FC2ブログ

大匙屋

聞かせてもらうぞこの世界の謎を

ロンデル窓(2)  

9202021003010_210360150.jpg
9202021003010_210500090.jpg
9202021003013_000320110.jpg
9202021003010_210480500.jpg
9202021003013_020340120.jpg
■アルテ (2020年) http://arte-anime.com/
ルネッサンス期のイタリアで、貴族出身の若い女性が画業で身を立てるべく職人に弟子入りし、古い伝統や偏見に抗いつつ奮闘する。フィレンツェなど工芸職人の町が舞台とあって背景でロンデル窓を目にするカットも多い。ベネチア編ではロンデル窓に夜カーテンを引くカットもある。
※初期のガラス窓の厚みが、こんなに薄くはないんじゃないか・・・という気がしないでもない

設定は物珍しくて興味深い作品だが、主人公女性のふるまいや描写が僕はどうも苦手。自分の中のミソジニー的感覚をやたら突っつかれる感じ。



9202021003006_000530380.jpg
■シュヴァリエ 〜Le Chevalier D'Eon〜 (2006年) https://www.production-ig.co.jp/works/chevalier/

#08女帝謁見前、デオン一行潜伏先のロシアの宿屋のカット。虚実ないまぜの物語だが恐らく1761年前後。後方のガラスをよく見ると波紋やポンテ痕がある。
丸枠のない、四角い格子状のフレームの窓というもの実在したらしいけど資料画像が探し出せなかった。
<後日追記:あった。こんな感じ↓>
9202021003013_100560910.jpg
9202021003013_100560916.jpg
生産体制が整った時期、大きな円盤状に伸ばしたガラスの中央部はポンテ痕や厚みもあり低品質で比較的安価だったらしく、貧乏人のガラスとさえ言われたそうな。劇中の安宿のガラスには丁度良かったものと

9202021003006_000530381.jpg

シュヴァリエは、冲方丁という作家が持てる才能の片りんを見せる壮大な歴史ファンタジーの良作。実在した美形の外交官で女装スパイでもあったとされるデオン・ド・ボーモンの遍歴が描かれる。
もうちょっと評価されていい作品



9202021003013_100560522.jpg
■アリーテ姫 (2001年) http://arete.kuroburue.com/

片渕作品ということで美設に徹底考証が為されている(ハズ)。原作は英国の女性医学者ダイアナ・コールズによるフェミニズム児童文学で、中世を舞台にした「囚われの姫」の脱出劇といったところ。城にある塔、姫が軟禁状態にある居室にロンデル窓



フェミニズム文学とは言うものの、囚われた姫がどこぞ王子様の救助等を待たず自力で活躍する冒険活劇ということ。
公開当時先駆的な作品だったかもだけど、富の偏在や所得格差が拡大し災害や病気も流行る不安定な現代において、自身の自由獲得こそ至上命題とする姫の考えは今の若年層には受け入れ難く、作中に共感できる登場人物がいない(かもしれない)。
父王も官僚も目茶苦茶だけど、民は別に困ってない、姫だけが不自由な世界だから成立する物語。


9202021003005_200220580.jpg9202021003005_200240380.jpg
■ ラ・セーヌの星 (1975年) #15

世話になったド・フォルジュ家が断絶となり、セーヌ川の中州・シテ島に戻って花屋を再開するシモーヌ。熱気球兄弟(モンゴルフィエ)やそのパトロンであるド・ロジェ侯爵が集う酒場。1783年設定。現代だとこれに近いランダムな窓枠もあるにはあるが、18世紀当時の技術ではさすがに難しく、町酒場の装飾窓としてコスト的に不釣り合いでファンタジーの範疇か。

9202021003013_100560625.jpg

こちらは現代のガラス工芸作家フランク・クロース氏(米国在住)によるもの

9202021003005_200240383.jpg

シモーヌの花屋にも同様の窓があり、やはり劇中における一種の乙女チック装飾デザインのようだ。
こっちは円形が途中でカットされたりしている。



9202021003005_190210320.jpg9202021003005_170170250.jpg9202021003005_170170381.jpg
■円卓の騎士物語 燃えろアーサー (1979年) #01

