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大匙屋

健康第一

2018春アニメ かくりよの宿飯  


■かくりよの宿飯 http://kakuriyo-anime.com/

亡き祖父の多大な借金のカタに、あやかしの棲む異世界「かくりよ」の大旅館「天神屋」の大旦那へ輿入れを強いられた女子大生・津場木葵(あおい)。しかし葵は嫁入りを断固拒否。完全アウェイの天神屋敷地内に小料理屋「夕顔」をオープンし、得意の料理で借金の自力返済を目指す、和風異世界食堂 細うで繁盛記。

というような話でした。


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原作は友麻碧によるライトノベル、ハイティーンよりもちょい大人の女性をメインターゲットとする富士見L文庫というレーベルの看板タイトル。当然ながら僕は想定客層から外れるのでどうかなと思いながら見ましたが、意外にも面白かったです。内容はほぼ想像できる通りで、簡潔にして明快、無駄があるのに無駄がなく、端的に出来の良い作品だと思いました。

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無欲の処世の後先に縁や幸運が用意されているパターンで、序盤は鬼らしく振る舞う大旦那さまもすぐにデレ前半天神屋編はぬるい展開が続くものの、後半の折尾屋編に入ると一気に面白さが加速する。花火大会という大きな目的があって、やってることは前半とそんなに変わらないのに葵に何ができるのかがある程度視聴者にわかっているので、とても見やすい。何より主人公が最後まできちんと役に立っているのがいい。


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#09でお涼が作ってくれる不細工なお握りとか、折尾屋の牢番太一が語る乱丸の人柄等、この作品というか作者は人の口やモノを使って誰かの人柄を間接的に語るのが抜群に上手いと思う。もちろんこれと同じく大旦那様の人となりや津場木史郎の罪状が「誰か」に語られ理解の助けになるわけだけど、積み重ねられていく細かな世評の繰り返しが登場人物の在り方を豊かにしてる。


#25
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25話、御簾の中に突撃していく河童がこの作品の最高のシーン。脇役キャラのこういう予測できない突破行動が最も視聴者を釘付けにする。ある意味で富野的である。

この河童の突撃は、呪いに掛かっていたのが実は僕らのほうなのだという事実を暴きだす。苦労して集めた宝物が形式的な飾りに過ぎないと説明されても、まァいにしえの儀式とはそういうものかもしれないと僕らは納得してしまう。何より儀式を無事に終わらせることが最優先と思っているから。そこには土地の人を救うとか厄災を防ぐといった理性はなく、おそれ、不安、重圧から逃れたい切実な願望だけが存在する。きっと歴代の担当者もみんなそうだったのです。だからこれまで、形骸化したルールを誰一人疑うこともしなかった。その滑稽で意味のない「恐れの結果」が雷獣へのおもねりであります。彼こそが当地にもたらされる厄災に他ならないわけだから。

河童の突撃はその構造的で固定されきった畏れをあばき、叩き壊す。
僕はあの瞬間カタルシスを感じましたよ。「そうだ、そうこなければ!」と思いました。河童は事前に単身海で遊んだりノブナガや忍者君なんかと高いコミュ力を発揮してみせていた。まさかそれが伏線とは思いもよらなかったけれども。


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解明されなかった謎のいくつか。
・けっきょく爺さんが孫を売った真意はわからなかった
・黄金さんが葵から取り上げてしまった団扇の行方
・黄金さんが東の地にて葵を拉致した理由
・事実上うやむやになった借金返済問題
・ピンクの家に伝わる人間を嫁に迎える理由の謎
・なぜ使用されたのが「南方の面」だったのか

黄金さんと大旦那様に関しては謎が多いままです。とくに大旦那様が縫ノ陰様の絵の中に居た理由が謎。


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松葉様、大塚明夫さんが富田耕生さんのような声を出す

#06
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06話唐突な金田アクション。いまざきいつきさんの仕事のようです。



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#22湯葉、#23しじみ汁



後半ED、中島 愛「知らない気持ち」
10年前、あの若かった中島愛も早やアラサーとなり、以前ならとても歌えなかったような難曲を情緒豊かに歌いこなすようになってしまった。ボーカリスト中島の成長がうかがえる良曲。


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category: アニメ

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1994 みんなのうた 水鳥  

メールへの回答を公開で。(了承なし)


