダに着火しますよ
2008年くらいから現在に至るCGモブの使用例をざっと


■true tears 第03話 (2008)





校内のモブや遠景の人物は大部分CGが使われてた
CGモブ導入の時期としてはかなり早かったことになる
今見ると3Dっぽさが際立って、浮いて見えますね



■CANAAN 第01話 (2009)




群集。歩き方もそうだし動きもまだシンプルなものに限られ
そのバリエーションも限定されてる感じです


■戦国BASARA OP (2009)




ユニゾン限定だけど群舞も可能に
このCG足軽によるシミーは当時かなりインパクトがあった


■東京マグニチュード8.0 第01~03話 (2009)






群集頻出の作品だけにCGモブが最大限に活用されてた
2Dとの融合には工夫と苦労のあとが見られます。
動きには何となくぎこちなさがありますね


■Kiss×sis ED (2010)



これはモブじゃなくてEDのCGダンス
プリキュアとかもあったけどこのキスシスEDを最初見たときはけっこう衝撃だった
まだボンヤリしてた先の方向性がこれでハッキリ見えた感じ


■Angel Beats! 第01話 (2010)




話題作だったけどCGモブが話題になったのは見覚えがない
たぶんほとんど違和感なく受け入れられる出来だったからだと思う


■戦姫絶唱シンフォギア 第09話 (2012)






■ソードアート・オンライン 第01話 (2012)




群集回り込み
止め絵で見るとなんか笑える

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■RDG レッドデータガール 第10話 (2013)





2013年はもう、遠景のCGモブは当たり前になってきた感


■断裁分離のクライムエッジ 第10話 (2013)




演出も交差点など人が多い場所を好んで使用するようになってきた


■DEVIL SURVIVOR2 THE ANIMATION 第13話 (2013)





そして今に至る→げんしけんへ




category: アニメ

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げんしけん モブシーンの変遷  

「げんしけん」に付き物なのがコミケシーン(作中では「コミフェス」)
作画スタッフは毎度死ぬ思いであろうとは思いますが
渾身の描き込みを見るのはやはり楽しいものです

モブシーンは2010年以降Massiveなんかを導入する会社が増えて
ちょっとしたイノベーションが起きてる印象があります。(350万円もするらしい…

げんしけんシリーズは2004年、2007年、2013年にそれぞれアニメ化されていて
制作会社やCGIは各シーズンでバラバラなので単純比較はできませんが
そもそもモブについてまともに触れる機会があまりないんで
その変遷をちょっとだけ見てみましょう


■げんしけん (2004) 第03話

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ビッグサイト、雨
傘の色がなんか土気色なのは謎





高さと空間を表現する縦パン、手前のモブには微妙にSL入ってますね





エスカレータ、TU
下階の群集は影のカタマリ





島通路、パースの掛かった構図で動かすのはやはり難しい





会場全景、広さと圧倒的人数を表現するカメラワーク
このカット描くの大変だったろうなあ





真横からの構図だと一転してよく動く
背景の映像もすごい凝ってますねここ。フルで動いてる



■げんしけん2 (2007)

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2期は省力的な作りになってます。人ごみや行列の大半は止め絵で対応
ハイビジョン化で1期より絵は綺麗に、作画の密度も向上したけど
この時点では技術的に大きな変化はなかった







背景にピン合わせて手前人物フォローって
ちょっと珍しい絵ですよねこれ
お姉さんの横を歩いてる人の主観視点





2期は夏コミ回と冬コミ回があってこれは冬のほう。第06話
冬の装いだと線が増えてシルエットも変わって大変な感じ

ただまあ、わりと動かないカキワリでも当時違和感はなかった。
こういうものだという認識だったから

混んではいるけれど
ものすごく人がたくさんいる、というほどの印象はないかもしれない



■げんしけん二代目 (2013) 第05話


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で、2013年です





いやー動く動く
なんかこう、ほんとに人が大勢いるっていう印象





ゴチャゴチャ動くモブと立ち尽くす人物の対比
こういう絵は、以前は作れなかったんですよ。カキワリだと動かないから
フォーカスする人物のほうを動かさざるを得なかった
今は逆のことが可能になって、演出の幅が広がったわけです





