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最近の水際表現。そして京アニの水泳アニメ  

(4/28追記:ブコメとかで要望が多かったんでgif増やしてみた。表示が重かったらすいません)


だいぶ以前の記事でも書いたのですが
プールの水際、液体と個体を分かつ線の表現はCGの侵食によって
徐々にロストテクノロジーとなりつつあります。

相変わらず萌えアニメ、学園アニメ全盛で作品ごとに水着回、プール回があり
こういった境界部分も目にする機会が多いわけですが
残念ながら、もうこの部分はメーターさんには作画させてもらえない領域のようで。
描かせてもらえないから、よけいに描けなくなっていくのかもしれない。

しかしながら
「この線が動かないのはおかしい」と考える向きもやはりあるようで、
挑戦のあとが見られる作品もいくつかあるのでした。
これは明るい兆しなんだろうか? 正直どうなのかわかりませんが
そのへんをまとめてここ数年分、少しだけ紹介してみたいと思います。


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(2010)オオカミさんと七人の仲間たち 第09話「おおかみさんと毒りんごが効かない白雪姫」

アニメバブル崩壊以降、徹底した省力化の犠牲になったのが水(主にプール)の表現で
日本のアニメはこの点においては退行の道を歩み始めました。
キラキラ光ってる水なのに動きがない。
これがアニメバブルの負の遺産
絶対にやってはいけない自然物の記号化。寒天プールです。



(2010) アマガミSS 第15話「ヘンシン」
これはちゃんと線も動いています。よく描けているほうです。
タンバックルカバーもやたら長いけどちゃんと水に揺れている。
ただ泳者の体積=質量に応じた運動ではないです。
しかしこれならやれるじゃん、という気がします。



(2010) ヨスガノソラ 第07話「ツミナオトメラ」
左上の水際は少しだけ動いてる。右上は動いてないっぽい
動いてる線もやはり質量に応じた適正な運動の表現ではないけれど
水中のマーキングや人体、はしごなどのゆらぎがすごく綺麗ですね。



(2010) FORTUNE ARTERIAL 赤い約束 第07話「前触れ」
これは陽光や特効も含めて綺麗ですよね
パースが若干不自然ですが水の質感はよく出ている
泳いで、ゴールして、水面から顔を出したという一連の動きに
即した水の動きかどうかは判定しづらいですが、美しいです



(2010) 生徒会役員共 第05話「お尻、大変でしょ?/欲求不満なだけだ!/私もパンをくわえて登校しなきゃ!」
これはgifだとわかりづらいんですが
水際の境界線もわずかながら動いていて、
なおかつコースロープも動いてるんですよ。かなり凝ってます
わりと自然に見えますよね



(2011) お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!! 第09話「夏だ!祭りだ!兄妹のM:I:V」
プールではないけど、こういう手描き表現もやっぱり綺麗です
ていうか、こんなんで充分と思うんですがプールでは難しいんでしょうか



(2011) Rio RainbowGate! 第07話「アントライオン」
これはお風呂※技法自体はわりと伝統的なもの
影だけのシンプルな動きですが、寒天プールよりよほど質感がありますよね





(2011) 僕は友達が少ない 第03話「市民プールはフラグがない(;´Д`)」
競泳、ゴール直後
ダメでした



(2011) ベン・トー 第07話「オムっぱい弁当 752kcal と ロコもっこり弁当 1100kcal」
ザ・寒天


(2012) めだかボックス 第06話「わかってもらおーなんて思ってないよ」
下半身が透過されていて透明感はあるが光の屈曲などは無視
線も動かない。動かす気もなさそう



(2012) さくら荘のペットな彼女 第08話「どでかい花火をあげてみろ」
飛び込みによって派手なしぶきは上がるが、ベースとなるプールは寒天
ただ、飛び込み直後からの水面エフェクトの動きはとても見事ですねこれ