(要約)
> 最近 更新がないんですが?           
> なんか書いてください
> 何か書け 
> 近況でも書いてください 
> さもなくば死ね



薄汚いおっさんの日常話に情報的価値があるとは思えない・・・

ついこの前TLに流れてきた「水鳥」の話をするよ!
どこにも落ちてないやと思ってたらdailymotionにあった。びっくり。
この曲はいい。とてもいい。そして南家さんはエフェクトもいい。


https://www.nhk.or.jp/minna/songs/MIN199402_03/

作編曲は長谷川智樹、最近だと「ニル・アドミラリの天秤」の劇伴を担当された。
詞と歌唱は谷理佐、アルバム1枚出して、残念ながら消えてしまったアーティスト

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■素敵を探す/谷理佐 (1994) JAN: 4988029418630

このアルバムは「水鳥」だけ浮いてる感じで(水鳥だけに)
水鳥を除くアルバム全体の雰囲気はA&Mレコーズ系ソフトロックの傍流といった感じ
正直そういうアーティストは90年代邦楽にはすごくたくさんいた
素晴らしい才能を持ちながら、谷理佐はあの時代に埋没してしまった感はある

もし中古CD屋やブクオフなどの棚で見かけたら、速攻で救出しておくとよいです。
ぶっちゃけた話ですがこのアルバム、いま中古で売ると1まんえんくらいになるので・・・
セドリ屋さん歓喜の一枚


category: アニメ

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青春ブタ野郎#04 歩き  

■青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない #04 https://ao-buta.com/

主人公・梓川咲太と後輩・古賀朋絵の随行一連、綺麗だったので記事にしてみる。
自転車を押して歩く咲太3K中5、随伴する歩行朋絵3K中4




3コマ中5枚と中4枚、LCM(18,15)=90コマ、つまり約3.75秒で一歩差がうまり朋絵が咲太に追いついてしまう、そこをうまく位置調整してるわけだけど、自転車の車輪(恐らくCG)の位置ツメとかで大変面倒な仕事を丁寧にやっているのがわかる






同シーン、ローリングカット


ローリングとはキャラクターの上下動で歩きを表現する手法、もともとは水上の船の揺れなどを表現するのに使ったもの。
よく見ると2つのキャラ各個に動き方が微妙に違うのがわかると思う
古賀朋絵のほうは「3段階上がって2段階下がる」を繰り返している
両者が均等に動いてしまうと違和感が生じるので中割で変化をつけているわけです。
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二者間の変化がついてないローリングが#01にあったので参考に。
この二人は体格も近いのでそれほど変ではないけど、二人一緒に動いているとなんだか踊っているように見えてしまう。




category: アニメ

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2018春アニメ デビルズライン  


■デビルズライン http://devilsline.jp/

人類の天敵である吸血鬼=「鬼(オニ)」。人類社会は彼ら「鬼」の種族を、具体的な共存方法のないまま消極的に受け入れていた。人と鬼との混血であり、公安警察で鬼の犯罪捜査にあたる捜査員・安済は、鬼犯罪者を逮捕する関連で大学生つかさと知り合う。種族の差を越え強く惹かれ合う二人だが、おりしも鬼否定派の反社会組織CCCが活動を活発化し、人と鬼とをめぐる世相は大きく変わろうとしているのだった。

というような話でした。

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原作は花田陵による人気漫画、月刊モーニングtwo連載中のダークファンタジーとのこと。アニメは中野英明監督&プラチナビジョン制作=つまり「サーヴァンプ」(2016年)に続く吸血鬼モノということになりますね。「デビルズライン」も吸血鬼ものにしてはお色気が薄く、より女性客層を意識するような初恋ストーリーの側面を持つ異色作です。


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重点的に世界観を見せにくるシリーズ序盤は美術BGオンリーも多く気合が入っいて見どころ多し、お金も掛かってます。撮影もとてもいい。キャラクター作画はまあ、それなり(今はどこもそう)

#01
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痴漢から救出した女の子に自分が痴漢する01話終盤の展開すばらしい


#01
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吸血鬼ものなので、やはり真昼間よりは夜のほうが舞台の中心になります。情感たっぷりバックライトで被写体の輪郭をくっきりと浮かび上がらせる演出がわりといたるところで出てきますね。これは無料公開分をチラ読みした限り原作にはなかったアニメオリジナル演出、スタッフのアレンジセンスが光ります




#02
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#02、互いに出会ってしまったために味わう絶望的な孤独と、世界の片隅での抱擁、といったところ。

つかさという女の子は、良き友人を失っても先生に裏切られても、対外的にはいつもの愛想笑いで今まで通りの日常を過ごしていたはずです。しかし一見いつも通りであっても、事件後はバランスを崩したまま必死に踏ん張って悲しみと恐怖に耐えていたわけです。ベランダに用意されたプレゼントと施錠されない扉はつかさにとって唯一まともな世界につながる安斎に対するSOSといえる。

