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大匙屋

健康第一のはずが・・・

プリコネ07 煽りパン/その他  


■プリンセスコネクト!Re:Dive 第07話 (2020) https://anime.priconne-redive.jp/

主人公覚醒後、上空から敵キャラを包囲するハツネの範囲技展開の煽りパン。
平面フレームの中に奥行きある空間を感じさせるのが優れたレイアウトのひとつの条件とするなら、180度煽りパンというのは有効な演出のひとつでしょう。カット尻のボケ味も利いてるしクッション綺麗、全体的に撮影さんがんばってる。しかし中割の絵ひどい・・・こういった情勢なので、今は仕方ないですね。

色味の美しさ、キャラクターの可愛さとツンデレと食いしん坊以外には特筆すべき点のない作品。行動動機が弱く情報の出し方も悠長すぎる。ユウキ覚醒してもたかはし智秋にまったく歯が立たずストレス溜まる。終盤に向けてもっと盛り上がりが欲しいがどうなるか


というわけで、今回は煽りパンの用例をいくつか。



■ビビッドレッド・オペレーション 第02話 (2013)
このシーンに随行する飛行機パイロットの主観視点が存在しなければ成立しない、非常にエッセンシャルなカット!カット尻のあかねのキレのあるターンがとてもいい。実にいい。
それとヘソ出し


■GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 第06話 (2015)
城外の敵を殲滅したヘリを追うカメラ、そのまま縦パンで城内で暴れるロウリィを捉えるトランジション兼用カット。ちょうどカメラが城壁を飛び越えた形となる珍しいムーブでコンテマンのセンスが光る。

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■僕のヒーローアカデミア 2期 第03話 (2017)


■アイカツフレンズ! 第13話 (2018)
ひたすらに神城カレンという人の強キャラ感を印象付ける回


■SSSS.GRIDMAN 第01話 (2018)
信号や歩道橋を飛び越えてることに後から気が付いた・・・
特撮感というか巨大感の演出にアングル的なものから撮影まで拘りぬいてる感じがとても好きでした


■劇場版 幼女戦記 (2019)
連邦首都上空、デグレチャフの小隊をピンポイント急襲するメアリースーを地上から見上げる同志ロリヤ、冗談みたいな名前だがモデルはラブレンチー・ベリヤで劇中ではモスクワにて幼女ハントの最中デグレチャフを見初め今後も執着するというところか。
このカットはデグレチャフを眺めてるものと思ってたけどビデオで確認したらメアリースーを眺めてるのだった。

メアリースーは不死身の脳筋でターニャとの死闘は素晴らしかったけど、このシリーズ今後も続けてくれるのだろうか?劇場版でこんなふうに話を進めてしまったら、TVシリーズ二期はもう難しいように思う

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category: アニメ

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永遠と自動手記人形 (2019)/藤田春香  


■ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形- (2019) http://violet-evergarden.jp/sidestory/

当初OVAシリーズとして企画され、あの忌まわしい放火事件が起きた2019年7月18日の前日に奇しくも完成したという番外編劇場版。2019年9月公開。年末までの世界累計セールス11億円ほど。時期的に事件被害者が治療中であり過度なプロモーションには動かなかったようですが主に中国で人気を博した模様。

TVアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は本編13話に加えビデオ最終巻に収録された第4.5話に相当するExtra Episodeがあるが、この劇場版「永遠と自動手記人形」は時系列的にTVシリーズ最終話から数年経った「その後」のストーリー。(尚、さらなる新作劇場版が2020年春公開予定だったがコロナ禍で延期になった。)
そしてこの劇場版「永遠と自動手記人形」では、TVシリーズでチーフ演出を任された若手の藤田春香が初めて監督を務める。

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最初に注目するのはもう二度と見ることができない渡邊美希子の美術。
それと、シネマスコープ。

京アニ演出陣の多くは余白を十分にとった極端なレイアウトをけっこうな頻度で意図的に採用するが、藤田春香の場合さらに踏み込んだ演出的スキームとして利用してくる。今回シネスコに拘ったのもそこに何らかの企図があったのは明らかだけど、正直どこまで成功してるかは見た人の判断に委ねるしかない。