(2012) この中に1人、妹がいる! 第09話「急襲!妹注意報!!」
もう生足だけ見てくださいと言わんばかりの開き直り



(2012) 輪廻のラグランジェ 第07話「曇り のち 鴨川」
棒で水面を引っかき回そうがどうしようが波は立たない
光の映りこみも変化なし



(2013) みなみけ ただいま 第12話「一年の計は元旦にあるらしい」
しぶきは上がるけど波は立たない、水面はゆらがない
テクスチャの光だけがACとは無関係に動いている。水際ラインは微動だにしない。
なぜ波紋ひとつくらい描けないのか?
これが2013年最新のアニメ



(2013) D.C.III ~ダ・カーポIII~ 第08話「愛と夢と希望が溢れる場所」
一応直線そのままの水際では変だと考えたのか、波型の線を持ってきた、まではよかった。
しかしこの線が波型のまま固定されており、このまま動かない。
正直その発想はなかった




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ということで、みんな大好き京都アニメーションの新作は水泳アニメだそうで。
内容はまあどうなのかわかりませんが
ここはひとつ、水際の表現に注目してみるのも良いと思います。
京アニにできないんなら、どこにもできないですよね。たぶん

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category: アニメ

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2012秋アニメ イクシオン サーガ DT  

そろそろ地味な周回おくれのレビューに戻ります。



■イクシオン サーガ DT http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/ixion/


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謎の力によって中世風の異世界に召還された一般人の少年が
なりゆきで仲間なった姫一行とともに旅をする冒険ファンタジー

シリアス成分は少なめで、ギャグやオマージュ色の強いコメディ作品。
監督&構成&キャラデザイン揃って「銀魂」のチーム。
ということで余分に期待値が上がりがちなのは仕方ないでしょう。

僕は40過ぎたおっさんなので笑いへの感性は若い人に比べて劣っているはずであり、
そのためギャグ作品への言及は意図的に避け続けていますが
それを踏まえたうえでなお「これ本当に面白いのかなあ」というのが
正直な感想です。
なんかこう、構成は全体的にもっとタイトでいいはずだし
会話にもギャグにもキレのようなものがあっていいんじゃないかと思うんですが。

一般にアクションやら会話やらを「速過ぎて着いていけない」と不満に感じるときは
「ひょっとしたら自分が年取ったせいかな」と自省したりもできるんですが
その逆で「何だかたるい」と感じる場合は実際のところどうなんでしょう。
スピードやタイミングのツメ方がどうこうというより
リアクションがあまりに予想通りでつまらない、ということかもしれません。
淡々としたボケに、叫んで突っ込む直球のパターンが多用されますし。

単発的に面白い突っ込みやら天丼やらは確かにあるんですが
アベレージで考えると、シリーズの大半は冗長で退屈な時間だったです。
導入部、とりわけ第二話の出来はすばらしく良かったのですが
そこからの加速に失敗してるというのが僕の勝手な印象です。

ただ第二話の出来だけはすばらしい。


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前節を受け、エレクパイルにセットされる強烈な復讐の動機。
まずこれがわかりやすい


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インコグニート集結のシーン
このシーンでこのシリーズのすべてがわかる。と言ったら過言ですが
だいたいどういう雰囲気なのかがココでわかるようになってる


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マリアン、セングレン、姫と個別に会話機会が与えられ、それぞれの人となりを把握。
セングレンとの会話で「アロマ」というキーワードに言及。


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一行を追ってきたエレクパイルに対し
セングレンはコンへの信頼を示した上で露払い


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期待と信頼を受け、みなぎるパワー。
しかしカッコいい戦いにはならず、きっちりと三の線で〆る。

導入部のエピソードとしてはこれ以上ない、理想的な構成です。


「コンの帰還」「姫の嫁入り」「エレクパイルの復讐」という
3つの物語が絡み合い同時進行するストーリーが序盤の興味を引くわけですが
なんだかんだで途中で全部グダグダになります。
僕も人に聞かれたら「とりあえず二話までは見て損はない」と言うでしょう。



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終盤はいろいろとアレですが
まず「オルビディア」が一般に畏怖の対象であるという設定のセットを失念してる。
とくに次の一手もないのに、戦場で人々がおびえて逃げ惑うさまが唐突です。


