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咲-Saki- 阿知賀編#16「軌跡」  

咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A http://www.saki-anime.com

準決勝後半、南四局

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大星淡(白糸台)
「二局前、阿知賀が1300を見逃さず上がっていれば、ハネ直でも二位になることができた」
「阿知賀をトップから引きずり降ろしたいのに、できないようになってる」


ここは麻雀をやらない方にはわかりづらいかと思ったので
少し解説を


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左側が実際の収支
右側が南二局にてシズノが1300を見逃さなかった場合の収支です。
手抜きの付箋画像で申し訳ない

南二局にて、ロンなら振り込んだ人の一人払いですが
ツモ上がりの場合、他の三人が分担して支払うので
淡はリー棒1000点のほかに300点を余計に取られたわけです。

次の南三局は新道寺コンボ役満が確定していました。

シズノはロンなら1300点得られたはずがツモで1100点になり(シズノ損失200点)
淡は300点を余計に取られたので(淡損失300点)
結果として南四局までに白糸台と阿知賀との間に
100点の収支の差が生じました。


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トップとの差が24000点の場合、半分の12000点を直撃すれば
プラマイで同点に持ち込むことができます。
そして淡の基本手役はリーチ(orWリー)役牌ドラ4のハネ満手(12000点)です。

オーラスで淡が阿知賀にこのハネ満を直撃すれば
阿知賀に対して白糸台が100点差で収支が上回る、はずだった(右側)

しかしこれが南二局のシズノの安上がりで100点分調整された結果(左側)
ハネ直でも両者がまったくの同点となってしまい、
この場合は阿知賀が白糸台の上家(席順)なのでルール上勝利となる。らしい


白糸台が二位以上に食い込み、準決を勝ち抜けるためには
二位である千里山との差、14600点をひっくり返す必要がある。
この場合

・千里山に満貫(8000点)以上を直撃する。7700でもいい
・ハネ満(12000点)以上をツモる。(千里山が▲3000となる)
・阿知賀・新道寺に直撃するなら倍満(16000点)以上が必要。

という、オーラスにして通常なら厳しい条件になるわけです。
まあこの作品の場合は能力麻雀なので、あまりキツそうに見えませんが。
ちなみに
・千里山はすでに決勝進出圏内なので速攻で逃げ切る算段
・新道寺は親でドラ2を得て上がりさえすれば決勝進出圏内、連荘も可能


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そして淡、ハネ満手をテンパイ
「どうせツモでしか上がれない」というのは
この捨て牌で6sはまず出ないのと
千里山以外から直撃でハネ満を上がっても三位に終わるから
リーチしてツモるか運よく千里山から上がれればようやく二位

でも二位じゃダメなんですと思ってるので、このままリーチするか逡巡する
ここは長野決勝でカツ丼言うところの「ようやく麻雀を打ち始めた」状態ですね


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しかし次巡。中を暗カンで俄然勢いづくリーチ
これには裏ドラ4が乗ることになってるので11翻の三倍満、
ツモれば6000-12000点なので阿智賀からも6000点取れて単独トップに立てる
精神状態としてはこれでもうイケイケです


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新道寺はテンパイしていて、降りてたら負ける位置なので突っ張る6s
当たり牌だが新道寺から24000点を得ても阿知賀と同点で
単独首位に立てないので淡は見逃し

この辺の淡の異常性はゾクゾクしますね
本編を含め、咲という作品にはこれまでいなかったセルフィッシュなタイプです


ただ結果としてこの6s切りは新道寺のミスです
この6s切りがシズノの安牌切りを呼び竜華に淡のツモ順を変えさせた
あくまで結果としてですが


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シズノ安定の現物


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その6sを竜華がチー
これで淡の一発が消える(フリテンでもツモれば一発はつく)

逃げ切りを狙う竜華なのでテンパイを急いだ、この判断も
結果として淡を利することになった

まあすでに1フーロしてますしここで鳴かないのは魔物だけでしょうが
一応竜華にも能力描写しちゃってますからね。彼女のミスというしかない


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竜華本来のツモ順はまんまと6s、これを淡が得た
新道寺も千里山も負けるべくして負けてる面がある


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あんま派手な顔芸に走らないのは竜門淵とかぶるからか


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「そこはあなたのテリトリーじゃない」
急に何言ってんだお前



