大匙屋

健康第一

グレンラガン4話~作監の個性が受け入れられない時代  

絵コンテ、演出、アイキャッチ、作監、原画で小林治氏が大活躍の回だったのだが
個性的な絵柄が受け入れられず、一部視聴者が逆上して2chのグレンスレや
制作ブログまでが「炎上」しているそうだ。

小林治氏は亜細亜堂のほうの小林さんではなく、若手の小林氏。
「BECK」の監督やった方ですね。「ノエイン」なんかにも参加してたはず。
今回のグレン4話では200以上のカットを描かれたらしい。



また古い話で恐縮なのだが、かつて「うる星やつら」などでは
遠藤麻未さんだの遠藤裕一さんだの山崎和男さんだの林 隆文さんだのと
毎回担当作監によって冗談のように絵柄がまるで違うのだが
その絵柄の違いをむしろ楽しむくらいの余裕が視聴者側にあった。
遠藤麻未さんのラムちゃんが特に人気があった記憶がある。
ひどいラムちゃんもたまに出てきていたが
それに対して怒り出すようなファンはいなかった。


今の若いアニメファンにはそういう作画の差異を楽しむことはできないのだろうか?

ネットが普及して、昔ならよほど濃いマニアでないと知り得なかった情報にも
今は簡単にアクセスできる。
平たくいえば、今は誰でも簡単にオタクぶることができる時代なのだと思う。

情報に飢えていない人は簡単に批判することができる。
鮮度が高く、豊富な情報で総合的に分析ができるから
「それはつまりこういうことだよね」とすべて簡単に理解した気分になれる。
それは正しい場合もあるし、間違っている場合もある。
情報源がネットだけだから、ネットにないものは存在しないのと同じ。
だから一部がダメだと全部否定してしまう人が、結構いる。

逆に、情報に飢えていた僕ら古いオタクには簡単に批判ができない。
たとえばLPレコード1枚買って、それが内容的に「ハズレ」だった場合でも
出した金が惜しくて「コレ失敗だった」と素直に認識できない。
情報がないから連続でハズレを引かされる可能性があるし
もしそうなった場合、自分自身に目も当てられないからだ。
だから「まあこういうのもアリなのだ」と自分を納得させることができる。
これはたいていの場合間違いなんだけど、本人は意外と幸せだったりする。


レストランに入って「本格インド風カレー」を注文したとして
カレーは出てきたがスプーンがないので店員を呼んだら
「本格インドカレーなので手で食べてください」と言われたとする。
別に店側が嘘をついたことにはならないが
「スプーンがないと食べられねえよ!」と怒り出すか。
「しかたない、まあこういうのもアリか」と手で食べるか。
例えが合ってるのかどうかわからないが、そういうことなのかもしれない。
「俺の食べたかったカレーと違うよこれ」と若い人は思うのだろう。

僕ならいい話のネタができたと思い、嬉々として手で食って
「こないだカレー注文したら手で食わされたよ!」と友達に話すのだが
「小林治のグレンどう思った?」と仲間内で話のネタにする前に
「こんなの俺が見たいグレンじゃねえ!」と怒り出す人が大半なのかもしれない。

大衆に迎合して画一的な萌えアニメばかり濫造するから
デオドラントされた絵柄しか受け入れられない観客が育つのだ。
これに関しては業界の責任も軽くは無いと僕は思う。


グレンラガンは今石監督によると、26話を4部構成に分けて
70年代、80年代、90年代、00年代のアニメを表現するということらしい。
それが作品を作るうえで何の必然性があるのかは今いち僕にはわからないが
その情報が正しいとすると第4話は70年代に相当するのかもしれない。

Aパートからカミナによるシモンへの体育会的なノリのシゴキ演出があるが
アンバランスな輪郭線の引き方や陰影、アオリ重視のカメラワークなどは
小林治本来の個性というより、確かに70年代スポ根アニメのノリに近い。
そういえば「あしたのジョー」などでも荒木伸吾さんや金山明博さん、それに
杉野昭夫さんの絵柄はまるで別物だった。
「わけのわからない方法でトレーニングを強要」なんてのも王道パターンであり
それはおそらく今石監督から小林氏に指示があったものと思われる。
とするならやはり4話における小林治の人選はすべて計算づくのことであろう。

今後もそういうノリでやってくれるなら僕としてはWelcomeなのだが
個性派作監の出る幕がちゃんとこの先もあればいいが。
見る側にも、そういうノリを含めてアニメをもっと楽しむ余裕があればと願う。






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category: アニメ

少年法改正法案、知ってますか?  

