大匙屋

健康第一

2017冬アニメ BanG Dream! バンドリ  


■BanG Dream! バンドリ http://bang-dream.com/
★ほしひとつ

「キラキラ、ドキドキ」を求めて高校入学した戸山香澄(カスミ)は星のステッカーの導きから有咲(アリサ)と出会い、ガールズバンドの聖地・ライブハウス「スペース」にてバンドサウンドを体験しその魅力に取りつかれる。あの輝くようなステージに自分も立ちたい、そう思い立った香澄の情熱が周囲を巻き込んでいく。

というような話でした。
ブシロード企画メディアミックスということで出演声優もフェザーズの2人を主演に同社系列の響プロ多数、先輩バンドなど丸々ミルキィホームズであったり、話題のサーバルちゃん尾崎由香が妹役だったりとお抱え色が強い一方で小山マミさんや久々の岡本茉利さんが老け役登場で感涙を誘う。そもそも愛美さんがギター弾けるよという話から発展した企画らしく、メインバンド「ポピパ」は各声優がそもまま担当楽器の演奏も手がけるという点を大きな売りとしてるらしい。そんでドラムの子とか普通に巧い。


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お家芸の大量宣伝に相反して木谷社長が苦戦を打ち明けるなど大きな話題にはならなかった感のある本作ですが実際のところどうだったのかというと大匙屋的には良作でしたよ。すばらしい出来だと思いました。ストーリーも練れているし作画もレイアウトも概ね悪くない。CGはかなりよくできてる。美術はちょっとアレなとこもあるけど気になるほどではない。劇伴も望外に良い。いったい何がいけなかったのだろう。お色気の不足か、あるいは#03のキラキラ星で客離れを起こしたのだろうか?僕はアレについてはグダグダで不体裁ながらそれでも必要だと思ったけど、アレに寛容でいられるのはオッサンだからなのかなぁ。

#08
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唯一気になった点を挙げるなら沙綾陥落の過程がわかりづらいところでしょうか。
スタービートの歌詞に込められた香澄の思いの丈が沙綾を突き動かした、というのが基本的な解釈で合っているはずだけど、沙綾自身が何故自分の考えに固執していたのか、それがどのタイミングで氷解したのか、もう少しシンプルに表現されてもよかったかなと思う。

りみは#03キラキラ星に触発された、おたえは#05のお手本テイク中に香澄が急に合わせてきた瞬間アンサンブルの悦びに触れて陥落した、いずれも音楽的な共鳴であって台詞メインではない、それでも「ああ、これは落ちるわ。無理もない」というのがよくわかる。一方で沙綾のケースにはそういう、楽器や音楽、曲、歌詞を通じた説得力がいささか足りない。
#09以降家事から解放される沙綾を見るにつけ、これまでの葛藤は何だったのかという思いが募ります。

ところで上の左の絵などに顕著だけど、全体的に女の子の体型よく描けてますね。下半身のバランスがいい。



・有咲

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誰もが愛さずにはいられない、完璧なキャラクターであります。さばけた性格で合理主義、気風の良さで全方向への突っ込み役を一手に担いつつ、人付き合いには不慣れでしおらしい一面も持ち合わせる。各メンバーへの呼び方が、さん付けから名前呼び捨てに代わり、最終的にてめえ呼ばわりになるまで丁寧に段階的描き分けが為され微笑ましいの一語に尽きる。

#01
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学校ではキャラを作って取り澄ましている様子がある。これが原因で、香澄の制服に気づいた直後に言葉遣いが変わり、守勢に回って香澄のペースに巻き込まれる。パーフェクトな段取りです。


30万のギターをぽんとくれてやり、代わりに飯友という契約で友達を縛り安心を得ようとする。全力で張り巡らした虚勢の裏で不安に怯える毎日から一歩でも抜け出したい、今の生活を変えたいと足掻いているのが有咲という少女です。バンドリという作品は、冴えない日々にくすぶっていた連中が香澄を介して普通を獲得していく物語でもある。

#12
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オーディションに向かう車内で各自集中力を高める中、一人楽譜を確認する。有咲は今まで勝てる勝負をして勝ってきた人であり、オーディションは彼女にとって人生初の負けるかもしれない勝負です。それだけに、徹底的に分析して苦手を潰し、準備を万全にしてきているはず。


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にも関わらず、自分が失敗してしまった。その絶望の深さはいかほどか。師である鰐部の「本気でやらないと達成感ない」という言葉通り、有咲はとっくに本気だったわけです。香澄に引っ張り込まれたバンド活動だったけれど、かつてここまで有咲の心を揺さぶる出来事は彼女の人生のどこにも存在しなかった。
で、この姿は#09で号泣してたロゼリアさんのパートに重なると