秋村も落合先生も、世界を憎み欲望のままに破壊しようとした。しかし安斎は野獣になる手前で自制しつかさの住む世界とその未来を守ろうとする。つまりつかさを前にして人は獣であろうとし、逆に鬼は人間的であろうとする。片桐龍之介や李ハンスもそうですね。故に鬼である彼らだけが、つかさにとって信じられる世界との接点となる。

このシーンは傑出していて美しいです。しかしここで構築される二人の関係は、何の迷いもなく、完成されていてあまりに強すぎ、この先なにが起きても壊れそうにない。この構成は果たしてラブストーリーという観点からは正しいのか、どうなのか。

大匙屋的にはいつも通り「二人の出会いがゆくゆくは世界の抱える矛盾や問題の解決につながっているか否か」が注目点となるわけですが、現時点で原作漫画が未完ということもあり今回このアニメシリーズもそこまでの結論には至らない、描けないまま終わってしまう。





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菊原/02
地味顔で狂気をむき出しにする様は魅力的ですが行動目的がはっきりせず、ラスボス級から将来安斎の味方になるオプションまであらゆる可能性が考えられるけど現時点でキャラクターは若干ぼやけたまま。
自分に起きたことは苦難であっても自分のもの、といった発言から過去にオンロ地下で安斎に半殺しにされたのかな、と思ったがどうか




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石丸
彼も興味深いキャラクターだけど、ジェイソン設定は活きておらず、CCCの全容が何も把握できない程度ならそもそも潜入捜査してたことにはならない。アジト攻略失敗&F班解散という壊滅的結果をもたらすが、杜撰な計画を立案実行した石丸は事実上、菊原の犬でしかない。この結果で彼が責任追及されないばかりか、F班員からの信頼さえ損なわないのはやはりおかしい。



#11
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屋上にて安斎「何の涙なんだ」

何でしょう。沢崎を殺さずに済んだ=コントロールに成功した。自分が鬼だからこそ仲間を救うことができた、鬼でよかった、絶え間ない自己嫌悪から初めて解放されたけど、でもこれで自分はクビになる、といった哀歓に満ちた涙かなと思いますがどうなんだろう。

シリーズ中に結構うんざりしてくるんですが、演出は彼の「泣き」を拾い過ぎです。シリーズ全体でBGMを控えめにするなど客観的な視点を作りながら「鬼の涙」にはフレーミングがとても敏感で作為的。




category: アニメ

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2018映画 若おかみは小学生!  


■映画 若おかみは小学生! https://www.waka-okami.jp/movie/
★★ほしふたつ
つけましょう。そしてネタバレはしない。
公開直後からTLで絶賛されてたんで、僕的には斜に構えた態度で見たんですけど、結局ボロ泣きしましたね。これは良い作品だと思います。でも席はガラガラだったんで、すぐ終わっちゃいそうだなあ。1800円払って劇場で見ても損はないですよ。

作画は噂通り本当にすばらしい。途中から没入しちゃったので細かくは思い出せないんですけど、僕の場合、没入のキッカケになったのは鈴鬼の箱のリボンを取るとこです。いや綺麗だったなあ。話題になってた回想シーンも確かに良かったけど、それ以外もほぼ全編にわたり至福の時間でしたよ。鯉のぼりとか花畑とか、よいシーンもてんこ盛り。


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よくこの内容を90分に収めるなあと感心しきりなんですが、終盤はやはり性急な印象が残ります。
山ちゃん親子の挿話は「この大詰めにきてそれか」という重さで、一体どうやってまとめるのかと思ったら「まあ、そうするしかないわな」的なかわし方で本質を外して終幕となったけど、あれは山ちゃん夫婦は滞在するの心底イヤだと思う。

いろいろあって「若おかみとして成長したおっこ」というのを最後に見せたかったはずだと思うけど、わりと最初から素直でよくできた子なので「この短期間で変わったな、成長したんだな」という感じはしなかった。ただこの子の置かれた痛ましい境遇と気丈なふるまい、それから周囲の人々の温かさというよりぬるさ、それによる一路順風の若おかみライフその終盤に盛り込む強烈な「毒」として山ちゃん親子の件は刺激的に機能してる。


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そういえば、あかね父の書いた雑誌記事に「名前がおっことしか書かれていない」というのが伏線だったのには驚きました。

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原作準拠だし仕方ないけど、不思議な仲間達は3人もいらなかった。まあこれは本当に仕方ない。

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頭の形が異様に綺麗でした。キャラデザインはシンプルに見えるんだけど無駄がなくて機能的に美しい。シワ作画、影作画等いわずもがな


とりあえず噂通りの快作で大匙屋もオススメです。劇場で見れたら見るといいです。


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category: アニメ

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