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要するにこういうことだ。エスタブリッシュメントショット(最初の状況説明ショット)としてイザベラとヴァイオレットの2shotがあり、これを二名の境界線上でわざと1shotずつに分断する。各レイアウトはアンバランスになるがそれも計算の内。不安定になったカットをコミュニケーションの不調/不全/断絶といったネガティブ演出に利用する。片手を挙げたヴァイオレットのshotはマルチアングルで3つ。普通に撮ればまったく静的なシーンでしかないが、最低限の台詞と芝居、それを受けるイザベラの混乱や動揺、苛立ちといった感情のヴァイオレットとの対比は成立してるように見える。ここまでやるのは藤田春香だけで、シネスコを採用した意図もこのへんにあるような気がする。

以下参考 藤田コンテ。意図的に不安定にしたレイアウトをディスコミュニケーションに利用し、キャラクターの焦燥や言動の切実さを強調してる。

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■響け!ユーフォニアム 第08話 (2015)
修一の世間話を無視して一方的に告白する葉月

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■響け!ユーフォニアム2 (2016) 第07話
明日香の話を聞かず、いきなり殴る母親

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■ヴァイオレット・エヴァーガーデン Extra Episode (2018)
ヴァイオレットの要望に応えず手紙の内容を丸投げする顧客イルマ


その他 おなじみの付けPAN演出も健在
[過去記事] 藤田春香演出、アイラインキャプチャ http://sajiya.blog89.fc2.com/blog-entry-606.html



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↑3枚目はものすごく微かな縦PAN、じっくり見ると浮遊感があり、台詞も手伝って感覚がふわりと上向くが、そもそも見る人が気づくかどうか微妙


以下作品の内容について少し
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■ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形- (2019) http://violet-evergarden.jp/sidestory/

ドロッセル王家の紹介によりとある全寮制女学校に家庭教師として赴いたヴァイオレット。短期集中訓練により深窓の令嬢イザベラ・ヨークを数か月で社交界デビューに導いたその数年後、奇縁により幼女テイラー・バートレットが一人でライデンシャフトリヒを訪ねてくる。「郵便配達人になりたい」という希望に燃えるテイラーを温かく受け入れた郵便社だったが、彼女の縁故であるイザベラはその頃、行方不明になっていた――。

というような話でした。
ざっくり言えば、生き別れになった戦災孤児の姉妹がヴァイオレットの手伝う手紙により強い絆を取り戻すという、このシリーズらしい感動物語。いじらしい少女たちの振る舞いに心打たれ、愁嘆場では誰かがすぐ傍で玉ねぎを剥きまくって大変なことに。変に奇をてらうことなく素直に作られており新人監督のデビュー作としては充分な仕上がり。

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「なぜテイラーはこのタイミングで突然やって来たのか?大人になるまで待てなかったのか?」と家人に聞かれたが確かに作中に明確な根拠は示されていない。畢竟するに姉のことを完全に忘れてしまいそうなギリギリのタイミングだったので、無意識に、何か人生を決定づける水準のアクションを起こさねばという衝動に駆られたのではないかと思う。それが全く合理的でない発想であるほど幼女っぽくていい。

ところで作中テイラーの頭や体を誰もベタベタ触らないのが良い。昨今とある将棋アニメとか魔人族の幼子を養女にするアニメとか、大の男がやたら幼女の頭を撫でたり抱きしめたりするのが気持ち悪くてしょうがない。アレはただ大人が癒されたいだけである。幼女には一切手を触れてはいけない。「頭ぐらい撫でてやるべきではないか、可哀想ではないか」と視聴者に物足りなく思わせるくらいで本来丁度いい。僕はそれを「ガンスリンガーガール」で学んだ。


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あえて不満な点を挙げるとするなら、別れに際しエイミーの決断がやたら早いところか。回想において姉妹の楽しかった生活のみが振り返えられるせいで「二人の生活がどれほど追い詰められていたか」が伝わってこず、エイミーの即断即決が薄情に見えてしまう。