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大司教がなぜイクシオンの技術を操れたのか。
これにはヨドガワ・アランとの繋がりなどがあってしかるべきでしょうが
たっぷり時間があったわりに、そういう部分はまったく触れられていない。


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オルビディアにしろフォレゾーにしろ
仰々しいセッティングをしたわりにカカシで終わるのは一体何なのか。
結局たどり着けもしない、天空の城なんか地上に落下してナンボですし
巨大生物兵器なら暴走の果てにマスターを食い殺してこそでしょう。
そうでないなら、なぜ大司教は最初からフォレゾーを使わないのかという話になる。

オルビディアに関してはあそこにいた鳥たちはどうなったんだろうとか
妙なことが気になります。


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「コンはハイペリオンの力を使わず、殺さずを貫いた」
「現代っ子にありがちの屁理屈を駆使し、この世界と渡り合った」

「コンの戦い方」なるものが劇中において確立してたようには見えないので
謎子のまとめにも、うなづけるところがありません。
謎子の正体やら立ち位置やら、一切が謎のままでも一向に構わないと思いますが
一向に構わないと思ってしまうところがそもそもおかしいのですよ。

最大の問題は
いろいろと用意されてたはずの<謎>にこちらの興味が続かないところでしょう。
「わからんけど、こういうノリだし、まあ別にいいわ」みたいな気分になってしまう。
制作サイドのテンションとの温度差のようなものを
最後まで埋めることができない。


あとは――
ひとつの独自性として
カン高い声の人気女性声優が出てこないというのがあると思います。
このせいか、視聴に際して全体に落ち着いた雰囲気が保たれます。
まあ、これが良いことなのか悪いことなのかは難しいところかもしれませんが。


一言で言えば「よくできた不発弾」
そんな作品です。



category: アニメ

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category: アニメ

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RIDEBACKどうでしょう  

さて某所での話題
第01話での搭乗動機と演出が面白いロボット物って
何があったかと僕も考えたのですが、2009年のこれなんかどうですかね
この1話は傑作だと思いますよ。敵は出てこないですけれども。


■RIDEBACK http://www.mxtv.co.jp/rideback/
http://gyao.yahoo.co.jp/player/00499/v08973/v0896600000000518861/

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才能を持ちながら靭帯損傷によってバレエの道を断たれた主人公・尾形リン


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バレエに変わる新たな目標を見つけられないまま、やがて春が来て、
入学したばかりの大学。リンのファンだという女の子・すずりが近づいてくる


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すずりの勢いに圧倒され、困惑するリン。
友人ショーコが助け舟を出し、リンは中座


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すずりはリンがバレエの道を諦めたことを知らなかった。
ショーコはそのあたりの事情を彼女に説明する。
少し立ち入った話になるにつれ、雰囲気に合わせるように天候が悪化


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雨宿り。
うしろの建物から妙な乗り物(ライドバック)に乗った男が出て行くのを見かける


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入り口を覗く。同時に、大きな落雷が近所に響き
リンは驚いて、とっさに建物の中に入ってしまう。ここでも天候がいい仕事をする
まるでライブアライブ


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ここで「フェーゴ」との出会い
腕の生えたバイク。その風貌の異様さが、リンと視聴者の興味を
同時に惹きつける


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奥からライドバック部員・菱田が現れる。入部希望者と思われ、歓迎される。
菱田よりライドバック概略の説明

・運転免許は必要ない
・複雑な操作は機械がやるので、乗るだけなら誰でも乗れる
・全国大会なども開かれている

ためらうリンに菱田が試乗をすすめる
菱田「まだ雨も降ってるし、時間つぶしに乗ってみてよ」
リン「じゃあ、ちょっとだけ」


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ここで演出がちょっとしたサプライズを起こす。
乗り方から丁寧に説明しようとする菱田をよそに
準備していたかのようにジャンプして、シートに飛び乗ってみせるリン。

ここまでの落ち着いた彼女のイメージを破ってみせる一瞬の閃き。
多少エキセントリックな行動にさえ見えるが、これによってリンの中に
ライドバックに対する抑えきれない興味があふれているのがわかる。