#09
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ロゼリア側がなぜ泣いてるのか、この時の有咲にはわかってない。ライブは滞りなくいったように見えた。客も満足して帰った。しかしロゼリアは何らかの失敗を悔いていて、オーナーはそれを理解して慰撫している。
事情を聞いたところで、なんだ泣くほどのことかと、有咲は思ったはず。#11までに、大きな変化が有咲の中に起こったことになる。


・りみ
#12
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一番気弱なりみが、一番強気で泣かなそうな有咲をすくい上げるのはちょっとした驚き。失敗に囚われて萎縮するような演奏はしなかった、だから胸を張れと。意味的には#09でロゼリアを慰撫したオーナーと同じことをりみが言う。オーナーが都度連呼する「やりきった」という言葉は視聴者にはおしなべて空々しく響くが、実際にやりきった側の人たちには胸に迫るものがあるのだと思う。
少なくとも#04のようにかつてのりみは失意の有咲に意見を述べるほど積極的な性格ではなかった。すべてを賭けた数分間を経験し、彼女自身も何かを得て変わった。逆に考えよう。この時の有咲を絶望から救うため、このギャップを表現するために、控えめで慎ましいりみはいたのだ。

・BBA
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老人特有の中性的な輪郭に穏やかさと厳格さを併せ持ち、常に若者に成長を促すオーナーの存在が作品の重要なスパイスになっています。小山茉美の抑制的でどこか傲慢な少女性のある声質が、異色のキャラクターを作り上げているように見えますね。杖は賢者・聖人の目印であり知恵者の象徴であります。



・オタエ
#04
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#04家庭科教室のやり取りは印象的でした。アングルショットが効果的ながら、こんなにカットを切り替える必要があるのかとも思います。優れたレイアウト、微妙に会話が噛み合わない二人の雰囲気と相まって、オタエ理解が進み親密度が急上昇。
カット割りにはさまざまな根拠と効能があると思いますが、このシーンでは繰り返されるカット割りのせいで時間の流れる速度が曖昧になり、作業も忘れてギター談義に没頭するギターバカの二人があっという間に仲良くなっていく様子が強調されますね。


余談ですがランダムスターほどではないけどESPのスナッパーもそれなり値の張るギターのはず、これをお小遣いとライブハウスのバイト程度で普通の高校生が買えるはずがないと思いますわ。りみのバイパー、有咲のDS61は一式8~10万くらいか。なんだかんだで皆さん良家の子女なんでしょうけど、せっかくJKなんだしもっと身の丈に合った楽器でいいんじゃないかな~と思うのは野暮か。まあタイアップとかいろいろ都合もあるんでしょうけど。


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なんか可愛い


急速に醒めていくオタエ引きout 窓の外多層レイヤー美しい



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各所に暗示的に配置される信号機が印象深いです




・CG
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CGは団地ともおのチームだそうです。20人掛かりらしく予算的にも多用はできない感じですが非常に良く出来てると思いました。ラブライブ的なカメラ目線中心のPV風でなくちゃんとキャラが客席を見ている目線が誠実で良いと思います。まあちょっと無理やり褒めてますけど。沙綾可愛いです。




・沙綾
#02
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有咲を追って隣の教室に入っていった香澄の様子をうかがう沙綾はナツキの存在に気づいて戸口に隠れてるんですね。グリグリのライブに誘われてスルーした気まずさのせいか、いずれにしても細かく伏線を張ってあった


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category: アニメ

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2017冬アニメ 政宗くんのリベンジ  


■政宗くんのリベンジ http://masamune-tv.com/

肥満児でいじめられっ子だった政宗は、8年掛けたシェイプアップで見事イケメンへと生まれ変わり、地元へ帰ってきた。かつて自分を「豚足」と罵り振った幼馴染の令嬢・愛姫(あき)の在籍する高校に転入を果たした政宗は、彼女を自分に惚れさせてから「最高の形で捨てる」という「デッドオアラブ作戦」を決行する。

というような話でした。
物語は大変面白かったのですが、佳境に入った終盤の話がまとまっておらず、中途半端なシリーズになってしまいました。まあ一迅社系作品のアニメなんで、例にもれずこういうものだと思うしかありません。


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主人公の動機が明瞭で新鮮であり、そこは評価できるポイントです。女に振られたから復讐、というのは自分には無い発想ですが、いい感じにひねくれていて独自的です。面白いプロットを思いついたものです。
イケメンになって振られた相手を見返したい、という物語なら普通です。振られた相手を恋に落として手酷く振りたいというその狂気の執着心、あきらめたり身を引いて自己満足に浸らない、肥大しきった自我の行方が興味を引く。