全景。広さと人の多さを表現するのにカメラ移動が不要になった
演出がシンプルだとより客観的に、情報はダイレクトに伝わりますよね

モブシーンてのは見て考える絵じゃなくて一瞬で感じ取る絵なんで
CG化が演出に与える影響は小さくないはずです





この時点ですげえなと思うのは
CGで作られたモブが手足だけでなく首も動かして芝居してるとこ
歩幅、歩行速度や進行方向も個別に表現できてる
右上の階段昇降してる人たちの足の動きとか凄いですよね
コミケにしてはオサレ率高めでメガネ率、紙袋率がちょっと低いか



僕の記憶してる範囲では、深夜アニメでモブにCGが使われ始めたのは
ロザバンの頃からのはずです。2008年かな

最初は棒人間みたいなのが超望遠で動いててキモいなくらいだったんですが
ここ数年、つかマクロスF以降か。一気に導入が進んだのは
最近だとまおゆうの最終話とか凝っててすごかった
でもなんか、正直この分野は手描きには及ばないと勝手に思ってたんですけど
このげんしけん二代目でかなり進化を見た感じ。今後もちょっと楽しみです


まあ今回はこんなところで
こういう部分に注目してアニメ見るのも面白いと思いますよ




*各アニメーションgifはファイルサイズの関係で色数を落としてます
参考程度に

category: アニメ

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2013夏アニメ げんしけん二代目  

■げんしけん二代目 http://genshiken-2daime.com/


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シリーズ3期、制作はIG
作画的には今までのシリーズで一番良かったです
多少おかしなとこもあったけど、02話とか

内容はリアル大学生オタライフを装ったファンタジー話
「部室」に仲間が集う落ち着き、おさまりの良さみたいなものは今回排除されて
ひたすら個人の事情に焦点を当てていく作りだった点が好みではなかった

ハト君は高坂ポジションのトリックスターにして
もっと矢島メインの話にしてくれればと思ったりしたけど
この作者は斑目が好き過ぎるんで、なるべくしてこうなった感じですかね

結局旧シリーズのメンバー頼りで回していくんなら
タイトルに「二代目」とか付けても意味ないですよ
何のために新人組を出したのかと思う



ところでこの作品の重要な鑑賞ポイントをひとつ


#09
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腐女子設定の鉄板ネタ
リア充ぽいチャラ兄さんたち(自治会役員)がいきなり部室に入ってきて


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学祭関係の連絡が済んだあと、ハト君をお兄さんがナンパしようとする
気後れし、萎縮する人たち
部長としてここはなんとかせねばと焦る荻上


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そこで、うしろにいた後輩が先輩を軽くたしなめる


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そしてこうなる。これが鉄板です。
これが面白いと思えない、あるいはまったく意味がわからない場合、
この作品を見てくのはつらいと思う


その他

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やたら気合の入った背景がちらほら


あとモブシーンについてちょっと書きます
別項にて

category: アニメ

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2013夏アニメ 八犬伝-東方八犬異聞-  

■八犬伝-東方八犬異聞- (2期) http://hakken-den.com/

分割の二期
2クール掛けてようやく八犬士が揃うまでを描く緩慢構成


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固定ファンだけ見てくれればいいや的な雰囲気でした。
絵は髪の毛とか目元とか丁寧だけど
相変わらず立ち回りやアクションはほぼ皆無


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瞳孔の内部までキッチリ描き込んでてそういうところは凄い
どのキャラも目が非常に美しい


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ハマジも美しかった
しかし出番はほとんど無かった。

前期で意味ありげに出てきた蛇キャラとか、もう忘れ去られてる感じで
構成変だなあと思うことしきり。あの見舞いとか必要性がわからん

原作がこういうダレ場を積み重ねてく散漫な雰囲気なんでしょう。
アニメスタッフもあんまりやる気ないのがわかる
例えば第01話

#01
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初回、人形師の家を遠路訪ねていく話なんですが
たおやかで恭しい妹キャラを出すわりに、客に茶も出さない
前金払って約束の商品を受け取りに来てるクライアントに
商品が未完成であると家主が告げるシーンなんだけど

仏頂面の家主が偏屈な職人気質なのはいいとして
この妹がどういう性質なのか全然わからずムダに混乱する

右は職人の作業場風景ですけど
右利きの職人の右側に光源置くとかあり得ない

これが初回なんで、もう演出レベルとか
中核スタッフの取り組み方とかがこれでわかる


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でかい怪獣が出てきたときは少しワクワクしましたけど
あんまり暴れてくれなかった。まあそういう作品ではないので仕方ないか
ムラサメも止め絵+エフェクトばかりで迫力に欠けた

