大匙屋

健康第一

3回ドカン/このすば2#06、カヴリール#04、幼女#06  


■この素晴らしい世界に祝福を!2 #06

弓射はアングルショットを伴うので3回ドカンとの相性がとてもいい。このカットも面白いですね、とくに3カット目のタメと左腕のパースからのコントラクション(というよりスクワッシュ)流れの動作なのでレンズ的な整合性とかは当然どうでもいい。この各話は原画に作監クラスの人が名を連ねていたけど、ここは鷲田敏弥さんか、米田紘さんか※。この前後のカットもすごくいい。
このすば2期は、1年未満の準備期間ないんじゃ厳しいだろうと思ったんですが、予想に反してココまで素晴らしいです。老舗の底力を感じます。

※何人かの方に指摘いただきました、高橋しんやさんとのことです。ありがとうございます。そうなのか~

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■ガヴリールドロップアウト #04

スローのカットをわざわざ割ってサターニァの戦慄と恐怖を想像させるアクションつなぎ

(ところでこの作品は僕にはちょっと合わないようです。所謂「イジリ」で笑いを誘うパターンが多すぎる)


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■幼女戦記 #06

上2つを見てからこのカットを見るとよくわかると思うんですが、トリプルアクションにせよダブルアクションにせよ、アクションつなぎというものは<シルエットを大きく変更することが大事>とつくづく思いますね。この幼女戦記も悪くはないんだけど、ロングのシルエットを2回重ねてメリハリが足りない、迫力に欠ける感じがしますよね。どういう演出意図なのかわからない。

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振り返り+ACつなぎ(2)  

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■絶園のテンペスト #01 (2012)

振り向き・振り返りでアクションつなぎが使えるのは主役級&ヒロインのみなのではないか?という仮説を立ててみよう。
振り向きの動作自体はありとあらゆる作品、とくにOPEDなどで見ることができるけど、これにACつなぎを伴うケースはそれほど多くない。目力、強烈な個性、あるいは特別な心情といったものをすくい取るためにココ一番で使用される振り向きACつなぎは選ばれた登場人物のみに許される演出的特権なのではあるまいか。




OPEDの振り向きダブル/トリプルアクションのルーツは、80年代に一世を風靡した南家こうじさんの演出によるところ大と思う。同ポジでバジェットかつシンプル動作でありながら洗練されて見えるこの演出が後続に与えた影響は計り知れず受け継がれ続けて現代アニメにも見られる今や完全な定番


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■太陽の子エステバン ED (1982) 部分編集
3カット目がスローになるところが良いです

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■うる星やつら ED5 (1983)
なぜ3回なのか、といえば結局ターンターンターンのシンコペーションにはまるからですよね

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■めぞん一刻 OP5 (1987)


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■やさぐれ姐御伝 総括リンチ/予告編 (1973) https://www.youtube.com/watch?v=0Va_85IoJMM

南家さんの元ネタはどこにあるのかなどご本人から語られることもないし推測のしようもない、アニメ系マスコミや評論家はこういう話を聞きに行かないし僕にとって役に立たないといつも思う。

1973年東映の「やさぐれ姐御伝 総括リンチ」は石井輝男監督による女任侠物、この予告編にあるフッテージは本編では使用されていない。石井輝男作品はそれなりの数を見てきたけど個性派カルト監督ではあるがテクニカルな編集で見せるタイプの監督ではないしダブルアクション等使ったのを見た記憶もない。要するにこの予告編は助監の萩原将司さんによる編集と思う。(大手では伝統的に予告編は助監督が作ることが多い)

柔軟な感性を持つ若い助監さんがこういう編集を採用するということは73年当時このトリプルアクションが最新モードで大層イケていたということになるはずだ。この73年より少し前の洋・邦画を洗っていけば高い確率で3回ドカンを使った大ネタが見つかるのかもしれない。ということで、この件の調査は継続。




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■いちばんうしろの大魔王 ED (2010)
3カット目で瞳の中がハートになるとこが良いですよねこれ

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■ミルキイホームズ第二幕 OP (2012)

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■空戦魔導士候補生の教官 OP (2015)

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■プラスティック・メモリーズ #01 (2015)




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振り返り+ACつなぎ  


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■響け!ユーフォニアム2 #07 (2016)

