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健康第一

すすめ、カロリーナ。ホイップカット  


■すすめ、カロリーナ。 http://www.otsuka.co.jp/cmt/calo-lina/

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ホイップ・パン (Whip Pan)
ホイップとは鞭 (ムチ)のことです。ムチを打つようにカメラを高速で振って、不鮮明でぼやけた像を拾って時間や距離の経過を表現するのがホイップパン。以前、スウィッシュパンというのを紹介しましたが、同じものですね。
このホイップパンをつなぎに使用した場面遷移(トランジション)のカットを「ホイップカット」と呼んだりします。

演出テクニックとしてとくべつ新しいものではありません。例えば有名なのは↓のモンローの映画


■お熱いのがお好き (1959) ビリー・ワイルダー監督

非常にめまぐるしく、また情熱的でもあり映画を見ている人を緩急で飽きさせない演出ですよね。
他にはわりと最近・・・でもないですが2007年のエドガー・ライト監督「ホットファズ」の冒頭を見てみましょう


■ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン! (2007) OP

サイモン・ペグ扮するエリート警察官の優秀さをスピーディに紹介する冒頭シークエンス
ホイップパンやリヴィルフレームにバットを振るようなSEが入ってるのがいいですね。
この小気味よいテンポの演出は映画やCMなどでかなりパクられているのでわりとよく見かけると思いますよ



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「すすめ、カロリーナ」に話を戻しますが先日発表された本編これ良くできてるなあと思いました。
ポーランドから来日して女流棋士になったカロリーナ・ステチェンスカさんを主役にしたショートアニメ。監督は同じくポーランド人のマテウシュ・ウルバノヴィチさん、この方はコミックスウェーブフィルム所属なのかな。新海さんのお弟子さんで本職は美監さん


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上の飛行機のホイップカットから連続するドリーショットですが、これもちょっと面白いです。
ドリー横移動するカメラがフォローしてる人物が途中からZ軸にはけていく、これ映画ではデプスドリー(depth dolly)と言ったりするんですが行き交う人並みとフォーカスする人物のコントラストで奥行感を作るっていうテクニック、あまり日本人のコンテマンはこういう演出をしない。コンテはマテウシュ監督が切ってると思いますが外国出身の方ならではの感性かもしれない。本編、マッチの使い方もすごくいい


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category: アニメ

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2018冬アニメ グランクレスト戦記  

■グランクレスト戦記  http://grancrest-anime.jp/

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ヴィラール・コンスタンスとは一体何だったのか、何がしたかったのか、という疑問をずっと抱えながら見てきたんですけど、第20話「三勢力会戦」にてそれがほぼ理解できた感じです。第20話のお話自体はヴィラールとはほぼ無関係なんですけど。


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そもそもヴィラールは自分の美学優先だけど結果として皇帝になるならなってもいい、というスタンスだった。(#05)

#08
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しかし第08話「会議は踊る」 連合の会議の席上にてアレクシス王子に連合盟主に推挙されるとこれを辞退。
「私の負けだ」という不可解な言葉を残す。

連合はアレクシス王子の意向に沿う対話路線を継続し、ヴィラールもシルーカの助言を排してアレクシスへの忠義を貫く。
ここは物語の潮目のひとつで、このヴィラールの転向がミルザー・クーチェスの裏切りを招き、マリーネ・クライシェは股を開き、連合は一転して窮地に立たされる。ヴィラールはマルグレットを道連れに壮絶な最期を遂げ、視聴者は眼福の田中宏紀作画を得てけっきょくアルトゥークは滅びた。

要するにヴィラールが盟主になってりゃ連合は戦争に勝ってたわけです。
だからヴィラールは一体何をしたかったのかという話になる。

#20
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その、ヴィラールの目的が明らかになるのが20話「三勢力会戦」
#11にて本人の口から語られたヴィラールと母親との確執が、そのままマリーネ姫の真実に重なる。
ヴィラールは、幼少時に母親が自分を遠ざけたのは母の愛だったと後になって気づいた、その経験から女性とはそういうものなのだという理解があって、マリーネがアレクシスを遠ざけた理由も同じだと推知していたものと思われる。