いやわかるのだ。オタクにはこれは理解できる。これはこういう「シチュ」だから。妹の幸せのためとはいえ、エイミーは心底辛かったはずである。
でもこれがわかるのは、僕らが他ならぬオタクだから。おそらくこれは、あの事件のあと「ニュースで見た京アニとは何ぞや。ジブリや新海とは違うの?本当に世界で人気なの?」と興味を持って見てくれた一般のお客さんには<一切伝わらない>。ましてや、海外などの「忖度しない」「空気読まない」ロー・コンテクスト文化圏ではまず通用しないだろう。
こういう、何処までもオタクフレンドリーな京アニ的情緒を僕らは愛するが、そこまで控えめにせんで、もう少し広い世界に出て行ってもええんやで。一般に売れてもええんやで。そんな気が僕にはしている。


category: アニメ

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リヴィールショット  


■推しが武道館いってくれたら死ぬ (2020) 第10話 絵コンテ:誌村宏明

POV⇒寄り気味の表情カット、急な外部イベント発表を見て告知の遅い運営に上気するえりぴよ。でもなぜ横向きになっている?それほどのビッグニュースなら寝てても飛び起きそうなのに・・・と思わせてから全体のカットで病床を見せる。このような流れをリヴィールショットといいます。
Pull Back Reveal といった呼び方をする人もいるようで、カメラT.Bとセットになってることが多いです。

Reveal は「暴露する」とか「明らかにする」とか、そういう意味ですね。寄りのカメラからスタートして細部を先に見せ、次にトラックバックでもポン引きでもいいんだけど全景ショットを見せて、先行カットの謎や問題を「解決する」、これがリヴィールショット。
普通に全景ショットから順を追って組み立てるカット割りより、好奇心を刺激する分だけ没入感が得られやすいですね。

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原作マンガを調べてみたら当該シーンにリヴィールショットの演出は無かったので、アニメは誌村宏明さんの独自演出ですね。誌村宏明さんのコンテはいいぞ。

実写映画「ブルース・ブラザーズ」の例を見てみましょう。


■ブルース・ブラザーズ (1980) 監督:ジョン・ランディス

ブルースブラザーズが興行師役のスティーブ・ローレンスと交渉して大会場でコンサート開催の契約を結ぶ。契約成立してブラザーズが引き上げようとした瞬間、カメラが引いてバンドメンバーも一緒にいたことが初めて知らされる。これは「お前らもそこに居たのかよ!」っていうギャグなんですけど、切り出し映像じゃわかりにくいですね。


日本で一番有名なリヴィールショットの用例はコレかもしれない↓
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■お姉ちゃんの手を取って (青木乾治) 2006年 (「さよなら、おっぱい」コアマガジン社刊収録)

巨乳女子がなぜおっぱいと呟くのか?という疑問、からの解決。女の子の虚無の表情が効いている。
それにしてもブルースブラザーズと青木乾治を同時に語れるのって素晴らしい。


■Old Spice | The Man Your Man Could Smell Like (2010) 監督:トム・クンツ
P&G社が北米で展開している男性化粧品ブランド「オールドスパイス」のキャンペーンCM
主演はイザヤ・ムスタファ

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■黒執事 (2008年) 第04話 絵コンテ:大久保富彦
コルセット落ち


■ハイキュー!!  (2014年) 24話 絵コンテ:満仲勧

日向のアタックがブロックされた直後から青葉城西・及川の影山に対する不可解な感情、いつか負けるかもしれないねという独白、何が起きたのかをカメラが引いてスローで見せて解決、この後トドメのドヤパン。視聴者に強烈な印象を残す良カット。

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■グランクレスト戦記 (2018年) 第11話 絵コンテ:徳田大貴

アウベストからの報告⇒マリーネの各アングルショットから立ち上がるマリーネ貫禄のアオリ、そこまではこの二人がどういう場所にいるかわからない。アルトゥーク優勢の戦況を変えるノルド援軍を得て一角獣城付近に大軍集結させたヴァルドリンド国王マリーネ。やはり先行するアングルショットでメリハリが非常に効いている。コンテ演出は鬼才徳田大貴。


■劇場版 ルパン三世 (1978) 監督:吉川惣司

ドアノブをひねると枠内に荒廃が広がり、切り返したロングショットですでに廃墟と化していたアジトを見せる。茫然自失の三人組。「壊されたアジト」に近づいてく退屈な芝居を全部省けたうえ、ワイプ兼ねた空疎な扉開けで虚脱状態を強調できてますよね。ここは強く印象に残ってる人多いのでは。


category: アニメ

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ガルパン最終章2話・歌のコーナーについて  

DM

(要約)
> (映画) ガルパン最終章2話は歌のコーナーが二つもあって、無駄な尺稼ぎしていると思う   
> あの時間をもっと純粋な戦闘描写に当てるべきだったのでは?
 