なぜここでリンはこんな風にジャンプするか?
それは「私なら、きっとこれにはこうやって乗る」「こんな風に乗ったら素敵だろう」
そういうイメージがリンの脳内で勝手にふくらんでいたからです。

つまり彼女は出会ってすぐ、何もわからぬまま恋に落ちている。
これが搭乗動機


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搭乗したまま操作説明を受けていると雨が上がる
ここも天候の変化が段取り上、完璧な仕事をする。
菱田「ちょっと外へ出てみようか。ライドバックは外で乗るのが気持ちいいよ」
菱田の指示に従い始動、前進。ガレージの外へ


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そしてブレーキ効かず爆走
機体は姿勢制御に優れ、転ばない。
操作は体重移動に反応する、そのコツをすぐに掴んでしまうリン





「この子、踊れるんだ」
バレリーナの才能がここで活かされ、あっという間に曲乗りが始まる。
満開の桜並木を快走。
互いに、求めていた半身を見つけてじゃれあうように。
活き活きとして爽快感あふれるリンの表情がここで初めてクローズアップされ
ライドバックとはどういうもので、何をもたらし、何ができるのか、
このシークエンスで一気に紹介していく。楽しさと美しさに目を奪われます。


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そして終盤、お約束の暴走へ


ある才能が異分野で花開くというスポーツ物のプロットはわりとよくあって
RIDEBACKもモータースポーツ物としてスタートするので
パターンとしてはありがちな部分も踏襲されてますが

・ロボに対してまず恋に落ちる(この場合ロボットと言えるかどうか怪しいけど)
 =つまり、乗りたくて乗りたくてしょうがないから乗る
・出会いから搭乗までに天気の力を借りた演出
・搭乗の結果、失った何かを取り戻す主人公

このあたりの独自性が抜きん出てる気がするのですよ。
すばらしく美しい作品です。未見の方はぜひ一度。




category: アニメ

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ヴァルヴレイヴと虚淵発言について  

■革命機ヴァルヴレイヴ http://www.valvrave.com/

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中立国ジオールのスフィア(宇宙都市)「モジュール77」に
よそと戦争中の「ドルシア」が急襲を掛けてきたため、学生たちが急いで避難。
その途中で、学生たちは謎のロボットに遭遇


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その直後
流れ弾に当たり、主人公ハルトの彼女ショーコが吹っ飛ぶ


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ハルト、逆上してロボットに搭乗
こういう流れなわけですが、これについて虚淵


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「パンピーの主人公が」「戦う動機を得て」「ロボ乗って敵撃破を一話で」

これ「ロボ乗って敵撃破を一話で」に注目されてるようですが
庵野発言の要諦は「戦う動機」の確保にあったように記憶しとります。
僕も過去において全部の発言を追ってるわけではないので
このあたり正確ではないかもしれませんが。

少なくとも、素人が搭乗し敵撃破までを一話で、という点だけで言うなら
これはロボアニメではわりと普通のことです。


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『スキゾ・エヴァンゲリオン』/大田出版 1997年

多分、庵野発言だとこのあたりのことを指すであろうと思うのですが。
他にもいくつか似たような話はあったので、断言はできません。


普通の少年が、なぜ乗るのかという理由を明確にしつつロボットに乗る。
いきなり操縦もできる。戦って、敵も倒してしまう。
この一連の流れを、もっともシンプルに完成させてるのが
1stガンダムの第01話だっちゅうことですね。


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まず主人公の少年が重度のコンピューターマニアで


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敵襲があり、避難の途中で連邦軍の極秘マニュアルを拾う。
オタクなので、状況も忘れて長時間熟読


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そうこうしてるうちに幼馴染の家族が避難中に爆死
ひどく取り乱す幼馴染に、とにかく今は急いで避難するよう語りかけ


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激しい義憤


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そしてすぐに付近に停留されてあった新型ロボットへ
電源は生きており、すでにマニュアルを読んでいたので起動できた
操縦はマニュアルを読みながら行う