ログレス七王国の諸侯が集うアーサー(ペンドラゴン)三歳の誕生日、キャメロット城。城内には何故か壮麗なステンドグラスがある。丸いガラスはロンデルと思われるが、通常大聖堂などで見られるステンドグラスというものはほぼ11世紀くらいに出来たもので、ロンデルの製法「クラウン法」は7世紀にシリア人が発明したと語り継がれており、ともにアーサー王伝説の年代(5世紀ごろ?)と一致しない。雰囲気演出と思われる。

中世ヨーロッパ物は当時なじみが無く人気低迷したらしいけど今見ると普通に面白かったりする。リメイクしたらどうか。


9202021003005_160290410.jpg
9202021003005_160310010.jpg
9202021003005_160330060.jpg
■まんが世界昔ばなし (1976年) #36「ファウスト」

石組みの壁にロンデル窓は前述のアリーテ姫の塔の部屋に近いイメージか。ファウスト博士の居室は装いや調度品等からドラクロワが19世紀に描いた挿画などを参考にしたものと思われるが、博士の頭どう見てもニット帽
そして確認できた範囲では、これが日本アニメにロンデル窓が登場した最古の事例。

9202021003013_100560627.jpg
これがドラクロワの挿画。ちょっと見づらいが、ファウストの背後にロンデル窓が見えると思う

9202021003005_160260520.jpg9202021003005_160270250.jpg

ゲーテの「ファウスト」は、散々引用されまくるネタだけど、今や原典に当たる機会は少ないかもしれない。手塚や水木といったレジェンドにも絶大な影響を与えている有名作品です。
Gyaoで見よう https://gyao.yahoo.co.jp/store/episode/A041871071999H01

ていうかこういう「まんが世界昔ばなし」などの膨大なシリーズ、思い立った時にスグ見たいけど金を出すほどでもなかったりするし、こういう作品こそサブスクですぐ見られるようにして欲しいですヨネ。2本立てで30分番組だったのに1本ずつ金を取るなんて阿漕で馬鹿げてる。

舞台は15世紀ごろのドイツ、老境の学者ファウスト博士の望みを悪魔メフィストフェレスが叶えるという物語です。「メフィストフェレス」は青エクや悪魔くんなどでお馴染みですね。もともと暗黒魔王ダーブラみたいなルックスのメフィストにシルクハット正装させたのは水木先生なので、青エクは悪魔くんの影響下にあると言えるかも。

そしてファウスト博士が悪魔に魂を売ってでも叶えたい望みは「世界のことを何もかも全部知りたい、でも人生が足りない」
ここからの引用で暴風竜ヴェルドラの「何でも知りたがるスキル」が「ファウスト」という名前に進化したりするわけです。

9202021003013_100560700.jpg
■転生したらスライムだった件 (71話)

スポンサーサイト



category: アニメ

tb: 0   cm: 0

ロンデル窓(1)  

9202021003013_030350290.jpg
9202021003013_030350420.jpg
9202021003013_030350040.jpg
9202021003013_030350170.jpg
9202021003013_040080090.jpg

一般家庭の窓にガラスが使われ始めたのはルネッサンス期(14~16世紀)ごろと言われている。
「クラウン法」と呼ばれるこの当時の製法は、吹棹(ふきさお)で成形したガラスを再加熱し、遠心力で平らに伸ばしてカット、鉛やセラミックの窓枠に嵌めていく。初期は幅10㎝~15㎝程度のものしか作れなかった。この製法で作られたガラスをクラウンガラス、若しくはロンデルと呼び、このガラスを利用した窓をロンデル窓と呼んだりする。

※rondel=英語で円形[円盤状]の物、の意。仏語のロンド(rondeau)に由来

9202021003013_100560912.jpg
9202021003013_100560621.jpg9202021003013_100560622.jpg

ルネッサンス期以前の民家の窓はどうなっていたのかというと、吹きさらしだったらしい。だから鎧戸が発達した。治安も悪かった。
「無職転生」の異世界に正確な時代設定が明示されてるわけではないが、文明レベルの目安としては平ガラスの大量生産が端緒に付いたあたりと予測することが可能だろう。農村の一軒家でもガラスの窓が割られない程度に治安レベルがあり、布のカーテンはまだ普及していない。



■無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (2021年) https://mushokutensei.jp/