とのご意見

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大匙屋です。終章2話はBC自由学園戦・後半と知波単学園戦・前半で構成されており、両校それぞれに劇中歌を使用した演出があって、それがご不満に感じられたようですね。

ご承知の通り同作は第01話の公開(2017年12月)から第02話の公開(2019年6月)までに約1年半掛かっており、非常に待たされた感が強かった上に引きの展開で03話までまた当分待たされるのかという失望も手伝い愛憎入り混じる感想が生まれるのは自然なことと思います。どう感じようがまったく自由なので好きにしたらいいのです。何をどう思おうと、どうせ03話も見るでしょう。

私見ですがどうもアニメ好きの人の中には、どの作品に限らず歌やミュージカルのシーンや演出を蛇蝎のごとく嫌う人が一定数いる気がする。

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校章にカタカナのキのような文字があるのが見えるでしょうか。この紋章はロレーヌ十字というんですが、自由フランスのシンボルであると同時にドゴール主義の象徴でもあります。「フランスはいかなる外国にも決して降参しませんよ」という主張です。だからマリー様は大洗に追い詰められた最後の瞬間にもケーキ食って平然としてるんです。

たまねぎの歌が流れ出す最終盤の戦闘は、そんなマリー様が驚異的な統率力を発揮するシリーズ屈指の名場面であります。彼女が目線と扇で自軍を自在に操るさまは、この人がもっと真剣に取り組めばたとえBC自由学園でさえ容易に上位に食い込めるのだろうなと思わせる。この戦闘は第01話から直前までの戦闘と雰囲気が違うし意味も違う。だから歌が流れるのは自然であり必然なんですよ。

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知波単の「ラバさん」はキャラクターに厚みを持たせる演出と思います。勇猛果敢で情けに厚い、疾風怒濤で涙に脆いといった歌詞は硬派で禁欲的な知波単にしてどこか軟弱であります。僕らは彼女たちの戦いぶりを以前の劇場版等で見て知っている。知っているだけに、02話ではああ次は知波単かと思わせておいて期待を裏切る善戦が続きますね。

で歌のシーンではジャングルを高速移動しながら食事を取り歌を歌う。ダレ場のふりをしながら彼ら持前の高機動力を紹介しつつ、蛸壺グループではなくおおらかでアットホームな雰囲気を持ち、苦楽を分かち合う強い結束力を持った組織であるところを見せる。ここまで出てこなかった知波単の一面です。

西隊長は常に部下をいたわり、褒めて活かそうとする。「我々は勝つために変わらなければならない」と沼地で宣言する。西絹代の今戦闘でのありようは、西住みほからこれまで学びとった数多の知見が咀嚼されフィードバックされている。突撃だけでは大洗にはまず勝てない。では何を選択するのか?隊長の選択を、知波単のメンバーは共有できるのか?僕は仮にあの「ラバさん」の歌のシーンが無かった場合、沼地での西の選択を受けてのメンバーの反応がああも即座にいくものではなかったろうと思うんですよ。そして結果的に大洗は、絶好のチャンスで相手を一両も仕留められない。その事実が「本当にやるね」というセリフにつながる。

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まあ僕に言わせると、歌のコーナー?そこじゃないよと言いたい。2話のツッコミどころは「戦車なりすまし作戦」があまりにハマり過ぎなところです。あの程度のしょうもない、アホみたいな作戦で、BC自由学園側が総崩れしすぎ。そんなレベルの団結力で王者の前に立とうとするなよと言いたくなるほど拙い。
僕らはこんなつまらない展開を1年半待っていたわけではない。

これも実は脚本に問題があるわけではなく、2話公開までに時間が掛かったせいで強くなった印象です。これはまだ1回戦なので、相手が経験不足で多少脆くてもそれはそれで普通なはずなんですけどね。

category: アニメ

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ケレン味とはどんな味ですか?   

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メールへの回答

 (要約)
> よく言われる「ケレン味」とはどんな味のことですか?     
 


それは「ケレンミ」と読むやで。 味 (あじ) ではないで



> それはわかるんですが、別のサイトさんにこういう文章があって以下略   
> ググったら、辞書サイトにはったりとか誤魔化しとか書いてあって
> CGのモビルスーツ戦には手描きのような「はったりやごまかし」がない
 =つまりウソやごまかしの「味」がない、という意味でしょうか? 

> よく「ケレンミたっぷりな映画」という風に言いますが
> 「ウソやごまかしがたっぷりな映画」という意味なんですか?  
 