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戦闘。
武器を発見したあと、爆散を避けるためコクピット部をピンポイント穿刺、勝利。
これは主人公の才能の非凡さ表現


おわかりいただけるかと思いますが、
基本的にロボットアニメの第一話というのは
「素人がどういった"もっともな理由"でロボットに乗って戦うのか」
ここが毎度ロボオタのひとつの注目点なわけです。

ヴァルヴレイヴの場合は
「好きな女を目の前でぶっ殺されて逆上」という理由で
それはそれで新しいなとは思うのですが
「なんで急に乗れるのか、いきなり動かせるのか」という説明は
やはりできてないので、
虚淵発言の「偉業にして悲願」の達成というほどのものではない気がしますね。
ていうか、どんなに怒っていても
普通ならあそこで乗らないし、乗っても動かせないですよね。この流れだと。

進撃の巨人で言うなら、目の前で母ちゃんをぶっ殺された少年エレンが
いきなり立体機動装置を使って巨人を倒すようなもんですから。


とりあえずロボアニメで重要なのはすべてを一話に収めることではなくて
素人をいきなり搭乗させる動機と、その方法論です。
これが余りにも難題であるために、ロボ物では搭乗する主人公が素人でなく
最初から軍属か、特殊能力持ちであるという作品が多くなっている現実があります。
ヒューマンインターフェースみたいな考え方が主流になってきて、
以前よりかなりやりやすくなってきてはいるのですが。

ひとまず本来より、この問題は上手に解決できていないのが普通なので、
このせいでヴァルブレイヴがダメ、みたいなことは普通のロボオタは言いません。

category: アニメ

俺妹の閉塞感  

俺の妹がこんなに可愛いわけがない。  http://www.oreimo-anime.com/

#01
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この作品って、たとえば近親愛の話になるとか
黒猫との関係に進展があるかとかでは全然なく
気ままに人生を謳歌する妹と、それを見守り続ける兄の話ですね。

ある人間関係が変化したり醸成されていくような展開は今後もなくて
ただ上の3枚のスクショが示唆するように
兄妹の関係はこの風景が出発点であり、二人は基本的にこの場所にいて、
いつでもここへ戻ってくる、そしてここより別の場所へは向かわない、
そういう堂々巡りの、コンサバティブな話になるのでしょう。

美少女がオタク趣味を持つという副次的な設定はすでに消費され尽くしており
そこに独自性や意外性は存在しない。
出発点も終着点も初回から明示されている。
兄の妹への感情も、妹から兄への感情も、なんとなくだけど察しがつく。

1期がスタートした時点よりも、視聴者が作品の本質を深く理解してる。
この状況で、一体どうやってこれから話を広げていくんでしょうね?





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2012秋アニメ 絶園のテンペスト  

■絶園のテンペスト http://www.zetsuen.net/

#20
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うおおおおもすれえええ
と思った第20話でした
これだけでも見る価値はあった



#24
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「何かが足りない。決定的な何かが」
「こんな時、愛花ちゃんだったら何て言うかな」

羽村の攻撃がはじまりの木に通用せず、状況が悪化していく中での
マヒロと吉野の会話。
この時点までは何も言うべき事はないと思ってたんですが
ここから何も起きない、吉野がアクションを起こさないことに
ちょっぴり失望しましたよ。


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絶園の剣が召還され、羽村の俺ツエーEND
別にこれはこれでもいいと思うんですが、なんかスッキリしない。

羽村が、絶園の魔法使いとして、絶園の剣によってはじまりの木を倒す。
たしかにその筋書きはきちんと辻褄が合っています。
しかし物語として辻褄は合っているにせよ、文脈は無視されてるわけです。

物語は人類側の勝利によって大団円を迎え、
誰も不幸になってないので後口はさわやかだけど
結局のところ敵側に用意された絶園の剣がはじまりの木に止めを刺すのなら、
それは宇宙人にとって想定内、シナリオを踏襲したヌルゲーの物語。
人類が、その呪われた運命を超克した話にはならないですよね。

劇中で起きたことは「全部が全部はじまりの木のシナリオ通り」、
結局すべては茶番であるという解釈に物語を帰結させてしまう。
イレギュラーが何ひとつ発生してないからですね。


じゃあ吉野ってのは何だったのという話になるわけで。
なんであそこに居たの? 主人公だから?
左門によれば、吉野ははじまりの木のコトワリを逸脱した存在ではなかったのか?