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以下後ほど追記
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秘湯めぐり 隠れ湯 舞桜編 2nd.手折られる可憐な桜  

■秘湯めぐり 隠れ湯 舞桜編 2nd.手折られる可憐な桜 http://www.getchu.com/soft.phtml?id=753637

仲間内でえらい評価が高かったので見てみた

「これより出来のよいものはない」とまでいう人もいたけど
僕の中でエロアニメはヨスガ09話(奈緒編ラスト)が最強なもんで、
それを越えてるとまでは僕は思わなかったです。
ただ、出来が良いのは確かでした。ちょっと記事にしたくなるくらい。



昨今この分野は市場規模に不釣合いなほど作画クオリティが上がっていて
原作の成人コミックの完全再現を売りにしてる作品とかもあり
一方で低価格化が進み時短に向かってる(一本あたり正味15~20分とか)わけですが
時間が短い分、中身の大半は情交の描写に当てられるため
たとえばNTR物に必須な純愛のセットとかが実質不可能になってます。

陵辱やNTRで純愛設定がおろそかだと、どうしても肝心の喪失感が薄い。
そのことを嘆いても、これはもう仕方がないのですが
そうかといってイチャラブ物だと男女がハンハンやってるだけなので
あまり面白味がない。

だからもう、あとは表情。表情で見せてくれ。というのが僕の希望です。
NTR状況にある女の子が抱える<ジレンマ>を作画でどう見せてくれるか。
ここがひとつの評価ポイントになりましょう。




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いやあ、グーですよ。これはいい。
屈辱と愉楽、嫌悪と渇望、相克しせめぎ合う感情。
時間の都合で段取りを省き過ぎてるんで人格のかけらもない女ですが
ただハンハン言ってるだけじゃない、バカなりに葛藤してる表情ができてる。

一度墜ちたあとそのまま野獣化せず素に戻る演出も丁寧でよいです。
最終的には迎え腰を振るくらいでもいいと思いましたが。


あとはここ



挿入を表情で見せる
ここフォローPAN気味にBG引いてくれればと思うけど好みの問題か
右目が画面からはみ出て視線が虚ろになる感じがイイですねこれ


総作監はついてないのと、作監の虎助遙人さんの絵柄とは目の離れ方が違うんで
たぶん両方とも清水空翔さんのパートだと思うんですが


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なんかこう前作に比べて大幅にキムタカ度が上がったというか
誰の絵なんですかねこれ。これも清水さんなのかな


第一作はぶっちゃけ今作ほどの出来ではないのと
ストーリーも複雑なものではないので
今作だけ見てもとくに問題ありません。興味のある方は是非
ただNTRはどうしてもダメという方はご注意を



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2013冬アニメ まおゆう魔王勇者  

■まおゆう魔王勇者 http://maoyu.jp/


この作品が一体どこで間違えたのか、いろいろ考えたのですが
やはり第03話以降において勇者が魔王と別行動になるあたり


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戦争と経済にオーバーテクノロジー/プロトサイエンスを絡ませ
新世界が劇的に構築されていく過程を見るのがこの作品のひとつの楽しみですが
僕らが期待したのは魔王と勇者が手を取り合って「丘の向こう」を見に行く物語であり
魔王がもてる英知で守旧派を排除していくだけの物語ではなかったはず


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要するに勇者の立場が実験の立会人以上のものでないことが問題なのですね。
馬鈴薯ひとつ普及させるのにも魔王一人では不可能であるべきで
そこに勇者の何らかの助力がないと「手を取り合う」形にはならない。

勇者の強さが人類と隔絶していて戦うほど孤独になっていく、
魔王としてはそれを避けたい、というのは理念としてわかるのですが
では戦いの代わりに勇者に出来ることは何なのか、
彼が魔王と作る新しい世界に殺戮と破壊以外に一体何をもたらせるのか、
なぜ勇者がいないと魔王はダメなのか、
勇者が魔王に選ばれた理由はそこにあるはずであり
そういう勇者の可能性を早い段階で見せておくべきだったでしょう。
しかしそれをせずに勇者は魔界に行ってしまう。