長崎市長銃撃事件で大騒ぎしているうちに
少年法改正法案が今国会成立に向けて動き出している。

少年犯罪の凶悪化、低年齢化に対応するため、少年院送致の下限年齢を
現行の「14歳以上」から「12歳以上」に引き下げる方針を与党が固めた。
この改正案は、どうやら今国会で成立する可能性が出てきている。

この改正案では、14歳未満の少年に対し警察官の調査権限を明文化している。
もちろん権限の行使は「問題があるとされる少年」へに限られるが
判断基準が曖昧で、疑わしい問題行動があれば警察官の任意で行えるため
法案が成立すれば、事実上すべての子供が警察の監督下に置かれることになる。


神戸連続児童殺傷事件や、佐賀市高速バス乗っ取り・殺傷事件、さらに
佐世保市11歳女児カッターナイフ殺害事件など
少年犯罪の凶悪化と低年齢化は90年代以降確かに拡大傾向にあり
対応の厳格化や法改正への世論の要望なども法案成立への社会背景となっている。

のだが。


ようするにこのような一連の動きは
「重大犯罪を犯すなら、子供にもちゃんと罰を与えよう」
「法制度を厳しく整備して犯罪抑止力にしよう。そうすれば少年犯罪はなくなる」
という、ある意味で少年よりも幼稚な発想のもとに行われているような気がする。



たしかに不幸な事件は相次いで起きている。
被害者が到底浮かばれないような、悲惨な話も多聞する。
しかしどのような事件であるにせよ
「子供だろうと犯罪者は犯罪者と認定し、それに社会が制裁を加える」
というような発想では何一つ事態は好転しないと僕は思う。

我々にとって理想なのは「ひどい少年犯罪が起こらない社会の構築」であって
「ひどい少年犯罪者を厳しく取り締まる社会の構築」ではないはずだ。
「悪いことをしたらひどい罰を与えますよ」と子供を脅かすのではなく
「悪いことは悪いことなのだ」と心から理解させる努力を我々がするべきなのだ。

それなのに教師は「勉強は教える。教育は親がやるべき」と思っているし
父親は「教育は母親に任せる」と思っているし
母親は「先生がやってほしい」と思っているし
社会は「犯罪が起きたら警察が取り締まればいい」と思っている。
悪い奴は名前や顔写真をネットに公開して晒し者にしてしまえばいい、と思っている。
誰もが子供の教育に対して責任を取ろうとしていない。


子供ってのは未完成で未成熟だから子供なのだ。
人間として出来上がっていないから子供なのである。
善悪の判断もつかないまま心の闇に魅入られてしまう子供だって当然いる。
そしてそのまま大人になってしまった大人だって大勢いる。

もちろん犯罪に対して罰則や制裁は教育上の観点からも必要だと思う。
だが社会や大人が当然負うべき教育の義務から逃げたまま
犯罪の対応策だけを厳格化し続けたところで
「結果がどうなるのかを想像できない子供」の暴走は止まらない。

我々は本当に本腰を入れて議論を尽くしているだろうか?
この問題の本質はそこにある。







category: 雑感

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「s o l a」について僕が思うこと  

「グレンラガン」を3話まで見て、「ああこれはスーパーロボット物だ」と今更のように
気がついた。
巨額の予算が投じられていると以前書いた「精霊の守り人」は、放送局がNHKであり
ロボットなども出てこない作品ではDVDのみで回収するのは難しいのではと思ったが
すでにアジア・欧州をはじめ世界各国への配給が決定したらしい。
どちらも今期を代表する作品となるだろうが、その両方が週末の朝方にオンエアされている。

この「週末の朝」はすでに「アニメの時間」となりつつある。
今の日本でアニメが放送されるのは、深夜と週末の朝がほとんどだ。
要するに小中学生以下の子供がアニメを全然見ない。
夕方やゴールデンの時間帯は塾などに通って家に子供がいない場合も多く
その時間帯に視聴率を取れているアニメはごく一部だ。
わざわざ週末の早朝にアニメを放送したりするのも、平日のゴールデンタイムよりは
子供が家にいる確率が高いからなのだろう。
だから子供を対象としない萌え系や過激な内容の作品などは軒並み深夜に放送される。
寂しい現状だが、今や多くのアニメは子供の見るものではなくなりつつある。