職員室を出るあすか母娘を目で追う久美子のACつなぎ
戸口に立つ久美子は横を通り過ぎた二人を右向きに目で追うほうが合理的なんだけど、母娘のただならぬ雰囲気に引っ張られるように左側から振り向いてしまう。最初の動作では去っていく母娘を追い切れず、二段階の振り返り。段階を踏む振り向きはダブルアクションと同じ効果を発揮し、演出に厚みと間をもたらしますね。


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通常、人が振り向く動作では顔より先に瞳が目的方向に動くんですが、ここでは久美子の受けたショックを強調するため顔が先に動き出しています。
瞳の動きがまばたきを挟んで顔の動きを追い越しているところがポイントです。瞳を固定したまま顔を動かしてしまうとすごくアホみたいな表情、蝿や蚊を目で追うようなうつろな表情になる。例えばこんなの↓

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■アラタカンガタリ #11 (2013)





■レガリア The Three Sacred Stars #01 (2016)

遠くで見つめるケイの気配を感じて振り返るレナのT.U.とACつなぎ
すごく綺麗ですねこれ。レナの後方から切り返すローアングルのショットが効いていて、ロケーションの高低差や奥行感が活かされ、カット毎の各レイアウトにメリハリがあります。

こうやって何気ない動作がカメラワークやカットで繋がれると、視聴者は無意識にその繋ぎの意味を探そうとしてしまい、結果的に没入へと誘われる。そして後には何気ないシーンに見合わない強い印象が残される。
レガリアという作品には言いたいことが山ほどあるけど、とりあえずこのカットは美しい。




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3回ドカン研究 その後(3)の2 カバネリのダブルアクション  


ヒズ・ガール・フライデー His Girl Friday (1940) 米

以前紹介した「無法松の一生」が1943年公開だったので
この「ヒズ・ガール・フライデー」がそのさらに3年前ということになります。

扉を開けて記者室に入るヒロイン・ヒルディのうんざりするような心情、この強調がカットの肝です。
ACつなぎですが明らかに遅延させており、手前のテーブルにつく男の顔の向きなど一致してません。
でも観客はこのつなぎ方でも、まず気にならないと思う。つなぎが透明化されています。

アクションが大筋で一致してさえいれば、他が違っていようと、どれだけタイミングがズレていようと
観客は同じ一回のアクションの反復、リピートだと判断するわけです。
(=マッチ・オン・アクション Match on Action)

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鋼鉄城のカバネリ http://kabaneri.com/

カバネリでは微妙なタイミングによるACつなぎの遅延が散見される。
ダブルアクションまで行かないような、でも違和感も残らない、むしろ気持ちいい、
各話演出は毎回違いますが進撃スタッフ=荒木組に何らかのコンセンサスがあるのでしょう。


#02
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#03
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#04
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#06
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ついでにトリプルアクションも紹介しとく

#04
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#01
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この作品は、生駒がカバネリになった時点で彼の人生が大きく開けており
すぐに周囲に受け入れられ、仲間や理解者も増え、英雄化して、
そのくせカバネリには弱点らしい弱点もなく、横への広がりが望めなくなっちゃいました。
「絵がとっても綺麗なアクションアニメ」で終わってしまいそう。

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3回ドカン研究 その後(3)の1  


Things to Come (1936) - Trailer
(⇒YouTube)

コメ欄で教えてもらった情報(アニオタさん)
古典イギリス映画「来るべき世界」トレイラー (1936年)の3回ドカン

探してみたら本編がdmmにあったんで視聴してみたんですが――

本編に大型掘削機械で地下都市を建設する特撮シーンはあるものの、
上記トレイラーに使用された同一素材・フッテージは本編には使われていませんでした。
どうやら予告編として編集した別テイクの素材がモンタージュ的に3回ドカンになったようです。
狙ったわけではないとしたら、面白い現象ですね。

80年前、1936年(昭和11年)の視点から100年先までの人類の未来を予見する古典SF作品で、
特撮技術やプロジェクタ合成、未来世界の豊かなイマジネーションに目を見張ります。↓

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ナバロンの要塞 (1961)

コメ欄で教えてもらった情報(アニオタさん)
巨砲崩落シーン、これは完璧なマルチカム、トリプルアクションですね。4台かな。
特撮に関して言えばこれはこれでよくできてるけど(視覚効果ビル・ウォリントン、「レイダース」等)、
同年に円谷の作った「太平洋の嵐」のほうが圧倒的と僕は思います。

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