この分岐する二人の視点は将来同一の新世界に繋がっているにせよ
そしてそれが合理的な選択であるにせよ
結局我々の見たかったもの、期待したものとは少し違います。

これ、小説の場合だと印象としてまだましなんでしょうけど
絵にされると二人が別々の場所にいることが強調されますよね。


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もうひとつが第05話における女騎士への告白。
これはまったく不必要だったように思う。

魔王の秘密を保持することによって
学士と女騎士との間では、勇者に対するのとは違う条件下での会話ができる。
二人でいるとき、三人でいるときでそれぞれに状況が変化するので
行動選択に各種条件が生じ、嘘を糊塗するために別の嘘が必要になるなど
不確定要素が増えて関係が複雑化し面白くなる、はずだった。
こういうものがまとめて放棄されているのがもったいないです。
(裏で勇者がスタンドプレイで女騎士に事情を話してる設定はあって構わない)



馬鈴薯、羅針盤、とうもろこし、活版印刷など
魔王は世界の改変のため次々と色んな手を打っているわけですが
僕らはそれを単なる順調な改革の工程、事象の積み重ねとして見せられるだけで
改革や啓蒙によって生じたはずの驚きとか感動とか生活や意識の変化とか
そういうものをリアクションとして見せてくれる人物配置も
完成しているとは言い難い。

で、それら改革を魔王が一人で淡々と成し遂げちゃってる、
少なくともそのように見えることが問題だと思うわけです。
しかも魔王が不利になる条件がことごとく排除されてる。
どうせならそういう改革も全部、勇者と二人で苦労しながらやって欲しかった。
僕らが見たかったのはフローではなく物語です。

まあ導入部はめったやたらに面白そうな作品だけに、少し残念でした。
あと主題歌のストリングスアレンジがすばらしい



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この方は人格障害か何かですかね。結局全然意味がわからなかった。


#12


すごいなあと思ったのがモブ
これはmassiveとかそういうモブ制作ソフトを使うんでしょうけど
でもなんか人間タイプばっかりに見えますね
そういう融通まではまだ利かないのかもしれない

#01
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これとか主人公二人以外全部CGですよね
よく見ないとわからないくらい馴染んでて違和感ないなあ
ていうかこれ、本当に手で描くより早いんでしょうか?

ダンスシーンの背動とかもガイドを元に作ってる感じだし
できることがいろいろ広がってきてるんだなあという印象です。

#03
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ちょっと珍しいと思ったのがこれ
第03話の修道院内部

イスの置かれてる位置が人の座ってる場所とそうでない場所で不揃い。
これ昨今のアニメの3Dモデリングではほとんど見られない配置なんですよ。
たいていの場合、人が座っていようがいまいがイスは整然と並べられてる
人がイスに支配されてる絵になってるのが普通です
たとえば12話では↓こんな感じ


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座ってる人の体型や性別などに合わせて
イスの位置も変わるのがやっぱり自然ですよね
まあ細かいことですが、こういうのも大事です

#06
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その他
夢魔ツグミと呼ばれた鳥の声は白石冬美さんでした。なつかしい

category: アニメ

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2012秋アニメ さくら荘のペットな彼女(2)  

■さくら荘のペットな彼女 http://sakurasou.tv/

シリーズ24話を通して見た限りでは第04話の解釈がもっとも重要で
ここをどう理解するかが鑑賞の要であろうと思われます。

第04話は、01話から続いてきた序章の区切りであり
主人公・空太が靴の上からかゆみを掻くように過ごしてきた毎日を捨てて
さくら荘に腰を据え、目標に取り組む決意をするという話

この段取りは

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(1)さくら荘で七夕パーティ
ましろの願い事は「空太の願いが叶いますように」


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(2)編集者からましろの落選原稿を見せられる空太
落選理由はマンガの主人公が「なのはな荘」を出て行くバッドエンドだったから


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(3)空太ダッシュで学校に戻り進路調査票を提出、
その後ましろの部屋前で自分の本当の夢を宣言


視聴中は熱のこもった独白の勢いと
その後の大団円で流されてしまいがちですが
・そもそもましろの落選理由判明からなぜ空太のダッシュにつながるのか
・なぜましろは「空太の願い」を優先してわざわざバッドエンドを選んだのか
この第04話だけがシリーズの中で妙にハイコンテクストな雰囲気を持っています。