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https://www.indi-visual11.jp/entry/patlabor-the-movie

確かにちょっと説明が難しい。と困ってたらインテリのH氏が助けてくれた
スマートな言語化センスうらやましい




ということで、今回は 「ケレン味とは一体どういう概念か」 という話

ちなみに冒頭に揚げた内海課長の画像、拾って来た海外の字幕だとこうなってる

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■機動警察パトレイバー 第28話 (1990) /脚本:伊藤和典

" Just wait until we show the world "

「世の中に見せてやる、今に知らしめてやる」といったニュアンスになるかな、この場合。日本語版脚本にある「正しいケレン」は姿を消しているが、おそらくは訳しようがなかったものと思われる。


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辞書サイトには確かに「はったりやごまかしのこと」、「歌舞伎の奇抜な演出が語源」 的なことが書いてある。

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http://enmokudb.kabuki.ne.jp/phraseology/3330

歌舞伎用語サイトでも「宙乗り」「早変わり」などの奇をてらった演出のこと、と書いてありますね。
ただまあ、「ケレン」と「ケレンミ」は実際にラーメンと中華料理程度には違う。内海課長はそれこそ見る人がびっくりするような大事件を起こすぞと言ってるわけだけど、ケレンミとはケレンに接尾語がついた状態表現のようなもので意味するところもより幅広い。

「ケレン」によって作られる、用意される、もたらされる状態を「ケレンミ」と考えればいいのかな・・・。
それこそ歌舞伎で言う「大向こう」、つまり舞台から見て後方の安い料金の席に毎日のように通ってきては「なんとか屋!」とか叫ぶ目の肥えた常連客=大向こうを「唸らせる」つまりアニメで言うなら目の肥えたオタクが「オオッ」と感心するような、派手で見栄えのする仕掛けやアクション作画や一種の過剰な演出、それがケレンミということになるかな。ストーリー進行には関係ないし重要な意味もないけど、お客さんを喜ばせる、あったらお客が大喜びする演出。僕が記事にしてる「三回ドカン」なんかもそうでしょうね。

でも「ケレンミのあるエフェクト」とは言わないですね。エフェクトは派手なのが当たり前だからかな。

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意味が曖昧でうまく説明しづらいっていうのは、わりと適当な使い方でいい、別に誰も困らないってことなんだと思うんですよ。厳密にこうだと定義する必要もない。そんな大した語句じゃない。今はもう50過ぎたおっさんくらいしか使わない。まもなく忘れ去られてしまう言葉だと思います。定義があいまいで、使ってもちゃんと相手に通じないんだから、使う場面もないんですよね。

学生の頃、先輩とケレンミについて話していて「デュークフリードのイスが回るだろ、あれだよ」と言われたのを記憶してる。デュークフリードってわかるかな。こういうやつです。



イスが移動する途中で回ることに意味なんてないんだけど、これも良い感じのハッタリですよね。日本中の子供たちやフランス国民が「ただカッコいい!」ってコレに熱狂したんですよ。この、別に必要不可欠じゃないしリソース無駄遣いなんだけど「ただカッコいい」というのがケレンミですよ。

他には、ケレンミでよく言われるのが時代劇で見られる斬られ役の大芝居ですね。

斬られた後、思いっきりためてためて・・・ドサっと倒れる。進行には関係ないんだけど、やっぱりこれがあるせいで見栄えがする、無いとどこか味気ない演出になってしまう(かもしれない)。こういうのは西部劇やバトル物にも普通にありますよね。

画像は1966年東映「丹下左膳 飛燕居合斬り 」(五社英雄 監督) アマプラで見れますが、五社英雄の初期の時代劇作品はホントおすすめ。どの作品もさして上手くはないけどめっちゃ面白い。ケレンミ特盛大サービスです。その後同監督は上手いけど面白くない監督になっていく。

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こういう演出もまたケレンミでしょう。
他にも、いわゆる「板野サーカス」や「勇者パース」「中野昭慶フラッシュ」といった様々あるシグネチャースタイルも一種のケレンミです。
よく分からなかった方も、ここまでくればだんだんわかってきたんじゃないですか?

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ケレンミたっぷり!っていうと誉め言葉。見栄えや感動を追及したエンタメ重視作品。
ケレンミのない演出!これも誉め言葉。媚びや俗受けを排除したリアリズム重視作品。
要するに、何でもいいんだ。カッコよければ。


category: アニメ

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