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健康第一

2010秋アニメ FORTUNE ARTERIAL  

FORTUNE ARTERIAL -フォーチュン アテリアル- 赤い約束 [12] http://newtype.kadocomic.jp/fortune/

作画が良いか悪いかなんて、多くの人は髪の毛とか瞳の描き込みで判断すると思うので
そういう点ではツボを押さえて頑張っていたと言えるかもしれない。
第03話のエリカのブラウスとか、よくこのデザインで動かす気になったなと感心する。

でまぁ、作画はいいとしてそれ以外だが・・・
演出的にはアップとじわPAN多用で目新しさもなく萌えアニメ平常運転。
シナリオは第10話くらいまでは出来としては概ね良かったけど、
結局最後までバランスが悪かったなと。

第07話で孝平がエリカに花をプレゼントしてそこからエリカの吸血衝動が始まり、
第09話で「俺が眷属になるよ」という事実上の告白があって
エリカデレ>孝平去る>エリカ見送り>孝平はける>発作

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このシーンはとても重要で、
この流れでエリカの発作は喪失感からくる不安や寂寥感が原因と視聴者には印象づけられ
またエリカの孝平に対する恋心の下地はこのシーンでできてたはずなんだけど・・・

第10話海水浴シーンの肩ポン>発作でまた意味がわからなくなる。
「悪化している」といった意味の説明が会長から成されるが、
この海での発作は混乱を招くだけで、くどいし進行にも直接影響ないしで
要らなかったんじゃないかと思う。
まぁそれでも、このあとの花火シーンは非常に美しく、盛り上がったが。


で、最後のオチについて

体育祭、水泳大会、文化祭と孝平はソツなく役割をこなしていて
かなで達普通世界のメンバーとの連携もうまくいっている。
ぶっちゃけるとエリカや生徒会メンバーも必要なくて、
普通世界メンバーと一般生徒と孝平がいれば各種行事は成立したりする。
このバランスの悪さがこの作品の最大の欠点のように思う。

体育祭にしろ水泳大会にしろ、企画や進行において各所に障壁が用意され
それを「エリカの存在または助力によって」乗り越えた実績がないと
孝平の学院生活の継続にエリカは不可欠な存在とはなり得ず
是が非でも孝平がエリカを学院に連れ戻したい理由もない。

つまり、
エリカにとって孝平がどうしても必要なのは「孝平の血が特別だから」だが
孝平にとってエリカがどうしても必要な理由が存在しない。

二人の間に確固とした恋愛関係が成立してるなら話は別だが
孝平は千堂家において「仲間のきずな」という名目でエリカを説得する。
たぶんスタッフもこの二人の「きずな」を
単純な二者間の恋愛関係で片付けたくなかったのだろう。

「眷属にはならない」という孝平の選択が
「眷属になりたくないから」ではなく
「エリカ自身がそれを望んでいないから」という理由なのはいいとして
この関係だと、孝平がエリカに抱く感情は憐憫であり、
エリカはエリカで今後は自分の吸血衝動を沈静化するために
一方的に孝平の厚意に依存する形になる。

孝平はこれからも一人で生徒会を引っ張り、各種行事を仕切り、
卒業まで全校生徒の充実した学院生活をプロデュースしつつ
エリカには無償で自分の生き血を与え続けることになる。

果たしてそんな関係が本当に「仲間」と言えるのかな。
そういうストーリーを視聴者は見続けたいと思うかな?


原作シナリオが1クールには入りきらないものとして
12話のシリーズが中途半端に終わるのは仕方が無いことだが
曲がりなりにも、こうしてひとつの山場を越えたはずの
孝平とエリカの関係が、結果としてイーブンではない以上
どれだけの人が今後の展開に期待して続編を待ち続けることができるだろう。



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2010夏アニメ 祝福のカンパネラ  

祝福のカンパネラ [12] http://www.mmv.co.jp/special/campanella/

話の内容に関しては特筆すべきことはなし。
コップ一杯の水も欲しがらないような男の元に落っこちてきた謎の美少女が
自己犠牲は尊いが仲間とともに生きることが一番だと諭され
幸せとは何かを理解するという物語。