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アバンにて「さくら荘にいると自分を嫌いになりそうだから出て行く」
という空太の言葉を聞いたましろは


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新人賞応募作を徹夜で仕上げる


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七夕イベントで「空太の願いが叶いますように」という短冊を見て
「俺の願いってどういうことだ?」と戸惑う空太


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「ハッピーエンドとはほど遠い、尻切れ感の強いラスト。これこそが落選した理由」
担当編集者・綾乃が空太に見せたましろの原稿
再三の修正の勧めにも「空太の願いだから」とましろが応じなかった


ましろの前には常にシンプルな事実だけが存在し
ましろは己が魂を揺さぶられる事象を素直に写し取ることで
画家として自己表現を繰り返し、納得して評価を得てきた、
というのがこのあたりの動向でわかる。

空太が言う以上、さくら荘を出て行くのが空太にとってベストシナリオなのであり
ましろは実のところ、バッドエンドを描いたつもりさえないわけです。

ましろは自分の目で見つめた真実を写し取っただけで
重要な理解者である綾乃の反対よりも空太の発言のほうが優先される。
それは空太への大きな信頼と尊崇の証でもあります。

しかし新人賞落選という結果と
「本当にそれでいいと思ってるの?」「もっと自分の望むラストを描くべき」
という綾乃の助言により
ましろ自身も自分の表現に何が足りないかを思い知る。


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空太は、心もとなさに端を発する自己の不明瞭な言動が
ましろの選考結果に意図しない影響を与えてしまったことに
彼なりの責任を感じるわけですね。
自分が思っているより、事態はシンプルなものだった。
だから立場を明確にするため、とりあえず進路調査票を提出しに走る。



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「ましろ」
「やっぱり」
「何がやっぱりだよ」
「言えないわ」

たかが名前ひとつ呼ぶのにも明確な理由を必要とし、逡巡し、躊躇する。
ましろにとってはどこまでもシンプルなこの世界が
空太にとっては激しく込み入った複雑怪奇なものである現実。
01話にて言及したように、ましろにとってやっぱり空太は面白いのです。
観察対象として興味が尽きない。

この後物語は終盤に家出するまでましろを狂言回しに据え
実質的に一人称の住人観察視点で語られていくことになります。



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正直に言うと
ここまでウェットでセンチメンタルな展開を真面目にやるんなら
もう少しだけリアル寄りのキャラデザインのほうが良かった。

そこらへんのハーレムアニメの造形と大して変わらない。
話の重さや登場人物の真剣さに絵が着いて来れていない気がする。
泣き顔にエロスが無いんですよ。僕が思うだけかな。




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それからこの男。とんだクソ野郎ですよね。
タイトル審査会とやらにおいて別ゲーの企画が有利であることを
この男は最初から知り得る立場にいたはずなわけで。
あまつさえ業務上知り得た個人情報を勝手に社内で共有してるし
空太が信用していい会社ではない、そんなイメージが強いです。

さくら荘周辺をウロチョロしてるし、あからさまに描写不足なのもありますけど。
何がしたいのかわからないキャラですね。名前なんだっけ




あとこの21話のガラスに写った雨とか雫の感じとってもイイですね
鏡像はなんかちょっと変な感じだけど

あと見所はなんだろ。プール回の田中将賀パートですかね
そんなところです



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2012秋アニメ さくら荘のペットな彼女  

■さくら荘のペットな彼女 http://sakurasou.tv/

#03
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Cパート、早朝、ラブホ帰り
朝陽の差す歩道橋で昨夜の言動を謝罪する空太。
新人賞がんばれ、応援してる、その空太の言葉を制してましろ


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「ねえ空太」
「なんだ」
「さくら荘、出ていくのね」


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切り替えしのクローズショット
両者の背後に光源があり、どちらの顔にも光が当たる妙なシーン

ここはましろの思いがけない台詞に空太が言葉を失う場面であり
空太の顔にわざわざライトが当たる意味はなかろうと思うわけです。
逆光で影になってるほうが、どう考えても自然。
狙ったセオリー破りにしても、演出意図が今イチわからない。

これがこのまま#04アバンに繋がるわけですが
次の第04話のコンテ演出は陰影にこだわる桜美かつし。
さてこれはどうすんのかなと思ってたら


#04
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「どうしてさくら荘を出ていくの」


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「さくら荘にいると自分を嫌いになりそうなんだ。だから出ていく」


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「新人賞の〆切、近いんだろ。俺、応援してるから」



無理やり影にしてきたー!