そして「子供以外である観客たち」の主要なニーズに応えるために
徹底して「萌え」を追求した結果、「美少女」のキャラデザインはどのアニメーターも
似通ったものになり、強烈な個性を持つデザイナーが活躍する場は減ってきた。
絵柄が似通ってくれば物語も似通ったものになったり、イメージで起用される
声優もマンネリ化しがちになり、観客の反応も同じようなものになるなど
どのようになるにしろ、あまりいい結果にはならない。
業界の外から「キャラクター原案」などという名目で絵描きを引っ張ってきて
ブレイクスルーを模索する動きもあるが、次世代的な潮流はまだ生まれていない。
安倍吉俊やコードギアスにおけるCLAMPの起用などがその代表例にあたるが
彼らも本来は同人界周辺で二次的な創作に携わっていた人々であり、
奇しくもそれをメインストリームの側が招聘するという逆転現象が起きている。
形振り構わず「何か今までにない新しいもの」を創りあげなければ
子供のものでは無くなってしまった日本アニメの隆盛を維持するのは難しい。
そういう、ある種の危機感が制作の現場には常にあるのだと思う。

「sola」という企画の背後にそういう業界全体の抱える現実があることを
まず指摘しておく。
そしてこの「sola」という作品では「久弥直樹」と「七尾奈留」という
同人出身の2人のクリエイターが作品の成立に大きな影響を与えている。

久弥直樹は元Key(ビジュアルアーツ)所属のシナリオライターで
かつて「ONE~輝く季節へ~」の脚本、「Kanon」の企画・脚本に携わった。
いわゆる「泣きゲー」というジャンルを確立した中心人物と言っても過言ではない。
めまぐるしく変質を遂げていく世界とそれを傍観する主人公の立ち位置、
果てしなく繰り返す喪失と再生、そして作品世界を覆いつくす「儚さ」と「温度」
といった側面において驚異的な総合演出力を見せる。

七尾奈留は「D.C. ~ダ・カーポ~」の原画で一躍有名になったイラストレーター
人物造形やキャラクターの描き分けなどにおいて抜群というわけではないが
この人の才能は「萌え」の重要なファクターである「制服の意匠」にある。
おそらく日本で「可愛らしい制服」を描かせたらこの人の右に出る者はいない。
そしてそれが日本にいないとしたら、多分世界のどこにもいない。
つまり七尾奈留がキャラ原案として作品参加するのなら、見所は登場人物の
衣装デザインにある。
アニメーションにおける登場人物の衣装など「最低限それなりであればいい」と
割り切るのが作り手にとってさえも当然の観念であるが、七尾を呼ぶからには
自明的に「それなり」では済まなくなるだろう。
「萌え死に」したくなるような意匠を期待したい。

この2人が作品に参加すると知らされた時点で、
「どんな『泣き』の世界が見られるのか」
「どれだけ可愛らしい衣装デザインが見られるのか」
といった期待感を作品に対して持つことが出来る。

そして監督が「うたわれるもの」の小林智樹
シリーズ構成に花田十輝、制作はノーマッド
このあたり全部「ローゼンメイデン」のスタッフである。

つまり
「久弥直樹」と「七尾奈留」と「ノーマッド」
こんな作品が期待できないはずがない。
そして、こんな作品が期待はずれに終わるはずもない。



公式ページ



以下のサイトで七尾奈留さんの作品の一部を見ることができます。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~masax2/nanao/nanao.html


ところでこんなものも見つけました
実在するなんて…ちょっとだけ欲しいかも


category: アニメ

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4月からの新作5編  

■ (テレ東) 鋼鉄三国志 (新)4/5

「三国志演義」をモチーフにアーマー要素などメカアクションを加味。
“玉璽(ぎょくじ)”と呼ばれる究極のエネルギーを封印したお宝の奪い合い。
総監督えんどうてつや(ヒカルの碁とかMoEとか)

古代中国というのは現世的な秩序が支配した人間中心主義の世界であり
だからこそ儒教が誕生し、インドから仏教も流入したと思うのだが
「エネルギーを封印したお宝」という設定などアニミズム以外の何者でもなく
その発想は中国じゃなくて日本人だろと感じてしまう。
自然を支配する超越的な秩序を重視する文明主観では
群雄割拠する三国志演義の世界は語れないと思う。
しかも制度的少年愛の雰囲気すら漂わせて一部視聴者層に迎合しようとする作り。
ようするにこれは出来損ないの聖闘士星矢である。




■(TBS) ラブ☆コン (新)4/7


中原アヤ原作の少女向けコミックをアニメ化。
主役カップルの大阪弁の掛け合いが面白い。「アベノ橋」の2人に比べて
お年頃であり、原作がラブストーリーなので
より生活観やリアリティのあるやりとりがテンポ良く展開して飽きさせない。
ベンチマークとなる実写映画が先行して製作されたので
作りやすかった面もあるだろうが、久々のベタな少女漫画原作アニメとしては
かなり期待できると思う。
だが土曜の夕方とか深夜にどれほどの視聴者がこういうものを見るだろう。





