大匙屋

健康第一

つべに勝手に動画うpしたら著作権者の許可メールが来たでござる  

注意:これは2008年12月28日の記事です。


前回のエントリーで、YouTubeにアップロードされた動画を
コンテンツとして引用しましたが、この動画ファイルをアップロードした後

件名:あなたの YouTube 動画で特定された著作権保護対象のコンテンツ

というメールがYouTubeから来ました。
アップロード後わずか数十分でメールが届いたので
何らかのプログラムよって特定され送信されたものと思われます。

対象となった動画は「屍姫 赫」のOP
最初にメールが届いたとき、著作権侵害ということで削除対象となり
厳重注意されるのかなと思ったら、どうも少し違ったようです。

内容は意外にも
「このコンテンツの YouTube での掲載を許可する」というものでした。



ksn2009様

あなたの動画「****」には、YouTube のコンテンツ特定プログラムにより、
Funimation Entertainment さんが申し立てている著作権で保護された
コンテンツが含まれていることが特定されました。

あなたの動画「****」はまだ表示されています。.
このコンテンツをYouTube で表示することについて、現時点で
Funimation Entertainment さんが反対していないためです。

Funimation Entertainment さんがこの動画に対する申し立てを行っている期間は、
動画の再生回数といった公開統計情報が申し立てを行った相手に報告されます。
また、動画のページには広告も表示されます。



申し立ての詳細:

著作権所有者:Funimation Entertainment

申し立てのあったコンテンツ:一部またはすべてのオーディオ/ビジュアル コンテンツ

ポリシー:このコンテンツの YouTube での掲載を許可する
      * この動画の再生ページに広告を表示します。

適用される地域:全地域


YouTube コンテンツ特定プログラムによって、
Funimation Entertainment さんがこのコンテンツに対する申し立てを行いました。
パートナーの皆様には、YouTube では、コンテンツの権利を所有しているパートナーが
YouTube の動画を確認できるようにしています。
パートナーは、自動動画/音声マッチングシステムを使用して自分のコンテンツを
確認することができます。また、手動で動画を確認することもできます。

この申し立てが誤っている、または当該コンテンツの使用許諾を得ていると
お考えの場合は、Funimation Entertainmentに対する異議申し立てを行うか、
お使いの YouTube アカウントの [動画 ID の一致] ページで別のオプションを
確認することができます。
YouTube が、コンテンツ所有者間での著作権侵害に対する異議申し立ての仲裁を
行うことはありません。動画検証の申し立ての詳細をご確認ください。

よろしくお願いいたします。

YouTube Content Identification チーム一同




録画した動画のアップロード行為等は違法性の問題もあり
その是非をここで語ることは今回は控えます。

このメールの用件は要するに
・「この動画を今すぐは削除しない」
・「この動画の著作権所有者はFunimation Entertainment」
・「動画の再生回数といった公開統計情報が著作権所有者に報告される」
・「この動画の再生ページに広告を掲載する」
この4点のようです。

もちろんFunimation Entertainmentの気が変われば
その時点で動画が削除されることもありえるということでしょう。
あるいは屍姫製作委員会など、本来のコンテンツホルダーの
意向があれば、そこでまた即削除ということでしょうね。

ファニメーション・エンタテインメントはYouTube公式チャンネルにて
「屍姫」の本編を英語字幕つきで公開しています。
http://jp.youtube.com/FUNimation


以前なら著作権保護対象のコンテンツは問答無用で
管理者が削除するというケースばっかりだった気がするんですが
最近は柔軟?な対応をするようになってるんだなと。

まあ、僕のアップロードした動画がアニメ本編ではなく
90秒のOPのみだったということも多少関係するのかもしれませんが
モグラ叩きのように削除要請しても現実的にキリがないし、
それなら「ネット上でどういう状態で扱われているか管理しておきたい」
という発想なのかも。

「許可するかわりに広告掲載」というのも実質建前で、ただで見逃す
わけにはいかないから、ということなのかもしれない。

ちなみに↓がその「広告」らしい
GW-000128.jpg

そういえばYouTube内には、アカウント名の上に広告表示されているページと
されていないページがありますね。気にしていなかったけど。

まあ今後どう扱われるかまではわからないのですが
「勝手に公開していいよ」というお墨付きを得たということではないだろうし
あらためて警告が来たり、いきなり訴えられたりする場合も考えられるので
何か変化があればまた報告するとしましょう。




