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大匙屋

健康第一のはずが・・・

おちゃのじかんにきたとら 再放送  

4月2日(木)
Eテレのサブチャンネルで再放送されるようです。録画予約等される方は設定にご注意ください
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category: アニメ

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おちゃのじかんにきたとら (2019年)  



名作絵本「おちゃのじかんにきたとら」を英国の代表的2Dアニメスタジオ「ループスフィルムズ (Lupus Films)」が23分の短編アニメ化、2019年のクリスマスに合わせ地上波放送されたものが、去る3月20日、日本の教育テレビでも(二ヶ国語版)放送された。

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原作は英国の絵本作家ジュディス・カーが1968年に発表して以来50年にわたり世界中で支持される不朽の名作。日本版は1994年初版だから26年前。世代を越え愛され続ける作品なので、アニメも原作イメージを極力壊さないよう配慮した作りになっている。

アニメーションの背景がほぼ真っ白なのは絵本の挿絵に準拠しているため。
ロビン・ショー監督は「原作はシンプルな作品で、制作者は物語的にも視覚的にも、そこにないもので空間を埋め尽くしたい誘惑に駆られてしまいます。ですが、私はそうはしたくなかったのです」と語る。
https://www.metro.news/tv-to-go-start-your-christmas-telly-by-taking-tea-with-a-starry-voiced-tiger/1840253/


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ミニマルな空間にキャラクターの動きや仕草が映える。最初の見どころは体の小さいソフィーの動きの可愛さ。椅子から降りるだけでも複数動作が必要だったり、コートを着ようとして無意識に体が回る、ウェリーズに足が引っ掛かる時のゴムの質感・・・
正直言うとママの動作は今イチなところが多い。しかし視聴者の目はソフィーに釘付け故に問題なし。



この、レモンがこの形状この固さで複数ぶつかり合ってこう転がる総合的な「レモン感」の強さときたら。
カメラワークわりと多用される印象。必然性より見た目の楽しさやダイナミックさを優先する感じ

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パパ役がシャーロックやDrストレンジのカンバーバッチ。娘ソフィー役が新人子役クララ・ロスである他有名俳優が声の出演を務めるが日本人に馴染みのある名前は少ない。ナレーション担当のデヴィッド・ウォリアムスは大変多才な方だけど、日本じゃ無名か・・・アニメーション分野に本格的に進出したいと公言されているので、今後目にする機会があるかもしれない。
↑の絵だと、夫婦のこの髪色から金髪娘が生まれていいのかと思わなくもない





背景・レイアウトは3DCGを使ってるように見えますね。
「ぬるぬる動く」等の感想を見かけましたが2コマ作画だからでしょう。

トラの全身の筋肉の動きが連動してシマ模様に伝わる作画の見事さを見て欲しい。

このトラのシマ模様やソフィーの市松タイツは全部手描きだそうです。これが大変すぎて制作時間が掛かり、80人を越える作画人員を確保し、人海戦術でクリスマスに間に合わせたらしい。制作期間はおよそ2年。30分アニメでこのクオリティその投資、簡単にはリクープできない気がするがどうか。
日本版DVDは例によって出ないでしょうが、Eテレ放送版も力を入れて有名声優を集めているし、ほどなくウェブ配信各社には来るでしょう。見た目にも製作費が掛かっている、売る側もそれなりに必死なはずです。

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トラがお茶の時間にやってきてお菓子も食料も全部食べてしまうという、実際ただそれだけのシンプルな物語。伝統的な物語作法に則った筋書きも何もない。それだけに、トラが傍若無人すぎて不快、と思う人もいるかもしれない。ていうか、大人はそう思うはず。

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でもこのトラの振る舞いに大抵の子供は大喜びするし、誰よりもソフィーが大喜び。
子供はこういうヘンな奴や狂気に満ちた存在が大好きです。貴方もそうだったはず。グチャグチャと大きな音を立てて物を食べたり、ノドやお腹がゴロゴロと鳴り響いたりゲップをしたり、そこらじゅうに食べ散らかし、デカくてパワフルで生命力に溢れ気ままで自由奔放、それが子供にとって楽しくて仕方ないのです。
公園に行きたかったのに雨に降られて意気消沈していたソフィーがあまりに目をキラキラ輝かせるので、「そうかこれでいいんだ、正しいんだ」と思えてしまう。不思議な魅力湛える作品です。



中盤のスイングナンバーを元テイクザットのロビー・ウイリアムズが歌う。
Today won't come around again という歌詞は、作中トラの再訪がないことに掛かっていると思う。子供の頃の一度きりの強烈な体験というのが誰しもあるとして、そこから学びや教訓を得るというより、それは通り抜けるものである。「一体何だったんだあれは。今も意味が分からない」と思うような経験はきっと人生を豊かにしてくれる。僕らがシンパシーを感じるのは、この作品のそういう部分ではないかなと。

category: アニメ

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アナザー・デイ・オブ・ライフ (2018年)  

DM

 
> 先々週(3/5)話題になった片渕監督のインタビュー記事どう思いましたか?     

