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健康第一

2012秋アニメ 境界線上のホライゾンⅡ  

■境界線上のホライゾンⅡ http://genesis-horizon.net/

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「セイフケンソウ」「にがたきせっせい」「キュウダイシンダイ」
「神格武装級のシセイ武神」「イヤケの怠惰」「だいてっこう、おおきなるせいぎ、きゅうだい」
「チョウシクフク艦隊」「サンマルティン」

いやあすげえ。何言ってるのか全っ然わからねぇ
第01期全13話の視聴を乗り切って、この雰囲気には多少の自信がついていたにも関わらず
序盤から「このニワカが」と蹴りを入れられてる気分になります。
正直調子に乗ってましたすいません。

でも「アルマダ海戦」はわかるよ!スペイン無敵艦隊が英国に負けたやつね!
2期はつまり、そういう話になるんだね!


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エリザベス。美人。
やっぱ田村ゆかりってのは、特別な声優だと思うわけです。
可愛さも品もある声質の役者さんはたくさんいるんですが
春風のような無邪気さと
凍土のような残酷さを兼備してる人ってのは少ない。

第07話の正純の交渉回はかなり見ごたえありましたね。
いかにもこの作品らしいエピソード。
合理的で圧倒的な正論を繰り出してくる相手に対し
どのように反駁を加えていくかが興味をそそります。

現実の歴史に即して考えるなら
エリザベス一世の時代のイギリスは辺境の貧乏国で
三角貿易やら産業革命やらで巨万の富を得て世界の覇権を握るのは
もう少し先の話になるわけで。

物語上の英国も「国力強化したい」「金あんまりない」
という状態なのでしょう。つか、そこ誤解すると本当にワケわからないですね。
アルマダ海戦で勝っても、それで損耗するとすぐに他国に付け入られるからですね。
だから自軍でなく、わざわざ傭兵を使う。

とりあえず「歴史再現」は国際レジームであり宗教だけど
実はさほど神聖視されてないし、人は天界に戻りたいとか別に思ってない感じ。
落っこちて200年でしたっけ。そんなもんなのかな。

でも「新大陸の開拓」なんていう話も出てましたが
人間が住めるのは「神州」だけなんじゃなかったの?


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「エクスカリバーコールブランドにござる」
なんだそれ急に
話むちゃくちゃだな

点蔵くんはナイスガイですが横の女はビッチですね。


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ギンさん
1期に比べて貞淑さに磨きのかかった印象
でも実はヤンデレ


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第09話
「当分ここには来られなくなりますが、少々お待ちくださいね」

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第09話
「尽くすだけで誰かのとなりにいられるなんて、ラブなめてんのあんた」

この09話の二つのシーンは構成上並べるべきじゃなかった気がする。

上の病室のシーン。
宗茂の名誉回復のために手柄を立てるべく戦場に赴くギンさんですが
これはひとつの我執にとらわれた姿なわけです。
病床の夫にしてみれば、目覚めた時に嫁がいてくれるほうが有難いはず。

下の喜美に説教されるマルガ・ナルゼの場合は
自分本位によるドグマへの陥入であり、マルゴットへの依存であります。

これら両者は微妙に意味が異なるにも関わらず
喜美の言動が結果的にギンの行動選択を肯定してしまいますよね。
これは違うだろ、と言わざるを得ない。


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喜美を除くほとんどの女性は自己評価が低めですが(これは作者の趣味なんだろう)
ギンの場合それが顕著で、そうであるがゆえに宗茂のそばにいようとしない。
基本的に自分は無価値な存在で、宗茂とともに生きるに足る人間であることを
武功で証明したいと考える。

ただ勝利にのみ執着し、相手のことが見えてないので二代の敵ではありません。
クルス喪失後はほとんど何もできずにボコられる。

夫に生きる意味を教えてもらったと言っているが、実はそれは宗茂も同じなわけで。
この二人にとって襲名というのは事実上互いへの枷でしかない。
そのことを理解していたからフアナは襲名を解除したのだろうし
それをギンは理解できないだろうからセグンドは説明しない。
戦って負けないとどうしても気が済まない人ってのはいますからね。