01/05追記
直接は無関係ですがこういう記事があったので
角川グループ YouTubeからの月間広告収入1000万円超を達成

01/06追記
YouTubeにハルヒMAD上げてたら角川からメールが来たでござる(2008-06-21)
既出記事見つけました。これは僕がパクったと思われてもしかたないかも
coldcup様、なんだか申し訳ありません。


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2010年01月02日追記

情報屋さんからリンクがあったようで。
1年前の記事なんだけど、日付を間違えられたかな?

ついでなのでその後の顛末を書いておきます。


このエントリーを書いたのが08年12月末
第2期『屍姫 玄』(シカバネヒメ クロ)が放送されたのが09年3月末まで。

その放送終了直後、09年03月31日にYouTubeから再度メールがあり
当該動画は視聴ブロックされました。

YouTubeで当該ページを開くと
「この動画には Funimation Entertainment さんのコンテンツが含まれていますが、
これは所有者によってお客様の国でブロックされました。」と表示され
日本国内からYouTubeに接続した場合は見ることができません。
(僕のアカウントでログインした場合に限って視聴できるようです)

アカウントページにおいて詳細を表示すると以下のような文言があります。

あなたの動画「 **** 」に、次のコンテンツ所有者が所有またはライセンスを所持しているコンテンツが含まれている可能性があります:

* コンテンツ所有者: Funimation Entertainment タイプ: 映像と音声のコンテンツ

その結果、あなたの動画は次の地域を除くすべての場所でブロックされています:
Australia, Canada, Ireland, New Zealand, Puerto Rico, South Africa, United Kingdom, United States

異議申し立ての方法

あなたが何らかの措置を講ずる必要はありません。 あなたの動画は、上記の場所でまだ見ることができます。 動画の横に広告が表示される場合もあります。

動画のステータスについてできること

なお、コンテンツ所有者がポリシーを変更した場合、動画のステータスが変わる可能性があります。動画のステータスを定期的にチェックして、新しいオプションが選択できるようになっていないか確認することをおすすめします。




というわけで、Funimation Entertainmentさんが取られた対応は

1.日本国内で放送中は広告表示し容認
2.放送終了とほぼ同時に豪州、北米、英国等いくつかの地域をのぞいて視聴ブロック

その後、今日まで状況に変化はありません。
再生回数も増えていないので、当該動画を誰も見ていないことになります。

私見ですが違法アップロードに対しどのように対処するのが最も効果的であるのか、
さまざまな試行錯誤が行なわれたうちの対応策のひとつだったのかもしれません。

僕としては今後どのような対応がされようと、例えば一方的削除なり警告なり
あるいは法的手段に訴えられた場合でも、それは僕の責任として受ける覚悟ですが、
ステータスには今のところ変化がないので
自主的に削除したほうがよいのか、触らないほうがよいのか
判断にあぐねているというのが正直なところです。

状況の一例として何かの参考になれば幸いです。
何かあればまた追記するかもしれません。




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category: アニメ

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2008年 勝手に決めるアニソン名編曲ベスト3  

12/27追記
私も人の子なのでカトゆー家さんにリンクしてもらったり
大勢の方に見に来てもらえるのはありがたいというか恐縮なのですが
このエントリーは、ふつうに感想サイトによくある
「オデの好きなアニソンはこれとこれ~」みたいなごくつまらん話ですよ
過度な期待はなさらないでください




今年聴いたアニソン アレンジ部門ベスト3を勝手に決めて紹介します。
曲や詞や歌手など個人的にどうでもよくて、編曲ありきの選考です。
まあ去年もやった企画なんですが、ネタ切れということで今年もやるかと。

しかし、今年はいい曲多かったですよね。
たった3曲選ぶったって無理だと思った。
とりあえず「これはどう聴いてもJ-POPではなくアニソン」を条件に
最後は自分の好みだけで強引に選びました。これならカドは立つまいて。


