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大匙屋

聞かせてもらうぞこの世界の謎を

BIRDIE WING 04 エレベータ  


■BIRDIE WING -Golf Girls' Story- (2022年) #04

カトリーヌの地下ゴルフ場に向かう二人。下降するエレベータキャブ、壁面を取り囲む装飾(ロートアイアン)とシャフトの照明が作り出す影。デザインも演出も凝っていて、ゴージャスで綺麗です。




光源の移動に合わせてカゲの形状も歪ませて変化させているし、濃淡も逐次変えてある。
2Dワークスの仕事なのか、撮影さんの領域なのか。どっちにしても、ここまでやってるのは凄い。


ちなみに従来だとこんな感じが一般的

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■殺戮の天使 (2018年) OP
アンティークエレベータにありがちな格子状のゲートやフェンス、カゲはあっても平面的に貼り付けられ流れていく表現が大半
(でもこのOPの場合は少し変、常に一定の光源下で延々カゲが流れていく = 手前には固定されたフェンスが無いことになる)



BIRDIE WINGをのぞく最近見た中でよく出来ているのがこれ

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■ファントムパレード (2022年) OP

これもよく出来てますね。作画によるカゲですね。上昇するエレベータで手前人物に当たる光は下に流れていき、奥の壁に当たる光は上に流れるっていう。構造的光源。



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category: アニメ

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シン・ウルトラマンを見てきました。  



・話は子供でも理解できると思う。シンエヴァの経験からなのか、わかりやすく作った感じはした。(思ってること全部台詞で説明する等)
・序盤のテロップは必死に喰らいつこうとしても速過ぎて目で追えない。こんな形で没入を強いられるとは思ってもみなかった。力技もいいところ。シンゴジラのセルフパロディだと思う。
・オマージュ多数。原作のメフィラス回とか見ると楽しめるかもしれない。(別にあとから見ても構わない。)
・メフィラス回の解釈/再構築は本当に感心したというか、まあ、さすがというか。
・諸々原作通り。ウルトラマンはゴジラよりもユルい原作なのでこの映画もユルいと感じる。この先に公開されるシン仮面ライダーはさらにユルいものになるだろう。

・ヒロイン(長沢まさみ)はデキル女として登場するが情緒的な人物で無益、進行の阻害しかしない
・ヒロインの性格は要するに葛城ミサト。つまりあれこそ庵野ファムファタルということか。

・多くの登場人物(地球人)が表情やしぐさに喜怒哀楽を持ち人間性豊かに振る舞うことで、にべもない宇宙人との差異を際立たせている。

・長澤まさみのセクハラ描写もいろいろ言われるだろうが、あれも宇宙人にない、人間だけがやる欠点として描かれてるのかもしれない。彼女の役柄はそもそも脇甘く横柄で短所の多い人物であり、そのため公安を左遷され禍特対(カトクタイ)出向になったのも理に適っている。ああいう野面皮な性格設定でないと、短い尺の間で神永との関係を作れないだろう。(→アニメ脚本的発想かも)

・ただ長澤の熱演とは裏腹に、あのヒロインは映画を見てる人の誰にも刺さらないんじゃないか・・・?

・山本耕史が良かった。正直言うとあの父ちゃん坊やな俳優が「良い」と思ったのは今回初めて。彼は悪役が案外似合う。
・多分これ山本耕史主演でスピンオフ作れるレベルのハマリ役
・メフィラス戦の若干物足りない幕切れも原作通り

・ゼットンのCGがちょっとチープ。もっと頑張れたのでは?
・基本何もできない人類、最後になんとか知恵を出すという展開は悪くなかった。
・あのカトク隊の丸顔の小太り君がエリート物理学者キャラとは思ってなかったので少し驚いた。
・世界ゼットン対策会議は絵的にもっと上手く、話が盛り上がるように表現できたのでは?

・全体的にアニメを実写で撮ったような作り方、オタクには受けるだろうが一般人まで広く巻き込んで大ヒットはしないだろう。
・要所でチープ。
・それでも僕は楽しかった。本当に楽しくて、あんまり楽しくて、冷静に見てられなかった。世代的に仕方ない。チープな絵面の場面さえ愛おしかった。

・実相寺オマージュ多数
・忘れそうになるけど、あれは庵野作品ではなく、あくまで樋口作品。

・EDクレジットに増尾昭一さんの名前があったような気がする。サンクスか何かかもしれない。


category: 雑感

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ギリガンカット実例集  

前回の記事の続きです。より深く味わっていただくための用例を、いくつか。

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■寄宿学校のジュリエット (2018年) 第02話 絵コンテ/演出:高田美里

提案を受諾するペルシア。ツンデレとギリガンカットの相性は抜群であります。
「寄宿学校のジュリエット」はヒロイン可愛くカップルも初々しくて良い作品です。ただ人目を忍ぶ関係は主役の二人だけでは話を転がしにくく、半ば必然的に周囲を巻き込み野暮を強いる繰り返しに食傷させられるのが難点でしょう。

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■ソ・ラ・ノ・ヲ・ト (2010年) 第02話 絵コンテ:神戸守/演出:田中孝行

展開に期待感を持たせる効果が高く、人物紹介を兼ねた序盤エピソードの導入に打ってつけです。
この数カットだけでも、彼らの関係や人柄がよくわかる。

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■Kanon (2006年) 第02話 絵コンテ/演出:石立太一

ここもそうですね。強く引き付けておいて、ここから各話の舞台となる校内のポイントを次々に見せていく。よどみなく流れるような演出。

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■劇場版 幼女戦記 (2019年)

これも序盤。緩急のある編集。南の砂漠地帯から帰還と思いきや一転して北方への転戦、「どうしてこうなった」の台詞。関心を集め、盤石のつかみ・直後にタイトルイン。

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■この素晴らしい世界に祝福を!2 (2017年) 第07話 絵コンテ:小岩井礼文/演出:鈴木孝聡 吉田俊司

キレがあるといえばこれも。シリーズ終盤の温泉ツアー導入。幌馬車の席をめぐるジャンケン対決。自明の前振り、御者カットアウェイ、からの、意表を突くタイミングで鮮やかなスマッシュカット。絵コンテ:小岩井礼文という方は筆名と思われるがその後も誰だかわからない。



■丹下左膳餘話 百萬兩の壺 1935年(昭和10年) 監督:山中貞雄

「ギリガンカット」は60年代のアメリカ製ドラマがまるで先駆けのように前回書いたけど、実はさらに時代を遡ること87年、日本映画のレジェンド山中貞雄も「百萬両の壺」で使い倒しています。(*1)戦前の映画で使われていたのと同じ技法が、90年近く経った令和の時代の最新アニメでも使われ続けてると考えると、いかにこれが究極の鉄板であるか分かろうというもの。

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「百萬両の壺」は今でも日本映画ベストテンなどの企画で上位に挙げる人の多い不朽の名作なので、未見の方は是非一度ご覧になってください。レンタルやサブスクなどでも見られます。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08KGTN18W/ref=atv_dp_share_cu_r



(*1)これに関して「逆手の話術」といった専門用語があるようなのですが、山中貞雄評以外ではほぼ目にしません。

※この記事内の画像の字幕は、前回の画像を参考に筆者がARIB字幕っぽくでっちあげたものです。画像加工サイトがこちら

category: アニメ

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