僕はこのギンというキャラクター、すばらしいと思いますよ。


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悲嘆の怠惰
この作品は、ヘンなところでモブやら洗練されてないアイデアで
泥縄式な解決を図る傾向、悪癖がある。
素直じゃないというか、屈折していると思う。

墜落したはずなのに大破もせず再登場してる白虎?
じゃあ地摺朱雀との戦闘は何だったのかと。


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唐突に介入、コイン攻撃から身を挺し主将をかばうキャッチャー部隊やら
そういえば1期でも墜落するマルゴットを唐突に鼓舞した裏方っぽい連中やら、
コンセント化する前のトーリに熱く決意を示すモブやら出てきましたが
そこに現れる必然とか段取り、物語性に欠けてる。その温度差にとまどう。
そこはお前の出る幕じゃない、的な。興が殺がれ、角逐は色褪せる。

各戦闘の状況は必ずしも両軍にとってフェアなものではないにせよ、
ここ一番の本気の戦いってのはもっと神聖不可侵なものであるべきです。
こういうのは、真剣勝負に水を差すよ。毎度のようにこうだと。


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正純「これにて」終結宣言

メアリ&コールブランドが低速弾を分断した瞬間、
「すべてが終わった」と即座に両軍全員が理解できる、
そういうインパクトには欠けていた。「ん?終わりか?」みたいになる。
最後に派手な大爆発とか炎上がないからでしょうね。

そもそも悲嘆の怠惰のあと、フェリペ・セグンドが粘って低速弾を撃ち
それをメアリが払いのける。その段取りで最後に大爆発を描いてしまうと
悲嘆の怠惰いらねえって話になっちゃいますしね。


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「勝とう」「みんなで勝とう」
一人で損ばかり引き受けていた男という意味では点蔵と並び立つセグンドが
一転して仲間との未来に、勝利に掛けた、その低速弾一発は


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その一発は果たしてどんな一発なのか、起死回生の一発なのか、
その一発にどんだけのものが込められてるのか、
これがダメだったら、さらにその次があるのかないのか。
ここまで粘りに粘ったセグンドだけに、そこは伝わってこないところで。
もうちょっとこれ、タメを作るなり、込められたものを描けなかったものかな。

みんなで力を合わせ、思いをひとつにする、それは確かに絵としては美しい。
それで負けたお前ら、本当に死力を尽くしたんか?
顔に傷どころか汗もかかず汚れひとつないやんか。ピンピンしとるやないか。

髪の毛爆発させて、タンデム自転車で逃げていけとか言う気はないけど
最近のアニメってこんなのばっかですよね。何とも思わないのかな、作るほうは。
天下のサンライズなのに「なんでできないの?」とか思うんですが。
誰も「おかしい」って言わないからでしょうね。

僕から見たら、トレスエスパニアの連中はギンさんを除いて
どいつもこいつも負け方がダッサダサです。崩落や瓦解、その悲壮美が描けてない。
壊すためにあるものを、なぜ壊さない。
カッコばっかりつけやがってなにが「終わったんだな」じゃボケ。
演出が終わっとるわ。


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最終盤のひとつの救いは、以下の台詞があったことです。

「人々がどれだけ敵対しようと、傷つけ合おうと、
世界を喪失から救えるならホライゾンは満足です」

これで二期全13話はうまく総括されてるように思う。
仮に続編があるとしても、この台詞が鑑賞のために寄る辺となるでしょう。

なんか前回に続き全然まとまってませんが
境界線上のホライゾンに関してはこんなところで。


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映像ソフトは売れに売れているそうですね。
リア充で無力なのに不思議と人に愛されるトーリそのまま。
この作品の何がそこまで強力に人を惹きつけるのか
さらなる考察が必要かもしれません。

僕自身も面白いと思って見てましたが
何がそんなに面白いのかをまったく説明できないままです。
とりあえず非オタにはオススメできないです。ハードルが高すぎます。







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category: アニメ

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2011秋アニメ 境界線上のホライゾン  

■境界線上のホライゾン http://genesis-horizon.net/

2期を見るためには、まず1期を見なければ、ということで・・・
豊作年だったはずの2011年放送のアニメは
諸事情があってほとんど見れていなかったのです。
なんとかしないとHDDが空かないので、ずっと気には留めてるんですが。