この作品のために制作会社スタジオバインドを設立したという本気っぷりが随所に輝く大作。数年に渡る継続的な展開が予想される。

大規模災害により大勢が人生を狂わされるという日本人の琴線に触れるプロット、エゴイズムや欠点をムキ出しにしてぶつかり合う泥臭い人間関係など異色の切り口が際立ち目が離せない展開が続く。丁寧な中世風描写も緻密な世界観の構築に一役買っている。

なろう系の異世界転生モノということで、基本的には「傷ついた孤独な魂」がどう癒されていくかの過程を見ていくものと思われるが、大筋ではボレアス家再興が主要ミッションとなっていくだろう。エリス嬢は最終的にロアの地に縛られるのでルディとは不縁となるだろうが、メインヒロインが誰になるのか現時点ではわからない。


category: アニメ

tb: 0   cm: 0

ガンガンJOKER 2020年9月号表紙  

9202021002026_130060418.jpg

川谷康久さんと言えば昨夏、漫画雑誌・月刊ガンガンJOKER 2020年9月号の表紙デザインが印象に残ったので書き記しておきたい。連載作品「履いてください、鷹峰さん」を前面に推したコレ賭けの表紙は同作ヒロイン鷹峰さんの顔以外を単色のテキストエレメントで埋め尽くすインパクト重視の大胆構成。

9202021002026_130060416.jpg

青い空をバックに黄色のエレメント。青と黄色は補色関係にある「補色色相配色(別名:ダイアード、コンプリメンタリー配色)」、明度差もタテに最大。フォントは筑紫Cオールド明朝。ウェイトの大きい下段の明度を心持ち上げているように見える。

9202021002026_130060414.jpg9202021002026_130060420.jpg9202021002026_130060490.jpg

雑誌や本の表紙でもポスターでも映像作品のタイトルでもなんでもそうだけど、広告デザインの事実上唯一のルールは「明度差を作る」ということに尽きる。明るい背景には暗い文字を、暗い背景には明るい文字を。明度差があるとバランスが取れ明快な配色となり、明度差がないと文字が見づらくなって観客にフラストレーションを与えてしまう。

冒頭の表紙デザインはノイズが多い割に情報量が少なく雑誌の表紙としては定石であり得ないものに見えるが、合理的な配色とウェイトのバランス、総合的な完成度に加え、要するにWEB上で小さなサムネイルとして見た場合にどれだけ人の目に留まるかという点が考慮されている。

川谷康久さんによる同様のスキームは同誌2017年10月号でも試行されているが、こちらは新連載の学園スリラー「遺書、公開」が推されている関係で爽やかさとは距離があり重苦しい印象を与えた。フォントはド定番の見出ゴMB31。

9202021002026_130060413.jpg

9202021002026_130060418.jpg9202021002026_130060413.jpg

「履いてください鷹峰さん」は「賭ケグルイ」以降数年間大きなヒットに恵まれない「月刊ガンガンJOKER」誌がいま一番育てたい<捻りがあってちょっとエッチな青春コメディ> 
雑誌らしくないデザインに「抜ける」「青い空」「太陽」「私」という爽やかな印象の文言が目に入り、よく見ると肌にかぶって「パンツ」という文字が見て取れる。青と黄色と女の体のサムネイル、何か書いてある、目を止めてよく見ると「パンツ」。見るほどに計算された戦略的デザイン。



「川谷デザイン」による「月刊ガンガンJOKER」表紙デザインは北米サイトComicVineにてまとめて見られる
https://comicvine.gamespot.com/gangan-joker/4050-70569/

9202021002026_130060412.jpg

category: アニメ

tb: 0   cm: 0

怪物事変と筑紫書体  

9192021002014_000420580.jpg

物語に新味はないが狐っ娘がやたら可愛い怪物事変のロゴデザインは原作漫画と共通、Local support Department シマダヒデアキ氏によるもの。

9192021002014_00042058.jpg
ひらがな部の筑紫書体がよく目立つ。怪物と書いて「けもの」と読ませるため、デザインにはかなり配慮したはず。単行本1巻の初版発行は2017年になっている(雑誌掲載時のロゴがリニューアルされた)。