■ (東京MX) 風の聖痕 (新) 4/11

ラノベ原作、精霊を操る超能力者の家系で家元とか嫡男とか世襲とか。
さらにクールなアウトローとかツンデレヒロインとか弟属性とか。

キャラデザインは新田靖成。どっかで見た絵だと思ったら護君ですね。
まあ話はどうでもいいんですが、EDの曲が素晴らしかったです。
小室みつ子とか土屋昌巳とか懐かしい名前があり、ニューウェーブっぽかった。




■ (TVK) アイドルマスターXENOGLOSSIA (新) 4/7

原作は2005年にナムコが発表したヒット作「アイドルマスター」だが
2006年にナムコがバンダイと合併し、同じくバンダイ傘下であるサンライズが
ナムコのゲームを初めてアニメ化したというもの。
コンセプトは「アイマスのキャラでの『舞-HiME』」だそうで
スタッフは『舞-HiME』のサンライズ8スタが中心

ゲームのほうはアイドル育成シュミレーションだったはずだけど
アニメは「iDOL」と呼ばれる隕石除去ロボットの活躍の話で、その乗り手が
「アイドルマスター」ということらしい。
監督は長井龍雪さんだけど、そういえば小原正和さんはどうしたんだろ。

女の子が主役機のパイロットっていう設定は、TVアニメではあまりないですが
(過去にジーンシャフトくらいか?)不思議と新鮮味を感じないのは
今こういうモノが出てくるのはわりと自然だからでしょうかね。
主役の女の子があまり可愛いデザインじゃない気が…





■ (東京MX) らき☆すた (新)4/11

原作は美水かがみの4コマ漫画。そもそも雑誌の穴埋め企画だったらしい。
普通の女子高生たちの日常を、ただ淡々と、淡々と描く。
「展開」というものがない雑談アニメ。

多分京都アニメーションの主力は石原立也を中心に下期の「CLANNAD」の
準備段階だと思うので、この「らき☆すた」は言い方は悪いが
新戦力の教育を兼ねた「余力」のスタッフでやっていると考えられる。
しかしこの作品ではハルヒED「ハレ晴れ愉快」を演出した鬼才・山本寛が
ついに監督デビューを果たし、
キャリア4年という異例のスピードでハルヒ作監に登り詰めた堀口悠紀子が
キャラデザイン・総作監を担当。次世代をこうして着々と育てているわけだ。

個人的には初回EDの「宇宙鉄人キョーダインの歌」に相当やられたけど、
やられたということを恥ずかしくて誰にも言えないでいる。





category: アニメ

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4月からの新作6編  

■ (テレ東) エル・カザド (新)4/2

監督真下耕一、キャラデザイン菊地洋子、音楽梶浦由記
「NOIR(ノワール)」のときの組み合わせだなあと思ったら
「MADLAX」を入れて真下耕一の美少女ガンアクション三部作最終作だそうです。
菊地洋子氏は菅沼栄治さんの奥さん、初回は作監もやってます。
君望でキャラデザインやってた人ですね。

梶浦由記氏はヤンマーニで有名、ガンダムSEEDの初期EDで「あんなに一緒だったのに」
というのを覚えてる人も多いと思いますが、あれをやってた「See-Saw」の人です。
今回はハーモニカを前面に出したブルース仕立ての劇伴が中心。これは舞台がメキシコ、
スペイン語圏というヒスパニック社会から始まったからでしょうね。土地が抱える
人種問題や貧富格差と貧困、乾燥した気候風土などを表現するのに一役買っています。

監督の真下耕一氏も映像と音楽の相乗効果を昔から最重要視している人なので
世界観を総合的に構築する意図があるのでしょう。
ただ「賞金稼ぎ」が業種として隆盛な社会の背景にあるはずの貧困や治安悪化などは
劇中さほど重視されておらず、したがってヒロインのナディが「お金を稼ぎたい」
というその行動目的も現代的合理主義からの発想のように感じられ、
結果的に「何故ナディは老婆からエリスを請け負ったのか」という肝心の動機付けが
いまひとつ明確に表現されていない気がしました。
ふくよかで貧乏そうにも見えないしね。
でもそこは真下耕一作品ですし、継続視聴の価値はあるはずです。




■(テレ東) オーバードライブ (新)4/3

少年漫画の王道スポーツ物のようですが、今どき熱血根性物であるはずもなく
主人公が自分探しの一環で自転車に出会い才能を開花させていくという筋立て。
集中するとある種のトランス状態に陥る性質で、それが自転車競技において
活かされていくという設定かと思われます。