パステル/村田あゆみ
「まかでみ・WAっしょい!」ED
作詞:辻純更、作曲・編曲:オーノカズナリ



ヴァイオリンの全編ピチカートってのは
アニソンじゃなきゃ到底できない発想だと思うんですが
このアレンジはエレピとの相性が見事です。
弾け飛ぶようなドラムのフィルインも気持ちいい。
実際には演奏不可能じゃないかと思うフレーズもあるので
おそらくバックは全部打ち込みだと思うのですが
ユニゾンのずらし方やパンの振り分け方も立体的で
聞いてると自然に体が動きます。
こりゃ面白い人を見つけたって気分ですよ。




セキレイ/歌:結(早見沙織)・月海(井上麻里奈)・草野(花澤香菜)・松(遠藤綾)
「セキレイ」OP
作詞:ヤスカワショウゴ、作・編曲:神前暁
Strings Arrangement:高田龍一



どことなく菊池俊輔風。懐かしさのようなものを感じさせる原因でしょうか。
けっこう多くの人が「ゲキテイ」を連想すると言っていたのが不思議だった。
僕は最初聴いた時キャンディーズの「春一番」を思い出したんですが。

A:シンセベースとピアノ
A':弦のスピッカートで緊張感を盛り上げ
B:ゆったりとレガート、じわじわサビの高揚感につなげる
サビ:転調と同時に強烈なブラスのアタック→グリスダウン
弦は中音域から下の和音で雄大に空間を広げ
ブラスは単音でメロの休符にあわせてリズムを引っ張る
ここが一番盛り上がるとこですね。ブラスはサビにしか使われていないのに
やたら強く印象を残します。コンビネーションが利いてるってことですね。
あらゆる音がヘタッピな歌を上手に包み込んで引き立てる。

メロディは2,6抜き短音階をベースにサビはブルーノート
菊池俊輔と書きましたが、宙明さんにも通じるような
かつてのヒーロー物アニソンの王道みたいな曲/アレンジです。
でも多分これも全部打ち込みですよね。レガート処理とか上手いな。
神前さんにしろ高田龍一さんにしろゲーム音楽の出身なので
ピッチベンドのデータ処理など朝飯前なのかもしれない。
ていうか、僕が無知なだけで
すでにそういうソフトウェアもとっくに実用化されてるんだろうか。

神前さんは今年からブラスを意欲的に使い始めた印象があります。
来年あたりジャズアレンジにも手を出してくるんじゃないですかね。
いずれにせよ次に何を見せてくれるのかが毎回楽しみなクリエイターです。




Beautiful fighter/angela
「屍姫 赫」OP
作詞:atsuko、作曲:atsuko・KATSU、編曲:KATSU



去年はスルーしたので
今年この人は挙げておかないと…

この曲は、タイトルは何だかベタだけど
オクターブユニゾンのヴァイオリンとアコピの音色で惚れました。

弦の駆け上がり→サビ四小節ですでに「イイ!!」という感じで
心のクリトリスがぐちゃぐちゃです。キモくてすいません。
でもこういう大仰なアンサンブルが何の衒いもなくできるのが
アニソンのいいとこなんだ。演歌は別にして。

J-POPと呼ぶには詞も曲もこってり濃すぎる感じ。
というより、こんだけ才能あるのにアニソンにしか居場所がない。
こういう人は応援していきたいです。

angelaはKATSUさんが東京で同郷のatsukoさんと作ったバンドらしい。
けっこう下積み時代に苦労したという話だけど
バンドの名前はモトリークルーの曲からつけたそうで
それでいて、やってる音楽がこんなプログレ歌謡じゃ
メンバーの入れ替わりで苦労するのは当然なのかも。

しかしアレンジャーとしてのKATSUさんは
去年のエイジでは混声合唱をやったり
今年の薬師寺涼子の劇伴ではジャズアレンジもやってみせて
今回の屍姫ではストリングスアレンジも自分でやったらしい。
大月俊倫にもけっこう重用されてるようだし
来年は弦楽四重奏でもやっちゃうんじゃないだろうか。






category: アニメ

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2008夏アニメ 鉄腕バーディーDECODE  

夏アニメレビューまだやるの→やるんです


鉄腕バーディーDECODE (13)[MX]
http://www.birdy-tv.com/season01/index.html


僕は旧版と言われる原作を読んだおっさん世代なんだけど
1985年に月刊サンデーで連載が始まった頃は
「宇宙連邦捜査官の美女と二心同体」っていう設定だけで
やたら面白かった記憶がある。実際に読者人気もあったし
同誌の他の連載作家が「バーディー面白い」と
誌面でコメントしていたのも覚えている。
しかし今になってアニメ化された新バーディーを見てみると
何故かこの設定、あまり面白いと感じない。