9192021002014_00042059.jpg



思えば2010年代のコミック・雑誌の装丁は川谷康久というデザイナーを中心に周っていたと言っても過言ではないと思う。川谷氏が明朝の可能性を大きく拡張し、すべてが彼の手柄ではないにせよ結果として筑紫書体も脚光を浴びた。
細明朝使いやレイヤードの文字組など後続のデザイナー達にも川谷氏の大きな影響がみられる


筑紫Bオールド明朝
9192021002014_000420591.jpg9192021002014_000420594.jpg9784065170540_w.jpg
團夢見/imagejack

9192021002014_000420592.jpg9192021002014_000420615.jpg
土橋聖子/ハイヴ

9192021002014_000420595b.jpg9192021002014_000420596.jpg

殊に筑紫Bオールド明朝は、ここ2~3年で急に広幅化が進み、巷間に目新しさのないフォントになってきた。素人目にそうなので、デザイナー職の方にとっては如実にそうだろう。すでに成人漫画方面のデザインにも多数。

202101271611716410107002.jpg202101271611716410107000.jpg202101271611716410107004.jpg
202101271611716410107005.jpg202101271611716410107006.jpg
202101271611716410107007.jpg

情感をそそる曲線美、それと微妙な読みにくさ?がフックとなって記憶に残りやすい利点があったと思う。おそらく今年以降はこの傾向にも変化が見られるはず。


ちなみに以下は「筑紫Cオールド明朝」 ぱっと見では違いはよくわからないかもしれない?
9192021002024_000360520.jpg9192021002024_000360523.jpg
9192021002024_000360524.jpg9192021002024_000360525.jpg
サムネイルを見ながら探してみただけなのでデザイナー表記などはいずれ追記
昨今は各ウェブサイトで試し読みなどできて大変便利で有難いが、どうせならカバー折り返しや奥付も見られるとイイナア


そして以下が「筑紫Aオールド明朝」 シンプルだが僕が一番好きなのがこれ
9192021003018_140090299.jpg9192021002024_000360526.jpg9192021003018_140090300.jpg
9192021002024_000360528.jpg9192021002024_000360529.jpg9192021002024_000360530.jpg
9192021002024_000360531.jpg9192021002024_000360532.jpg9192021002024_000360533b.jpg

ベタ組みや均等アキで映える筑紫Aオールド明朝のハイライトは「と」の完璧さにある。この書体の「と」は不純物の混じらない氷塊のような美しさだ。この書体を用いたデザインでタイトルに「と」が含まれていれば僕は必ず手に取る。担当したデザイナーの無類の喜びに共鳴するからだと思う。うれしい、美しい。美しいとはこういうことを言うのだろう。貴方にもきっとわかるはず。

9192021002024_000360540.jpg

9192021002024_000360534.jpg
9192021002024_000360535.jpg
9172021001023_220240120.jpg


そして以下が最近見かけるようになった「筑紫Bヴィンテージ明朝」 
ダイナミックな勢いと独特のアンバランスさが新鮮、ゆえに今後増えていく気がする
9192021002024_000360546.jpg
9192021002024_000360547.jpg9192021002027_000360549b.jpg
9192021002027_000360549c.jpg202101271611716410107003.jpg9192021003018_140090291.jpg
9192021003018_140090295.jpg9192021003018_140090293.jpg9192021003018_140090297.jpg
9192021003018_140090298.jpg9192021003018_140090306.jpg9192021003018_140090308.jpg


category: アニメ

tb: 0   cm: 0

空の青さを知る人よ (2019年)  


■空の青さを知る人よ (2019年)
監督 長井龍雪
脚本 岡田麿里
原作 超平和バスターズ

キャッチコピーは「これは、せつなくてふしぎな、二度目の初恋の物語」

田舎町で暮らす高三・相生あおい。13年前に両親が他界、当時高三の姉あかねは恋人・慎之介との上京を断念し地元に就職、幼い妹を一人で育て上げた。自分のために多くのことを諦めた姉に対し、妹あおいは負い目を強く感じている。
そんな折、町興し音楽祭に招かれた大物演歌歌手のバックミュージシャンとして、音信不通になっていた慎之介が帰郷。それとほぼ同時に、まだあかねと別れる前の高校生の慎之介が、13年前の過去から時を超えてあおいの前に現れた…。