吉野が絶園の魔法使いではないか、という疑惑そのものは
姫様と愛花の邂逅によって晴れたにせよ、
ではなぜ吉野は富士以降、はじまりの木を不利にする行動が取れたのか?
その点はうやむやにされている。

ならば愛花によって生かされたはずの吉野は一体何を成し遂げたのか?
振り返ってみると、彼はただ富士において
その機転によって姫様を連れ戻しただけです。
物語を徒に複雑化させていながら、実は他には何もしていない。
本当に、呆れるくらい、何もしていない。何だそれ。


ここまで何もしていない、しかしだからこそ、我々は最終決戦に
何らかのかたちで吉野が絡んでくるはずだと思って見ていた。

たとえば愛花から吉野に贈られたペンダント。
愛花からのメッセージが込められた携帯電話。
「最後の供物」となるであろう、由縁のあるアイテムもそこにあったわけです。
まあ、鎖部の魔法は使えない状況とされていましたけど。

吉野はやはり「絶園の魔法使い」の「心」であるべきだった。
最後の最後で、決定機に絡むために愛花によって見出された
特別な人間であるはずだった。
だからこそ、彼はここまでコトワリを無視した存在でいられたのです。
それが正しい文脈だった<はず>です。
結果はご覧の通りなんですが。

#16
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愛花 「私が知る中で、吉野さんが一番怖い人だと思いますよ」

愛花もわざわざ吉野をこう評している。
でもこれは結局、兄に黙って平然と自分と付き合ってるからという、
ただそれだけの話になってしまうわけで。

ここまでお膳立てをしておきながら、これらを何一つ活かさないのは
なんだかもったいないなと。



category: アニメ

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あっ、これはアニメ界を変えるな と思った名作アニメと言えば  

昼下がりの思考実験

あっ、これはアニメ界を変えるな と思った名作アニメと言えば
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1351886559/


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いろいろ考えたけど
やっぱりなんだかんだでハルヒじゃないですかね。

あれでアニメの視聴形態が大きくネット寄りになった感じがする
YouTube黎明期の事実上のキラーコンテンツだったから。
結果的にアニメ界を変えたと言えなくもない
売れた作品は数あれど、
離れたアニメファンを大勢連れ戻したアニメって、ハルヒしかない。

そこには実際の作品の出来以外に
タイミングのような不確定要素が数多くあって、
運命としてそういうものを背負っていた作品であったと言える。

事実として、ハルヒがなければYouTubeのブレイクはもう少し遅れただろうし
ニコ動とそれに連なるMAD文化や現在のボカロシーンさえも
発生しなかったんじゃないかと思う



あー、でもこれって
「アニメ界を変える、と思った名作」という趣旨からは外れてる結果論かな

 

category: アニメ

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2012秋アニメ PSYCHO-PASS  

■PSYCHO-PASS http://psycho-pass.com/

#11
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「神回」なんちゅう言葉がありますが
この第11話では僕もすっかり画面に釘付けになりました。

中盤まできて、ルール外の現象を持ち込んでくるとは思わなかった。
この回のマキシマは、ここ数年のアニメキャラでは見たこともない
圧倒的な存在感を瞬間風速的に発揮しますね。いやこれはお見事です。

まあひとつ残念なことに、この2クールのシリーズ自体も
結局この11話のインパクトを最後まで越えられないわけですが。


ヘルメットとシビュラ露見によって社会の仕組みがグラついていく過程で
僕らは当然のようにマキシマが覇道を進むのだと期待するわけじゃないですか。
大衆を扇動し、意のままに操り、シビュラ自体をも呑併して
鴻上と常森の前に不倒魔王として君臨してくれるのだと思うわけじゃないですか。