あくまでこれはコメディであるし、最終的にヒロインを地獄に叩き落とすような復讐は達成されずハッピーエンドに向かうであろうことは視聴者の誰もが承知していると思う。
主人公は恋愛に仮託(=見せかけ)した復讐をしてるつもりだけど、お客さんは復讐劇に仮託した恋愛劇を見ているわけです。

このシステムなら、主人公がどれほど低劣で屈折した人間であろうと視聴者はとりあえず応援する。主人公が首尾よくヒロインと結ばれた、その先に出される結論を見たいわけだから。ゆえに僕らは、未成熟な若者たちの葛藤と迷走に集中して話を追っていける。



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ヒロインのギャップは食事時なので、空腹が満たされたときにもっと幸せそうな顔を見せる必要があると思う。それを見てヨシノの苦労がいっとき報われる。このヒロインは無表情あるいは苛立ちの表情ばかり見せるため、難物イメージが先行し損をしている。
制作スタッフはこのヒロインに少々冷淡じゃないですかね。






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そこもか、と思うほど背景の紫色が多用気味で目立つんですが、主人公とヒロインの両方とも青系の髪色なので使える色が限られてしまう関係なんでしょうね。ほかにも合理的な理由があるのかわかりませんが、原作漫画では二人とも黒髪設定のようなので苦肉の色彩設計なのかも


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ことに主人公の髪色はノーマルで見かけることは少ないです、緑色に寄せているシーンのほうが多く見える。シーンごとに照明や光源に応じた色変えは丁寧にやってる感じ


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このあたりの紫はすごく綺麗ですよね




藤宮寧子

#06
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3コマ芝居が似合うおっとり挙動、真ん中キャップ開け2コマ


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高スペック設定のヒロインに対して当て馬役である寧子には欠点らしい欠点が与えにくく、わりと難しい立ち位置ですがうまく作ってあると思います。途中出場ながらシリーズを通してかなりヒロインを食っている。#09は美しかったです
A-1Pictures的なデザインですね。タレ目のせいか


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ピン送り/風ブレ 儚い。




ラブストーリーはやっぱりいいですね。恋をしていると、誰もが正常な判断をしない。論理的じゃない、無理のある行動もラブストーリーの文脈なら許される。「振られたからって、相手に復讐とか無いわ」と思う人もいるだろうけど、どんな行動選択もあり得るんですよ。正気じゃないのがラブストーリーなんだから。

政宗君の場合は、どんなに努力しても自分など愛されるに値しない、愛されるはずがないという自己否定が復讐心の正体なのかもしれない。身につまされます。

category: アニメ

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2017冬アニメ ハンドシェイカー  

とりあえず配色の話から。


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日常、研究室。緑と紫。光源に近い方に緑を置いて紫をカゲ色として使用(逆になってるところもある。)
同じ色調=トーンで統一(ドミナントトーン)

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※ちな背景に飾ってある絵は劇伴に使用されてる「GOON TRAX (グーン・トラックス)」レーベルの各ジャケ写だそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=F8kKLGO8_Cw
音楽はあちこちで高評価を聞きますね。こういうジャンル何ていうんだ。ニューエイジ?


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バトルフィールド 敵味方を問わず青・紫ベース、コントラスト重視、ナチュラルハーモニー



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回想シーケンスはオレンジ、セピア系を使用これも基本的。


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昼間の外風景、植栽など緑は緑として表現される。日常慣れ親しんでいる色彩調和から大きく逸脱できないためか、緑を手掛かりに配色していってる感じですかね。研究室で紫をカゲに使用するのも、単に補色で対照性がきわだつからという理由でいいんだろうか?
なんかもっと具体的な意図がある気がするんですが、思いつかない。どういう発想でこの色彩が組み立てられていったのか。


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■K RETURN OF KINGS (2015)

「K」では各クランの色をそのまま勢力関係として表現していた。これはわかりやすかった。

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■ステップ・アップ2 ザ・ストリート (2008)

ちなみにこれが「K」のカラーリング元ネタと思われる映画ステップ・アップ2


「ハンドシェイカー」もこの延長線にありつつ、ペイルトーンやグレイッシュトーンといった淡い色調でまとめていてやはりどこか違う。「K」に比べてさらにきめ細かく配色してあるように見える。
そもそもなんで「光源に緑色」なんだろう?と

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■ブリューゲル「バベルの塔」(1563年)