で、友達がこの作品を「幸福なアニメ」とレビューしてたので
ずっと気にはなっていた「境界線上のホライゾン」
予備知識はほぼゼロ。原作ラノベが分厚いということくらい。


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もうね


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という状態が5話くらいまで続きましたよ。
途中で急にわかったというより、慣れた。

#01
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「じゃ、トーリは無断遅刻かな。
まあ、セイレンの暫定支配下にある極東ムサシの総長はこれくらいじゃなきゃね。
歴史再現の名の下に、各国の代表が教導院の学生に姿を変え、極東を分割支配している今。
極東の代表には、セイレンの支配に都合のいい人物、アオイトーリ。
彼のように、もっとも能力のない者が選ばれる。
しかも、インポッシブルなんてアーバンネームまで与えてね」


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「もう160年前からそうだもんね。
本来このシンシュウの大地はすべて僕たち極東のものなのに
ずっと頭下げたり協力したり金払ったりで、このムサシは極東の中心になろうにも、
移動ばっかりの権力骨抜きでどうしようもない」


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いろいろ突き詰めて考えていくと、この序盤をわかりにくくしてるのは
「シンシュウ(神洲?)」「極東」「ムサシ」あと「三河」
これがそれぞれ何を意味してて、互いにどういう関係なのかが
まったくわからない点であろうと思いますわ。
(※第01話EDの譲治のナレーション、「シンシュウ」が「新種」に聞こえる。
これも混乱の元)


ムサシに関しては舞台となっている空中浮遊艦のことだとわかりますが
そのムサシと「三河」との関係が、とにかくわかりにくい。
ムサシがなんで飛んでるのか、どこへ向かってるのかがまず気になり
そこで暮らす人々がどういう営みをしていて何を望んでるのかとか、
外との関係がどうなってるのかという問題以前に
進行にしたがい拡張されてくであろう、物語の小宇宙そのものがつかめない。
取っかかる足場が何もないんですな。


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アオイトーリという、この少年が主人公らしいので
メーテルリンクとかオーノワ夫人の童話がベースかなとか色々考えるんですが
どうもそういう話でもないようで。


ただこの煩瑣で情報過多でわかりにくい序盤を強力に支えてるのが
この少年トーリのキャラクターの徹底した朗らかさと、
「好きな女の子に告白したい」という行動目的の宣言ですね。

話の内容はまったくわからないけど、いやむしろわからないだけに
トーリが好きになった女の子に告白したい、
そして彼の仲間たちがそれを応援する、という
ごくシンプルな構図だけが強く印象づけられる。

どこまでも前向きなトーリと仲間たち。
このおかげで、どうにか物語への興味を失わないで済みます。


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あとはおっぱいですね。まあすごいもんです。


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で、その告白を前に
トーリが好きな女の子ホライゾンが奪われ、
それを奪還するという新たな目的がセットされる。
これは、すっごくわかりやすい。

ホライゾンが世界を終末から救うカギになることで
ホライゾンを救うことが正義となり、それを邪魔する奴が敵となる。
そこからあとの展開はジェットコースターです。


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ディベートによるバトルなど、この作品ならではの独特な見せ場も盛りつつ。

敵側にしてみれば拉致したホライゾンを即刻処刑すれば
無益な戦闘を避けることが可能なわけだけど、そうしないのがちょっと不思議。
理由なんていくらでもデッチ挙げられるだろうに


終盤に向けてガチのバトルシーンも増えていきますが
トーリたちにとって絶体絶命のピンチは来ない。
たくさんいるキャラにそれなり~そこそこの見せ場を用意してはいるけど、
本当にヤバげな敵はおらず、盛り上がるところがない感じはちょっとする。

ホライゾンの自害が完了しさえすればムサシは自動的に行動目的を失う。
そのため敵はトーリたちを本気で倒しに来ない、
防戦メインで最初から時間切れ待ちのようなところがあり、
これが緊張感に欠ける原因かも。
もっとイレギュラーで予測不可能な動きをする敵が居ればよかったのか。