時間の経過や光源の変化で微妙に移り変わる色合いが美しく
頭髪のハイライトに徹底してトーカ光が入れてあるのも凝ってるなあと思う。
またとくに背景の空の雲の作画がよくできてる。
美術はAIC背景部。

石丸博也さんの声が聞けたのも懐かしく、個人的に嬉しかった。


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#02

人物の作画はおおむね良く、女性の肩のラインなどがとても綺麗。


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#02

これなどはキャラ表通りと思うが
ミニスカ率が低いのもあって全体的にシルエットが美しい。
で、これを踏まえたうえで気になったのだが以下


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#02
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#03
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#09
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#10


各種クエストを請け負う「クラン」が舞台で
打ち合わせでテーブルを囲み着席した状態の絵が頻繁に出てくるのだが
どうも椅子の配置が定規をあてたようにキッチリしすぎてるのが気になった。

椅子と椅子との間隔などもそうだが
座っている人物の身長や体格・体型などの差異によって
天板から腹部までのわずかな距離や空間、
背もたれの位置・角度などが前後左右に変化するのが自然だろうと思う。
性格的にもカリーナなどは露骨にレスター寄りに座っていてもおかしくない。

つまり人物の配置が調度品の作画に支配されており
天板がハーモニー処理だと余計に浮き上がって見えたりする。
作画の人はこういうの、気にならないものなんだろうか?



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2010夏アニメ 黒執事Ⅱ  

黒執事II [12] http://www.kuroshitsuji.tv/

面白かった。

前の1期(全24話)はそれなりに上手くまとまっていたが
結局セバスの行動目的は食事摂取だったのか?という疑問が
澱のように残ってどうにも好みではなかった。

今回秀逸だと思ったのは
「悪魔は永遠の生のために非常に退屈している」という設定が
強調された点だ。

魂を極上のものに仕上げ、美味しくいただく事を最終目的とするため
時間を掛けて主を徹底的に満足させ、契約を果たすまで執事として
どこまでもまつろい従属する動機として理にも適っている。

で、この最終的に「食っちまう」ことが目的であるとした場合
セバスとクロードがどんなに苛烈に競い合ったとしても
有為転変、シエルの魂は救われないんだよなと考えると
どうも彼らの戦いを見つめる視線にも力が入らなかった。
なので、ラストのオチにはなるほどと膝を打つしかなかった。
1期とは違う、ハッピーエンドを迎えるためには
確かにこの方法しかない。これは見事だと思った。

果たしてこれはハッピーエンドなのだろうか?と考えるとき
クロードとセバスの明暗を分けたわずかな条件の差異に気がつく。

クロードは純然たる悪魔として
極上の魂を食すという我執に囚われ続けた。
これ自体はセバスにもあった行動原理のはずだが
セバスに一日の長があったとすれば
ここに至るまで積み重ねてきた主従関係の紐帯であったり
常に主のため万難を排除しようとする忠誠心であろうと思う。
クロードにとってのアロイスへの従属とは違い、
セバスにとってシエルとの生活はそう悪いものではなかった。
これは、実際そうとも限らないのだが
少なくとも我々にはそのように見える。
この点おいて、セバスはシエルに命を救われたと言えるわけだ。

そして海中で復活するシエルを
助けるために飛び込みながら、咄嗟に殺そうと試みるセバス。
これはまさに狂態で、常に冷静沈着であったはずのセバスが
混乱し、取り乱すさまを見てシエルは心中で快哉を叫んだはずだ。
僕はこのシーンがとても好きで
イワレヒコと出会い頭、無意識に跪いてしまうツノミ
村田京太郎に存在する意味を与えられる大友龍次
なぜか強く思い出した。

セバスはシエルによって、初めて自分が永遠に存在する意味を与えられた。
シエルはルカ・マッケンのように悪魔に礼を言ったりは絶対にしない。
昂然として気高く、そう簡単には満足しない難物、
永遠にセバスを退屈させない主として君臨し続けるだろう。
そうあることが、シエルにとって唯一のセバスへの礼節なのだ。

だからこれは、ハッピーエンドに見える。



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