空太が偽りの自分でその場を取り繕うシーンなので
どう考えても演出上、彼の顔に光を当てるわけにはいかないわけです。
時間が経過して光源が変わったんだと言い切れなくもないが
この強引さ。頑固さ。これが陰影職人桜美かつしだ!



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JavaScriptスライダー ニャル子さん  

なんかやたらスライダーの反応が良かったんで作ってみましたよ
やっぱ止めたいコマとか、需要があるんでしょうね






■JavaScriptのスライダーは以下のサイトさんから拝借しました。
http://zack.dtiblog.com/blog-entry-15.html

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あずまんが大王 第04話のプール表現。と、その先  

(2002) あずまんが大王 第04話「楽しい職業/プールプールプール/りぼん/ふたりっきり/いいひと (プール!)」

プール作画というと有名なのはやっぱりこれです。
といってもさすがにもう10年以上経つので
若い世代には未見の方も多いかも

gifアニメだと落ちているコマも多いので
本当はビデオで見て欲しいのですが




突然プール内に現れた木村、ゆかりとにゃもがドン引きし固まるフィックス
三点パースで作られた奥行きのある空間の静寂を
絶妙なタイミングで溺れるちよが破る

・頭部が水をヘルメットのように被ったまま水面から持ち上がる
・沈んでいくときなど、水面の下で生じる泡




・さらに俯角、パースと後方に浮かぶ少女で不安定な重心と浮力を表現
・にゃもがゆかりに向かっていくときの水の抵抗まで考慮されている




・水際の静かなゆらぎ
・水中で浮力により両腕が身体から離れる基本姿勢
・中央左の人物は水位と身長の関係で顎が上がり気味になる。毛先も水に浮く
・ちよの胴体が水面に達した直後、手足が反動で開く
・スク水と水面の境界線の微妙なゆらぎ


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ちよの周囲に大きな波紋があって、それとは別に小さな波紋が無数にありますよね
これは要するにちよが跳ね上げたしぶきが水面に落ちて別の波紋を作ってるわけです。

水面の下は撮影でゆらぎの処理がされていて
そのゆらぎは波紋の下ではより大きく歪んでいたりする。異様に芸が細かい。
当時は画面の大半を占めるようなテクスチャの出力できる環境も整ってないはず。
できることをギリギリまでやっているんだと思う。

でもこういうシンプルな線だけの表現のほうが
昨今よく見るフラクタルノイズのプールより
透明感も清涼感も優れているように僕には見えます。
まあ、そこは単に好みの問題でしょうか。


ついでにスライダーも作ってみました






この一連のパートを描いたのは岸田隆宏という人です。
作画寄りの見方をしない方でも名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。
ちなみに僕は作オタでは全然ないです。

岸田隆宏という人は、
簡単に言ってしまえば業界の宝、日本アニメ界の財産であります。
人となりまでは存じ上げませんが、多分性格は最悪だと思います。
こんな才能のある人が善人なわけがないです。
絵描きになってなかったら人殺しになってないとおかしい。
そのくらい凄い人です。いや、これは最上級に褒めてるつもりです。


で、これはもう10年以上前の作画なわけですが
多分今の若い人が見ても「これは凄い」と感じると思うんですよ。
でもそれじゃダメだと思うわけです。


たとえば「0080」の磯爆発を今の若い人が見ても
何がどう凄いのかわからない。ふつうに見える。

これはあの爆発が当時あまりに画期的だったために
膨大なエピゴーネンを生み出し、
結果としてその技法もクリシェと化し、陳腐化したからですよね。
でもおかげでその後の爆発表現は大きく発展を遂げたわけです。