原作は「少年マガジン」掲載の人気漫画で、鋭意連載中であるため
アニメシリーズも全体の物語は未完になると思うのですが
競技そのものに力点を置いて描くのか、人間関係のドラマにしていくのかは
現時点では不明瞭です。
「武装錬金」で作監デビューを果たしたジーベックの若手No.1・岡勇一が
キャラデザインに抜擢されています。




■(東京MX) シャイニング・ティアーズ・クロス・ウィンド (新)4/6

芦田豊雄の弟子であるわたなべひろし監督作品。
「うえきの法則」などでは原作世界の再構築でかなり評価が高かったのですが
この初回を見た限りでは「あれれ?」という出来でした。
ゲーム原作で製作も版権元のSEGA単体で低予算なのはわかりますが
デザインもレイアウトも脚本も演出も作画もさしたる見所はなく
主役声優で、多分バーターで主題歌も歌う保志総一朗のファン以外には
何のために作られたアニメなのかさっぱりわからない。
この先もこの調子だとネタアニメ扱いになってしまいます。
いったいどうしてしまったんでしょう。

スタッフの詳細がわりとギリギリまでわからなかったので
制作の時間も足りなかったのだと思いますが。
製作委員会方式も取っていないので、版権関係で出資側に
なにか譲れない意図があったため、資金繰りに失敗したのかも。
それでも制作しなければならなかったのは、メディアミックス展開の
スケジュールマップが裏目に出たせいと見るべきでしょうかね。



■(NHK-BS) 精霊の守り人 (新)4/7

監督・脚本神山健治 音楽:川井憲次
内容については色々言う必要もないでしょう。
一説によると電通が本気出して製作資金30億集めたとか。
神山氏はもうすでに存在自体がビッグビジネスとなっている監督の一人ですね。

しかし神山氏にとっては今作が「攻殻」という既定路線を外れた
本当の意味でのデビュー作となるかのもしれません。
特別番組などを見ると「スタッフとの対話によって作品を作る」と
強調されてますが、この作品が成功して、本人が偉くなってしまったら
それも難しくなるだろうなあ。

なんでもないシーンでも、空に描かれた雲が
気がつかないくらいゆっくり流れていたりして、凝ってますねえ。




■ (東京MX) ぼくらの (新)4/10

監督・森田宏幸 キャラクターデザイン・小西賢一
森田宏幸氏は「猫の恩返し」の監督、TVシリーズでは初監督かな。
小西賢一さんはジブリ出身の一線級原画マンです。
音楽は野見祐二氏、この人は坂本龍一の腹心。「猫の恩返し」つながりですね。

原作は現在も連載中の人気漫画らしいですが、救いのない話みたいです。
そこはかとなく80年代に流行したニューエイジ運動の香りがしますよ。
西洋的物質文明批判とか、スピリチュアリズムとか。

初回は子供たちが「ココペリ」と契約して「ゲーム」を開始し、
地球を襲う敵と巨大ロボットで戦闘するシーンまで。
なんだか凄そうなスタッフが集まってると聞いているので期待。




■ (WOWWOW) 鋼鉄神ジーグ (新) 4/5

リメイクではなく「続編」という扱いのようです。
舞台設定は前作から50年後の近未来。主人公も別の人になってました。
前作と違って、サイボーグではないようですね。でも熱血漢なのは同じです。
冒頭1970年に司馬博士が「銅鐸」を発掘する描写があり
そこから話が2025年に飛び、ジーグ合体時に「小僧め同調しおった」という
台詞があるのでやはり「銅鐸」が何かの鍵になるようですね。

なにしろ最近のロボアニメはどれもリアルロボット物ばかりなので
こういうスーパー系も作って欲しいという気持ちはずっとあるんですが
今そういうのを真面目にやってるのって柳沢テツヤさんくらいですしね。
今回のこのジーグにしても、一応主人公をギャグタッチな3の線で描くことで
なにかこう照れ隠しをしたいような、一種の不謹慎さを感じてしまう。
あるいは「永井豪」といったネームバリューを利用しなければ
もうこういう作品を大人向けに忌憚なく演出することはできないのかも。
うがち過ぎなのかもしれないけど、少し寂しい時代だなという気もします。




category: アニメ

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4月からの新作7編(2)  

■(東京MX) セイント・ビースト (新)4/3

元々は美少女アニメ「天使のしっぽ」のスピンオフだそうですが
メディアミックスの外にいる視聴者層は置き去りな印象でした。
原作も同じ有栖川ケイさん。この人は昔エニックスのシナリオ書きでしたね。
第1話は天使のいる風景、世界観の説明とお食事会で終わりでした。
30分間一切何も起こらなかったことに驚いた。声優さんは豪華なようです。