08話の時点、あの連合の会議上で盟主を拝命すれば強硬路線によって同盟に勝つことはできた。しかし戦争に勝利しても魔法士協会は滅びないし、愛し合う二人・マリーネとアレクシスが結ばれる未来も訪れない。そんな未来はヴィラールの美学にまったく反しているわけです。これが「私の負けだ」という言葉の意味でしょうね。


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愛し合う二人は結ばれるべき、と口では言いながらシルーカをテオから取り上げようとしたりマルグレットを定年を理由に解雇したりと自分では何一つ体現してこなかったヴィラールだったが、最後に信念を貫く。
たとえ周囲に迷惑であろうと、国が滅びようとも、愛し合う二人が手を放しちゃいけない。そこに愛も希望もない、ただ正しいだけの世界を目指してはいけない。それがヴィラールの、アレクシス(というより世界全体)に対するメッセージであり、すべてを失ってもシルーカを手放さなかったテオからヴィラールが学び取った、新しい世界を作るための真実でもある。

「グランクレスト戦記」は脚本演出の面で拙速というか雑さが目立つんですけど、このヴィラールのあり方・滅び方は美しいなと思いました。物語の中で、目先に捉われず周囲に媚びず、ずっと先を見通している人というのはやっぱり記憶にも残ります。

残念ながら#09のシルーカにはそこまで先が見えてなくて、確実に戦争に勝つための進言を一方的に袖にされ配置まで変えられて落ち込むわけだけれど、20話を経たこの経験は彼女の大きな糧となったはずです。
戦争に決着がついてあとは魔法士協会を倒すだけなんで、実質この20話がクライマックスでしょう。



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おそらくですが#04においてアウベスト・メレテスがシルーカの同盟入りを拒絶するのもそれなりに見通しがあってのことでしょう。
アウベストはシルーカが仲間になると同盟が勝ち過ぎてしまう、あるいはマリーネ姫を止める勢力がいなくなってしまうと考えたのはないか。それは長い目で見ればマリーネの結婚にもシルーカの未来にも繋がらない。つまりアウベストはヴィラールの予測と同じように世界の行く末を見ている人、と言えるかもしれない。
多分アウベストとアイシェラの関係については最終話までに何らかのフォローがあるはずです。

#17
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クロ―ヴィス王。新時代への恐怖を口にする。この人はある意味でミルザーの代弁者だった。
若輩テオに対するミルザーの謎のこだわり、執着、畏怖といった部分がクローヴィス王の独白によって補完されている。この作品はこういうスキームをわりとあちこちで使ってくる。

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ヲタ恋OPタット  






TikTokを意識したアスペクト比に平易でありつつわりと本格的なハンドスタイル/コラボレーションタット。ソロ回しのダンス作画はよくあるけどこういうカップルによるダンスはあんまり見たことがなく新鮮です。
OP監督はヤマデロイドの堀内隆さん、振り付けは「義井翔太」とクレジットされてますが義井翔大さんのことでしょうね。三浦大知さんのダンス・ブレーンですね。
これロトスコには見えないけど、ビデオを見ながら描いたのかな。作画良いですね。ヒットだウエーブだみたいな筋肉質な踊りじゃなくて、素人っぽく作ってあるところが上手い。タットわりと世界レベルのダンサーや振付師が日本にはたくさんいるんで、アニメへの導入ももっと増えてほしいな。見栄えもいいですしね。


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■ヲタクに恋は難しい (2018)  http://wotakoi-anime.com/

可愛くて楽しい作品だと思うけど、衣装が毎回同じなのが萎える。まあデザインにもお金掛かるし、仕方ないんでしょうけど。




category: アニメ

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歩く金正恩  

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茶番劇のような会談自体はどうでもいいんだけど、金の体型や歩きは絵的に面白いなあと思って見てました。
全身を揺すって歩くような姿は、中肉中背の文在と並んでると体重移動・手足の開き方などで違いが際立つ。
ズボンの生地が太い足にまとわりつく感じも最高です。

そうデブはとても絵になる。
それにしては、デブキャラって少ないですよね。



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Family Guy (2007) Season 5 Episode 16: "No Chris Left Behind"

デブの歩きで世界的に有名なのがこれ。エミー賞まで取った


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プリパラ (2017) #129「み〜んなにチャンス!?リベンジライブ!」