磯光雄の凄さなんて僕らおっさんが理解してればいいんですよ。
どうせ彼は仕事してくれませんし。


で、10年前に岸田隆宏のプールを見た若いアニメーターたちだって
機会があれば参考にしたい、真似したいと思ったはずなんですよ。

でもその機会は奪われちゃったわけです。
アニメバブルに。
数年ごとに制作本数が倍になる狂乱に。

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5億で作ったポケモンがアメリカに持ってったら150億になっちゃった。
そら放送局もレコード屋も広告屋も目の色が変わります。
どんどん売れと。出せば売れるぞと。ないなら作れよと。

品数をしぼってマーケティングして良作を選んで送り出せれば良かったんですが
逆をやっちゃった。何しろ投資したいけどアニメは投資規模が小さいんで
カネを出すほうとしては、企画の数を増やすのが手っ取り早かった。
また、アニメ業界のほうでも先が見えなかったので闇雲にがんばっちゃった。
とにかく人手が足りないけど根性でがんばった。
でもCGに任せられる部分はやっぱり任せるしかなかった。

結果はご存知の通り。良作は膨大な凡作に埋もれて光が当たらず
量産され輸出された微妙なアニメの微妙な売り上げが微妙な新作の製作費に消え
けっきょく儲かったのは関係のない村上隆だけ。それがアニメバブル。

僕ら視聴者は沢山の作品を楽しめたのでメリットも大きかったけど
ヘトヘトになった制作現場に残されたのは


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(2005) 灼眼のシャナ 第09話 「恋と欲望のプールサイド」

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(2009) 咲-saki- 第24話「夏祭り」


技法としての寒天プールでした。
岸田隆宏の描いたプールから10年、なんでこうなったのかと言えば
これはもうこうなる他なかったとしか。
寒天プールが本当に恐ろしいのは
ほとんどの人が違和感を持たないところです。見るほうも作るほうも。

でももういいだろう。10年だよ。そろそろ変わろう。
ロトブラシでシリーズアニメが作れる時代になってるわけです。
将来的には若いアニメファンが「岸田?ゴミだね」と言うくらいであって欲しい。
原画さんからエフェクト、撮影部のほうに水の担当が替わっちゃったけれど。

僕としては、秋豚がイエーイクールジャパンだぜ~とか言いながら海外に持っていって
新興国の若手アニメーション作家あたりに
「日本アニメのプールは水に見えないねHAHAHA」とか思われるのは
ちょっとだけイヤだなあとか思ってたわけですが

ここ数回の記事を書くにあたり、色んな作品の水際をチェックしてて
少しずつ変化の兆しが見え始めてるというか、
「ああこの先は大丈夫かも」と思い始めてます。

素人の書いてる雑な記事なのに撮影屋さんからの反応があったりして
絵心のある撮影さんが多くいるのも驚きでした。現場は大変そうだけどね。

ということで水際の話はこのへんで。
楽しみですね、京アニの新作も。




■JavaScriptのスライダーは以下のサイトさんから拝借しました。
http://zack.dtiblog.com/blog-entry-15.html

 

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水際3  

ちょっといい感じの水際を見つけたんで寝る前に軽く更新



(2011)森田さんは無口。 第09話「プールは楽しい」

さいきん流行の5分アニメ。ノーマークでした
なんか情報少ないんですよね、この作品

キャラは山下敏成さんの一人作画で、撮影は堀川和人さん
リコランとかあいまいみーなどセブン制作5分アニメの撮監をずっとされてる方
たぶんこのプール処理も堀川さんが一人でやられてると思うんですが

リアルに揺れまくる水面なのに
シンプルな絵柄にもちゃんとフィットしてますよね
色数を落としてるからかな



(2011)いつか天魔の黒ウサギ 第03話「月が揺れるプールサイド」

こっちは中村雄太さんという撮監さん
Assez Finaud Fabric.(アッセ フィノー ファブリック)という
僕はあまり聞きなれない会社の撮影ですが
調べたら前の記事の「FORTUNE ARTERIAL 赤い約束」07話なんかにも
関わってるとこでした。

「水際ってのは揺れてるもんだ」みたいな確固とした意思を感じるというか
プールシーンのどのカットも徹底して寒天排除してます。
水際の揺れのタイミングとか、フラクタルノイズの処理とか色の選び方など
すべての感覚がちょっと独特というか、綺麗なんだけど重いというか