単にこっちが年を取って感性が擦れきったせいもあるだろうが
斎藤環なんかの難解な精神分析を引くまでも無く
セーラームーン以降の戦闘美少女は類型化と細分化が進み
「宇宙から来た女傑」という設定だけでは
物足りなく感じてしまうのではないかと思う。

昔はそれでもよかったのだ。アニメにおけるヒロインの理想型なんて
クラリスと峰不二子、それにナウシカくらいだったから。

だが現代のオタク嗜好は、程度の差はあれ
やはり大きな流れとしてペドファイル的方向に収斂されているし、
加えて社会情勢から視聴者は一般的に「宿命論」に非常に親和的であり、
命がけで戦う個人的事情の見あたらない宇宙捜査官には
今ひとつシンパシーを感じにくいのかもしれない。
冗談ではなく、バーディーの身長があと10センチくらい低ければ
印象がけっこう変わったのではないのだろうか。


ストーリー自体はいたってシンプルで
主要な登場人物それぞれの役割が最終的に消化されて無難にまとまっていた。
とくにテュートの使い方は良かったけど、少し退場が早すぎた気もする。
序盤の異世界編はちょっと唐突。鳥山ワールドみたいなステロタイプ。
ツトムをバーディの相棒にするために早い段階でビルゲバの惨劇を
見せる必要があったとは思うが、別のやり方のほうが良かったのでは。
個人的には第07話が一番ゆうきまさみ色のあるエピソードだと思ったけど
これはオリジナルなのかな。

作画的な見所はやはり随所にあった。
この作品は作る側が本当に楽しんで作ってそうだと感じた。

第09話では前から名前だけは散々聞いていた山下清悟さんのアクションを
初めて意識してじっくり見ることができた。
あの水の表現や鉄塔の倒れるタイミングは多少不満だけど
動きや破片はさすがにというか、本当に凄い。
若手の天才と言われるだけのことはある。
まだ若干21歳だそうで、末恐ろしい才能だと思う。

新年早々から2期放映だそうで、さらなるパワーアップに期待しています。



category: アニメ

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「Kiss×sis」のOVAがけっこうマトモな件  

http://kc.kodansha.co.jp/kiss_sis/

僕の周辺でも「あれはエッチだ」と話題になっていた漫画「Kiss×sis」のOVAが
発売になりました。(最近こういうのはOVAではなくOADというらしい)
原作は「まほろまてぃっく」等のぢたま某
単行本第03巻のオマケ付き限定版(\3700)として制作された企画物(第00話)ですが
けっこうクオリティが高いのでびっくりです。

監督はDCSSや乃木坂春香の名和宗則
キャラデ&総作監は「N・H・K」「ナイトウィザード」の下谷智之
コンテ/演出は「GA」「デジキャラット」の高柳滋仁/園田雅裕
原画にIG期待の若手・松本圭太なんかもいました。
制作はfeel.
萌え豚御用達のような布陣ですね。
シンセ1台で作ったような安っぽいBGMは、まあ仕方ないかといったところ。

snapshot20081221153030.jpg
服のシワの表現とか、作画も無駄に凝ってます。
(注)パジャマ素材の質感表現のことを言ってます。念のため

snapshot20081221150158.png
カット割りで双子が画面を横切る演出もやたら可愛い。



ストーリーは単行本のオマケということもあって完全に原作準拠

ハーレム作品では「海外赴任などによる両親不在」ってのが基本ですが
この作品の世界観を下支えしてるのは
「両親の容認」という斬新?な設定だと思います。
歯止めのない危なっかしさが読者の期待感と不安感を同時に煽るわけですね。