でまあ無理やり考えたんですけど、「バベルの啓示」やら「ジグラート」やら「ニムロデ」が重要キーワードなんで、このへんもアリかな。聖書ネタを散りばめていながら、美術設定の段階でこの絵を意識しないとは考えにくい。なのでハンドシェイカーの緑色はここから来てるんじゃないかなと思う。まあ全然違うかもしれないですけど。

ところでこの絵の左下にいるのが神に反逆したバビロニアのニムロデ王です。


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ゴーハンズのカラーグレーディングって独自の作風を際立たせる効果があるのは勿論だけど、ぶっちゃけると仕上と特効の省力化が最大のメリットだと思いますわ。キャラクターは目と髪を除きハイライトとカゲのフラットな塗り、プロップやCG美術等も色味によって馴染ませてるようだし、作画は終盤には息切れしていた。闇雲に動きまくるのでさすがに無理もない。今回も撮影さんはめっちゃ頑張ってた。

僕は撮影領域や色彩ばかり見てました。退屈しなかったなあ。物語のほうはまあ、いろいろと惜しい。





■ハンドシェイカー http://project-hs.net/

「つないだ手を離せば死ぬ。負ければ死ぬ」――悪夢のような宿命を背負う少女・コヨリ。期せずして彼女のパートナーに選ばれた高校生タヅナは、啓示を受けて「ハンドシェイカー」となり、異空間ジグラートでの、敗北を許されない戦闘にその身を投じていく。コヨリの手を握ったまま、コヨリを護るため、彼女に呪いを掛けた「神」に反逆するために。

というような話でした。


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物語はバトルがメイン、問題解決もすべてバトル、01~08話まですべての内容は09話のためにある。そんな構成です。なのでバトルが魅力的であってほしいのですが、まあ名物のカメラワークは素晴らしく見ごたえがあるものの、もうちょっとバトル自体が内容的に面白ければ成功しただろうにという感じです。

視聴者が見たいのはタヅナと覚醒したコヨリのペアがいかに圧倒的かという部分では? 09話の内容をもう少し前倒して、二人がそれまでとはレベルの違う戦いを見せるエピソードが必要だったと思う。
そういえばOPには出ていたのに本編には出てこなかったペアがいましたね。何だったんだあれ。


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追い込まれてからの大逆転とか、痛恨ミスで自滅とか、山場や局面の変化といった緩急がないし、アイデアもない。そもそも立ちはだかる敵が手強くない。ワーワーボコボコで淡々としている。

「K」の、とりわけ杉田芳忠戦などでも思ったことですが、演出家としての鈴木信吾さんはアクションには興味あるけどバトル自体にはあまり興味がない方なんじゃないですかね。もしくは、戦いがもたらす感動みたいなものを一切信用してない、根っから日常ドラマの人なのかもしれない。勝った方がなぜ勝てたのか、敗者にどんな落ち度があったのか、見ていても全然わからないことが多い。これは演出家の本質の部分によるところなんじゃないか。

「ハンドシェイカー」に関しては金澤洪充さんのカラーが色濃く出てるはずですが、おそらくGoHandsはみんなで知恵を出し合って、物語を練りに練っているはずです。練った結果として昨今の視聴者に受けなそうなストレス要素が徹底排除され、妙に毒気の薄いものが出来上がってしまったように見える。ストレスはたまらないけど、カタルシスも弱い。

GoHandsはバトル物やらずにプリラバみたいなものをもっとやるべきだと思う次第ですよ。
ちょっと流れを変えたほうがいい。余計なお世話ですけど。





#02
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category: アニメ

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2017冬アニメ けものフレンズ  

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■けものフレンズ http://kemono-friends.jp/


いやー終わりましたね。僕はツイッター界隈みたいにそこまで絶賛するほどじゃない、と正直思いましたが、最後まで楽しく拝見しました。こういう今までと毛並みの違うものが受けたというのが今回妙にうれしかったです。


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これも時折回ってきてた噂話だけど、こういう話にこの作品の置かれた文脈が滲み出てる。
スタッフ少ないとか、低予算とか、ゲームが失敗してアニメも期待薄だったとか、そこからの逆転ホームランだったとか。そういった話は本来、作品自体の評価とは直接無関係なんだけど、作品が「愛される理由」にはなっている。

「けもフレ」はこの「愛される理由」に恵まれた作品だった。上記の他にも、つたなくて気をもむ水準のローポリゴンだったり、平面的なレイアウトのじれったさであったり、主演の子が棒読みの新人声優であったり、やたらお絵描きに向いてそうな特徴的キャラデザインであったり。子供の一人歩きやアイドル育成企画的な、見てる方が浮足立つような、口さがない連中にはきっと攻撃されるだろうから自分は応援してやりたいとさえ思わせる、ついついこぞって欠点には目を瞑り良いトコ探しをしてしまう、そこに奸計のない偶発的なバズる仕掛けがうまく機能してた気がする。
要するにSNS全盛時代の要求に理想的な形で適合した事例だったんじゃないかな。