でも寒天よりは全っ然ましです。この調子でガンガンやってください。


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category: アニメ

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水際の話、続き  

退化とか書いたのはまずかった
昔のアニメはちゃんと水際が描けてたのかと言われると
これは実のところ、必ずしもそうでもないわけです。

爆発や崩落、破片に地割れ、炎といった現象・自然物の描かれ方は
どんどん発明され進化しているけれど
水際に関しては長いこと変化がないよねという話がしたかった。
まあ相対的な退化と無理に言えなくもないけど
誤解を招くのでそこは訂正させてください。


多くの方に楽しんで?もらえたようなんで
この際だからボツネタにした分のgifも出しときます。
また重くなりますが、年代順にバブル以前のものを。
何かの参考になれば。




(1996) 地獄先生ぬ~べ~ 第17話「プールサイドのロマンス…第4コースの幽霊」
水際とは関係ないけど背中の影の塗りが妙に綺麗ですねこれ



(1999) セラフィムコール 第04話「楠初摘~飛翔する天使」
水面の揺れに弾力と水の重さを感じます。いい作画ですよね
やっぱり手描きはいい



(2001) あぃまぃみぃ!ストロベリー・エッグ 第06話「硝子たちのパウダーパズル」
ご覧の通り、水際は動いてません。色トレスで境界が曖昧になるので
一直線の寒天CGほどの違和感は残らないかもしれないけど
っていうかこの絵だと美術さんが描いてるのか



(2001) シスター・プリンセス 第10話「頑張って、あにぃ!」
シスプリは作画全体的に低調でしたが
それにしてもこれはすごい手間が掛かってそうですよね。
境界は白の実線になってる



(2002) あずまんが大王 第04話「楽しい職業 プールプールプール りぼん ふたりっきり いいひと (プール!)」
ここではあえてこのカットを
水中のとこ、エフェクトかかってますね

僕の記憶では、灰羽連盟のEDを見てその映像の美しさに
びっくりしたのがこの頃
おそらくこの1、2年でAEが撮影現場に普及し始めたんじゃないかな



(2002) おねがい☆ティーチャー 第05話「そんな先生に、ぼくは」
だいたいこのあたりでCGプール始まってた
AIC下請けで、同社はちょうど事業拡大を計り投資を重ねていた時期
あおきえいさんの初期の演出回。前年まで青木英という名義でAIC撮影部にいたはず



(2003) おねがいツインズ 第07話「おもいでづくり」
すでにこういう水面エフェクトも完成してた
コンポジットはスタジオ・武遊と故わたなべぢゅんいちさんが担当
水面は揺れなくなったので功罪はあれど現在へと続く大きな流れがこのあたりから



(2003) フルメタル・パニック ふもっふ? 第08話「女神の来日(受難編)」
京アニもCG化
撮影部のあるとこがやっぱり一早くCGのプールにしたみたい

右奥~左手前を結び放射状に幾層の光の粒が流れてる
これで波を表現しようとしてるんですね。さすがに試行錯誤してます。
ていうかこのフレアっぽい光はまさか手描きでやってるのかなあ



(2003) 神魂合体ゴーダンナー!! 第08話 「華麗なる撃墜王」
水しぶきの動きにいまいちキレがない気がする
あと、この尻はハイライトが入ってるので木村貴宏さんが修正入れてると思われ
問題はそこじゃないですね水際の話でした。いい感じの手描きです。

ケツが水から上がる瞬間に水の流れが止まり、
女性の身体に引っ張られるように水面全体が隆起するのに注目してください。
作画に立体感を感じますよね。
こういう表現がCGで可能になるなら言うことなしです



(2003) 成恵の世界 第07話「プール!?危機三発」
なにかこう、のっぺりした水面に見えなくもない
水際がなければスケートリンクのように見える
例えばこれと、上にあるおねツイ・おねティのCGプールを比較したら
後者を選んでしまうのは当然の流れ
手描きプールはブレイクスルーに相当する新技法が開発される前に
時代の要請によってCGに駆逐されたのかもしれない



(2004) スクールランブル 第11話 「奈良! 烏丸! 播磨!」
作風や情報量にもよりますが
無理にCGじゃなくても、こういう表現は今でも全然アリだと思います。
でもやっぱり大変なんだろうけど



次回、「あずまんが大王」第04話について少し。
こういう機会がないとなかなか触れられないんで、触れておきたい

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