あとカエデ(右)のデザインはもうちょっと魅力的にできなかったものか
良いキャラなんだけど、絵がやさぐれすぎてる


物語は――
結局「青」の目的とか、何もわからないのも何だかなと。
彼には内に秘めた絶望とか悲劇とか、たんまりありそうなんだけど。
意味ありげなEDまで用意して何ひとつ紹介せんとか、さすがにないわ

多分シノとリオウは兄弟で玉梓の子供とか、核心はそういう話なんだと思う


2クール使って結局「8人が揃うまで」の話のみ
八犬士揃えた目的も、敵の正体やその野望も、迫っている危機の内容も何もわからず
なめとんのかと言われても仕方あるまい

まあハマジが可愛かったので、僕はそれでよし
ああでもハマジの出番が少なかったのでやっぱだめだ。死ね。

#09



この滝、綺麗ですよね
滝口で四方に跳ねてる飛沫がいい


#02



あとこの、後ろの雨の感じ
石畳が薄く水没して、そこに雨が落ちてる質感美しいです

02話は花びらとかバトルシーンのエフェクトも良かった





category: アニメ

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アニメ視聴をつまらなくする傾向について  

ここ数日、恋愛ラボのことばっか考えてましてね

#09のメガネ救出の件でWEBの感想読んだりしてみて
「嘘ついて校則違反を揉み消すのはどうなの」
という指摘はやっぱりあるわけです

で、実体験として顧みると
そもそも教師って僕らにとって敵だったじゃね?
敵とまでいかなくても、彼らは決してわかりあえない向こう側にいる人たちであって
別に仲良くしたい人たちではなかったじゃね?

というようなことを考えるんですよ。

教師にウソついて騙したらそんなにダメか?みたいな


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僕は少なくとも中学校の教師、どいつもこいつも大嫌いでしたよ。
人によっては、早く死ねばいいのにとさえ思ってた。

好きな先生も何人かはいたけど、大半は嫌な人だった気がする。
あの人たちにウソついて騙しても当時の僕の良心は痛まなかったと思う。
それは僕がクズだからなんだろか


話を作品に戻しますが

 うそを吐くのは本当に間違ってるのか?


この案件はメガネを生徒会からクビにするという、そもそもの処分に妥当性がないんですよ。

メガネは異性交遊はしてても不純交遊はしていない。
男女交際に該当するかどうかも怪しい。

一方で生徒会にとってこの会計係を失う損失は大きく、自治業務が停滞するわけで
そのシワ寄せが一般生徒にいくとしたら、方便で学校を救ったと見ることもできる

マキが教師の信頼を一方的に裏切っているかもしれないが
その教師たちがマキの本質をなにも見抜けていない点、
その有能性を搾取してきてる点は批判される必要はないのだろうか。

そもそもなんで視聴者が教師なんかの視点に立ってやる必要があるのか。
一体なんなんだそのPTA視点。


これには
「生徒会は生徒の模範でなければならない」
「生徒会なんだから真面目にやれ」「校則やルールは守るのが当然」
という固定観念があるからじゃないかと思うんですよ
なぜか僕らはこういうときだけ、教師が好みそうな優等生になる。


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生徒会長ってのはラブライブのエリとか黒神めだかとか
どうしても倫理観の強い、一定の人格者のイメージがつきまといます。

ところが
マキというのは人格者たろうと自らを厳しく律し努力してるわけではなく、
周囲の大きな期待に応えうる高いスキルとスペックを最初から持っている人、
つまり一種の天才です。

で、そのマキの本質というのは
人に褒められるのが大好きな俗物、恋愛に憧れるエピキュリアンなんですよ

切実に恋愛をしたいというよりも、仲間と恋愛研究を楽しんでる時間が一番幸せで
ひたすらその時間を捻出するために、圧倒的な事務処理能力を駆使してる。
少なくとも僕にはそのように見える


でも「生徒会は生徒の模範でなければならない」のが至上命題だとしたら
マキのような生徒会長像とそれを主役に擁する物語は
はなから成立できないんですよ。


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本来秩序の殿堂たる生徒会室、その閉ざされた扉の向こうで
実は想像もつかない、とんでもない活動をしているという
その実態のギャップがこの作品の追求する面白さのはずなんですが

「生徒会は真面目であるべき」
「予算を私的に使うな」
「教師の信頼を裏切るな」
という、まるで公務員批判みたいな感情を抱いてしまうとしたら
これは、僕らが何かに縛られてるせいじゃないですかね。それもかなり深刻な何かに。

 なぜ 「こいつらバカなことやってるなあ」 と笑って見ていられないのだろう?