#12
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サーバルやかばんちゃんが無事だったのは何故か、かばんちゃんが髪の毛にならなかった理由は何かといった話を某所でしたんですが、結論は「よくわかってないことが多いから」になりました。

サンドスター関連の現象はわからないことが多い、サンドスターも一種類ではないという話であるし、セルリアンに喰われたフレンズのその後も複数ケース、記憶消去だったり動物化であったり必ずしも一定しないということで、サーバルやかばんちゃんが大事にならなかったのも個別にそういうケースだったんだという話に。そんなんでいいのかという気もしなくもないですが、もともとゆるい話ですしね。みんなハッピーなんだからそれでも良いのではないでしょうか。




#10
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・10話でサーバルが泣いた理由
これは投げましたね。野中サーバルの行方に関連してるはずですが。もったいなかったね。


#11
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・11話でカチコチに硬かった黒セルリアンの体内にかばんちゃんが水のように飛び込めた理由
投げましたね。まあ、おかげでサーバルが助かったから、いいんじゃないでしょうか。


#04
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・「過去の異変」関連
これも当事者が不在ということで、現在のステージではやはり何もわからない。何かと注目を浴びた「不穏」というキーワードをもたらす重要な要素だったので、これ関連の詳細まで12話以内にきっちり仕込めたなら、この作品は名を残す傑作たりえたかもしれないとは思う。11話までを彩った不穏要素やSFマインドは12話では霧消していた。





#12
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ああ最後は「忖度」なんだと思った(昨今流行りの)。この期に及んでさえ、一緒に来てくれとサーバルに言えないものなのかなと。
そもそもヒトとわかった時点でかばんちゃんの旅の目的は果たされた、海の向こうを見に行きたい動機が少し弱い。でも人間はそういうものであってほしいよね。常に新しい何かを探しに行く存在でありたい。
野中サーバル関連との絡みで、サーバルのほうにもかばんちゃんと一緒に旅をする目的を与えてやればよかったのかもしれない。


かばんちゃんは自分のせいでサーバルが危険な目にあったことに強い負い目を感じていたわけですね。そしてサーバルは、そのせいでかばんちゃんが一緒に来てとは絶対に言わないだろうと踏んでいたから、ひと芝居打ったうえで勝手について行くという選択をした、という風に見える。#01のラストを踏まえているので。

二人は出会ったこと自体が奇跡であるべきなんですよ。だから別れのシーンで二人の関係がバランスを崩したように見え、コレで良いのかと思ったりしたんだけど、よく考えたらこれで良かった。11話の自己犠牲を美化しがちな誤解も、12話の結末のひねりによって回避されている。あのやり方ではたどり着けない、どんな苦楽も分かち合える関係を二人が構築するのはこれから、ということなんでしょう。
これもこの世界に残されたひとつの希望ですね。「冒険の旅は続くよ」っていう。


category: アニメ

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けものフレンズ#09 謎のカット割  

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(1)雪道でバスがスタック
(2)ボスがしばしの思考
(3)ボス「ちょっと待ってね」と言い残し、付近のロッカーへ向かう
(4)バスのタイヤにクローラーが装着されている
(5)発車

このカット割りで、通じるから驚きます。こんなのアリなのかと思います。
唐突に出現するロッカーが何なのかも説明がないし、クローラを装着してる表現も何もない。余計な説明どころか、必要なはずの説明も一切ないのに、何が起きているのかは大よそでわかる。4コマ漫画のコマ割りをそのままアニメにしたようなシンプルさです。
前振りの芝居を受けるための芝居が省略されていて、その一方でリズム(*)が生まれている。

(*)ボスの思考のカットと、跳ねてロッカーに近づいていくカットが同じ秒数。クローラーが装着されたカット(縦パン)と、車体が動き出すカット(横SL)が同じ秒数など



これと類似ケースが02話に。こっちは芝居を起こす部分が省略されて、トランジションに合わせて音声だけが流れ、それを受ける芝居のカットだけで進行する。省エネコンテと言えばそれまでだけど、この作品独特のリズムはここにも見られる気がする。

#02
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ここでも、音声のみのカットの秒数と、芝居のカットの秒数はそれぞれ同じ長さに揃えられている。




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■けものフレンズ http://kemono-friends.jp/


category: アニメ

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