でも現実には、マキシマは孤独なチンピラに回帰していくわけですよ。
「え? なんで急にバイオテロ?しかも単独で?」みたいな拍子抜け感覚ですよ。
彼の行動選択がいちいち場当たり的に見え、
これじゃあむしろ厚生省タワー襲撃の一件のほうが浮いて見えますよ。

お前、稀代のカリスマじゃなかったんかよと。
その農学博士だってわざわざ殺す必然性もなく、魅了して連れてけばいいわけで。
でもそうすると、鴻上や公安が追って来れない。
それって結局、事実上の接待プレイですよね。(*1)


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あの清潔で小奇麗な「奥の間」の風景もなあ。
なんていうか、間抜けでシュールなんだけど、そこに狂気は感じない。

あの部屋の風景は話のキモなんで、もっと目に焼きついて、
思わず夢に見てしまうような、おどろおどろしくとんでもない光景を
作れなかったものか。
絵にすると普通なんですよ、発想が。クソつまらない。あれでは愕然としない。
これはぶっちゃけ監督の美的センスと力量の部分でしょうけども。
実写映像だと、また印象も違うのでしょうけどね。


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あーなんか、そういう人やったんや?

演出では必死に知的ペダントリやら文学的スノビズムを匂わせつつ
彼ってカリスマなんですよと繰り返し説明しておいて
瀕死の重傷を負ったとたんに全力で逃げながら
「ああ僕、いつのまにかこんなに生命に執着してる」
「生きてるってスバラシイ! こんなの初めて!」

この男、結局全存在を賭けた一世一代の大勝負をしてない。
逃亡に命を燃やし尽くしてる。

仮に鴻上との出会いで自己の解放に至ったのだとしても、
その境地に彼がたどり着いた必然は描けていない。
マキシマの本質を穿つ会心の一撃を、鴻上が加えてるように見えないから。
叙情的なBGMと美しい背景美術でごまかしているけど、
制作スタッフはそのことから逃げた、と僕は思いますね。


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マキシマがシビュラの矛盾を暴露し、ディストピア管理体制が崩壊、社会が混乱。
そして鴻上がマキシマを殺す。人類の未来はこれからだエンド。
最終話直前まで、僕はこうなると思ってました。

ところが実際には、絶対にないと思われたシビュラの譲歩。
あろうことか、シビュラによる自己批判と体制健全化の可能性までほのめかす。
これはいい意味で驚きました。

まあ結果として常森は身動きが取れなくなるわけですが、
新世代の投入で希望まで持たせる結末には、逆に戸惑いすら感じます。


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「これまで、悪を憎んで、正しい生き方を探し求めてきた人々の思い、
その積み重ねが法なんです」

「より良い世界を作ろうとした過去すべての人たちの祈りを
無意味にしてしまわないために。
それは最後まで頑張って守り通さなきゃいけないんです。
あきらめちゃいけないんです」

常森の説く、あくまで遵法を尊ぶ精神のあり方は
べき論ではあるけれど、状況の整理に極めて有用であります。

凶悪犯の脳みそを使った寡占政という冗談みたいな体制下だけど
それさえも先人たちがより良い世界を作ろうとした結果なら
評価とは別に、その先人の思いを尊重しなければならない、という。

でもそれが常森の第01話からの一貫した姿勢であるわけです。
成長を遂げたことで、言葉にして説明できるようになった。
人は暴力や犯罪といった理不尽から守られるべきで、そのために法がある。
常森の処遇に関するシビュラの翻意は、この一連のダイアログの
ドミネーターを介した傍受が起点なのかもしれない。


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余談ですが2ちゃんねる的なもの。

よく匿名性について議論がなされる時
意見は匿名・実名を問わず内容の正否で評価されるべきだと誰もが言いますが
それだと作中のシビュラのあり方を合理的に批判できないんですよね。

ここは虚淵玄の仕込んだちょっとしたアイロニーだと思いますが
ねらーはどう思うのかなあ。




(*1)鴻上との決着を望むマキシマがヒントを残していったという解釈は可能。
ただしその場合、施設停電時の「やってくれたな」というマキシマの台詞が矛盾する。

category: アニメ

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