これはとりあえずオススメしときます。


snapshot20081221150152.jpg

来夏発売の第04巻にも続編OVAがつくそうです。
まあ地上波では無理そうな内容なので
こういうシリーズ化もテストケースとしてアリなのかな。


category: アニメ

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2008夏アニメ 魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~  

魔法遣いに大切なこと ~夏のソラ~ (12)[EX]
http://www.sora-mahou.com/

いきなり顔のアップから入るワンキャメのようなカット割りが特徴的。
話題となった背景の実写使用に関しては賛否両論なのも理解できる。

だがアニメ表現とは本来このぐらい、あるいはどこまでも自由であるべきだし
監督が「こうしたかったんだ」というならこれも充分アリなのだと思う。
セオリーというものがあればそれを破壊するのもクリエイターのツトメであるし
洗練度においてこれが完成形といえるかどうかは別として
その姿勢自体が誠実に見えるか否かは結局主観的問題でしかない。

この実写背景が実際のところコスト的事情によるものか
あるいは制作者の創造的選択であるのかは
こうした手法が今後において他作品にどう影響するかでわかる。
ローコストでこれが実現出来るのなら
例えばアダルトアニメの背景は全部これになる。


劇伴、主題歌、挿入歌を含め音楽の出来は秀逸。
EDのフレットノイズが心地よい。

第09話の挿入歌「青空のマリー」のチョイスには恐れ入った。
これはムーンライダーズが'84年に発表した名曲中の名曲で、
キモオタ童貞喪失ソングだと僕は勝手に思っているのだが
第09話での豪太に与えられたポジションには完璧なまでに沿えていると思う。
劇中では用いられなかったが、この曲には「外は正月みたいな空」という
凡百の作詞家には絶対に作れない、天才的な歌詞がある。
僕はこのフレーズでいつも吹き出しそうになる。
機会があれば是非フルコーラス試聴してほしい。


第10話からの展開は幾分唐突にも思えるが、これによって第01話で
研修先が決まったことに対する母子の過剰なまでの喜びようが
「実はあまり時間が無かった」という事実への伏線だったとわかり、
第03話依頼人である老婦人に対するソラの不躾な態度にも得心がいくし
第06話で急ブレーキの音がしたあと玄関先でソラが昏倒していた理由もわかる。

必要以上に心理や内面描写に踏み込まない点で軽快さは得られているが
終盤で生まれ故郷に戻ってきたソラが
登場時点と同じようにてくてくと歩き、溌剌として笑い、よく食べる、
テーブルに並べられた料理なども第01話と同じになっており
一見、シリーズに共通した軽妙で深刻さを感じさせない描写のようでいて、
その時点でソラの内部で「本当は何が起きているのか」を想像すると
こみ上げてくるものがある。

ストーリー自体には複雑なところは何もない。
個人的評価として「菊次郎の夏」と並ぶ夏物語の秀作となった。
いずれかの夏に再び見返すことにしようと思う。




category: アニメ

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2008夏アニメ ワールド・デストラクション/恋姫†無双  

夏アニメレビューまだやるんかと言われそうですが


ワールド・デストラクション 世界撲滅の六人(13)[TX]
http://wd.sega.jp/anime/index.html

モルテが世界を滅ぼしたいと考える理由、世界に対する深い憎しみや
強い怒りのようなものが見えてこないため、
キリエとトッピーがモルテの旅の道連れになる動機も曖昧になっている。

作画は安定しておりデザイン的にも描き易そうだが地味で、
牧歌的な世界観には沿っているがまるで名劇のような雰囲気で
力づくで物語に引き込むほどの訴求力はない。

第06話あたりでようやくモルテの過去に触れる機会があるが
なぜタイトルが「六人」なのかは終盤になってもわからない。

一話完結の道中物として考えるなら各話一定のレベルに達していると思う。
泣けるエピソードや池田秀一VS古谷徹といった確信犯的な遊び回もあるが
旅の最終目的が今ひとつわからないのでプロット関連のフラグも判別できず
劇中において幾度となく取りざたされる終末観とは裏腹に、視聴者には延々
退屈な時間が続く。