たぶん
イベントや案件、設定に対して、よりシンプルであってほしいという願望が僕らにはある。
話が複雑になると、それぞれに是非や善悪を判断しないといけないから。正直めんどい。

つまり個別のケースによって柔軟に評価するのが面倒になってる。
だからキャラクターがステレオタイプを外れるのを忌避したがる。

「そういうの求めてない」
「シリアス展開とかいらない」
「男はいらない。けいおんみたいなのでいい」

こういう視聴者側の傾向が、多くの良作たりえる学園物や日常物の成立を阻害してるんじゃないか。
恋愛ラボは意外とその岐路に立ってる作品なんじゃないかと思ったりするわけです

この話は続きがあるんで、そのうちまた書くかもしれない


category: アニメ

2013夏アニメ 恋愛ラボ  

■恋愛ラボ http://www.love-lab.tv/


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恋に恋するJCの泣き笑い友情トレーニングコメディでした。

いや作画すごかった。とくに揺れもの。
JCなので乳はないけどサラ髪やらプリーツやら。他にもアクションやらオバケやら
動画工房、若手アニメターの勢いホントすごいですね。

#01



このへんは西井涼輔さんか。
(堅い事を言えば、食べ物を足蹴にするような描写は演出さんには控えてほしい)

あと渡邉祐記さんて人もすごいと思った。
パートに今イチ確信持てないんで紹介はしないでおく


内容
基本は畳み掛けるようなギャグの応酬だけど
主役2人、仲間との友情やちょっぴりシリアスで泣ける部分もあったりして
日常モノや部活モノといったカテゴリとは少し違う雰囲気です。

絵柄が可愛いし表情もよく変って飽きずに楽しむことができる
良作と言ってよいと思う



で、ちょっと気になった点

#03
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リコ「違う。この会長ってのはあいつのことだ」


03話でのリコの責任転嫁
この03話では各キャラの好感度調整にことごとく失敗している
エノの生徒会への必要性も描ききれてない

#10
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真木に仄めかされるいくつかの背任

#09
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工作によって事実を隠蔽した上で
「要求を受け入れないと自分もやめるぞ」と教師を脅す

「株が下がろうと関係ない、仲間のほうが大事」
このマキのセリフは美しいけど、やってることはルールの否定だし
信頼してくれる大人への裏切りであり謀略

そして子供の恫喝に易々と屈する大人。
繰り返し強調される、教師の偏狭さと無能さ・ふがいなさ。


このへんの描き方が「なんだこれ?」と思ったんですよ。
なんか極めて特殊な独自ルールに従ってるような迷いの無さがあったんで。


で、ずっと見てたら

#12
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リコ「土下座なんて卑怯だ」


マキに真実をすべて打ち明けようとしたリコのセリフ。
このあとリコは土下座を思いとどまる。
このセリフはすごいよ。なかなか言えない。だから、これで何となくわかった。

まあアニメの内容が原作どおりと仮定した上でだけど、
これら登場人物の一連の行動は、作家の中で全部整合性が取れてるんだと思う。
最初は対立軸を用意するのがあまり上手くないだけかと思ったが
実は対立軸は作家の中にあるんじゃないかと。
つまり

・(委員会でのエノのような)卑怯な相手には、リコが卑怯な手段で対抗しても許される

・学校が恋愛禁止という横暴・理不尽を先に科してるので、生徒側の姑息な手段も正当化される

・マキは能力で学校に多大な貢献してるので特権は留保できる


この作家にとって、世界には明確な理解者と否定者しかいない。
救いを求めてくる者や、パーソナルスペースを共有する仲間に対しては、
どこまでも無限に誠実でいられるし、いたいわけです。
しかし他者、大人=教師など自分を理解しない者、自由を制限しようとする者を
この作家は激しく憎悪してる。

「土下座なんて卑怯だ」という台詞は鮮烈です。
土下座は相手に寛容を強いて自分だけは許されようとする傲慢な行為であり、
相手の正当な怒りに対してフェアではない。

この作家にとっては、世界にはウソを吐いて騙してもよい相手といけない相手がいて
騙してはいけない相手にだけは絶対に誠実でないといけないわけです。
これって、心に深い傷を負ってる人の発想だと思う。