 


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注:やらおんさんのページからSSしてパクリ。いやーシンプルにうまくまとまっている。お見事。リンクはしない。

朝日の記事全文はこちら↓
日本アニメは世界の潮流から外れている 片渕須直監督が本気で心配する、その将来
https://globe.asahi.com/article/13185352



大匙屋です。記事の内容については、特になんとも思わないです!強いて言えばいろいろと非常においしい記事だなと直感的に思いました!

朝日新聞のインタビュアーの方がアニメジャンルや業界事情に明るくない方で、煽るような内容に纏められたらしいという話は伺いました。
まあ朝日らしい話ですが、そんな裏話も、わりとどうでもいいのです。僕的なポイントはここ↓



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ご承知の通り、片渕須直という人はオタクオブオタク。そのオタク片渕監督がインタビューの中でわざわざ挙げている幾つかのタイトルがあります。問題のインタビュー記事が出てからすでに二週間経つわけですが、やらおんで噴き上がってコメントしてる600余人の方々は、このタイトル1本でも見たんでしょうか?
時間はあったはず。しかも今コロナ禍でヒマだよね。見てない?なんで見ないの。見ないと何もわからないでしょう。

あの片渕須直が勧めるんですから、名前の挙がってるいくつかの作品は本当に見る価値があって、実際面白いんです。見ましょうよ。日本語版がない?自分で訳そうよ。そんなに難しくないですし、僕はいつも自分で訳してますよ。待ってたって日本語版なんかどうせ出ないもん。どんなに良い作品だっても、日本じゃ非主流派過ぎて売れるわけないんだよこんなの!(ダーン) 片渕須直は「戦場でワルツを」みたいな駄作は勧めないですよ。やっぱり「アナザーデイオブライフ」なんですよ。去年のTAAFのグランプリですよ。誰も知らないって一体どういうことよ。
しかもこれは、新聞記者がニュースを捻じ曲げちゃって苦悩する物語なんですよ。皮肉なことに。


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■Another Day of Life (2018) https://anotherdayoflifefilm.com/

ついにこの作品を紹介できるチャンスが巡って来た――
まずは、どうでもよさそうだけど一応の周辺情報から


 長編グランプリの『アナザー デイ オブ ライフ』は、1970年代に激烈を極めたアンゴラ内戦の初期に現地に赴いたポーランド人のジャーナリストの自伝をベースにラウル・デ・ラ・フエンテとダミアン・ネノウのふたりの監督が映像化した。アニメーションだけでなく、実写、インタビュー、写真などを取り交ぜることで、当時の様子をビビッドに伝える。

アニメーションの祭典TAAF2019 長編グランプリに「アナザー デイ オブ ライフ」
http://animationbusiness.info/archives/7371



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アニメブログでアンゴラを説明できるなんて美味しい・・・
中高の社会科で習うかもしれんけど、遠い国過ぎて印象に残らないし、何も知らないと親しみも感じないですよね!?

アンゴラは、1975年まで数百年間にわたりポルトガルの植民地でした。植民地戦争時代は宗主国ポルトガルと現地人勢力が争い、冷戦構造下で米ソ中キューバなどが参入し代理戦争化、ポルトガルが撤退して独立達成直後からわりと最近の2002年まで、数十年にわたり延々と泥沼のような内戦状態が続きました。
もともと原油やダイヤモンドなど埋蔵資源が大変豊富で、現在急速に経済発展を遂げています。

地図だとアンゴラ南に「ナミビア」という国がありますが、この国は以前は南西アフリカと呼ばれていて、独立したのは1990年代。アンゴラ内戦当時は隣国の南アフリカが占領していました。北部に隣接するコンゴ民主共和国は、以前はザイールと呼ばれてましたね。東にあるザンビアは昔はローデシアという名前で、前回の東京オリンピックの開催期間中(1964年)にザンビアに変わりました。