■(テレ東) ながされて藍蘭島 (新)4/4

原作はコミックだそうです。丸5年連載しているそうで人気作なんですね。
海難事故で遭難して漂着したのが女だけの島だった!というハーレムアニメ。
直球ど真ん中の設定で引きこもりオタクのハートを鷲掴みにしつつ、
逆にこの設定を聞いた時点で逃げ出す人もいそうですが
原作が5年も長期連載してる人気作品なんだから、きっと何かあるのでしょう。
演出はひたすら萌えアニメばっか作ってる岡本英樹さんです。
萌えもアクションもこなす才人・細田直人さんが作監・キャラデザイン。
細田直人が参加してる以上何かがある。きっとある。




■(テレ東) かみちゃまかりん (新)4/6

原作は少女漫画雑誌「なかよし」連載作品。
このキャラは「ストレイン」の藤田まり子さんかと思ったら篠原健二さんでした。
ギャラクシーエンジェる~んの人ですね。そういえばサテライト制作だ。
ALI PROJECTがOPを歌っていて、ああまたランティスかと。
主役のCVは中原麻衣さん。キャラが場面ごとに微妙に変化するのですが
さすがに器用に演じ分けてます。
多分俺みたいなオッサンはターゲットではないと思いますが
中原ヴォイス聞きたさに見てしまいそうな自分が怖いです。




■(TBS) Darker than BLACK -黒の契約者- (新)4/6

初回は「契約者」という特殊能力者を中心とした諜報戦の雰囲気で
あまり世界設定などには踏み込んだ説明はありませんでした。
岡村天斎さんが原作・監督・シリーズ構成まで担当。
音楽は菅野よう子氏ですし、こりゃ岡村天斎の勝負作といっていいでしょうね。
PV~第1話を見た限りではかなり期待できると予想しています。
主題歌はT.M.RevolutionさんがVo.のバンド・アビングドンボーイズスクール。




■(TBS) ロミオ×ジュリエット (新)4/13

シェイクスピアのアニメ化。といっても舞台となったイタリアの都市ヴェローナを
「天空浮遊大陸ネオ・ヴェローナ」に置き換えた異世界の物語。
GONZO制作ということで、「岩窟王」的なことをもう1度やりたいのかと
思ったのですが、あそこまではっちゃけてもいない様子。
何故今シェイクスピアなの?何故異世界なの?みたいな疑問は
氷解する日は来るのでしょうかね。
ジュリエットを仮面の剣士に設定するなど、面白い試みと思うんですが
地味キャラでした。どうせなら思い切ってツンデレにしてしまえばいいのに。
その地味目なキャラデザインは原田大基さんという方。よく知らないんですが
アニメアール関係のようなので逢坂浩司さんの推薦かもしれないですね。
関係ないですが、主役級声優であるはずの川澄綾子の、あまりといえば
あまりな役回りに唖然としました。
ある意味贅沢な作品といえるのかもしれません。



■(テレ東) ブルードラゴン (新)4/7

FFの生みの親・坂口博信氏原案によるゲーム作品のアニメ化。
キャラ原案を鳥山明氏が担当。
ゲームのほうは3Dっぽかったですが、鳥山絵はやはり2Dの画面構成を
立体的に見せるのに対して抜群に優れていると思いますね。
監督はマリみてで名を上げたユキヒロマツシタ氏、
音楽はゲームミュージックの巨匠・植松伸夫氏が担当。これはゲーム原作だからか。
スタッフには高名な方が多いですが、見所は…どこだろう。




■(TBS) 地球へ… (新)4/7

なんかキャラデザインに違和感があるなあとずっと思ってたんですが
結城信輝さんですね。エスカフローネやってた人ですね。
竹宮恵子テイストという点では映画版の須田正己さんのほうが上手だった。
演出はヤマサキオサム氏。
なんでこの企画がそもそも立ち上がったのだろうと思ってたのですが
企画がスカパー・ウェルシンクですし、「のだめ」の成功などで
作り上げた中年女性客層まで取り込もうという戦略なのかもしれない。
でも第1話を見た限りでは、思ったより制作にお金をかけてない気がする。