というような話でした。例の劇場用アニメ・秩父ファンタジー三部作の三本目。
これもリクエスト案件です。filmarksのレビューでよく飛行シーンが叩かれてる、とのことなので、どれどれ…と見てきました。


9172021001023_220240121.png
9172021001023_220240122.png



なるほど。

映画レビューサイト、ことにフィルマークスはそうですが、年若い(と思しき)方々のエモーショナルな論評が多数あって僕はあまり利用しません。お若い方々が映画やアニメを見て自由に語らうのは大賛成ですけども。

くだんの「空の青さを知る人よ」には2500件ほどのレビューがついてて(凄いな)、体感で10数件に1件くらいの割合で飛行シーンへの言及があるようでした。中には肯定意見も少数あるものの、大多数は違和感の表明のようです。映画.comやYahoo映画などでもおおむね似たような状況ですね。

面白いです。例えば「千と千尋」「天気の子」などにも主役カップルの飛行シーンがありますが叩かれることはないですよね。「トトロ」のクライマックスの猫バス疾走に「やりすぎ」だの「飛ばなくていい」だのコメントする人は皆無でしょう。なのに「空の青さを知る人よ」のシーンは叩かれる。不思議です。「ソレは違うだろう」と多くの人に思わせる、何か明確なルール違反が作中にあるってことでしょうね。

9172021001023_220220560.jpg
9172021001023_220230100.jpg
9172021001023_220240120.jpg
(予告編からの画像)

PVでもう二人は飛んでますから、あらかじめ彼らが飛ぶのはわかってて、それでも見た人が飛ぶべきじゃなかったと表明せずににいられないほどの違和感を感じてるわけです。「最後にライブシーンが無いのが残念」という意見も多かったので、盛り上がるはずのシーンが予測と違ってたのかもしれない。(最後のライブってつまり新渡戸団吉の演歌コンサートですよね。そんなの見たいかな?)

しんの(生霊?)がお堂から出られない、ということが序盤・中盤の厳格なルールとしてあって、あのファンタジー現象がお堂内部というあくまで限定区画だけのもので、他はすべてリアルな現実だと思って見ていたから、終盤での急なルール破棄に戸惑ったということかな。しんのが飛んで行って、あかねは早期に助かったけど、作中で登場人物たちが抱え込んでいた問題の解決にあの飛行が実効性を持っていたのか、物語的に必然だったのか判然としない・・・といったところでしょうか?

9172021001023_220240123.png

この作品が「結局何を伝えたいのか」
これはつまり、監督スタッフが描きたかったと思われる最重要シーンはドコ?と考えるとわかりやすいです。別に難しい話ではない。多くの場合、それは「この映画にしか無いシーン」が該当しますね。「空の青さを知る人よ」の場合は「俺vs俺」のシーンでしょう

9172021001023_220220230.jpg
(予告編からの画像)

この作品で一番特殊で一番異常なのはココです。幽霊だのタイムリープだのという話はよくあるが、過去と現在の自分が直接対面するというシーンはなかなか無い。普通ならパラドックスだ何だといって回避されるんです。

自分と対面してどうするの?互いに何を語るの?このシーンなくして解決しない、自分の深刻な問題とはどういったもの?そしてこの対面によって大人慎之介が何を感じ、どう考え、どういう結論を出すのか。それがこの映画が一番伝えたいキモの部分であるはずです。
このシーンを描くために、この映画はあるんですよ。飛行シーンなど刺身のツマです。

9172021001023_220240320.jpg

音信不通だった初恋相手との再会、大人への成長、家族愛と友情など、古典的な物語を抑制的に描く「空の青さを知る人よ」
軽妙なコメディとメランコリックなムード、クライマックスは大掛かりなファンタジーで紡がれる115分。登場人物たちが人生において夢に破れ、予定された道を外れても人は幸せを探せるということを学ばなければならない、そんな物語を立場の違いを交えながら見せてくれる、驚きや目新しさはないが美しい作品です。


あとギターに関する面白いレビューがあったんで一部転載、映画.comから
9172021001023_220240130.png
https://eiga.com/movie/90981/review/02185399/

僕は、作中であおいと大人慎之介の和解シーンが最終的に省かれたのが減点ポイントです。

category: アニメ

tb: 0   cm: 0