このツケはけっこう大きく、最終話におけるスペクタクルシーンにおいても
「結局モルテはどうしたいのか」という基本的な動機付けが曖昧だったせいで
モルテの決意や転向の過程もなし崩し的で
話の畳み方も中途半端なものになってしまったように思う。



恋姫†無双(12)[MX]
http://www.mmv.co.jp/special/koihime/

せっかく乱世の冒険活劇という要素があるのだから
殺陣にもう少しメリハリがあって、見栄きりのポージングや
レイアウトにも工夫があれば尚よかった。
矛や長巻による剣戟はアニメではけっこう珍しいので
凝ったアクションを一度くらいは見せて欲しかった。
しかし、衣装やプロップのデザイン精度などを考慮すれば
動きに関してはこれでも健闘しているほうだと言うべきか。

作画は徹底した顔アップ・バストアップの繰り返しで
レイアウトにも芸はないが絵柄はそれなりに可愛いし
脈絡のないSDキャラにも愛嬌はあり、これに百合や
多少のエロ要素が加わるのだから
こういうのが好きな人には良作品と言えるかもしれない。

ストーリー的に見るべきものは特にない。
諸葛亮が出てきても軍略的面白味などは加味されない。
ダイアログもどっちかといえばテンポが悪く、若干寒い。
11~12話でようやく少しだけ物語らしい展開を見せるが
こういうエピソードを最初からもっと盛り込んでもよかったのでは。
個人的に第04話・馬超回だけはよく出来ていると思った。

総評すると萌え文化に追随するティピカルな美少女アニメといった感じ。
全12話中どのエピソードをどの順番で見ても適度に楽しめるので
DVD販売など商品展開に向いた作品。

そういう「萌えアニメとして押さえるべきところは押さえてますよ」といった
あざとい作りが僕のような穢れたオッサン視聴者には鼻につくわけだが
まあそれも単純に好みの問題なのかもしれない。
ただこのアニメを見る前と見た後で何か変化があるかといえば何もない。
時間が経ったら忘れ去られるような作品を作るくらいなら
萌え豚の横っ面を思いっきり張り倒すようなものを作ればいいのにとも思う。



category: アニメ

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ef 第06話、とらドラ 第09話における良シーンの対比  

GW-00028.png

ef - a tale of melodies. 第06話 「flection」

起こっている現象のすべてを人が認識することができないように
言葉ですべてを言い表すことはできません。
どのように意味をこめて定義を重ねても
そこには必ず言い表せなかった、見落とされた現象が残り、
それが気になるから人は真意を伝えようとさらに言葉を重ねます。

現象を言葉にするということは抽象化するということであり
抽象化とはすなわち捨象化の反復であります。
ものの本質を表現するために、本質でない部分を必死に削ぎ落としていく。

しかしどこまで無駄を削ぎ落としても、言葉は本質的な意味を伝えない。
だから最終的には抽象度の高い、あいまいな、包括的な言葉だけが残る。
それが「嫌なのに」という言葉。

それは言わば意味論(セマンティクス)の牢獄です。
情報量はどんどん増えていくのに、逆に意味は失われていく。




とらドラ! 第09話 「海にいこうと君は」

snapshot20081203194445.jpg

こちらはまったく逆に、本質的で重要な言葉は何一つ用いていないのだけれど
実に多くの情報/意味が伝わってくるシーンでした。

これに先立つシーンでタイガは北村と、竜児はみのりと2人きりになり
それぞれにさしあたって問題のない良い雰囲気なのだけれど
「何か違う」と違和感を感じさせるような表現があります。

向かい合うでもなく隣に寄り添うでもなく座る竜児とみのりの距離感や
北村と自然体で接することができず言葉も交わせないタイガのもどかしさ、
このあたりの演出は桜美かつしさんの得意分野というか真骨頂ですね。

それを受けての上記リビングのシーンは
それぞれの恋に全力を傾ける二人がふと立ち止まり
これまで有難味に気づかなかった居心地の良さを
改めて認識した叙情的で印象的な場面となりました。

この時のタイガは何ともいえない、実に良い表情をしており
竜児の背中と、それに宛がわれたタイガの足の裏を通じて
二人が互いの体温を感じあっている雰囲気まで伝わってくるようです。
重要な言葉は、何一つ交わされていないはずなのに。



category: アニメ

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