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いずれにせよトーリがホライゾンへの告白を達成してしまうと
ここまで物語を牽引してきた姫救出ミッションが終了してしまい
この後どうやって話を引っ張っていくのかな?と心配になるんですが。

・大罪武装を全部集め、ホライゾンの失われた感情を復活させる。
・末世の回避

この二点は連動してるようなので
これが二期の中心ミッションになるのかもしれませんが
そもそも失われた感情を取り戻す必要って本当にあるのかな、と思ってしまいます。
無口キャラってのも、ひとつの萌え属性ですしね。
とくにホライゾンの場合、今のホライゾンでなくなるほうが損な気がします。


その他、1期で未解決の問題は

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オリオトライ先生の謎

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休憩所の謎

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「公主隠し」「創世計画」

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少女の霊


こんなとこですか。
では二期を見てみましょう。

category: アニメ

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2012秋アニメ ヨルムンガンド PERFECT ORDER(2)  

■ヨルムンガンド PERFECT ORDER http://www.jormungand.tv/

続きです。


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バーナード・ショーの戯曲「バーバラ少佐」(1905年) 第三幕において、
長男にして自己を過大評価する俗物スティーブンの不遜な物言いに対し
父親である大富豪の武器商人アンドリュー・アンダーシャフトが語る
「この世界を本当に支配してるのは誰なのか」その答え。



 「私とラザルスの二人こそが君の国の政府なんだ。
 あの下らない建物に並んで座ってる君やその仲間の素人共が我々を治めてると?
 バカなことを言うんじゃない。

 君たちは我々の商売の採算が合うような政治をやることになるんだ。
 君たちは我々の都合で戦争をやるだろうし、
 その必要が無い時には平和を保つのだ。


 私が儲けを増やしたい時には、この私の要求が国家的要請だと悟るだろう。
 まわりの連中が私の儲けを減らしたいと言えば、君たちは警察や軍隊を動かす。
 その代わり、君たちには返礼として私の新聞の支持を差し上げるし、
 君が偉大な政治家であると自負できるような喜びを差し上げよう」


アンドリュー・アンダーシャフトは兵器製造/販売業者。
「この私は他人を不具にしたり殺したりで大儲けする商売人」と豪語し
その商売や生き様に疑問を持たず、「柔弱な善意」と「貧困」を憎む。

孤児出身で、前半生に体験した貧しさとの戦いから
「害悪の最たるもの、最も悪質なる犯罪とは貧困だ」と言い切り
蓄えた巨万の富にも関わらず、その思想や行動は心理的に強く制限されている。


そのアンダーシャフトの娘バーバラは、正義感が強く、活力あふれる理想主義者。
死の商人である父親の仕事を嫌い、救世軍の一員・バーバラ少佐として
町にあふれる貧困層の救済に熱心な奉仕活動家であったが、
金持ちに媚び、その寄進に甘えながら貧乏人にパンを配る救世軍の矛盾や
運命に満足して無気力に甘んじる貧民たちの姿に無力感を覚え
やがて救世軍を辞して父の元へ向かう。

父の兵器工場は清潔で、労働者たちは活気にあふれ、施設は行き届いていた。
「こんなに美しい工場と素敵な家があって、立派な労働者がいる恐ろしい暗黒の
この場所で、一刻も早く光を見つけ出して」と父に迫るバーバラ。

その欺瞞を、アンダーシャフトが暴いてみせる。



 アンダーシャフト:
 「私は君の魂を救ったのと同じように、ここの労働者たちの魂を救っている」

 バーバラ:
 「私の魂を救ったですって!?」

 アンダーシャフト:
 「君に食べ物や服や家を与えたじゃないか。君たちが心地よく暮らせるよう、
 充分にお金を与えるよう気を使ったんだ。そのために君は、金遣いの荒い
 無頓着な気前のいい女になれた。
 おかげで君の魂は七つの罪から救われたわけだよ。