デブキャラはたまに見るけど体型を個性として活かす作品は少ない。その点チャン子はいいですね。

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2017秋アニメ 3月のライオン 第2シリーズ  


■3月のライオン 第2シリーズ http://3lion-anime.com/

高校生プロ棋士・桐山零(キリヤマレイ)は不幸な生い立ちから孤独に苦しみ自分の居場所を渇望していたが、地元三月町に住む川本家三姉妹との交流や高校の担任教師林田と設立した将棋部の活動、さらに先輩プロ棋士島田主催の研究会参加などを通じて少しずつ心境が変化しつつあった。そんな折、川本家次女ひなたの通う中学校のクラスで深刻ないじめ問題が発生する。

というような話でした。新房昭之監督/制作シャフト。


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この作品のユニークなところを挙げるとするなら、主人公が天才少年棋士でありながら対局を通じて成功や自己実現したり問題解決していくような物語ではないところでしょうか。
主人公桐山は将棋以外にこれといった取り柄がないのですが、義姉をたぶらかす後藤を対局でぎゃふんといわせようとしては直前で島田に足を掬われ挫折し、いじめに苦しむひなたと川本家を助けるべく対局料を稼ごうとして空回りするなど、天才棋士なのに将棋で何かしようとすると大抵失敗する。将棋はコミュニケーションツールとして描かれるのみで、桐山が対局によって何かを獲得したり成長したりすることはない。

第2シリーズの大半がひなたの抱えるいじめ問題の経過と解決に費やされるわけですが、この問題を解決するのは学年主任の男性教師・国分(立木文彦)であって桐山ではない。この問題に将棋は直接関係がなく、主人公も役に立っておらず、何のために用意されたエピソードなのかがわかりづらい面があります。実際のところいじめ問題の解決によって救われるのはひなたではなく桐山のほうであるという見方すら可能です。


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この作品で一貫して語られるテーマは、「人は常にほかの誰かによって支えられている」ということですかね。
いじめ問題を相談する過程で桐山と林田先生との関係が強化され、これが将科部設立につながり、部活動を通じて桐山の表情が明るくなると、それを見たひなたが不安だった進学を決意する。そのひなたの勉強の面倒を桐山が見ることになり、彼女を心配させないため普段の対局が丁寧になり、桐山の棋力がアップすると。一見して関わりのなさそうな中学校のいじめ問題が棋士に成長をもたらしている。
誰かを支えたい、または失望させたくない、という強い動機があって、必要に迫られて精神に筋肉がついていく。これは桐山に限らず、どのキャラクターの描かれ方にも共通していますね。


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桐山以外の登場人物の挿話ても、ほとんどの場合「その人を支える別の人」がセットで描かれる。


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高木母子の場合。高木母は身勝手な感情を外に吐き出すことで自他のバランスを維持してる、普段その悪意は主に娘が受け止めているのは容易に想像がつく。そのため娘は膨大なストレスのはけ口を求め外部に強く依存していた。ネガティブな感情によって支え合う不幸なケース、これは幸田家のあり方に近いもので、川本家とは対極にある親子関係です。
高木は終始捻くれた態度だが、国分先生がもう構ってくれなくなると急に不安そうな顔を見せたりする。彼女は母親との関係において自分が担当している「感情の受け止め役」を自分でも必要としてるわけです。


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一応の問題解決の後も、国分が高木を見捨てたりしないのは良いですね。母性的な地に足の着いた作劇。いかにも女性作家という感じ。高木なんか死ねばいいとみんな思ってるんだけど、国分先生だけは最後まで彼女を何とかしようとする。この先生の姿には、むしろ視聴者のほうが救われますね。
僕はちょっと文豪ストレイドッグスでの泉鏡花を最後まで見捨てない中島を思い出したりしたんですが、考えてみればあの作品は男性作家によるものだったかな。




#10
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これは撮影さん頑張ってる。照明が氷で乱反射して液体の濃淡が変わるっていう発想





#04
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これが玉川真吾さんかぁー。超上手いですね。全体からはちょっと浮いてる気もするけど。
タイミング変則的で面白い。物量から見て2原は撒いているでしょうけど

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#04はわりと作画祭り回。最近注目の杉田柊(ニューゲームOP)、藤井俊郎(18ifの03話)。守岡さんに阿部さんもいる。
阿部厳一朗さんは、何というかすぐ↓わかりますね。

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category: アニメ

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