なんというか制作スタッフから竹宮恵子氏へのリスペクトは
随所に感じられて、それなりに好感は持てるんですが
逆に、君たちゃ本当にそれでいいのか?
本当にそれで30年前のあの映画を越えられるのか?と
心配になったりしてしまいます。
越える気がなかったら困るんだけど…



category: アニメ

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4月からの新作7編  

■(東京MX) 桃華月憚 (新)4/4

難解です、というよりも
わからないように作ってある感じです。
これもまたヤミ帽と同じく、万華鏡を覗き込むような物語にするのかな。



■(東京MX) ウエルベールの物語 (新)4/8

世界名作劇場を大人向けに仕立てたような雰囲気なのかも。
こう書くと一見ジブリ的な戦略のようですが下世話な表現もあり
叙情的でソフトな世界観をどこまで深く掘り下げることができるか、
それによって評価が大きく変わっていく作品だと思いました。

土橋安騎夫さんが音楽を担当。レベッカにいた方ですね。
この方も90年代のHIPHOPムーブメントを未消化に過ごした方だと思います。
そのせいかどうかはわからないですが劇伴にはやはりメリハリがありません。



■(テレ東) キスダム (新)4/3

長岡康史さんが逃亡したとか聞きましたが、どうなったんでしょうか。
新生命体パニック物。
フルデジタルになると、いろんなエフェクトやらテクスチャーが
比較的自由に表現できるんだなあという印象ですが
スクリューで巻き上がる水泡のエフェクトとか、「おおっ」と思わせる
作画も随所にありました。
初キャラデザインのすしお氏も張り切ってていい感じです。
美術設定にロマン・トマと書いてあったんだけど、この人って
「オーバンスターレーサーズ」(Pumpkin-3d)のトマ・ロマン氏かな。未確認。




■(日テレ) クレイモア (新)4/3

「クレイモア」というからスコットランド風の巨大な両手剣を想像していたんですが
どちらかというと片手剣サイズのようですね。
「Fate/stay night」ではセイバーが大きな両手剣を振り回していたけど
重量感はあるんですが両手がふさがっているとアクションは単調になるので
この武器はアニメには不向きと思ってました。「Fate」の戦闘シーンは
本当にどうしようもなくダメでしたからね。
片手剣なら多彩な動きもつけられるでしょうし、その辺の心配はいらなそう。
制作は「DEATHNOTE」と同じマッドハウス。
絵コンテも同じく佐藤雄三さんが仕切っています。
この方は動かさずにアニメを作る名人ですので期待?できます。
静と動とか、光と闇みたいなコントラストが
けっこう重要になりそうな物語ですしね。

桑島法子さんのトーンを抑えた演技は相変わらず見事です。
「桑島キャラ死亡率100%」と言われますが、この作品はどうでしょう。




■(TBS) 神曲奏界ポリフォニカ (新)4/3

ピンチの時にバイクが変形して楽器になって、それを主人公が演奏すると
契約している精霊が大活躍、なのかな。
この変形展開が想像もつかなかったので、思わず吹き出してしまったけど
原理やつながりがもう少し明確になれば、意外と面白いアイデアなのかも?
チーフディレクターのわたなべぢゅんいち氏が製作中に急逝されましたね。
わたなべ氏といえば僕らの世代にとってはソノラマ文庫「エリアル」の
アニメ化のときの監督でした。ご冥福をお祈りします。




■(テレ東) 機神大戦 ギガンティック・フォーミュラ (新)4/4

以前「グレンラガンより面白そう」と書いたんですが
グレンラガンよりは面白くなさそうです。

異常気象による世界の破滅があって、
オーパーツが各地で発見されて、
各国が国連主導で世界統一のために管理された戦争をする、
その戦争がロボット同士のガチンコバトル。
ああ、説明終わっちゃった。

なんかもう、話は使い古されたようなネタなんだけど
見所が唯一あって、それが豪華メカデザイナーの競演。
主役メカは森木靖泰さん、スクライドとかやってましたね
書き込みの多さが個性となってて、「閃光のハサウェイ」の
ガンダムデザインなどもやってる人。

第1話で登場した敵・中央人民共和国メカが宮武一貴氏。
国連にある動かない巨大ロボットが大河原邦男御大。

この先各国のロボットと主役メカの戦闘になるんですが
石垣純哉、出渕裕、河森正治、藤田一己、村上克司(!!)、山下いくと、山根公利
ちょろっと名前挙げてくだけでロボオタには垂涎物です。

ただ・・・
作画はやはり基本CGなので、構図やパースなどで物足りなさを感じるのと、
如何ともしがたいCG臭さがどうしても気になります。
エフェクトや重量感の表現などは高いレベルだと思うんですけどね。