 食料、衣服、光熱、家賃、税金、世間体、子供。
 お金以外には、この7つのひき臼を人間の首から外せるものなど存在しない。
 そしてそのひき臼が外れない限り、精神は高く舞い上がれはしない。

 では聞くが、君の精神からそのひき臼を外したのはいったい誰だ?
 バーバラがバーバラ少佐になれたのは誰のおかげだ?
 君の人生に自由を与え、貧困という犯罪から救ってあげたのは誰だと思う?」

 


バーバラがこれまでの人生でバーバラたりえたのは
すべて父の経営する死の工場が生み出す利益のおかげ。
戦争と、戦争で死んだ人のおかげだった。

そればかりではない。国の雇用を支え、経済をまわし、
救世軍の活動を支えているのも、飢えた貧民を満足させているのも、
結局は富豪である父アンダーシャフトの事業や、
忌むべきアル中を生み出す酒造業者ボジャーの寄進あればこそ。

少し目を見開けばたやすく見えてくる事実に気づくこともなく
高邁な理念や神秘主義に酔い、人に真実を説いている気でいたバーバラは
衝撃を受ける。



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「ヨルムンガンド」本編に
ゴッドファーザー/フロイド・ヘクマティアルは登場しませんが
彼が幼い兄妹を現場に放り込んで鍛え上げたことや
冒頭の引用からも想像がつくように
キャスパー・ヘクマティアルはフロイドの代弁者であると同時に
貧困への憎悪から解放された次世代のアンドリュー・アンダーシャフトであると
見ることができます。

そのキャスパーがココのヨルムンガンド計画を評して言う
「この世から武器がなくなると本当に思うか?」という問いが
ココの夢想する新世界よりもはるかに力を帯びて見えるのは
他でもない、我々自身が
「きっとココの考えているような未来は来ない」と思っているからでしょう。

我々はどこかで、そういう幻想に対して絶望していて、勝手に冷めていて、
きっと何をどうやっても武器も戦争もなくならないし、貧困もなくならないし、
悲惨な状況は地球のどこかにあって、人は死に続けるわけだけど、
できたらそういうのは自分の暮らしている場所から
なるべく遠くでやっていてほしいと思っている。
口では平和のすばらしさを標榜しつつも、どこかで目を閉じ、
興味を持つのも関与するのも面倒がる。


そしてココ・ヘクマティアルは――
そういった出自や運命の違いに満足し、議論好きで、俗物的かつ高慢で、
自分たちに分け前として与えられたわずかな権利と威厳にこだわる
「我々」こそが70万人の生贄に相応しい、と断罪してみせるのです。

世界に武器があふれ、悲惨な戦争がちっともなくならないのは
むしろ君たちの欺瞞のせいだよ?と言わんばかり。痛烈なシニシズムであります。


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武器、武器商人、暴力を憎むが、それでも強い少年兵。

卑怯な武器で一方的に脅されて、人生や家族、生活のすべてを奪われても
なお弱者に甘んじることを拒み、自由を求め武器を取り、戦うことを厭わなかった。

新世界の女神から選ばれるようなその特別な少年が、
二年間も答えに迷うような命題を
作品は二度にわたって我々に突きつけます。

オープンエンディングには不満が残る向きもあるでしょうが
元より正解の存在しない命題に
迷い続けて欲しい、というのが作品の結論であるということなのでしょう。

僕としては、むしろそこをこそ評価したいです。


ひとつだけ追記しておくと
バーバラ少佐なのはココではなくヨナ。

そしてヨナは最終的に転向してココに付き従ったのではなく
あくまで自分がココを殺すためにココのそばにいることにしたのです。
ココを殺せるのはもうヨナだけだから。

このことに気づいてる人、意外と少ないみたいだけど


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2012秋アニメ ヨルムンガンド PERFECT ORDER  

■ヨルムンガンド PERFECT ORDER http://www.jormungand.tv/
ほしひとつ


常々カッコ良さというのは生きザマのことだと思っておりまして
生きザマとはすなわち死にざま、滅び方の問題であります。
どんな悪党だろうと散華の仕方によってはカッコ良く見えるもので。