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僕らの世代だと、平野仁さんの「サハラ」という漫画があったんで、これがアンゴラを知るキッカケになってたんです。ああ~サハラを紹介できる機会があるなんて夢にも思わなかったよ!アンゴラ独立戦争を舞台に女性だけの傭兵集団が活躍する戦場もの。小池一夫原作らしく「キャラクターは立ってる」けど「やっぱり話はメチャクチャ。」そもそもアンゴラにサハラ砂漠はないし。小池一夫原作らしく女性キャラの脱ぎっぷりがよいのですが平野仁さんの絵柄だとオッパイがポンポン出てきても全然嬉しくない。
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まあでも、不思議と愛着のわく作品であります。昭和時代、大抵あぶさんとかゴルゴ13といっしょに床屋の本棚に置いてありました。ぼんやりした小学生がざっくり世界情勢を把握するのによい作品だった。冷戦時なので僕も当時は何となく気分で西側陣営を支持してた気がしますが、今これを読むとやはり印象が変わります。
マンガ図書館Zで無料で読めます。
https://www.mangaz.com/book/detail/191311

■William Onyeabor - Better Change Your Mind (1978)


これも紹介できる日が来た・・・デヴィッドバーン主宰のワールドミュージックレーベルLuaka Bopが2013年に突然世界に紹介したナイジェリア・ファンク謎だらけの巨人ウィリアム・オニェイバー、オニェアボル、オニーバー、表記ゆれ諸説ありその人。70~80年代に本国ナイジェリアで活躍したあとキリスト教改宗を契機に表舞台から姿を消したという。2017年没。大陸の資源に群がる大国を非難した70年代当時の現地大ヒット曲「Better Change Your Mind」が「Another Day of Life」に劇中歌として引用されています。もっとも、同曲のリリースは1978年らしいので厳密には作品舞台と年代が合わないんですけどね。でもこの曲このアーティストに出会う機会は、ほとんどの人にとって「Another Day of Life」しかないんじゃないかな。

シンセファンクのパイオニアWilliam Onyeaborが死去 2017.01.19 TEXT BY: Satomi Namba
http://www.clubberia.com/en/news/6298-William-Onyeabor/


■予告編 アナザーデイ・オブ・ライフ


ポーランド通信社の海外特派員リカルドはスクープ狙いが身上のギラついたプロフェッショナルであった。ポルトガルが権利放棄し独立の蠢動著しいアンゴラに渡った彼は、独立運動組織MPLAの英雄ファルシコ将軍に興味を持つ。ファルシコに接触するため、危険地帯である南方戦線行きを試みるリカルド。その過程で同業のアンゴラ人記者アルトゥルやカメラマンのアルベルト、そしてMPLAの女戦士カルロータと交流し、やがてリカルドは自分自身に課せられた本当の「使命」に気づいていく。

というような物語でした。
片渕監督の言う通り、確かにこういうプロットは日本ではなかなか見られないですね。あーでも、高橋良輔監督の「FLAG」(2006年)とか、岸さんの「勇午 〜交渉人〜」(2004年)とかが雰囲気近いか。でもまあ、メジャーな作品ではなかなか見られないのは確かかも。
日本にもこういう原作が他に無いことはないと思うんで、やっぱり企画力に差があるんでしょうかね。

監督の一人で企画者でもあるスペイン人映画監督ラウル・デ・ラ・フエンテはもともと実写畑の人で、手描き風シェーディングで有名なポーランドのアニメスタジオ・プラティシ(Platige)に協力依頼したところ、そこの監督ダミアン・ネノウさんが共同監督として参加することになった感じ。シュールな舞台装置崩壊シーン多用するので実写よりアニメのほうが良いと思った、とフエンテ監督は述べておられる。

そのシュールな舞台崩壊シーケンスは、ぶっちゃけどれもありふれた感じでつまらん・・・
それよりも日常シーンの描写や、ローキー&露出アンダーで実写ならNGになるような極端なカットで見られる拡散反射系の陰影の美しさは、ためいきが出るレベルで素晴らしい。

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まああれだ。キューバという国に対するネガティブな見方があるなら、この作品で変わると思いますよ。
アレ?カストロって人わりとまともじゃん?ていうかアメリカってわりと無茶苦茶じゃん?みたいな事実はアンゴラ周辺を知っていくとどんどんはっきりクッキリ見えてくるんです。


■すごい勢いでフラグを立てまくる女ゲリラ


■エンディング曲 Um Gestu Teu/Mikel Salas


綺麗ないい曲ですね。詳細調べてるけど、いまだ何もわからない。


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