■(東京MX) 大江戸ロケット (新)4/4

「天保の改革」で贅沢が御法度となっていた江戸中期の花火師の物語
劇団☆新感線の人気ネタをアニメ化したものです。
「風雲児たち」風のみなもと太郎のキャラが出まくりで
なんだか懐かしいやら新鮮やら不思議な感覚で楽しめます。
物語は折り紙付きに面白いので、今後の展開にも期待できますが
ネット局が少なすぎるのが難点ですね。非常にもったいない。
こういうのをゴールデンでやって欲しい。



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4月からの新作5編  

とりあえず4月からの新作5編



■(テレ東) 天元突破グレンラガン (新)4/1

主人公シモンが故郷ジーハを「脱出したい」と考えているのかどうかが
よくわからない、という点に物凄いリアリティを感じてしまった。
カミナは地上に出ようと言う、でも地上って何があるの?
ジーハでの生活には、目標はないけどとりあえず不満もないのに
そうまでして外に出て何かいいことがあるの?・・・という
やる気があるんだかないんだか、どうもよくわからないスタンスって
まさに今の時代特有の気分だと思いますね。
「わからないけど、とりあえず行くんだー!」なノリの時代ではないんですね。
「みんなが行くなら、じゃあ僕も行こうかな」みたいな。
これって一昔前だったらカミナが主役の物語だったんでしょうけど。

爆発や崩壊のエフェクトのクオリティの高さは流石ガイナ。
地上へ脱出成功の瞬間のカタルシスも良い。
ただ全26話もあるのに、脱出までの生活やそこに至る苦悩などを詳しく見せず
1話で早々に脱出完了、ということは
この先あまり広範囲に渡る旅をするとかではなく
またジーハに戻ったりもするのかもしれないですね。
やっぱり穴を掘らないとドリル使えないしね。


■(テレ東) ハヤテのごとく (新)4/1

若本規夫のナレーションを前面に持ってくる反則技で
ダラけそうな導入部をうまく引き締めてました。
そろそろ飽きてきたなーと思う頃に釘宮理恵が登場し一気に展開。
主役の白石涼子はハマリ役かもしれない。
こんな朴璐美風の中性的な声が出せる人とは知らなかった。
ナギ役の釘宮とのコントラストがいい感じです。




■(テレ東) ヒロイックエイジ (新)4/1


XEBEC制作。スタッフもほとんど「蒼弓のファフナー」とかぶってますね。
そういえばこういう王道スペースオペラって最近なかったなという印象。
没個性なメカデザインがやっぱり全然面白くなくて、主役メカだけが異様に浮いてます。
クリーチャーのデザインも残念ながらアニメーション学院レベルです。
有機的なイメージを取り入れたいのだと思うんですが
これをアニメでやると必要以上にアナクロな気がしますね。
「エイリアン」と「2001年」と「スタトレ」を足して3で割るような。
せっかく若いスタッフをデザイナーとして抜擢したのであれば
「誰も見たことがないようなものを見せてやる」みたいな闘志が欲しい。

でも、この作品はとにかく美術が素晴らしいです。
これは「スタジオ美峰」という美術スタジオがやってるんですが
船団が惑星に降下するシーンの背動などは圧巻です。一見の価値があります。






■ (テレ東) 瀬戸の花嫁 (新)4/1

主人公が人魚の嫁をもらう話です。
全体的にコメディというよりギャグタッチの作品のようです。

この作品もそうなんですが
最近のマンガって「主人公は平凡な人間」という設定、やたら多いですよね。
この「瀬戸の花嫁」、物語の構造としては「うる星やつら」に近いと思うんですが
「うる星」とは違って主人公があんまり「普通な人」なんで、
嫁というのが人魚である必要が無いように思います。つまり主人公が
はじめから「人魚が惚れるほどの特別な男」ではないんですね。
だからこの先いったいこの話がどう膨らんでいくんだろう、という期待感が
あまり持てない。
なんとなく周囲がドタバタして、主人公が淡々とツッコミ役をやって、
やがてカップルが成立していく~みたいな話になるんでしょうか。
原作は売れている作品のようなので、期待はしていますが。




■ (東京MX) 魔法少女リリカルなのは StrikerS (新)4/6

すいません、「なのは」は僕ずっと食わず嫌いしてました。
さすがにこの年で「魔法少女モノ」は見れないと思ってました。
シリーズ第1作の初回は一応見ていて
吉成鋼の変態のような神作画ももちろん知っていましたが…

今回新作ということで、ちゃんと見てみたらとても面白かったです。
というより、細部にわたってちゃんと作られていて吃驚しました。
逆に、小学生くらいの女の子が見て面白いのかこれ?とさえ思いました。
「なのは」に関しては、いずれきちんと全部見て
改めて本気でエントリーを書くことにします。

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