でもこの作家はその正当性を信じていて、そのことを作中で堂々と宣言しちゃってる。
少なくともそこだけは迷いが無い。建前や一般論でごまかしたりしていない。
僕は内容の是非はおいといて、その姿勢だけは評価しますよ。


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で、迷いがないのはいいんだけど
ボケに対して突っ込みが少々バイオレンス過ぎるように見えちゃう。
これは僕が大人の目線、おっさん視点で見ちゃうからかもしれないけど。

ツッコミ連打する時は、ボケ側の痛そうじゃないリアクションも重要じゃないかな。




category: アニメ

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2013夏アニメ 君のいる町  

■君のいる町 http://www.kiminoirumachi.com/


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彼女の心変わりによって、一方的に破棄された遠恋関係。
逃げた元彼女を追い、広島から東京の高校に転校までしてきた元彼氏。
新彼氏を交えた三角関係、未熟で不器用な恋の行方を描く。
という話でした

まあ話はベタなんだけど、僕みたいなバブル世代後期のオサーンには
いろいろ来るものがあって感情移入しまくりで見れました。
冬ソナにハマる熟年女性みたいなもんだと思う
革カバンなのがいいよね


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原作はマガジンに連載されてる男の子向け青春コミック、400万部らしい
わりと下半身に対応する内容なんかもあるみたいです。よく知らんけど
なんでもビデオ全巻にスピンオフエロ漫画をオマケにつける
前代未聞の商法だとか。バカじゃねーのと思います。

・神崎推しから一転、ユズキに告白するとこまで全部カット
・ユズキ、チャラ男と抱擁~中卒まで全部カット
・ユズキ帰京~ハルト上京まで全部カット
・義妹とハルトに面識がある事情カット
・広島時代の仲間と明日香が顔見知りである事情カット

こんだけ段取りを省いてると、多少なりと混乱すること請け合い
原作は広島編、東京編、大学編みたいに時系列らしいんですが
アニメは東京編をベースに回想で広島編を織り交ぜる独自の構成

これ前にシコ火さんが言ってた時間を操る演出ってやつで
ユズキの好きだったところ、一番可愛かったところを
主人公が回想を通して見せていく構成は意外にも上手いと思った。
あまり笑わない現在のユズキとよく笑う昔のユズキを比較できるので
物語の理解にかなり有効に作用してる。さすが有名監督というところ


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僕は男なので男性視点になりがちですが
ユズキの選択は視聴者には支持されないだろうなあと思いながら見ていて

多分まだ何かある。ユズキがハルトを傷つけてまで
チャラ男の彼女になる選択をした理由があるはず、と
それはきっとハルトの致命的な落ち度が原因のはずやと。

そう思ってたら大学生編になってハルトがジゴロ化してくので
ちょっと頭を抱えました。

なんだか息苦しかったりモヤモヤしたり見るのがつらかったり
僕は何だかんだでかなり楽しんでましたね。
逆に何も感情移入しないで見続けるのは
この作品の場合無理なんじゃないかと思う


#07
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ユズキと彼氏の楽しげな会話を廊下で聞くシーン
これが一番キツかったです。僕、喪失感でしばらく立ち直れなかった。

出来も良かった、面白かったし大変気に入ったんですが
「ただしオッサンに限る」という作品なのかな・・・

でもユズキは確かに可愛いです。それで充分
中島めぐみの技術的未熟さによって媚びのない男たらし女が偶然完成してる感じ



***********


ついでに山内重保作品の特徴を簡単にまとめてみる


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極端な寄り、かなり難しいアングルとか


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キャラぶった切るカメラフレーム
これどういう効果なのかというと例えばドアの向こうが少し見えてる状態とかと同じで


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全体像が見えないせいでオブジェクトに吸引力が生じるわけです
「なんだろう」と感じさせることで視聴者を画面に引き込んでいく
まあヤクザな手法ですよね


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風船、空き缶、傘などのメタファー
それからダッチアングルの多用
こういうのも全部そう。不安感や好奇心を利用して没入を誘う
上の絵だと風船が周囲から赤過ぎたり、上手に暗闇を配置したりに意味がある


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色空間(色相、彩度、明度)の調整





あとはカット割りですね
これでもかというくらいカットを短く細かく割る

なんか抜けてるかな。大雑把にこんなところか。まあ参考まで



category: アニメ

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