強敵や好敵手として長く君臨するのもいいが
あっさりと退場することで逆に印象を強めていくキャラもいます。
ランバ・ラルなんかが最たる存在ですね。

そこでヘックスであります。

#03
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「B-52だ。私の国の爆撃機」


「2000年を過ぎたあたりから戦争の形態が変わってきている」というのが
作中のあらゆるキャラの共通認識であるわけですが、
変動する時代の戦場を生き抜いてきた彼女を看取るのが
ロートルのB-52であるというのがイイですね。


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1964年のキューブリックの映画にも登場するこのB52は
ペイロードと燃費に優れた戦略爆撃機です。

しかし空中給油というシステムが発達し、爆弾も小型・高性能化。
結果として低燃費の大型爆撃機そのものが不要になり、
新型機が投入されないためB-52は就役から半世紀以上経った今も現役で、
ニッチなミッションに対応する形で飛び続けている。
一説によると、あと50年は改修しながら飛び続けるそうです。
言わばその存在は米空軍の誇りそのもの。


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投下される爆弾はMK82かな。
先端の風車が落下による風流で回転し信管の安全解除する仕組みですが
細かいとこまで描いてますね。


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ヘックスは生粋の愛国者であるがゆえに
名機B-52によるこの空爆で確実に命はないと即断でき、迷い無く引鉄を引ける。

彼女は変動する時代に合わせてその存在のあり方を変えてゆける人ではない。
だからこれはオーバーキルであるとかそういう問題ではなく、
ここへ空爆に来るのは、やはりB-52でなければならなかったわけです。



*****************************


#09
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よくわからないのが日野木一佐の再登場。
ダレス空港での会席ですが、ここでブックマンや日野木が
何をしたいのかがまったくわからない。


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日野木はブックマンに挑発される形でNSAに戻るわけですが
そこにはプレイム海軍中佐がいて、結局何もさせてもらえない。
彼の存在はブックマンの政治力の前にかませ犬にすらなれていない。
「乗せて落とすか」とか言ってるけど何ひとつ意味がない。なんだこれ。


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ブックマンによるナイトナインの遅延工作も含めて
このあたりのプロットは原作において別の展開が用意されてたけど
結局形にならなかったパターンじゃないですかね。
それをそのままアニメにしてしまったような。

合理的な理由を無理やり見つけ出すことも可能だけど、
ここに関しては、もう少し広がるはずだった話を完成しないまま
出しちゃったってのが正解のように見える。

僕的には、ここがどうしても気になった関係で
★★ふたつだったものが
ひとつになりました。


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日野木は「5年以内にトージョがココを離れる」という予言を残したまま
再登場しないほうが良かったかもしれない。
彼の場合はヘックスとは真逆で、退場の仕方を間違えた。
実にカッコ悪い人になってしまった。



ちょっと長くなっちゃったので二回に分けます。
次回もヨルムンガンド。

category: アニメ

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納谷悟朗さん  

category: アニメ

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「バチが当たった」じゃねーよ  

韓国WBC敗退に「バチが当たった」
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/117425/

 天罰だ! WBCで前回準優勝の韓国が1次ラウンドで姿を消したが、これに「仏像を返さないバチが当たった」と声を上げるのは、韓国窃盗団に「観世音菩薩坐像」を盗まれた長崎県対馬市の観音寺の住職・田中節竜さん(37)だ。観音様は地元では“家族扱い”されており、それを盗んだ揚げ句、返還にも応じない韓国に、住民の怒りは沸点を超えている。地元ではかねて「必ずバチが当たる」と口を揃えていたという。


なんつーか頭を抱えるわ。
仏像を盗んだのが韓国の代表選手なら、まだその理屈は通じるけれども。

あえて暴論を述べるが
日本中が腹を立てているこの盗難事件、日本人が憤りを感じるのは当然として
ただ一人、この住職。お前だけは、仏教の徒として
仏像を盗まれたことで仏縁が広がったことを喜べ。

それを昔の人は「冥加(みょうが)」と言ったんだ。
三宝を敬う立場の者が無明を晒し、
救うべき地元民に自ら埋没してどうする。二重の未熟者めが。


category: 雑感

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